概要
恐怖映画初のカラー作品。
ジョルジュ・ランジュランの『蠅』を原作とする。
他の作品でパロディやオマージュのネタにされている。
続編が2作、リメイク版とその続編が1作づつ存在する(後述)。
邦題を見ると「蠅男という怪物が人を襲う」内容のように見えるが、襲わない。
雰囲気はミステリー調のSF映画に近い。
あらすじ
深夜、フランソワ・ドランブルの元に一本の電話が入る。
彼の弟の妻であるエレーヌが「夫を殺した」という。フランソワは半信半疑で電話を切るが、彼の経営する会社の工場では彼の弟アンドレが上半身を潰された奇妙な死体で発見された。
フランソワは友人であるシャラス警部に捜査を依頼するが、現場から逃げていくエレーヌが目撃されていた事と彼女の「殺した」という証言からエレーヌの容疑は断定的なものであった。
しかしその一方でエレーヌは事件の動機や詳細を一切口にする事はなく、妙に虫を気にする素振りをする、弟夫妻の息子フィリップが奇妙な証言をするなど、腑に落ちない事が多過ぎる。
フランソワは事件の真相を探る事にするが…。
原作との相違点
原作:ジョルジュ・ランジュラン『蠅』
ストーリーの大筋は原作と同じだが大きな相違点は以下の通り。
- 原作では舞台がイギリスのロンドンになっているが、本作ではカナダ・ケベックのモントリオールになっている。
- 登場人物の名前が異なる。
- 原作では裁判が行われるが本作では行われない。
- 原作ではアンが入院するがアンに相当するエレーヌはしない。
- エンディングが異なる。
登場人物
フランソワ・ドランブル
本作の主人公。モントリオールで電子工業会社を経営している。独身。
実は密かにエレーヌに想いを寄せており、弟殺害の容疑をかけられる。
エレーヌ
フランソワの義妹。
夫を殺したと証言するが真相は全く語らない。夫が死んでから虫をやたらと気にし、ハエが叩き落されるのを見て悲鳴を上げるなど奇行が目立つ。
「夫を亡くしたショックでおかしくなってしまったのでは」と言う人もいるが…。
フィリップ
アンドレ、エレーヌ夫妻の一人息子。
エレーヌの捜査が終わるまでフランソワ宅に預けられることになる。
シャラス警部
フランソワの友人で今回の事件の担当者。
エレーヌの奇行を演技ではないかと疑っている。
アンドレ・ドランブル
フランソワの弟。上半身をプレス機に押し潰された姿で発見される。
フランソワ曰く「一種の天才で何を考えているのかわからない」。
家族と仕事を愛する科学者で、ここしばらく研究室にこもりきりだったらしい。
関連作品
続編
リメイク