概要
2005年に開催された愛知万博(愛・地球博)の会場アクセスと鉄道空白地帯の愛知県長久手市(当時は長久手町)に鉄道を通すため建設された。当該区間に60‰の急勾配があることと、車両の先進性のため、かつては日本航空が開発し、名古屋鉄道がそれを引き継いだ常電導吸引型(HSST、英: High Speed Surface Transport)磁気浮上式鉄道が採用された。
当初は、車両の運行ダイヤや駅の通路が他の路線との乗換えを考慮していないことや、沿線にある大学や高校と駅の距離が遠いといった理由により万博閉幕後は当初の予想を大きく下回り(予想:31,000人/日→実際:12,000人/日)、毎年赤字続きとなっていた。
しかし、2009年からは営業努力が実を結び黒字に転じ、また自治体を交えた町興しイベントの開催・出展等にも力を入れている。沿線には今後、大型ショッピングモールのイオンや、北欧デザイン家具店のイケアの進出、駅周辺の宅地開発事業等も決まっており、平成40年頃には利用者が25,000人/日となる想定である。また、2016年度を目処に交通系ICカードの導入も計画されている(導入には国からの補助が得られる)。
車両
100形電車
常電導吸引型磁気浮上式のリニアモーターカーであり、近年の地下鉄に採用例のある鉄輪式リニアモーターカーと同じくリニア誘導モーターによる走行。何らかの原因で浮上できないときに備え走行部分には車輪代わりとなるローラーが装備されている。
制動時はリニアモーターによる回生ブレーキ及び逆相ブレーキ(※)と油圧でレールをはさむブレーキの併用、非常ブレーキは油圧によるブレーキのみを使用する。
基本はATOによる無人運転であるが一部区間においては乗務員が乗車する。また、普段は蓋が閉められ施錠されているが、右手ワンハンドル式の主幹制御機を採用した運転台もある。
営業最高速度は約100km/h、最大加速度は4.0km/h/sを誇る。特に加速度については全速度域において発揮出来るので25秒で100km/hに到達する。(高加速で有名なジェットカーより凄い)
※・・・進行方向と逆の方向に磁界を移動させるブレーキ。要は前進中に後進させようと力をかけるしくみ。
余談
- 車両性能について万博閉幕後も考えた設計となっていた為、万博開幕時に最大積載重量を超過(※)して浮上不能になったというトラブルが発生し、マスコミの餌食にされたことがある。
- 『リニモたん』という公式キャラクターが設定されている。(所謂、萌えキャラ)
※・・・稀に「定員を超過して浮上不能になった」と記されているが、これは正しくない。