あらすじ
のび太がお小遣いを貯めて買ったばかりのラジコンのモーターボートがスネ夫のラジコンの大和によって沈められた。弁償するとは言うものの、まるで謝意の無いスネ夫に対し、ドラえもんは仕返しにスモールライトで小さくなってのび太とともに大和をシージャックする。大和を盗られたとスネ夫は大和の作者である従兄弟のスネ吉に連絡するとスネ吉は「大和を沈めよう」と持ちかけ、ラジコンの零戦部隊を用意し、火薬入りの魚雷で応戦をする。
悠々とのび太とドラえもんの操縦で進む戦艦大和だったが、そこへスネ夫とスネ吉の零戦の雷撃部隊が来襲。
公園の池を舞台にラジコン大海戦の幕が切って落とされる。
概要
てんとう虫コミックス版ドラえもん第14巻に収録されている「ラジコン大海戦」を原作とし、大山のぶ代版アニメドラえもん第64話にて映像化され、声優交代後のドラえもんではその年の年末スペシャルにてリメイクされた。
ラジコンに乗り込んで戦うというストーリーは大長編「のび太の宇宙小戦争」にも見られる様に、ドラえもんにおいてよく出てくる「あんなこといいな、できたらいいな」の具現化の例の一つだが、他のラジコン物が存在する中でも本作は特にテンポの良い展開やラジコンとはいえ戦艦大和に対し零戦部隊が雷撃を仕掛けるという展開、それらがあるためか一部では「神回」、「一度見たら忘れられない回」との評価が有る。
尚、最後の「戦争とは金ばかりかかって虚しいものだなぁ」というのも何気に隠れた名台詞。
余談
実際のゼロ戦こと零式艦上戦闘機は、六二型等であれば250kg爆弾程度ならば爆装は可能だったが、エンジンの馬力や機体の強度不足等様々な理由から雷装は不可能である。(航空魚雷は800kgあるため、軽快な戦闘機である零戦が積むには重過ぎるのだ)。魚雷を積んで敵艦を攻撃する役割を担うのは、九七式艦上攻撃機を筆頭とした、攻撃機である。
まさにラジコンでなければ実現できないシチュエーションだといえよう。