概要
こういった作品は主にゴジラシリーズ、円谷作品多いが、東映特撮などにも少なからず見られる。
主に風刺される内容は以下の通りである。
- 人種差別、戦争など歴史的な問題。
- 環境問題や公害問題。
- 人間の心の弱さ。
- 法律など社会的な問題。
- 本当の正義とは何なのか?
などが挙げられる。
特撮におけるみんなのトラウマ一覧や吐き気を催す邪悪(特撮系)も参照されたし。
作品
円谷作品
- 怪獣使いと少年 (孵ってきたウルトラマン 第33話)
ウルトラシリーズ屈指のトラウマ回。
人間の残酷さをこれでもかと描いた作品。『人種差別』と少しばかりだが『公害問題』、『蒸発』にも触れている。
風刺されている点は以下の通り。
- メイツ星人と助け合って暮らしていた佐久間少年が宇宙人呼ばわりされ、おかゆを踏みにじられたり
、飼い犬を仕向けられたリ(メイツ星人によって爆破。イヌェ…)、食料を売ってもらえなかったり…挙句の果てには佐久間少年を庇ったメイツ星人を銃殺する始末。
- 伊吹体調の台詞から『第二次世界大戦』、『太平洋戦争』にも触れている。『日本人は美しい花を作る手を持ちながら、一旦その手に刃を握ると、どんな残忍極まりない行為をすることか」の節。
- しかもタチの悪いことに、住民はメイツ星人の封印が解けてムルチが復活し、暴れたことに対し『助けてくれ』と言っているが、さすがにMATの郷秀樹隊員は心中で嫌悪感を露わにした。
- ムルチの襲っている先は工場であった。これは公害問題を示唆したものとなっており、メイツ星人が母星に孵れなくなった原因の一つ。
救いがあるとするならば、佐久間少年に純粋に一人の人間としてパンを売ってくれたお姉さんの存在だろうか。
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東映作品
公式で名言されたことは無いものの、誕生背景には当時問題になっていた『共産ゲリラ』があったのではないか?とファンの間では考察されている。
簡単にいうとショッカーのモデルは実は『共産ゲリラ』ではないか?ということである。
『優秀な人間を洗脳して仲間に引き入れたり』、裏切者や邪魔な人物には制裁を加えるといった点が共通している。
また、漫画版は公害問題はや政治腐敗を痛烈に風刺しており、終盤ではなんと日本政府も事件にかかわっていたということが発覚した。
薬物問題を『ガイアメモリ』として風刺している。
『高額で取引される』、『学生が使いまわされたことがある。』、『流通には犯罪組織が関わっている。』などの点である。
9.11の影響を受け『本当の正義とは何か?』というテーマになっているが、作品を紐解いてみると、ライダーどうしが自分の願いのために殺し合う、何度も戦いの歴史が繰り返されてきたことといった驚愕の内容、人間のエゴに対する皮肉が随所に存在していることが解る。
その例として…
- 犯罪者がライダーに変身する(シザース、王蛇などが相当)
- 『戦いを止める』という選択も、ここでは個人の欲望として扱われる。
- 「人間はみんなライダーなんだよ!生きるってことは他人を蹴落とすことなんだ!」という人間社会を皮肉った台詞。
- 結局この戦いに『正義』なんてものはなく、そこにあるのは『純粋』な願い=人間の欲望だったという結論。
などが挙げられる。
この対極となる作品に、『本当の正義』とは何か?=『優しさ』をテーマにしたウルトラマンコスモスがある。
- 『バッタと親子と正義の味方』・『チョコと信念と正義の力』(仮面ライダーオーズ 第21話、第22話)
バッタヤミーの項も参照。
仮面ライダーオーズにおける有名な回。
正義感の強い男性からヤミーが生まれ、この世の悪を粛清していく…話ではなく、仮面ライダーオーズ=火野映司視点で本当の正義とは何か?について考察した作品。
この作品でも『正義』は欲望の扱いでその証拠としてバッタヤミーの誕生に使われた欲望が『正義感=実際は憤怒』だったことからもそれがわかる。
皮肉なことに、この回に登場するヤミーのモチーフは※初代仮面ライダーとおなじバッタだった
※あくまで仮面ライダーは正義の為に戦う戦士ではなく人間の自由と平和を守る戦士である。
- 『戦慄』『愛憎』(仮面ライダークウガ 第34、35話)
仮面ライダークウガで最も恐ろしいといっても過言ではないトラウマ回の一つ。
ただでさえ、グロンギは命をゲームのコマのように扱う外道なのに、この回に登場する『ゴ・ジャラジ・ダ』そのなかでももっとも残酷といわれるゲゲル(ゲーム)を行っている。(実際に残虐さのレベルを上回るものでは子供や老人を狙ったジャーザや、人間を黒焦げにして回った首領ダグバなどがいる。)
そのゲゲルとは高校生ばかりを狙い、恐怖心を煽らせてから殺すというゲスなやり方だった。こともあろうにジャラジの人間態は少年だったというからタチが悪い。さらにジャラジに何故こんなことをするのか!?と聞いたところ、「君たちが苦しむほど楽しいから」
これにはさすがのクウガも怒りに心を支配され、ジャラジを残虐な容赦ない方法で倒した。
これは白倉P曰く『殺人者は少年であっても厳罰に処する』というメッセージが込められている。また、作中で園児二人が仲直りするシーンがあるがこれは『人間だから分かり合える』というメッセージが込められているとのこと。
恐らく今でも問題になっている少年法への風刺と思われる。また、『君たちが苦しむほど楽しいから』の台詞は今のいじめにも通じる部分がある。
最終回、勝利したのは人間側だったのだが、グロンギと人間、彼らが戦ってきた意味とはよくよく考えてみると『自分たちの笑顔』(グロンギはゲゲルによって得られる快楽、人間は笑顔そのもの)のために戦っていたという皮肉なものだった…。
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東宝作品
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