概要
『スオムスいらん子中隊』とは、島田フミカネ及びProjekt Kagonish原作のメディアミックス作品『ストライクウィッチーズ』に属するライトノベル作品である。作者はヤマグチノボル。 挿絵は島田フミカネ、上田梯子。全3巻。角川スニーカー文庫刊。略称・愛称は「いらん子」など。
『ストライクウィッチーズ』のメディアミックス展開の中でも、最初期に位置する作品でもある。
3巻初版の末尾に 「4巻2009年春発売」の予告がなされていたが、刊行延期となった。その後2011年7月にヤマグチが末期がんである事を公表。治療と平行して主力作である『ゼロの使い魔』の完結に注力するため本シリーズは中断状態が続いた。そして2013年4月4日にヤマグチが死去したことで、本シリーズは『ゼロの使い魔』共々未完に終わった。
『ストライクウィッチーズ』はヤマグチが直接関わった企画ではないものの、原作者の島田フミカネは2015年3月6日付の公式ツイッターで「どうしてもいらんこのなかでのお話というのは手を出せないところがある」と語っている。ただ、いらん子中隊の後身である第507統合航空戦闘団の設定については構想している模様。
世界観
時代背景
TVアニメ版の舞台が1944年のブリタニアであるのに対し、こちらは1939年の北欧スオムスが舞台となっている。
アニメ版では既に陥落している欧州本土防衛の最中であり、世界各国から優秀なウィッチたちが義勇兵としてカールスラントに派遣されていた。
しかし、扶桑皇国陸軍士官である穴拭智子少尉は、前線から外れた僻地のスオムスへ派遣されてしまう。
そこで戦果をあげれば前線に行ける、と意気込む智子であったが、各国から派遣されてきたウィッチたちは落ちこぼれや問題児ばかり。現地軍の中隊長でさえも頼りない年下の中尉。
かくして、ここに「いらん子中隊」もとい「義勇独立飛行中隊」が誕生したのである。
アニメ版との相違点
『ストライクウィッチーズ』はその展開の都合上、各メディアでの設定等の違いが随所に見られる。
その違いを楽しむのも一興ではないだろうか。
なお、アニメ版の立ち位置を決定付ける大きな要因になった「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」というキャッチフレーズ及び設定は、本作においてはその限りでない。
しかし細かいことを気にしてはいけない。パンツとは、私たちのココロの中に在るものなのだから。