「奴らの罪はあまりに重い。最早全員、生きる資格は無い」
「一気に死ねるだけマシだな」
「叫ぶ暇があったら動け、馬鹿どもが」
「何を驚く? お前達こそ突然、罪もない人を襲っていただろう」
「断罪の時なのだ。貴様ら全員、償う方法は『死』以外に無い……」
「二人纏めてあの世へ逝くがいい」
「仮にも掃除屋を名乗るのなら、ゴミ掃除に協力しろ……」
「貴様らと言う、社会のゴミのな」
「今まで弱者を百人で虐げてきたんだろ? 百人が強者一人に蹴散らされる絶望も経験しておけ」
東浜「み、みんな殺したァァァァッ! 化け物! この化け物!」
「そうだ……化け物だよ」
「俺はテメェみたいな外道に地獄を見せる為に、敢えて人を捨てたんだよ……」
「なら私も、不要な人間を間引くとしよう」
「もう2センチ……」
「ああそうだ。お前の命に価値があるか、クイズにチャレンジするか?」
東浜「え……クイズ……」
「嫌ならこのまま斬っていくが?」
東浜「やります、死にたくないぃ!」
東浜「えっとえっと……田中角栄」
「作者不明だろうが馬鹿野郎」
「次の問題です。日本人初のオリンピック金メダリストは誰だ?」
東浜「え……室伏広治ですか」
「織田幹雄だろうが。この非国民が。そんな事も知らんのか!」
東浜「誰ぇえええ!?」
東浜「もう障害者を猿とは言いません! だから助けてぇええ!」
「よく聞け。獣の世界は弱肉強食だが、人間だけが弱者を救おうとした。社会保障は人間が生み出した叡智なんだよ…… 障害があろうと、老いが来ようと、幸せに生きられる社会……それこそ人の優しさの体現なのだ」
「弱者を無能と切り捨てる貴様の論理は、獣そのもの。そんな害獣こそ、駆除するべきだろうが」
「ゆっくりと肉片になって今までの罪を反省しろ」
東浜「うぎゃぁああああああ!」
流川「うわぁ、すごい…」
標的
「人間社会のゴミ掃除」と称して障害者を殺戮した外道半グレ組織「愚裏無(クリーナー)」の首魁である「東浜」に執行。
また、伊集院は計百人の愚裏無自体も「生きる価値のない外道集団」として全員殺戮している。
概要
今回は歴代の中でも"シンプルな武力"による処刑法であり、伊集院がかつて自身が行った陵遅刑から着想を得た拷問。罪人を足先から2cmずつロングソードで小口切りにしていく。
更に罪人達の物言いややってきた所業への意趣返しとして、「本当の日本愛国者なら必ずわかる問題」をクイズとして出し、不正解の度に小口切りにしていく。
経過
盟友・伍代千隼から愚裏無の情報を得た伊集院は、流川を伴って早速カチコミに赴き、今回は共闘する者もいなかったので二人だけで100人を抹殺する事になった。
流石に100人全員を拷問室にぶち込むのは難しい為、対象は首謀者の東浜だけとし、残りの99人は単純な武力攻撃によって殺戮する事に。
まず伊集院が入り口の見張りを頸椎破壊で葬り突入。
すぐさま流川から日本刀を受け取って抜刀し、入り口付近にいた三人を両断。そのまま数人斬り殺したところで刀身が血塗れになって切れ味が低下するも、鈍器がわりにして一人の脳天をハート型に変形させ、衰えぬ刺突力で二人を串刺しケバブにして始末、そしてそれを見て尻尾巻いて逃げようとした2名を早撃ちで射殺。1階に屯していた連中を殲滅した。
そこから間髪いれず、流川がダイナマイトで階段を破壊。そして伊集院は一旦外に出て、何と外から鉤縄を使って2階に侵入。血糊を拭き取って切れ味を取り戻した刀で東浜以外全員を斬殺し、狼狽する東浜を絞め落として確保した。確保時、東浜は自分たちの殺戮を棚に上げておきながら伊集院を「化け物」と罵ったが、もちろん一蹴された。
こうして拷問室に吊るした東浜の足指全てを、伊集院は西洋の長剣で切断する事で叩き起こし、そのまま例の如く尋問に移った。しかし東浜の答えは「他人の足を引っ張る猿共を間引いてるんだよ! 自然の摂理! 弱肉強食だ! それに今は人間の数が多すぎるんだ! 食糧難すらも防げるのだぞ!」という愚にもつかないケダモノの論理だった。これ以上の問答は無意味と断じた伊集院は早速刑を執行。東浜を末端からじっくり斬り飛ばしていった。
続けて伊集院は意趣返しとして東浜にクイズを出し、「君が代の作詞者は?」「日本人初のオリンピック金メダリストは?」といった問題を出すが、肉体切断の激痛に晒されている東浜に正常な答えが言える筈がなく、それぞれ「田中角栄」「室伏広治」と頓珍漢な答えを出したため(正解はそれぞれ「作詞者不明」「織田幹雄」)、伊集院はさらに洋剣で2センチずつ小口切りをした。
太腿の半ばまで小口切りにされた東浜は命乞いをするが、伊集院は「弱者を無能と切り捨てるテメェの論理は獣そのもの」「テメェみてぇな害獣こそ駆除されるべき」「肉片になって反省しろ」と言い放って刑を続行。最終的に東浜は2センチ厚の肉片数枚となって絶命した。
今回の登場人物
- 東浜(ひがしはま)
今回の断罪対象。半グレ集団「愚裏無(クリーナー)」のリーダー。
自身の障がい者に対する差別と迫害を「国益」「食糧難防止」などと結び付けて正当化する、今まで伊集院に断罪された外道と同じく弱肉強食主義者のケダモノ。
中学3年生の頃、一人の知的障害を抱えたクラスメイト・清水に自習を妨害された事が原因で目障りだと思うようになり、修学旅行の時に集団行動からはぐれた清水を溜まった鬱憤を暴力に変えて撲殺。川に遺体を流し証拠を隠滅、事故死と判断され捜査の手が及ばなかったことから「障碍者は殺めても許される」と、まるで神託でも告げられたように解釈してしまった。それ以降障がい者を「失敗作」「猿」「出来損ない」と見下し、難癖をつけては手当たり次第に殺害していった。
最終的に上記の拷問で足から徐々に切断され、2センチ厚の肉片と化した(尚、伊集院のモノローグでは『死ぬまで刃を振るい続けた』とされており、直接的な死に様や遺体のシルエットは無かった。この展開は人間松明以来2度目である)。
- 愚裏無のメンバー
東浜の手下達。「愚裏無」の構成員は東浜を含めて100人もいることから全盛期の羅威刃や戒炎を別にすればかなり大きな半グレ組織である。
以前登場した「護国蒼天会」と同じく障がい者を見下し、殺害している。
アジトに乗り込んだ伊集院によって99人全員地獄に送られ壊滅した。
- 隅田祐樹(すみだ ゆうき)
今回の依頼人。製菓会社の社員。
生まれつき知能障害を抱えている。赤ん坊の頃に母親に捨てられ、児童養護施設で育った。親の愛情を知らないまま育ったが、職員から愛情を授かり、製菓会社に就職。当初は失敗して挫折する事があったが、社長の優しさを受け、次第にクッキー作りが上手くなった。
ところが、東浜達が会社に乗りこみ、目の前で社長や他の従業員達が襲われ、東浜に殺されそうになるが、社長の捨て身の行動で会社から脱出し、愚裏無から逃げ切った。警察に助けを求める手段が分からず周囲に助けを求めるが、周囲から煙たがれて心が折れそうになっていたところをエマに救われ、彼女の紹介で伊集院に依頼した。
依頼完了後、クッキー作りを再開し、瓜生達からクッキーを店に置かせてもらうまでに至った。
- 社長
今回の被害者その1。製菓会社の社長。
障がい者を受け入れる優しい性格であり、「生まれも能力も関係ない」「頑張れば誰でも成長する」と隅田に教えた。
会社に乗り込んできた東浜にナイフで刺されるが、力を振り絞り唯一生き残っていた隅田を助け出し、東浜を足止めして隅田を逃がした。その後、東浜にナイフで殺害され死亡。
- 製菓会社の従業員
今回の被害者その2。隅田と同じく知的障害を抱えながらもクッキー作りに励んでいた。
しかし、東浜達の襲撃を受けて隅田と共に監禁され、東浜から命に価値があるかクイズを出されるが、知的障害者である彼らに答えられる筈がなく、「ファルコマン」などと答えたために、東浜によって殺害されてしまった。
- 清水(しみず)
東浜の中学時代のクラスメイトで奴の狂った思想の原点。知的障害を抱えており、担任や生徒達はそれを理解して優しく接している。
休み時間によくはしゃいでいたが、上記の理由で東浜に憎まれていた。
修学旅行の時、クラスからはぐれて川で遊んでいたところを激しい怒りを覚えた東浜に撲殺され、我に返った彼に証拠隠滅する為に川に流された。遺体は警察に発見されるが、事故(検視官と刑事らしき人物曰く「流されている内に岩で傷付いた」、「足を滑らせた」)として処理された。
尚、中の人が東浜と同じくヤシロこーいち氏が当てている。
今回のゲストその1。株式会社モーリーのメンバーで「うりゅうのメロンパン」の看板娘。隅田氏のクッキーを気に入っており、定期的に買いに行っていた。
今回のゲストその2。「うりゅうのメロンパン」の店長。香鈴の勧めで、隅田氏のクッキーを自身のキッチンカーで売る事にした。そしてそのクッキーを買いに来た伊集院を見て絶句していた。
モデルとされる事件
事件現場が障碍者施設とクッキーの製造工場といった違いこそあれど、障害者への差別的思想に基づき大量殺人を働いた点は元介護施設職員の男Uが殺戮を行った「相模原障害者施設殺傷事件」と思われる。過去回のモデル(の一つ)ともされており、これで通算3回目となる。しかも、被害者達に質問をして答えられなければ殺害するなど、これまで以上に同事件と手口が酷似している。
尚、これまでに同事件を元ネタにした回では襲われた障害者は全員外道に惨殺されていたが、今回初めて障害者が生還し、逆に健常者(であろう)社長が犠牲となった。
余談
再度露呈するモブの民度の低さ
以前にも腕ゼリーの回にて依頼人への応急処置を始めた伊集院を見て、彼に任せて丸投げする野次馬達の様子が見られたが、今回も助けを求める隅田氏を(時に『知った事か』、『キモい』と侮蔑しながら)煙たがる通行人が度々現れており、(警察や救急への通報の手間を鑑みても)同回に続いて伊集院シリーズのモブキャラの民度の低さを表す事となった。
瓜生との二度目の邂逅
話の序盤で香鈴が登場し、外道の始末を終えた後に彼女が瓜生に対し懇意にしている依頼者のクッキー屋を紹介した。後にクッキーを気に入った瓜生は自分が営むメロンパン屋にそのクッキーを販売したいと言う業務提携を持ち掛けた。
そしてメロンパン屋にただの客として伊集院が現れた事で、二度目の邂逅を果たす事になった。
同時に香鈴も二度目の伊集院シリーズに登場したが、とうとう邂逅する流れにもなった。
因みに、ヒューマンバグ大学公式グッズ『拷問ソムリエカレンダー2024』には、瓜生のメロンパン屋の前で背中合わせで立つ伊集院と瓜生のイラストがあり、そのイラストが描かれている月は、奇しくも今回の話が投稿された月と同じ3月である。
ちなみにバグ大主人公キャラで伊集院シリーズに二回以上出てきた別のシリーズの主人公のキャラクターは小峠華太、久我虎徹、紅林二郎に続き瓜生が四人目となる。
伊集院の超戦闘力
これまで何度もその超戦闘力が取り沙汰されてきた伊集院であるが、今回その一端が明かされた。
相手がほぼ無抵抗で、且つ大した武闘派構成員もいなかったとはいえ、無傷で且つ迅速に100人規模の半グレ組織を皆殺しにしたのは、ヒューマンバグ大学作中では伊集院が初めてだろう。
被害者と外道の苗字の由来について
今回の話の被害者と外道の苗字の由来は現役のプロ野球選手と思われる。被害者の隅田祐樹は埼玉西武ライオンズに所属している隅田知一郎、主犯格である東浜は福岡ソフトバンクホークスに所属している東浜巨と思われる。両選手共にドラフト1位で当該球団に入団したパ・リーグのチーム所属の背番号16番の先発型投手である。
関連項目
伊集院茂夫による猛獣刑(ムベンガ)、伊集院茂夫による人間レトルト食品の刑、伊集院茂夫による下半身不随炮烙刑∶同じく障害者差別をする外道が登場する回。しかもムベンガとレトルト食品に至っては、今回同様に相模原障害者施設殺傷事件がモデル(の一つ)とされている。
輪切りのソルベ:刑の内容がまさにこれ。
護国蒼天会:先述のムベンガ回に登場した愚裏無と同類の外道半グレにして極右テロ組織。
伊集院茂夫による地獄の玉入れ:瓜生と共闘した回。被害者は伊集院の父の知人。
ハイヌーン・ドッグファイト:同じく作中で100人討ちしたエピソード。ちなみになんの因果か、東映公式youtubeにて同日に公開されるという偶然も起こった。