小林「ハードグリングリーン!! あの子らの怒りを乗せてブッ刺しィ! 地獄行きィィィッ!!」
「腐れ外道が…… 簡単に死ねると思うんじゃねぇぞ」
「幼子が見た地獄を兆倍にして刻んでやる…… 来い」
「そのトシで自分の行動を親の所為とかほざいてんじゃねぇぞ。なら、俺が責任の取り方を教えてやる」
「助けを乞う子を剥製にしといて……テメェらの嘆願を訊くと思ってんのか」
「俺はなぁ……剥製に興味はねぇが、なかなか死ねない外道鑑賞するのが趣味なんだよ……」
「そんなに出して欲しいの?」
「ああ、そう。じゃあ、専門家を呼ぶわ」
小林「この世に生きる〜、喜び〜」
小林「へそから顎まで裂いてやるから、生き残ってみろよ」
小林「ハードグリングリーン!! 俺が地獄に行ったらまた地獄でも殺してあげるねェェェッ!!!」
標的
思春期に異性と触れ合えなかった腹いせから、依頼人の幼馴染含む女児を誘拐しては剥製にしてコレクションし、依頼人を守ろうとした飼い犬を滅多斬りにし、殺し屋を雇って依頼人の両親まで殺した芸術家気取りの外道双子「鶴野英太・雄太」兄弟に執行。
なお、依頼人の両親を殺害した殺し屋は、天羽組の小林が抹殺した。
概要
対象の肛門にチューブを接続し、腸液と混ざることで強酸となる薬液を注入する。しばらく経過して薬液の効果が出て腸が溶けたところでチューブの設定を吸引に変え、溶けた腸をチューブの中に吸い出させる。
さらに闇医者・氷室の協力で生命維持に必要な最低限の状態になるまで臓器を摘出し、その空いた腹にアスベストを詰め込んだ。
経過
盟友の伍代から情報を得た伊集院は即座に動こうとするも、依頼人の友人であった小林幸真が現れ、標的をめぐる一触即発の状態に。直後に両者は頭突き比べをするも、小林が伊集院の狂気を見抜いて「殺し屋の方は殺らせろ」と譲歩。伊集院は「徹底的に苦しませるならば」と了承した。
その後、殺し屋の方は小林に襲撃され、右腕を斬り飛ばされ頭蓋を頭突きで破壊された上で、ハードグリンをぶちかまされ壮絶に死んだ。
罪人二人を急襲し、その身柄を拷問室に連れ込んだ伊集院達は早速専用の器具に繋ぎ、肛門から薬液をぶち込んで叩き起こし悔恨の念を問うた。
しかし返ってきたのは「親の所為で楽しい事が出来なかったからコレクションぐらいいいだろう」「殺したのは貧乏人のクズ。オレらは資産家のエリート」という『自らの不幸や罪の責任を親に転嫁しておきながら親の恩恵(遺産や家柄)に与る』醜悪な返答だった。
元より罪人二人の下衆の所業にハラワタが煮えくり返っていた伊集院は「そのトシで親の所為とか言うんじゃねぇ。責任の取り方を教えてやる」と吐き捨てた。そして程なくして薬液の効果が出始めた。
薬液と氷室によって生命維持に必要な最低限の部分を除いた臓器を全て除去され、代わりにアスベストを詰め込まれた罪人二人は命乞いをするが、伊集院は「なかなか死なない外道を鑑賞するのが趣味」と言い放って拷問を継続。
更に氷室の尽力もあって罪人二人は48時間生存し、腹の中に詰められたアスベストを取り出して欲しいかという伊集院の問いに是非と懇願した。
ならその願いを叶えてやろうと、腹の中身をぶち撒けるプロ・小林幸真が呼ばれ、Wハードグリンで罪人二人をへそから顎まで切り裂く形で、その腐った命諸共腹の中を取り出してやった。
今回の登場人物
- 鶴野英太・雄太(つるのえいた・ゆうた)
今回の断罪対象。自分たちが資産家の出であることを鼻にかけ、孤児などの警察の手が伸びにくい女児を攫い剥製にして我欲を満たしていたロリコン気質かつ幼稚な性格をした腐れ外道の双子。黒髪の方が英太、茶髪の方が雄太である。
資産家の子息として生まれ、幼少期から厳格な教育方針で抑圧され、子供らしく外で遊ぶ事も異性と触れ合う事も許されない人生を強いられてきた。
20歳になった時に両親が亡くなったことで(話の趣旨から、両親を手にかけたと思われる)抑圧された童心が爆発し、昆虫や動物の剥製収集だけに飽き足らず、やがてそれは狂気に変わり、とうとう女児を攫って殺した後、剥製にするまでに至った(少なくとも、20人以上もの女児が剥製にされた)。
尋問の時も「ボク達は親の所為で楽しい事が出来なかったんだから、コレクションをしたっていいだろう!」「そうだ!それに殺したガキ共も親も貧乏人のクズだ!オレ達は資産家のエリートなんだぞ!」と醜悪極まりない開き直りをした。
過剰に抑圧し続けた親にも責任があるとはいえ、犠牲になった女児たちには無関係な話である為、伊集院は当然怒りに震えながらその言い分を一蹴。双子そろって、上記の拷問を受けることとなり、最期は小林のハードグリンによって地獄に落ちた。
英太の声はヤシロこーいち氏、雄太の声は畑耕平氏が担当している。畑氏が外道を演じるのは、デスゲーム回に続いて二度目になる。
- 殺し屋
鶴野兄弟に雇われたプロの殺し屋。拳銃とナイフの使い手。
口封じの為に三宅家を襲撃し、セリナの両親を殺害した。
裏社会でも一流の殺し屋という触れ込みだったが、超一流の殺し屋それも今回の件でマジギレ状態でただでさえ戦闘能力が増大していた小林が相手では全く勝負にならず、襲撃してきた小林を返り討ちにしようとしたものの、小林によって右腕を切断され、頭蓋を破壊され、最期はハードグリンで腹を掻っ捌かれて壮絶死した。なお、自分をプロと連呼していたが、かの「アーミーナイフの小林」を知らなかった時点でどうしようもないモグリである。
- 三宅セリナ
今回の依頼人。茶髪のボブカットにオレンジのつなぎスカートをはいた10歳も満たない小学校低学年くらいの女児(女子小学生くらいの女の子の依頼人は彼女が2人目になる)。
両親と愛犬のジョーイ、そして幼馴染のスズカと幸せな時間を過ごしていた。
ある日を境にスズカが行方不明になり、ジョーイが散歩中に鶴野邸に入って彼女のヘアピンを見つけたことをきっかけに鶴野兄弟の異常さとスズカが殺されて剥製にされたことを知ってしまう。屋敷の主である二人に見つかりジョーイが庇って時間を作ってくれたため自宅に逃げだしたが、鶴野兄弟が口封じに放った殺し屋によって両親を殺されてしまう(その時に殺し屋によって右頬に傷を付けられた)。命からがら逃げた所でエマに出会い、彼女に連れられて伊集院へとたどり着き、依頼を持ち掛ける。依頼完了後は祖父母に引き取られ、ジョーイと再会することが出来て楽しそうに公園で遊ぶ姿が見られた。
セリナの愛犬。犬種はボーダーコリーであり、性別はオス。セリナが生まれた時に家族として迎え入れられたため兄妹のように育ってきた(おそらく年齢は7~9歳だと思われる)。小林からは『ワンコ』と呼ばれている。ある日、ジョーイが鶴野邸にスズカのヘアピンが落ちていたことに気づき、不審に思ったセリナは鶴野邸に侵入してスズカの死の真相を知った後、不運にも鶴野兄弟に遭遇。彼女を逃がすために身を挺して鶴野兄弟に噛みついて彼女を守り、鶴野兄弟から滅多斬りにされてしまう。その後は生死不明だったが、生存していた事が判明し、依頼完了後はセリナと再会した。
- セリナの両親
今回の被害者その1。急いで家に帰って怯えるセリナを落ち着かせて話をじっくり聞こうとした時、殺し屋に奇襲され、父親が殺し屋を抑えて母親が裏口から逃げるように促してセリナを逃がした後に母親は胸を銃で撃たれ、父親は背中から心臓を一突きされて殺されてしまう。
- スズカ
今回の被害者その2。水色のガーリーなワンピースを着たブロンド髪のツインテールに星形のヘアピンをつけた美少女(顔立ちからおそらくハーフだと思われる)。
セリナの幼馴染で、セリナとジョーイと一緒に公園で遊ぶほど仲良しだったが、鶴野兄弟に目を付けられ誘拐された後、剥製にされて殺害された。
今回のゲストキャラ。「アーミーナイフの小林」の異名を取るナイフ術の達人であり、天羽組屈指の戦闘者。そして名実共に天羽組最狂の男。
公園で昼寝をしていたところをセリナ達と知り合い、一緒に遊んでいた。
スズカを殺害し、三宅家を襲撃してセリナを不幸のどん底へ突き落した鶴野兄弟達に怒り心頭で、セリナに直接依頼を受けていた伊集院が「おとなしく譲れ」と言っても引かなかったため、頭突き勝負になりさらに至近距離から伊集院の強烈な威圧を受けるが全く動じる事なく、伊集院相手でも一歩も引かずほぼ互角にせめぎ合って見せた(伊集院も小林の獰猛さに「信用に値するが扱うのは不可能」と諦めたほど)。だが伊集院の目の奥底にある強烈な狂気を感じ取り、伊集院なら相手をすぐには殺さず死よりも苦しい地獄の責め苦を与えられるだろうと確信して「鶴野兄弟への制裁を伊集院に任せる代わりに、自分はセリナの両親を殺害した殺し屋を始末する」という条件で手を打った。その殺し屋を葬った後、鶴野兄弟へのトドメ役として拷問室に呼ばれ、お決まりの「ハードグリン」で鶴野兄弟の腹の中を全てぶち撒けた。その後、ジョーイと再会して喜ぶセリナを見て、喜びの笑みを浮かべていた。余談だが、小林が複数人に対しアーミーナイフと(おそらく)紫蘭の二刀流で同時グリンをぶちかましたのは今回が初。また、前回の永瀬光一と同じく『伊集院の旦那』または『伊集院さん』と呼ぶ者が多い天羽組の中では、伊集院の事は名前で呼ばず終始『拷問ソムリエ』と呼んでいた。また、敬語も使っていない。
伊集院及び天羽組御用達の情報屋。伊集院が情報を貰っていたところに小林が到着し、鶴野兄弟の取り合いからくる二人の頭突き勝負になった時は、さすがに冷や汗をかきながら静観することしかできなかった。
ハニートラップ要員の伊集院の協力者であるプロホステス。命を狙われていたセリナを保護し、伊集院のもとに連れて行った。
伊集院の協力者であり、天羽組及び京極組御用達の凄腕闇医者。鶴野兄弟への制裁目的で呼ばれ、生存に必要最小限の臓器以外のハラワタを取り除いた。
また彼が施した延命処置によって、鶴野兄弟は48時間の生き地獄を味わうこととなった。
元ネタ
2011年にロシア西部ニジニ・ノヴゴルドに実在した、死体からはく製人形を作っていたアナトリー・モスクヴィン、また親から抑圧された環境で生活していた結果現在の性格が形成され、親の死後に凶行を起こした点からシリアルキラーとして知られるエド・ゲインの要素も入っていると思われる(しかもそれを裏付けかのように、本話では両親のうち姿を現しているのは母親のみで、かつ異性との交流も制限していた)。前者の決定的な違いはモスクヴィンはいわゆるネクロフィリアで生きている人間で人形を作らなかった(殺人はしていない)点である。後者は過去回の外道のモデルともされている。
余談
この回で天羽組から小林が伊集院シリーズに初登場。ターゲットを巡って伊集院と対立する、伊集院の拷問室に足を踏み入れターゲットを絶望させた上でトドメを刺すなどの活躍をしたのは、先輩構成員である和中蒼一郎以来二人目である。また、小林は元CODE-EL所属であり、CODE-ELの関係者が伊集院シリーズに登場するのは投擲の香鈴、守若冬史郎、瓜生龍臣、山田康生、金鳳智、智也、鶴城史之舞に次いで8人目となった(因みに、守若も伊集院と初めて関わった際、ターゲットを巡って対立、伊集院と頭突き勝負をしている。なお香鈴は依頼人である被害者を伊集院に紹介したり、伊集院の頼みを聞いて瓜生と連絡を取って会うように協力するなど、伊集院の事は知っているようだが、伊集院とは直接邂逅していない)。なお、今までCODE-EL所属の殺し屋(元所属含む)は伊集院の事を名前で呼ばず「拷問ソムリエ」としか呼んでいない。
これまで複数人の外道を同時に屠った事がある伊集院だが、彼が始末した外道が兄弟、しかも双子であるのは初めての事である。また、外道が毒親の被害者である事が明確にされたのも初となる。
天羽組と拷問ソムリエは、利害の一致から共同で外道を追い込むことが多く、一応の協力関係にある。特に和中の兄貴と一触即発となった事件以降は、親っさん自ら組員に「伊集院と標的が被ったら譲れ」と厳命するに至り、それ以降は狂人兄貴が露払いだけを担当して、標的は生け捕りで伊集院に引き渡すというパターンが常態化していた(全てを拷問ソムリエに押し付け逃げようとした者も約1名いたが)。
小林はそれを踏まえてもなお「親っさんに怒られる覚悟で」伊集院に刃を向けたと明言しているが、羽王戦争の終盤で重大な命令違反をやらかした前科を見るに、伊集院との話がもっと拗れていた場合、本当に「怒られるだけ」で済んでいたかは疑問が残る。今回小林が伊集院と邂逅したことで存命中の天羽組武闘派極道で伊集院と未邂逅なのは(当時未登場だった)矢部光晴と香月紫苑の二人だけになった(なお、香月は2月16日の回、矢部も4月24日の回にて伊集院と邂逅した)。
普段は冷静沈着でどんなことでも動じない伍代だが、今回は目の前で伊集院、小林という劇中最恐クラスの狂人同士の対立を目の当たりにして、流石に恐怖し動揺を隠し切れていなかった。なお、伍代が伊集院に恐怖したのは豚の餌回以来である。
今回の拷問に使われたアスベストだが、あまりの繊維の細さから吸引されやすく重篤な症状を引き起こす可能性があり、2013年以降は完全に製造・使用が禁止となっている。その為伊集院がどの様にしてアスベストを入手できたかは不明。恐らくは、裏のツテを頼って廃材などからくすねたのであろう。
作画ミスなのか、セリナが家に着いた際、セリナは靴を履いたままリビングにいたが、殺し屋から逃げるシーンではいつの間にか靴下になっていた。また、殺し屋が小林に向けて銃を発砲するシーンで殺し屋は左手に銃を持っていたが、次のコマでは右手に銃を持っている。
その他にも、拷問時に鶴野雄太の足に足枷がなかったり、コマが変わる毎に英太・雄太兄弟の位置が逆になっていた。銃の持ち手に関しては一発撃ったのち瞬時に持ち替えたとすれば言い訳はつくが、セリナの靴や足枷や兄弟の位置はどうにも弁解のしようがない。
再生リストでも判明しているように実は今回はこの回が出ていた時点で既に完成はしており、再生リストに入っていたが非公開状態となっていた。その為、この回と同じく年末特番だった可能性があるが、何らかの理由で公開が年明け後になったものと考えられる。
関連タグ
毒親の被害者、ピーターパン症候群:今回の外道である鶴野兄弟を表すなら、まさにこれらの最悪なケースと言っても過言ではない。
ポイズンカレー・テイスティング→外道の腸内洗浄からのハードグリン→糞矢でマンハント
伊集院茂夫による地獄の玉入れ:年末年始に配信された回。小林と同じ天羽組の野田一や元CODE-ELの暗殺者・瓜生龍臣がゲスト出演している。こちらは首謀者だけでなく、殺し屋(小林や瓜生と同じCODE-ELの暗殺者)も断罪対象に含まれており、2人とも伊集院による拷問で地獄に落ちている。
伊集院茂夫によるヘビ責め、伊集院茂夫による金属版ラファニドーシス:外道が女の子を誘拐して殺害する点が共通している。
伊集院茂夫による人間松明:断罪対象が本話と同じく人間で剥製を作っていた芸術家気取りの狂人である。因みに、あちらは小林と同じ天羽組の狂人である須永陽咲也(声も小林と同じ畑氏)が登場している。
伊集院茂夫による十字架串刺し刑と突き落とし:依頼人が小学生の女の子であり、両親の敵討ちを依頼している点、依頼人を連れてきたのがエマという点、ゲストキャラが畑氏が声を担当している人物である点が共通している。