概要
幼児期にうけた母親による過度に禁欲的で歪んだ性教育により、両親と兄を亡くして以降、カニバリズムや解剖に執着。墓を荒らし死体を解剖していた。
そしてその人間の死体を部品として使い、様々な物を作成していたことでよく知られる。
雑貨店経営者の女性を殺した事がきっかけでそれらの倒錯的な物品の数々が発見される事となり、その異常な犯行内容から、現在では殺人鬼の代名詞として知られている。
だが、実際に彼が殺害した人数は2人だけであり、シリアルキラー(連続殺人犯)という呼称から連想されるほど多数を殺害したわけではない。(そもそもこの殺害も警察から拷問されて言わされた疑いあり。)
軽度の知的障害のために会話や動作は緩慢で、住民と喧嘩をしたこともなかった。
彼の異常性は、人間の死体を食べる、死体を材料に雑貨を作る、皮を剥いで被る、墓場で踊るといった死者の尊厳を冒涜するような行動にある。(但し人肉食はゲイン本人は否定している)
「母に近づきたい、女性になりたい」という願望が有ったらしく、女性の皮膚をなめして着用することを好んだ。しかし潔癖だった母親と異なって衛生観念は極めて低く、部屋には腐った人皮や生ゴミが散乱していた。
現場を検分して「製品」を見てしまった保安官は深刻なトラウマを負い、取調べ中にゲインに暴行。このためゲインの証言の多くが「拷問による自白で、無効」とされてしまった。加えてゲイン自身も記憶力が薄弱で本当に自分がやったのか覚えていない事が多く、今日に至るまで犯行の全貌は不明である。
裁判の結果、慢性的な精神異常(性的サイコパス)として無罪になったものの、1984年7月26日に亡くなるまで病院に収容された。
病院では特に問題を起こさず、強いて言えば女性職員に対して怯えた様子を見せていた程度で(怖いのは職員のほうであろうが)、特別な治療も受けなかった。実家が野次馬に放火されたことを聞いたときも、特に関心を示さなかったという。
創作への影響
あまりに猟奇的なその犯行から、後の映画作品などのモチーフに使われることも多く、彼の起こした事件自体も何度か映画化されている。
彼をモチーフとした架空のキャラクターとしては、映画「悪魔のいけにえ」に登場する、殺した相手の皮で作られたマスクを被っている殺人鬼レザーフェイスなどが有名(※)。
日本では、死体で作った人形を操る『るろうに剣心』の外印などが有名。また、「ゴールデンカムイ」に登場する剥製職人江渡貝弥作は、母親の歪んだ教育を受けた過去や、墓から掘り出した死体を装飾品に加工するといった趣味嗜好など、細部に至るまでのキャラクター造形全体がエド・ゲインに影響を受けている。
また、『魔術士オーフェン無謀編』にもオーフェンが作成した鉄球を発射する武器「エドゲイン君」に名前が借用されている。
(※)監督のトビー・フーパー自身は俗説であると否定しているが、一方で子供の頃に聞かされた「死体でランプシェードを作った男」の話が印象に残っているとも発言しているため、意図せずとも少なからず影響を受けていたものと思われる。
関連タグ
シン(殺戮の天使):殺戮の天使というゲームのキャラクター。彼と同じく死体から芸術作品をつくる芸術家気質の殺人鬼。
来栖道臣:ヒューマンバグ大学に登場する芸術家気質の殺人鬼。彼もまた女性をターゲットにしており、こちらは生きたまま剥製に変えている。
松岡:上と同じくヒューマンバグ大学に登場する芸術家気質の殺人鬼。女性をターゲットにしていて、しかも殺害した女性の皮を材料に衣服を作っている。