概要
ジョジョの奇妙な冒険第5部、黄金の風の登場人物・ソルベ及び、所属していた暗殺チームに起きた事件。
暗殺チームの一員であるソルベとジェラートは、ボスの正体を掴んで麻薬のルートを横取りしようとする。
だがそれは、パッショーネという組織を敵に回したも同然の行為だった。
ある日、ジェラートは自宅で死んでいるのを発見された。
その死体には「罰」と書かれた紙が貼られていた。
顔は恐怖に染まり、死因は布きれを喉の奥まで飲み込んだための窒息死である。
同時にソルベも行方不明になり、メンバーが八方手を尽くしても見つからなかった。
数日後、暗殺チームの元に小包が36個も届く。
小包の中身は、額縁付きの、謎の物体。
それらを全て並べた時、暗殺チームのメンバーは皆、表情が凍り付いた。
それは、「ホルマリン漬け」にされた、「輪切り」のソルベだった!
なんと、ソルベは身体を36等分に切断され、パーツごとにホルマリン漬けにされていた。
死体の恐怖に歪んだ表情から、生きたまま切断されたと思われる。
ジェラートはその様子を見物させられ、恐怖のあまり猿轡を喉に詰まらせ死んでしまったのだ。
見せしめのためにターゲットを惨たらしく殺害した経験も多々ある暗殺チームだが、そんな彼らでさえこの残忍性が極まった殺害方法と凄惨極まる状態のソルベの亡骸には心底から驚愕・恐怖し、「組織に逆らえばどうなるか」を如実に思い知らされることとなったのである。
この一件以降、暗殺チームはボスに逆らう気も失せ、組織の従順な下僕として働き続けることとなった。
ボスの娘である、トリッシュの存在が判明するまでは…
アニメ10話
原作でも屈指の残虐なシーン故に規制されるのでは?と言われていたが、修正されながらもかなり忠実に再現された。
アニメでは
- ホルマジオが男性の暗殺を開始するシーンから回想が始り、メローネやプロシュート、そして仕事を見て学ばせるためにプロシュートが同行させたペッシと合流し、任務を成功させてアジトに帰還したところで、原作では未登場だったリゾット以下、チーム全員が姿を見せる。
- 報酬金の安さに怒り不満を言うギアッチョをリゾットが窘めるとソルベとジェラートの不在を指摘し、「金にがめついソルベが分け前の場にいないのは妙だ」と異変に気付く。
- メンバーは行方不明の二人の捜索を開始するが足取り一つ掴めず、ペッシが「ボスの正体を嗅ぎ回って消されたのでは?」と言い出し、イルーゾォも「ソルベとジェラートはイカれてるから有り得る」と冗談混じりに同意する。
- リゾットとメローネと共にアジトで待機していたギアッチョは「自分達の実力は組織でNO.1なのに賭博を仕切るポルポや麻薬を扱って大儲けしている連中と違い、ボスからの安い報酬しか貰えないなんて納得がいかない。もっと良い目を見て当然の筈だ」と憤っていた。そんな中ホルマジオから連絡が入る。
- 拘束され猿轡を喉に詰まらせ窒息死したジェラートをホルマジオが発見したが、ソルベの死体は見当たらず、ジェラートの死体には「punizione(罰)」と書かれた張り紙が張られていた。部屋は血の海になっており、ここが後述のソルベの処刑現場だと示唆されている。
- ある日チームのアジトに差出人不明の奇妙な美術品が大量に届き、皆が不思議がる中ペッシが額縁の中の足の指を見て、ジェラートとお揃いのペディキュアだと気付く。
- リゾットの指示で額縁を外し並べて見ると、それが輪切りにされたホルマリン漬けのソルベの死体である事が判明し、衝撃のあまりホルマジオは悲鳴をあげて嘔吐しかけ、ペッシは震え上がって恐怖に顔をひきつらせ、プロシュートやメローネはおろか感情的なギアッチョすらキレずに絶句し、常に冷静なリゾットでさえも流石に動揺を隠せなかった。
- イルーゾォが戦慄しながら「ソルベはジェラートの目の前で輪切りにされたのではないか」と言い、ジェラートが恐怖と絶望のあまり猿轡を飲み込んで死亡したということに皆も気付く。
- ソルベを切断しているのが、チョコラータらしきシルエットになっており、側にはビデオカメラで撮影しているセッコらしきシルエットもある。
- 処刑シーンでは肉を切断するような音とソルベの悲鳴が響き渡り、ソルベの死体の恐怖の歪んだ表情等から、わざと生かされたまま爪先から徐々に輪切りにされていった様子が窺える。
- 彼等はこれがボスからの「組織に反逆し自分の正体を知ろうとする者はこうなる」という無言のメッセージであると認識した。
- チームは二人の葬式を挙げ、リゾットは「皆、これっきりソルベとジェラートのことは忘れろ」と言うが、彼は最後まで教会に残って何かを思っていた。
- この事件以降、ボスの正体を探ろうと思う者は誰一人おらず、彼等は冷遇される立場ながらも身の安全のために屈従するしかなかった。
「ボスに娘がいる」…この情報が飛び込んでくるまでは…
…といったように、アニメオリジナルを含めたシーンになっている。
また、原作ではジェラートに貼られていた紙に書かれていた文字が、舞台がイタリアなのに日本語の「罰」一文字だったのに対し、アニメではイタリア語の「Punizione(プニツィオーネ)」に修正されている。これに限らず、原作では分かりやすさを重視して日本語で書かれているものは全てイタリア語に書き替えられている。
余談
- 残虐極まりない出来事であるのだが「輪切りのソルベ」という響きがまるでそういう料理の名前か、ソルベ自身の二つ名のように聞こえてしまう事から一部ではネタにされることもある。
- ジェラートは途中で死亡したため、ソルベの様な目には遭わずに済んだのだが、彼等は仲間から「できてんじゃあないか?」と思われる程に仲が良かったため、最愛の親友(あるいは恋人)が惨殺される様を目の前で見せられたジェラートの精神的苦痛は計り知れない。
- 上述のようにチョコラータが実行犯であるというのはアニメオリジナルの展開である。ただし、あくまでも実行犯のシルエットがチョコラータとセッコのようになっているというだけで彼等の仕業であると明言されているわけではなく、アニメにおいてチョコラータやディアボロが特にその事を匂わすような台詞を言ったりもしていない。