概要
1974年(昭和49年)10月8日生まれ。静岡県沼津市出身。「2004年アテネオリンピック」の男子ハンマー投げ金メダリスト。
日本人とルーマニア人のハーフであるためミドルネームを持ち、フルネームは室伏・アレクサンダー・広治。
父は同じく男子ハンマー投の前日本記録保持者の室伏重信、母はかつて女子やり投のオリンピックルーマニア代表だったセルフィナ・モリッツ(現在は離婚しているため、姓が異なる)というスポーツ界のサラブレッド。また、妹は同じくアテネオリンピックにて女子ハンマー投の日本代表として出場し、円盤投日本記録保持者でもある室伏由佳。
陸上投擲競技で世界のトップ選手と互角に戦う日本の誇る鉄人。
両親から受け継いだ才能に加え自らも強い向上心と探求心を持ついわゆる「努力する天才」。
誰が言ったか「リアル人類の到達点」、「文武両道の権化」
2016年の陸上日本選手権をもって現役引退することを発表している。
引退後は日本オリンピック委員会や日本陸連の理事としても活躍。
2020年10月1日より、同年9月末日を以て退任する鈴木大地の後任としてスポーツ庁長官(第2代)に就任。
驚異の身体能力
ハンマー投という競技の選手故、そのパワーと瞬発力が注目されがちだがそれ以外の項目も非常に優れている。(持久走は苦手)
立ち幅跳びで360cmを飛び越え100kg計測の握力計を一瞬で振り切る握力(日本陸上連盟のチェックの際には120kgを記録しているが、それ以上の可能性もある)
スピードもかなり早く100mを10秒台で走りぬけることができる。
2002年のプロスポーツマンNO.1選手権に出場、パワー系種目で圧倒的の強さを発揮しただけでなくビーチフラッグス(メジャーリーガーやラグビーの選手に競り勝ち優勝)やショットガンタッチ(12m90cm成功)といったスピード系種目でも驚異の活躍を見せ、モンスターボックスにおいても踏切の感覚をつかめていないにもかかわらず18段の記録を持つ。
その結果ケイン・コスギや池谷直樹といったトップ戦線を抑え込み総合優勝を果たすが、以後ディフェンディングチャンピオンとしての参戦はなく投擲種目でのみ参戦した。
番組関係者曰く『あれ以降は実質NO.2選手権、NO.1は室伏で決まっているんです。』と室伏の存在があの番組においてのバランスブレイカーになっていたらしい。
その後、10kgの小型の樽を後方の壁へと投げ越す「ガロンスロー」では、当時のハンマー投げ世界3強を招いて記録会を模様し、8m25cmという前人未到の記録を達成してみせた。
かつて国体の「やり投げ」に出場した際ほとんど経験がないにもかかわらず、会場裏の駐車場で小石を使って練習しただけで2位に入賞している。
ちなみにモデルで俳優の照英とは高校のころからの旧知の仲であり、やり投げを専門としていた照英は前述の入賞に大いにショックを受けたという(それがきっかけで辞めたわけでは無い)。
プロ野球等で始球式に登場した際にめちゃくちゃなフォーム(殆ど肩と腕だけで投げる素人の投げ方、所謂「女の子投げ」)であるにもかかわらず120〜130km/hのボールをストライクゾーンにたたきこんでいる。
その他、陸上選手としても知られる武井壮が番組で紹介したところによると、
・120㎏以上の握力が必要とされる世界最高峰のハンドグリッパーを初見で閉じ切る(ギギギ…と力んでではなくカチッと一般人が手のひらを閉じる感覚だったと言う)
・アームレスリングの学生チャンピオンに余裕で勝つ
・練習のウォーミングアップ中に何の気なしにピョンと飛んで、立ち幅跳びで3m60cm記録(オリンピック種目であった頃の世界新記録相当)
・生後4か月で懸垂した
など超人的なエピソードには枚挙にいとまがない。
身体能力も然ることながら、後年で評価が高まったのは当時ドーピングが蔓延していたハンマー投げ界において薬物無縁のナチュラル選手として第一人者の立場に君臨していた点にあろう。
勉強は大事
記録だけで「漫画かよ」と言ってしまいそうになるが、室伏のすごい(えげつない)ところはこれだけに及ばない。室伏は「体育学」の博士号まで持ち、現在ではスポーツ庁の長官の他、東京医科歯科大学の教授も務める。
まさに文武両道の権化
フィクションですら、あまりに才能が開花する主人公たちは勉強が出来ないことで帳尻を合わせているはずなのにこの男はそれすらも超越してしまった。
現在はこの知識を活かし、「スポーツマンのための壊しにくい体の使い方」の研究と指導に力を注いでおり、昨今の技能偏重で若手の故障が多発するスポーツ界で注目を集めている。
ネタ
上記の日本人はおろか人間としても規格外な身体能力からネット(主にニコニコ動画など)ではしばしばネタになっており、2009年に北朝鮮が実施した弾道ミサイル発射実験の際には『室伏が北島の背に乗って日本海に待機しているらしい』というネタまで登場した。