金鳳「そういえば『拷問師が来たら譲れ』って言われてましたァ。骨・折り・損でしたっ」
「一向に構わん。骨折りの金鳳、関節技が得意ならば、素手の勝負とするか?」
金鳳「大した自信ですねェ。その大口がハッタリか否か、見せて貰いますねェ」
「私は幼き依頼者の怨嗟を背負っている。負けなど許されんのだ」
流川「起きろ、この悪者が! 正義のパンチだ!」
「おい、目覚めの一本、行っとくか?」
「左右対称にしてやるから喚くな」
流川「足の指を切ると痛い!」
「ほざいたなコラ。慈悲で指を残してやったのによぉ」
「外道に足の指なんて上等なもの、要らねぇんだよ」
泉本「ぎゃぁああああ! 要る要る要るゥ!」
流川「先生、お呼びしました!」
利平「コイツが今回の外道ですかい」
利平「とても元気いっぱい。お腹空いてますねぇ」
利平「そりゃあ痛いでしょうなぁ。中には南米ジャングル最悪の生き物がいますから」
利平「血の匂いで、この子等も興奮してるみたいでさぁ」
利平「次はこの毛虫を鼻に入れましょうねぇ」
「上向けコラ」
利平「手で触っても地獄でさぁ。鼻の中だとどうでしょうねぇ」
流川「待ちなさい! 私はファルコマン! 酷い事をする悪者は許さない!」
泉本「た、助けてファルコマン…… 悪者をやっつけて……」
流川「悪者めぇぇ! ファルコマーン目突きだぁぁ!」
泉本「ぎゃぁああああ!」
流川「悪者は、正義の拳でボコボコにします!」
泉本「嫌だ…… ファルコマン…… 死にたくない……」
「うるせぇ。都合のいい事言ってんじゃねぇ」
「テメェみてぇな悪者を助けるヒーローなんて存在しねぇんだよ。次は手の指を全部切り落としてからグンタイアリだ。まだまだ苦しもうな」
対象
身勝手極まりない過去の逆恨みから、依頼人である武流少年の祖父母と兄貴分の菊池を殺害した、老人専門の強盗団・波布亜(パプア)のボスである泉本に執行。
概要
蟲屋の利平の協力のもと大量のグンタイアリを仕込んだ抽選箱のような箱を用意し、指を切り落としたばかりの罪人の足をその箱に突っ込んで、傷口から血肉を食らわせ骨だけにする、伊集院茂夫のオリジナル拷問。
さらには北米最強の毒を持つ毒蛾であるサザンフランネルモスの幼虫を鼻の中に入れ、毒によって内側から壊死させ、助命を求める罪人に流川扮する「ファルコマン」がフルボッコにする。
グンタイアリが齎す苦痛は強烈だが、これまでは罪人の全身を包むように襲い掛かるため他の拷問と合わせづらく、罪人を直ぐに殺してしまう欠点があった。ところが箱に入れる事でグンタイアリが貪る箇所を集中させ、尚且つ罪人が苦しむ時間を引き延ばす事に成功している。
経過
モーリー所属の金鳳と標的である泉本の取り合いになった伊集院は、金鳳をぶちのめして撤退させた後に泉本を確保。
そして拷問室に拘束が完了した泉本を、まず流川が正義の顔パンで叩き起こす。困惑する泉本に伊集院が「目覚めの一本」と称して足の親指を一本ずつ獣用の爪切りで切り飛ばし、そのダメージで多少おとなしくなった奴に悔恨の念を問うた。
しかし、更生不可能な真性のクズにそのような良心はカケラもなく、「あのジジイ共はただの飯炊きのクセに俺をサツに売り飛ばしたんだぞ! そんな老害に生きる価値はねぇだろうがよ!」とほざいた。これにキレた伊集院は即座に泉本の両足指を全て切り落とし、流川に利平を呼ばせて本番を開始。
両足を貪られ、鼻の粘膜に強毒性の毒針毛をブッ刺されるという激痛に耐えかね、七転八倒する泉本の元に、依頼人が好きなヒーローである「ファルコマン」に扮した流川が現れた。
明らかな茶番ながら藁にも縋る思いで、泉本はかつて馬鹿にしたファルコマンに助けを求めるものの、「最も悪い奴」である泉本にファルコマンは目潰しからのフルボッコで返答を返した。
二重の要因で顔は真っ赤に醜く腫れ上がり、念入りに希望を奪い尽くされ半狂乱に陥った泉本は「死にたくない」と命乞いするも、伊集院は助命する気など毛頭無く、更に泉本の両手親指を切除し「テメェみてぇな悪者を助けるヒーローなんざ居ねぇんだよ」といつものように凄んだ。
以降は描写されていないが、全ての手指を切除した上で、今度は両手もグンタイアリの餌食にした模様。結果、両手足全てが食い尽くされ白骨化した辺りで、泉本は突如この世のものとは思えぬ断末魔の叫びを上げ、くたばった。
今回の登場人物
- 泉本(いずもと)
今回の断罪対象。
気に入らないことがあれば暴力で制する事しかできず、粗暴で自分を顧みることをしない自己中心的且つ恩知らずな性格。これまでに断罪された多くの外道と同じく弱肉強食主義者の外道。
非行で行き場がなかったため武流の祖父母の世話になっていながら、煙草を吹かしていたのを注意された事で彼らにも襲い掛かったため、手に負えなくなったと判断した武流の祖父母によって通報・逮捕された。
だが獄中生活でも一切更生する事なく延々と逆恨みを熟成させ、少年院を出た後、半グレ・強盗団「波布亜」のボスとして、高齢者宅を狙い抵抗する力のない老人を好んでいたぶり略奪を働くようになった救いようのないクズ。その末にお礼参りとして今回の事件を引き起こした。おまけに襲撃の際は武流が好きなファルコマンの事を「ヒーローが悪人を倒すのは作り話だけだ」「現実は強え奴が偉いんだよ」と馬鹿にして(そしてそのファルコマンに助命を求める羽目になった)笑った。
拷問の際も反省どころか自分勝手な都合をほざき散らしており、最終的にあらゆる生存への希望を奪い尽くされた上で両手足をグンタイアリに食い尽くされ、絶叫を上げて死んだ。
- 波布亜のメンバー
泉本の手下達(但し、出てきたのは2人だけ)で金品回収担当役。武流と菊池が眠った後、泉本共々武流の祖父母の家に暴行しに来た。武流が必死に階段を上がったので、追いかけたものの木をつたって階下へ逃げたので取り逃してしまった。
その後、描写は無いがブチギレた金鳳にボスの泉本を除いた全員両手両足をへし折られ、壊滅した。
- 瀬戸武流(せと たける)
今回の依頼人、ファルコマンという特撮ヒーローに憧れを抱く8歳の少年(今まで登場した依頼者の中で最年少と思われたが、あとの動画に出てきた6歳の依頼人の少女が最年少を飾った)。両親を事故で亡くしていたため祖父母と暮らしており、祖父母と弟のように可愛がってくれる菊池を慕っていた。
菊池が寝泊まりした夜に、強盗目的で襲った泉本率いる波布亜に祖父母と菊池を殺されてしまう。そのあとドヤ街のことを祖父から聞いており、一縷の望みをかけて足を踏み入れたところ長老に出会って長老に伊集院を紹介された。
当然8歳の少年が大金なんて持っているわけがないので、依頼を申し込んだときは菊池からもらった自身の宝物であるファルコマンのレアカード(おそらく所持品の中で最も高額に売れる)をお金代わりに伊集院に懇願した。
依頼完了後は元気を取り戻し、ファルコマンの様なヒーローになる事を目指した。
- 武流の祖父母
今回の被害者その1、武流の両親の代わりに武流を愛情深く育てていた。
地主でありながら慈悲深い老夫婦で、菊池のような非行や貧困のせいで行き場のない少年たちに手を差し伸べていた為武流の祖父母の家は「駆け込み寺」とも呼ばれるほどだった。
かつては泉本にも問題行動を諭そうとしていたが、それまでの比ではない凶悪さを持つ彼が逆ギレし襲ってきた事で警察に任せざるを得なくなる。現在になってそれを逆恨みした泉本とその部下たちに暴行され、殺されてしまった。
- 菊池(きくち)
今回の被害者その2、面倒見が良い性格で武流の兄代わりのような10代後半くらいの青年。
両親が薬物に手を染めた末に蒸発してしまい、行き場がなかったところに武流の祖父母である老夫婦に出会い、彼らの家に世話になっていた。
武流のことも弟のように可愛がっていたが、泊まった日の夜に泉本が率いる強盗集団に襲われ武流を逃がそうと泉本を抑え込んだ後、嬲り殺しにされてしまう。残念ながら命は落としてしまったものの、彼が武流に秘密で教えた木の昇り降りが彼を逃がすことに成功する。
「骨砕きの金鳳」の異名を取る元CODE-EL毛利グループの殺し屋。
現在はEL戦争終結後に毛利公平が設立した株式会社モーリー傘下の石鹸屋「金鳳石鹸」の店主兼石鹸職人。
お得意様だった武流の祖母が殺害されたことに怒り、伊集院に先んじて波布亜のメンバーの骨を砕きまくっていたところを伊集院と遭遇。激闘の末、伊集院に泉本捕獲の役目を譲った。
ちなみにこの回も金鳳節全開だったが、相方兼通訳の町田寅泰が不在だったこともあってか伊集院を軽く困惑させた。
伊集院の協力者の一人。国内では調達困難な多数の毒虫などを飼育、販売しており、本編に登場するのは7ヶ月ぶりである。
モデル
泉本のモデルとなったのは「京都・神奈川親族連続殺人事件」の犯人・松村恭造と思われる。泉本と松村は短気でキレやすい性格、学生時代に暴力沙汰を引き起こした、殺害被害者に泊めてもらったことがある、逆恨みから殺人を犯した、恩を仇で返している、反省も謝罪もしていないなど複数の共通点がある。
余談
この回から冒頭の伊集院のイラストが変更された。
子供が依頼人として登場したのは、灼熱のスカベンジャーの娘以来となる。
依頼人が大金を持ってきて懇願したことは何度かあったが、依頼人が依頼人だけあってか大金を持っておらず兄代わりだった菊池のプレゼントだったファルコマンのカードということもあり、伊集院が依頼料を断った描写はこれが初でもある。
そのファルコマンだが「仮面ライダーオーズ」のタジャドルコンボとそっくりであるため視聴者からは別の意味で心配する声も上がった。
今回の金鳳の言を考えると、モーリーのメンバーは、ボスの毛利から「伊集院と標的が被ったら伊集院に譲れ」と厳命されている模様。メンバーである死龍こと瓜生龍臣がかつて伊集院と激闘を繰り広げて引き分けに終わった事や、外道を徹底的に苦しませる事に関して日本で伊集院の右に出る者がいない為であると思われる。
関連タグ
地獄の歯医者→昆虫責めと外道ぶっ殺しヒーロー→下衆のハラワタ踊り食い
伊集院茂夫による蟻葬:今回ベースになったグンタイアリを蟲屋の利平登場前に先駆けて利用した拷問の一つ。