ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
編集者:ウィーゼル
編集内容:編集内容の補備修正。

概要

著:遊歩新夢、イラスト:DSマイルによる日本のライトノベル作品。オーバーラップ文庫キックオフ賞で金賞を受賞している。

2013年12月25日に単行本1巻がオーバーラップ文庫より発売。

作品としての評価は高く、「2013年下半期ライトノベルツイッター杯 新規部門」で24票を獲得して2位、「2014年上半期ライトノベルツイッター杯 既存部門」で11票を獲得して7位。

「好きなライトノベルを投票しよう!!2013年下期」で1巻が8票を獲得して1位、「好きなライトノベルを投票しよう!! 2014年上期」で2巻が4票を獲得して7位となっている。

ストーリー

ユーフォニアムを専攻する音大生・摩周英司は、恩師の紹介で中学生の少女たち4人の楽器コーチをすることになる。

清楚で真面目な山本菜珠沙、元気な性格の樹貴ノ恵、上品でおとなしい星城涼葉、しっかり者の広海郷美夏。

ブリティッシュ・カルテット」と呼ばれる、日本ではあまり馴染みのない楽器を演奏する少女たちに英司は感銘を受け、彼女たちが最高の四重奏を奏でられるように全力で指導していく。

単行本

オーバーラップ文庫より刊行されている。

タイトル初版発行日
きんいろカルテット!①2013年12月25日
きんいろカルテット!②2014年5月25日
きんいろカルテット!③2014年8月25日

登場人物

摩周英司(ましゅうえいじ)

本作の主人公。響心音楽大学に通う音大生で、ユーフォニアムの演奏者。

高校生の時に学生国際コンクールで第2位を受賞するなど、楽器の実力については折り紙つき。

恩師である下村の誘いを受け、鳳凰学園中等部の外部指導者を務めることになる。

使用楽器(ユーフォニアム:Besson "Prestige" BE2052-2

マウスピース:Denis Wick Euphonium SM3.5

ぶりてぃっしゅ・かるてっと『Kiss Me Hymn』

山本菜珠沙(やまもとなずさ)

鳳凰学園中等部の1年生。ユーフォニアム担当。

黒髪のロングヘアーが特徴的な、清楚な雰囲気の少女。小学生の頃に両親が離婚している。

ユーフォニアム・ソロイストのスティーヴン・ミード(Steven Mead)に憧れを抱いているほか、趣味でブラスバンド(英国式金管バンド)のCDを買い集めている。

使用楽器(ユーフォニアム):Besson 700

マウスピース:Schilke 51D

樹貴ノ恵(いつききのえ)

鳳凰学園中等部の1年生。第1コルネット(プリンシパル・コルネット)担当。

栗色の髪をサイドテールにまとめ、竹を割ったような性格をしている。愛称は「イッキー」。

人のことをあだ名を付けて呼ぶことが多い。

使用楽器(コルネット):YAMAHA YCR-335S

マウスピース:YAMAHA 11C4 → Alliance Prestige SP(2)

星城涼葉(せいじょうすずは)

鳳凰学園中等部の1年生。第2コルネット担当。

肩口くらいまでの髪を綺麗に切りそろえた、上品な出で立ちの少女。

第1コルネットの貴ノ恵とは対照的に、押しの弱い性格をしている。愛称は「スズ」。

使用楽器(コルネット):YAMAHA YCR-2330Ⅱ

広海郷美夏(ひろみさとみか)

鳳凰学園中等部の1年生。テナーホーン担当。

関西弁とポニーテールが特徴。その幼さそうな見た目とは裏腹にかなりのしっかり者。

実家は「創作料理ひろみ」という飲食店を経営しており、店の看板娘としても活躍している。

使用楽器(テナーホーン):Jupiter AL456L

鳳凰学園中等部吹奏楽部

栗栖ミシェル(くりすミシェル)

フランスからの帰国子女で、鳳凰学園中等部の1年生。トロンボーン担当。

銀髪のストレートヘアーと高飛車な言動が特徴的であり、その性格からコルネットの貴ノ恵とはしばしば衝突を起こす。

ただし、トロンボーンの腕前は英司も認めるほどの超一流である。

使用楽器(トロンボーン):Antoine Courtois AC420 Rose Brass Bells

仲坂由真(なかさかゆま)

鳳凰学園中等部吹奏楽部の副部長を務める3年生。ユーフォニアム担当。

実家は温泉旅館「仲坂旅籠」を経営しており、次期女将として期待されている。

外部指導員としてやってきた英司に一目惚れし、以降カルテットの4人をサポートしつつ英司にアプローチをかける。

また、国際アンサンブル・コンペティションに出場するための七重奏のメンバーにも誘われ、バリトンを演奏することになる。

常盤井亜衣(ときわいあい)

鳳凰学園中等部吹奏楽部の3年生。E♭バス(イーフラット・ベース、エスバス)担当。

凛としたアルトボイス、切りそろえられたショートヘア、落ち着いた言動の「カッコいい」印象の少女。幅の薄いメガネをかけている。

国際アンサンブル・コンペティションへの七重奏メンバーの一人として英司に誘われる。

使用楽器(E♭バス):Besson "Sovereign"

宮城真里菜(みやしろまりな)

鳳凰学園中等部吹奏楽部の部長を務める3年生。トランペット担当。

英司やカルテットの4人と同じく下村の門下生であり、その常識離れした演奏技術から、貴ノ恵からは「師匠」と呼ばれている。

美しい容姿とつかみどころのない性格をしており、謎の部分が多い人物。

その他の登場人物

下村(しもむら)

英司の中高生時代の恩師。

地域の小学生の指導も行っており、菜珠沙たちカルテットの4人にブラスバンドやブリティッシュ・カルテットの魅力を教えていた。

希望楽器で揉めて吹奏楽部から追い出されてしまった4人の教え子たちの指導を英司に頼む。

立花香苗(たちばなかなえ)

鳳凰学園中等部の教師で、担当科目は音楽。下村の姪にあたり、年齢は23歳。

音大を卒業した音楽教師であるものの、専攻は声楽(副科はピアノ)であったため管楽器の知識に乏しく、英司に協力を仰いでいる。

角谷(かくたに)

鳳凰学園中等部吹奏楽部の顧問。担当科目は技術。

吹奏楽コンクールで金賞を獲るためならいかなる手段をもいとわず、結果として部員からの信頼は薄い。

吹奏楽至上主義者であり、吹奏楽の編成にはないサクソルン属の楽器を希望する菜珠沙たち4人を部から追い出している。

リチャード・カーウィン(Richard Carwin)

国際アンサンブル・コンペティション、ユース部門のイギリス代表。コルネット奏者。

ミシェルとは顔見知りで、彼女の過去を知る数少ない人物。また、吹奏楽部部長の真里菜とも過去に面識がある。

コルネットの実力は相当なものである一方、貴ノ恵の実力を測るためにソロ勝負を持ちかけたりする。

使用楽器(コルネット):Besson "Prestige" BE2028-1

槇阪勇樹(まきさかゆうき)

高校生時代に学生国際コンクールで1位を獲るなど、英司の親友であり良きライバルであったユーフォニアム奏者。

苗字こそ違うが、菜珠沙の実の兄であり、妹の菜珠沙にユーフォニアムを教えた人物である。

英司と一緒に音大に進むはずであったのだが、それが叶う前に交通事故によって他界してしまっている。

用語解説

鳳凰学園中等部

作品の舞台となる学園。かなりのマンモス校で、一部の生徒は寮から通学している。

吹奏楽部は全国大会常連を誇るほどの強豪校であるが、それゆえに卒業と同時に燃え尽きてしまう部員も多い。

ぶりてぃっしゅ・かるてっと『Kiss Me Hymn(キス・ミー・ヒム)』

貴ノ恵・涼葉・美夏・菜珠沙の4人によるブラスバンド(英国式金管バンド)形式の四重奏。

『Kiss Me Hymn』とは「私の讃美歌にキスをして」「私の讃美歌に祝福を」という意味を持ち、カルテットの4人と英司のイニシャルを合わせたアナグラムにもなっている。

また、国際アンサンブル・コンペティションへの招待を受けた際には、参加資格に合致するようトロンボーン、バリトン、E♭バスを加えた七重奏に改編されている。

作中に登場する楽曲

「きんいろカルテット!①」

ディヴェルティメント(Divertimento)/フィリップ・スパーク

(英司がカルテットの演奏に初めて接した時の曲。とりわけ第2楽章のサウンドに英司は感銘を受けていた)

タイムピース(Timepiece)/ピーター・グレイアム

(カルテットの南地区アンサンブル・コンテスト新入生大会での演奏曲として登場)

『空想・おもちゃ・夢』より 古いスパニオレッタ、話してダフネ、ザ・フー(Fancies,Toyes & Dreames for Brass Quintet)/ジャイルズ・ファーナビー 編曲:エルガー・ハワース

(鳳凰学園中等部吹奏楽部の金管五重奏、および角谷の集めたブラスアンサンブルのコンテスト曲として登場)

パントマイム(Pantomime)/フィリップ・スパーク

(カルテットの練習のために吹奏楽部の音楽室を使わせてもらう条件として、英司が吹奏楽部員の前で演奏を披露する)

「きんいろカルテット!②」

ファースト・カルテット・フォー・ブラス(First Quartet for Brass)/エドワード・グレッグソン

(カルテットのための新しい練習曲として登場)

アンダンテとスケルツォ(Andante and Scherzo)/パーシー・フレッチャー

(国際アンサンブル・コンペティションへの七重奏の演奏曲として登場)

トロンボーン小協奏曲(Concertino for Tronbone)/フェルディナンド・ダヴィッド

(個室で練習中の栗栖ミシェルが演奏しており、英司が彼女を七重奏に誘うきっかけにもなっている)

ツーパート・インヴェンション(Two Part Invention)/フィリップ・スパーク

(英司の高校生時代の回想に登場。槇阪勇樹と一緒に県立芸術文化センター大ホールの舞台で演奏していた)

ソング・アンド・ダンス(Song and Dance)/フィリップ・スパーク

(カルテットのメンバーが国際コンペに出場する事を知ったリチャードが、彼女らの前で自らの実力を示すために演奏を披露する)

ホイールウインド -つむじ風-(Whirlwind)/ピーター・グレイアム

(貴ノ恵の挑戦するコルネットのソロ曲として登場)

イーナのための歌(Song for Ina)/フィリップ・スパーク

(菜珠沙の挑戦するユーフォニアムのソロ曲として登場。また、「アイナ」「イナ」など複数の呼び名がある事についても作中で触れられている)

ミッドナイト・ユーフォニアム(Midnight Euphonium)/ゴフ・リチャーズ

(ソロ対決の後、「一曲吹いてくれ」というリチャードの頼みを受けた英司が演奏を披露する)

「きんいろカルテット!③」

ユーフォニアム協奏曲より 第1楽章「モデラート」(Euphonium Concerto Ⅰ.Moderato)/ジョセフ・ボロヴィッツ

(英司の音大での実技試験の演奏曲として登場。ピアノ伴奏は立花香苗が行っている)

デュオ・コンチェルタンテ(Duo Concertante op.74)/ジェイムズ・バーンズ

(宮城真里菜の提案により、英司と真里菜がユーフォニアムコルネットの二重奏で演奏する)

戦いの組曲(Battle Suite)/サミュエル・シャイト

(国際アンサンブル・コンペティションに出場したフランスの団体「リヨン・ブラス」が金管五重奏で演奏する)

組曲「三匹の猫」と「もう一匹の猫」(Three Brass Cats & Another Cat)/クリス・ヘイゼル

(国際アンサンブル・コンペティションに出場したアメリカの団体「マンハッタン・ブラス・シンフォニー」が金管十重奏で演奏する)

金管五重奏曲 第1番(Brass Quintet No.1 op.5(Original Version))/ヴィクター・エヴァルド

(国際アンサンブル・コンペティションに出場したイギリスの団体がブラスバンド編成の金管五重奏で演奏する)

ピース(Peace)/ジョン・ゴーランド

(最終章で、槇阪勇樹の墓前に立った英司が彼への手向けの曲として演奏する)

関連記事

編集者:ウィーゼル
編集内容:編集内容の補備修正。