ゴーストタウンとは、廃墟の一種である。
概説
何かしらの事情で人が住みつかなくなり、放逐されてしまった町のこと。
言い換えれば廃墟群ともできる。
多くの場合は完全には無人化しておらず、ごく僅かなだが住民がいる。
ホラースポットとしてオカルト的な人気があり、愛好家も存在する。
ただ多くは何らかの行政的な制限が掛かっており、みだりに近づいたり侵入したりすると罰せられる場合もあるので。迂闊に近づくことはお勧めしない。
ゴーストタウン化にはいくつかのパターンが存在する。
産業衰退型
鉱山など発掘物を主産業とした町だった場所。
採掘物が枯渇したり、需要の低下や市場での価格暴落を起こした結果、自治体として立ち行かなくなったことで、やむを得ず放棄された場所が多い。
僻地型
離島や山奥など、流通に難がある等の地理的な要因から放棄された場所。
日本では戦後以降、産業の大幅な変革から小笠原諸島などの離島群で発生した。
天災型
火山噴火、砂漠・海面の浸食、伝染病の蔓延など、自然からの脅威を要因として住民が退避し、以来棲みつかなくなった場所。
特に火山による被害よって、一時的にゴーストタウンが形成されることはよくある。
人災型
環境汚染によって住めなくなった場所。
鉱山からの鉱毒による汚染、原子力発電所の核燃料漏れによる放射能汚染など、公害レベルの大規模な汚染が原因。
昨今だとロシアのチェルノブイリ、東日本大震災の原発事故が記憶に新しい。
戦災型
こちらは戦争の勃発によって、都市そのものが戦場となる危険性から住民が退避し、そのまま放棄された場所。
兵器の残骸や毒ガス、地雷などの危険物が撤去されずに放置された場所もあり、戦後の状態次第で復興されずにゴーストタウン化する場合がある。
また国家間が緊張状態にある国境付近の都市も、こうしたパターンに類する。
不動産型
大規模なベッドタウンの開発や、不動産投資の過熱によって無計画に建造された場所。
つまり生まれながらのゴーストタウンともいえるタイプ。
特に2000年以降の中国でバブル景気による不動産投資の激化や、無計画な都市開発が乱発され、そうした場所が「鬼城」(幽霊の棲む城郭)と呼ばれている。
スペインでも住宅バブルが起きた時に大規模なベッドタウンを建造するも、2010年の欧州金融危機によって計画が瓦解し、ゴーストタウンを生みだしている。
怪奇・惨劇型
創作限定の固有パターン。
何かしらの怪奇現象に見舞われ、ゴーストタウンが急造される場合。
吸血鬼などのモンスターによる住民の捕食、侵略者による集団拉致など、理由は様々。
何かしらの脅威が迫ってくる前兆としてよく登場する。
余談
本当にお化けが住んでいると言うわけではないのであしからず。
まぁ、ゴーストタウンにお化けや幽霊が住みつくのは鉄板のパターンではあるが……。