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アーサー・ペンドラゴンの編集履歴

2015-11-14 08:38:49 バージョン

アーサー・ペンドラゴン

あーさーぺんどらごん

5世紀後半から6世紀初めに登場したと云われるブリトン人の伝説的な君主。ただし、以下で述べるようにこのフルネームはブリトン人の時代から存在したとは考えにくい。

概要

中世の騎士道物語で有名な「アーサー王」のフルネームであるとされて、いくつかの創作作品でもこの名で呼ばれている。しかし、ケルト文化の時代にアーサー王が実在したと仮定すると、これは矛盾している。中世騎士物語の時代背景に基づいて設定された家族名と考えた方が良い。


ペンドラゴンは苗字ではなく「Pen DORAGON(ドラゴンを統べる者、ドラゴンの頭)」という意味の称号であり、アーサー王の父であるユーサー・ペンドラゴンが持っていた称号。そしてこの称号は本来、子に継承されるようなものではない。当時の人名では個人名を区別するためにWilliam the short(ちびのウイリアム)Mary of the wood(森のメアリー)のようなニックネームを添えていた(英国放送協会のfamily name(surname)に関する特集ページ参照)。ペンドラゴンも同様なニックネームだと考えれば、子にそのまま継承されるようなものではない。現代の感覚で言うと、ミスター・サタンの娘をビーデル・サタンと呼ぶようなものである。


この誤りは、「ペンドラゴンは苗字なのだろう」→「じゃあ息子もペンドラゴンだ!」と言う事で広まったものであろう。当時のブリテンには苗字は存在せず、アーサー王は「アーサー」の名前だけでフルネームなのである。例えばイングランドでファミリーネームが用いられるようになったのは、ノルマン征服以降のことであり、それ以前の人名は個人名やニックネームで呼ばれていた。またウェールズでイングランド流のファミリーネームが用いられるようになったのは1400年以降の事であり、それ以前はゲール語系の個人名が用いられていた(それぞれ前掲引用元参照)。中世・近世にアーサー王伝説がまとめられていく過程では、既にファミリーネームが用いられるようになっていた。そこからアーサーにもファミリーネームが求められ、ペンドラゴンという苗字が誕生したと考えられる。


関連タグ

ペンドラゴン ブリテン カリバーン エクスカリバー  騎士

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