概要
「秋月朧」とは、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん』に登場する駆逐艦娘、秋月型1番艦「秋月」と綾波型7番艦「朧」のコンビまたはカップリングを指す呼称である。
共に「瑞鶴」を護衛した仲であり、竣工後間もない新任の「秋月」に対し「朧」は10年以上の艦歴があったため、先輩後輩や師弟関係として描かれることが多い。新型で軽巡並の体躯と高い防空性能を誇る「秋月」が、旧来型で秀でた性能も戦歴もないが地道に経験を積んできた「朧」を慕う構図となる。
両者とも真面目な努力型でありながら性格付けは異なっており、互いの性能や経験や期待される役割の違いをどう受け止めて接するのか注目したい組み合わせである。
史実において
ミッドウェー海戦直後の1942年6月11日に竣工した駆逐艦「秋月」は、同日附で駆逐艦「朧」と共に航空母艦「瑞鶴」の護衛任務を命じられた。6月14日には「瑞鶴」と共に北方部隊編入を命じられた駆逐艦「浦風」も加わり、4隻で桂浜から北上し大湊へ向かった。
内海での護衛を終え同年6月24日に任を解かれた後、「秋月」は南方での護衛任務や数々の戦闘に参加。一方「朧」はしばらく近海哨戒を務めた後北方での輸送任務に従事し、再び二隻が行動を共にする機会はなかった。僅か二週間の護衛任務を共に務めた間柄である。
ちなみに、秋月本人ではないが、秋月の妹たちと、朧は艦長繋がりで縁がある。朧の11代目の艦長、赤沢中佐(当時)は、不知火艦長を経て、涼月(艦これ未実装)の初代艦長となっている。また、朧が沈没した時の艦長である山名少佐(当時)は、初春、大潮、霞、不知火の艦長を経て、冬月(艦これ未実装)の艦長となり、坊ノ岬沖海戦にも生き残り、終戦を迎えている。
ゲームにおいて
互いへの言及こそ無いものの、台詞の端々が非常に似通っているのが最大の特徴である。
特に二人並んでの砲撃戦では「やらせはしません!」が重なることがあるので試して頂きたい。これは全艦娘の中でも二人のみの言い回しであり、他の台詞も含め初めて接した先輩艦の「朧」に後輩艦の「秋月」が少なからず影響を受けていることの表れと考えられる。
秋月 | 朧(一部改) | |
---|---|---|
攻撃 | この秋月が健在な限り、やらせはしません! | やらせはしません! |
小破 | 魚雷の誘爆を防いで!大丈夫! | (中大破参照) |
中大破 | まだ…まだ、沈みません!(後略) | まだ、まだよ…沈まない!朧、大丈夫だから! |
改装等 | これなら敵機動部隊にも負けません! | 負けませんから! |
戦績表示 | そうですね、艦隊の今を知ることは大事です | 提督、情報確認ですね、大事ですね |
2015年新春 | (前略)司令、本年もどうぞよろしくお願いいたします | (前略)本年も朧をどうぞよろしくお願いします |
また2015年12月8日のアップデートにて改造後の「朧」の立ち絵が新規グラフィックに差し替えられたが、その際には主砲がこれまでの12.7cm連装砲A型から10cm連装高角砲(長10cm砲)に変化した。
駆逐艦「朧」が史実で装備していたのは12.7cm連装砲B型であり、10cm連装高角砲は「秋月」型に搭載された主砲である。
以下、12月11日時点の 艦これwiki「朧改」より引用
その主砲には何故か睦月型の子達が付けているような三日月マークが付いている。
「朧月」や「秋月」を示している可能性もあるが、このグラフィックが実装された12月8日は太平洋戦争開戦の日。航続距離の不足で真珠湾攻撃に参加出来なかった朧は第二十三駆逐隊(菊月・卯月・夕月(未実装))と共にグアム攻略戦に参加していた事に由来しているという説も有力である。
月マークの由来はともあれ、史実と異なる主砲を持つグラフィックの実装により二人の大きな共通点が生まれた点で画期的なアップデートといえる。
なお、差し替え後の立ち絵は通常時・中大破時ともに「秋月」の立ち絵と大変相性がよいことも一部で話題となったので、気になる提督諸氏にはぜひ確認してもらいたい。
メディアミックスにおいて
漫画「いつか静かな海で」2巻の秋月回では、「翔鶴」「瑞鶴」「朧」「秋雲」に加わる形で「秋月」が登場する。
特に「秋月」と「朧」の絡みはないものの、五航戦の護衛としての先輩後輩関係を想起させるものである。
名前について
「朧」は春の季語、特に朧月という場合には月にぼんやりと雲のかかる様子を指す。一方「秋月」は秋の澄んだ夜空に月が燦然と輝く様子を指す。容姿や性能だけでなく名前も対照的な二人である。
コンビまたはカップリングとしての呼称を「秋朧」「朧月」等と略す案もあるが、五航戦護衛組として縁のある「秋雲」や、他に名に月を持つ艦多数が存在するため(前述の通り、朧は菊月・卯月や秋月の妹など、史実にて秋月以外の「月」の付く艦と縁がある)、「秋月朧」または「朧秋月」と呼ぶのが現状無難であると思われる。