軍国主義
ぐんこくしゅぎ
概要
軍事力を中心にした国づくりを目指す思想。軍隊が国の統治を行う「軍事政権」とは別の概念である。
一般的な定義では、戦争を外交の第一の手段と捉えており、軍事関連が国家の中で最優先事項となり、軍人が国家で最上位の権力を握っている状態。
誤解
戦後の日本では、戦時以前の日本を一方的に悪評化する自虐史観の代名詞として使用されている。
以下はその一例である。
明治以降富国強兵が唱えられ、単年度国家予算を遥かに超える戦費の大戦争を経て対外侵略にのめり込む。そして昭和12年以降は国家予算の大半を軍事費に費やすようになり、遂にはアジアの征服を目指して世界大戦を起こしてしまった。 昭和19年の軍事費の国家予算に占める比率は脅威の85.3%である。これだけの支出に圧迫されての国民生活の耐乏は想像に難くない。戦前の日本は、実に軍閥に滅ぼされたのであった。
しかし、よく誤解されているが、明治時代に入り近代化して以降、日本は『軍国』になったことは実は一度も無い。
なぜかというと、上述したように『軍国』とは軍が国の最上位に立ち、全権を掌握している状態を言うが、当時の日本では軍人が最上位に立ったことは一度も無く、立ったのは軍人を辞めて政治家に転身した元軍人の政治家ばかりであり、東條英機首相でさえ最後の肩書きは政治家である(“首相”と呼ばれている時点で解ることだが)。
ちなみに元軍人の政治家は海外にも多い(ユリシーズ・S・グラント・ジョン・F・ケネディなど)。
また、独裁的だったというのも間違いであり、日本では当時から皇室と内閣に権限が分散されており、天皇が権威を持ち首相が権力を持っていた。
しかし、首相は天皇が任命するものであり、その後の動向によっては辞任することになる場合もある。
例を挙げると軍人から政治家に転身して首相となった田中義一首相は、内閣が張作霖爆殺事件に関与したという疑惑を巡り、天皇の不興を買って自ら辞任せざるを得ない状態に追い込まれている。