Tactics Ogre ~Let Us Cling Together~
『タクティクスオウガ』は、クエスト制作(現版権保持者はスクウェア・エニックス)のSRPGである。
オウガバトルシリーズの二作目にあたり、クォータービュー方式のSRPGとしては草分け的存在。
複数の機種に移植され、現在ではWiiのバーチャルコンソールでも配信されている。
2010年11月11日、当時のオリジナルスタッフを集結させ『タクティクスオウガ 運命の輪』としてスクウェア・エニックスからPSPで発売された。
ストーリー
オベロ海に浮かぶヴァレリア島…。
古来より海洋貿易の中継地として栄えたこの島では、その覇権を巡り民族間で紛争が絶えなかった。
そうした永い戦いに終止符を打った男がいた。後に覇王と呼ばれたドルガルアである。
多民族からなるこの地を統一したドルガルア王は他民族間の婚姻を奨励し、国教を1つとすることで
こうした対立を取り除こうとした。
その統治は半世紀に渡り、ヴァレリアは栄えた。
しかし、紛争の火種が消えたわけではなかった…。
王の死後、司祭ブランタは支配者階級の大半を占めるバクラム人を扇動し、王都ハイムの独立を宣言。
さらに北の大国・ローディス教国と密約を結び、その庇護の下バクラム・ヴァレリア国を建国した。
司祭ブランタは島全土を手に入れることを主張したが、
ローディスから派遣された暗黒騎士団団長のランスロット=タルタロスは戦力の損失を恐れ拒否。
ブランタも渋々それを受け入れ、進軍は停止した。
島の南半分に残された2つの民族主義陣営のうち、人口の7割を占めるガルガスタン系民族主義勢力は
指導者バルバトス枢機卿のもと、南半分の覇権を手にするためウォルスタ系住民に宣戦を布告。
民族の根絶を目的とした虐殺を展開した。
一方、ウォルスタ人はロンウェー公爵を旗頭として抗戦したが、戦力の差によりわずか半年で敗北した。
バルバトス枢機卿はガルガスタン王国の建国と内乱の終結を宣言したが、
ウォルスタ人に対する弾圧は、なおも執拗に続いた。
残されたウォルスタ人の多くは抵抗を続けたが、指導者ロンウェー公爵が捕囚の身となってからは
それも次第に下火となり、ガルガスタンの用意した猫の額ほどの広さの自治区に足を運ぶ者が増加した。
こうしてヴァレリアの内乱は鎮静化した。
しかし、それが、つかの間の静寂であることを知らぬ者はいなかった…。
登場人物
主要人物
デニム:主人公。祖国復興と父親の敵討ちを目的として、ゲリラ活動を開始する。
カチュア:デニムの姉。ゴリアテの町で僧侶を務めている。いろいろめんどくさいことで有名。
ヴァイス:デニムの友人。ウォルスタ人として生きることを求めて、戦いに身を投じる。
レオナール:ウォルスタ解放軍の指導者ロンウェー侯爵の側近の騎士。
アロセール:ウォルスタ人の弓使い。SFC版では雷神の弓を持たせると最強の人になる。
セリエ:ゲリラ組織「ヴァレリア解放戦線」の指導者。
システィーナ:セリエの妹。姉と同じくヴァレリア解放戦線でゲリラ活動をしている。
ハボリム:「剣聖」の称号を持つ盲目のソードマスター。通称ペトロクラウダー……だったが、『運命の輪』における仕様変更によりソードマスターはペトロクラウドが使えなくなっている。
ゼノビア人
聖騎士ランスロット:祖国を追われた騎士。傭兵としての仕事を求めてヴァレリアを訪れる。
風使いカノープス:聖騎士ランスロットの仲間の一人。デニム達に協力を申し出る。
占星術師ウォーレン:聖騎士ランスロットの仲間の一人。ゲームの内に外にと活躍する指南役。
デネブ:カボチャ大好きボディコン魔女。かつてのカノープスやウォーレンの戦友だが、なぜか雑貨屋を営んでいる。終盤、隠し要素として登場し、さらに隠し要素で仲間になってくれる。
暗黒騎士団
暗黒騎士ランスロット:大国から派遣された騎士団の長。デニムの父プランシーを拉致し、連れ去った人物。
暗黒騎士オズ:「よおし、この女はお前たちにくれてやるッ。好きにしろッ!」
暗黒騎士「さっすが~、オズ様は話がわかるッ!」
暗黒騎士オズマ:オズの姉。
『運命の輪』追加キャラクター
ラヴィニス(ラヴィニス・ロシリオン):「運命の輪」における新キャラクター。ウォルスタ解放軍の騎士。『わかりやすい』女騎士衣装で人気を博している。
クレシダ:ガルガスタン人の屍術師。屍霊術に対して「無念のうちに命を落とした者達を救い、彼らの願いを叶える術である」と考えている。胸元が大きく開いた衣装が特徴的。
………etcetc.
システム
主に本作独自のものについて解説する。
ウェイトターン
ユニットの素早さや装備アイテムの重量などで構成された数値。
敵味方関係なく、その戦闘に参加している全ユニットが、この数値の少ない順に行動する。
高低差と方向
各マップごとにパネル単位で設定されており、そのマップの地形・風土を表現している。
これは各ユニットの移動・攻撃に強い影響を及ぼす。
(例:移動目標のパネルが高すぎて登れない、正面よりも背面からの方が攻撃時の命中率が高いetc)
トレーニング
自軍を二チームに分けて、滞在マップ上で戦わせるというもの。
実戦同様に経験値を得られるので、ノーリスクで自軍を強化できるが、ゲームバランスを壊す恐れもある。
『運命の輪』では使えなくなっている。
コミカライズ
松葉博によるコミカライズ版が全4巻でスクウェア・エニックスより刊行されている。
全編血塗れの極めてハードな漫画である。
やり過ぎなくらい首がポンポン飛ぶ。
ストーリーは1章終盤から2章終了まで。
打ち切りエンド気味だが、4巻あとがきによれば当初からの予定との事。