概要
テッド・ヒューズの絵本「アイアン・マン-鉄の巨人-」を原作とした、宇宙から来た巨大ロボットと少年の交流と大人たちの疑念に追い詰められていく様子を描くアニメ映画。
作中では1950年代アメリカの生活、町並み、兵器が多く登場する。
ロボットはCGで描かれているが、手書きの質感を取り入れて、2D作画と違和感なく作られている。
興行的には振るわなかったが、当時のアニー賞の10部門中9部門を獲得。ロサンゼルス映画批評家協会賞アニメーション部門を獲得した。
この後監督のブラッド・バードはピクサーに映り、『レミーのおいしいレストラン』等の監督を務めた。
日本では2000年に吹替え版を収録したDVDが発売された。
あらすじ
アメリカとソ連の冷戦の時代である、人工衛星スプートニクが打ち上げられた1957年。
メイン州の沖合にて巨大な流星と二つの光、そして巨大な影が目撃された。
数日後、郊外のロックウェル出身の少年ホーガースは森の中で巨大ロボット「アイアン・ジャイアント」と遭遇。いかつい見た目とは裏腹に子供っぽい性格のアイアンとホーガースはすぐに親友となった。
大人たちに見つからないよう過ごしていたホーガースだったが、彼の前にアイアンをソ連の兵器と断じるマンズリー捜査官が現れる。
登場人物
- ホーガース・ヒューズ
CV:イーライ・マリエンタール(吹:進藤一宏)
本編の主人公。アメリカはメイン州郊外ロックウェル生まれの少年。母のアニーと二人暮らし。
動物とホラー映画、漫画のスーパーマンが大好きだが、友人たちからはがり勉呼ばわりされ、少し浮いている。
アイアンとの交流で「命の大切さ」「友情」を学ぶ。
- アイアン・ジャイアント
CV:ヴィン・ディーゼル(吹:郷里大輔)
ホーガースが森の中で出会った、宇宙から降ってきた巨大ロボット。鉄や金属が好物。
武器に過剰反応して、我を忘れ攻撃してしまう程の自己防衛機能と無限の戦闘力を持っているが、性格は子供っぽく、「兵器」であることよりも「ヒーロー」になることを望む。
その正体と目的は本人も解っていない。
自己再生機能があり、バラバラになっても集合電波を発しネジ1本に至るまでのパーツ単位で招集し元に戻る。
- アニー・ヒューズ
CV:ジェニファー・アニストン(吹:日高のり子)
ホーガースの母。シングルマザーで、女手一つでホーガースを育ててきた。
裏設定では戦闘機パイロットだった夫を朝鮮戦争で失っている。
- ディーン・マッコーピン
CV:ハリー・コニック・Jr(吹:井上和彦)
自称芸術家で、収集した廃材を組み合わせてアートを製作しているスクラップ場のオーナー。
ホーガースとアイアンの理解者であり、ホーガースに「なりたい自分になればいい」という言葉を送る。
- ケント・マンズリー
CV:クリストファー・マクドナルド(吹:大塚芳忠)
政府から派遣された捜査官。目的のためには手段を選ばず後先考えずに行動する独善的な性格。
「空から落ちてくるものは全てソ連の兵器」という先入観で凝り固まっており、アイアンをソ連の兵器と断じて追い詰め、最終的には軍の許可なくアイアンに核ミサイルを発射してしまい、逮捕された。
- ローガード司令官
CV:ジョン・マホーニー(吹:池田勝)
マンズリーの報告でロックウェルに軍隊を引き連れた軍司令官。根は善人で、核ミサイルを迎撃するために散ったアイアンの捜索を行い、唯一見つかったネジをホーガースに送った。