公式設定
ユニット、クラス、部活は異なるが、共に夢ノ咲学院の三年生であり、また家が近く、幼稚園と小学校が同じという幼馴染でもある。
ユニットは、鬼龍は『紅月』、斎宮は『Valkyrie』に所属。
高校三年次のクラスは、鬼龍はB組、斎宮はA組。
部活は、鬼龍は空手部、斎宮は手芸部。ともに部長を務める。
*以下ストーリーの一部ネタバレあり*
イベントストーリー「追憶 マリオネットの糸の先 Stand By Me/第一話」
時間軸は本編より1年前の秋頃。斎宮がリーダーを務めるユニット『Valkyrie』の過去が描かれたイベントストーリーの中の一話。
ライブチケットの販売中に廊下で倒れていた斎宮を、鬼龍がお姫様抱っこで保健室まで運んでいる。
幼少期のエピソードとして、
・鬼龍のことを『りゅ~くん』(と言いかけて毎回呼びなおすため推定)、斎宮のことを『いっちゃん』と呼び合っていた
・男の子だが人形遊びが好きだったためにいじめられていた斎宮を鬼龍が庇っていた
・鬼龍が斎宮に誓った「お前は絶対に守ってやる」という、もはやプロポーズのような約束
などが明かされ、当時の仲の良さがうかがえる。
また、斎宮を守ってやれないと謝る鬼龍に対し、斎宮は「こうして動けない僕を運んで、語りかけてくれるだけで......だいぶ、救われなくもないよ?」と返答。他の人には見せないであろう、数少ないデレを発揮した。
生徒別ストーリー「斎宮宗 糸が見えない」
ストーリー付きカードで開放できる、生徒別ストーリーの二話目。
空手部の道場に鬼龍を訪ねた斎宮が、衣装作りの手伝いを依頼しに来ていた女子転校生(主人公)と鬼龍が共に居るのを目撃し「誰だね、その女は!こここ、硬派な君らしくもない!神聖な道場で逢い引きかねッ、失望したよ!」と動揺と嫉妬を隠さない様子であった。
このストーリーでは、親しくない人とは手に持った人形『マドモアゼル』を介して会話をするほど神経質な斎宮が「君は身の程を弁えているから好きだよ、鬼龍」と明らかに好意を口にし、「僕と鬼龍の語らいを邪魔する輩が存在する空間で、一秒だって呼吸をしたいとは思わない」と独占欲を感じさせる発言も。
また、転校生と鬼龍が、斎宮の話をしていたと聞き「僕をよく知る君に褒められるのなら、例外的に認めないこともない」、暇なら衣装づくりを手伝ってくれと頼まれ「鬼龍は昔から僕がいなければ何もできないのだからね」など、まんざらでもなさそうな笑顔(ドヤ顔ともいう)を見せた。
更に、幼い頃、鬼龍が斎宮の大事な人形を乱暴に扱って洋服を破ってしまい、母親に教えてもらってその洋服を直したことがきっかけで、二人で鬼龍の母親に裁縫を習っていたという、裁縫が得意な二人の原点も判明する回である。
通常プロデュースコース「3-A 斎宮宗」
新規追加された、斎宮宗のプロデュースコースで発生することがあるイベント。
「A組に鬼龍がいれば少しは楽しめた」「何故か鬼龍は隣のクラス」「何故僕はB組ではなかったのかと悔やんでいる」など、鬼龍とクラスが異なることに対し不満げなセリフが、イベント中に何度も出てくる。
また、不機嫌な様子の斎宮に、転校生が相談に乗りましょうかと言うと「幼馴染でもない顔見知り程度の人間に理解してもらいたくない」と一蹴。顔見知り程度の人間はどうでもいいが、幼馴染になら理解してもらいたいらしい。
更に、鬼龍の話を転校生とすると「鬼龍のことが気になるのか」と問いかけてくる。
そのうえ、裁縫の師匠だからと答えると「幼馴染と親しくされるのはあまり気分が良いものではない」と嫉妬心の塊のような発言が返ってくるし、
仲が良いのかと聞くと「僕と彼は幼い頃、レースを編んだりした仲」「友と呼んでやってもいい」とやたらと幼馴染アピールをしてくる。
イベントストーリー「誉れの旗 栄冠のフラワーフェス 残夢/第三話、エピローグ②」
転校生が学院にやって来た直後ごろのイベントストーリーの一部。
「残夢/第三話」では、斎宮と同じユニットのメンバーである影片を見かけた鬼龍が、わざわざ斎宮の近況を聞くため、影片に話しかけようとしていた(が、未遂に終わった)。
「エピローグ②」では、ライブ後に、斎宮本人と会った鬼龍が「顔色が良くない、食事をちゃんととっているのか、身体が丈夫じゃないんだから」と非常に心配し、斎宮には「余計なお世話」「いつまで保護者きどりなのか」と言われてしまうほど。
このようなやりとりは、前述の「追憶 マリオネットの糸の先 Stand By Me/第一話」でもされており、身体が弱い斎宮を鬼龍が気にかける、という関係は当時から変化していないようである。
スカウトストーリー「スカウト!トイボックス 第五話」
イベント「宵の宴🎵バンドアンサンブル」と同時に追加されたスカウトストーリー。
購買部で、転校生がラスト一個を買ったために、斎宮が、好物かつ貴重な栄養源(食事は体内に異物を取り込むという認識のため、あまり好きではないらしい)であるクロワッサンを手に入れられなかった。そこで転校生がクロワッサンを譲ろうとすると、一度ひとの手に渡ったものを口に入れるほど落ちぶれていない、心配しなくても水以外のものも口にするから、と断った後、
「低血糖で倒れて保健室に運ばれるのは懲り懲りなのだよ。......むかし、それで倒れては鬼龍に迷惑をかけたからね。またあれこれと口喧しく言われるのは避けたい」
今はもう鬼龍に守られるばかりではないという意思の表れなのか...?
イベントストーリー「傾け!梅雨払いの錦 プロローグ、第七話、エピローグ」
ストーリーの時間軸は初夏。
「プロローグ」では、空手部の道場で衣装作りをしていた鬼龍が、『紅月』の後輩である神崎に「本当は手芸部に入りたかったのではと思ってしまう」と言われる。すると、手芸部というワードだけで「忙しくて顔を合わせてねぇけど、元気にやってるかな、あいつ」などと言い出し、どれだけ幼馴染の心配をしているんだろうかこの男は。
また、以前は仲良くやれていたが、今は若干の距離があるという現状には、「......むかしみたいにとはいかなくても、手芸のことで気軽に相談できるような仲にはなりたいのかもしれねぇな」と、あまり満足ではない様子。
「第七話」では、B組の教室に不在だった鬼龍を探して、斎宮が道場を訪ねてくる。自主的な行動なのか、誰かに様子を見るよう頼まれでもしたのかは不明。
そこで、裁断しかけの布を握ったまま居眠りする鬼龍を見つける。普段は鬼龍に心配されている側の斎宮が「そこまで気が回らないほど疲れていたということか」「顔色も悪い」と、珍しく立場が逆転している。
うなされているようだから、と起こしてくれた斎宮に、寝ぼけた鬼龍のセリフは
「もう朝ご飯の時間か......?」
すでに結婚しているかのようなやり取りである。新婚さんか。
また、起こしてくれたお礼を言う鬼龍に「むかしのよしみというやつだ」、家に帰って休んだ方がいいと言いながら、心配してくれてんのか?と聞かれると「僕は一般的な見解を述べただけ」、と斎宮のツンデレは相変わらず健在。
このシーンでもう一つ注目したいのは、心配してくれてんのか?の鬼龍の表情。セリフ中でも斎宮に指摘されているが非常に嬉しそうで、見ているこちらもニヤニヤが止まらない。
そして鬼龍からの「ちゃんと飯とか食ってんのか」「ぶっ倒れないように最低限の食事と睡眠はとれ」はもはや紅宗を語るうえで外せないテンプレとなっている。
さらに、このイベントの一つ前のイベントストーリーで、『流星隊』の衣装を鬼龍が作ったことと、布から推察するに現在制作中の衣装も『紅月』の衣装ではないことを、斎宮は見破る。どこかから情報を得ていたにしても、衣装をよく見ていたにしても、鬼龍のことをよくここまで知っているものである。
斎宮の「あまりお人好しなのもどうかと思うよ、好意につけこまれるおそれがある」は、鬼龍が悪意を持った誰かに利用されるのを嫌がる気持ちから?と思うのはさすがに考えすぎだろうか。
対する鬼龍からの「おまえも『五奇人』とか呼ばれて浮き世離れしちまったかと思ったが、根本的なところは変わってない」は、お互いの昔の姿を知っているという幼馴染設定のおいしいところである。
そしてそこに、転校生が鬼龍にアドバイスをもらうためにたくさん衣装を持って現れるが、斎宮が「小娘、鬼龍は忙しいのだよ。ほかをあたりたまえ」と冷たくはねつけ、鬼龍が「おいおい、邪険にすんなよ」とたしなめる様子は、やはり他の女に嫉妬するかわいい嫁と、それをなだめる男前な旦那にしか見えない。
また、斎宮も転校生に裁縫を教えているだろうという指摘に「転校生には鬼龍、そして斎宮が慕っていた鬼龍の母親の影響が出ているから」という部分は、この幼馴染の闇を感じさせるところ。
「エピローグ」では、斎宮が『紅月』のステージを見に来ており、
「『紅月』に所属するのを嫌がっている風だったのだがね、あの嬉しそうな顔と言ったら咄嗟に言葉が出なかったよ」「鬼龍にはあの場所が合っているのだろう。それを知れただけでも、この場に来た甲斐があった」
...自分の居場所を見つけた旦那を、寂しさもありつつそっと見守る嫁か...!?
というか本当に、鬼龍のことをよくここまで知っているものである(二度目)。
イベントストーリー「演舞 天の川にかける思い プロローグ、巨星、墜つ/第六話、雨のち晴れ/第一話、第二話」
2015年のイベント「挑戦!願いの七夕祭」と同時期にあたるストーリー。
「プロローグ」では、鬼龍に頼まれた衣装をつくる、と集中する斎宮を見た影片が「『りゅ~くん』さんに頼まれたんやもんね」と言うシーンがある。
しかし、他のストーリーを参照すると、普段は『鬼龍』、マドモアゼルを介した転校生との会話内では『紅郎くん』と呼んでいる。斎宮本人が影片の前で、普段から鬼龍のことを『りゅ~くん』と呼んでいるとは考えにくいし、どこから影片に『りゅ~くん』呼びを知られたのか?
ただ何にせよ、影片の印象に残るほど頻繁に、斎宮は幼馴染の話をしているのではないだろうかと推測はできる。
「巨星、墜つ/第六話」では、天祥院が斎宮に対し、『Valkyrie』がドリフェスに参加しなければ、『Valkyrie』を解散させ、元メンバーの仁兎が所属する『Ra*bits』も潰す、そして『Ra*bits』を潰すのには『紅月』を使うつもりだ、と脅迫してきて、
「そういえば、『紅月』には君の幼なじみがいるね」「鬼龍くん......心優しい彼に、無力な子兎たちを踏みつぶさせるのは心が痛むよ」
などと言い出す。
ここでは天祥院英智の鬼畜さはひとまず置いておいて、斎宮の大切なものとして『Valkyrie』や仁兎に加え、当然のごとく幼なじみが挙げられている。お互いが疎遠になったと言っていながらだ。これまでのストーリーでも何度も思うことだが、本当に君たちは今そんなに仲良くないのか?いや嘘だろ?
また、幼い頃は鬼龍に守られていた斎宮が、今回は鬼龍を守る、という構図には、たいへん胸の熱くなるものがある。
そして彼らが幼なじみであることは、天祥院の手にかかれば簡単に知ることができそうな気もするが、傍目には接点の無さそうなこの二人が仲良さげに話しているところを目撃されていたり、幼なじみだと他の人にも話していたりする可能性もある。
「雨のち晴れ/第一話」では、依頼した衣装作りの進捗を確認するため、手芸部の部室を訪ねた鬼龍が、影片に「『りゅ~くん』さん」と呼びかけられ、少し語調を荒らげ凄むシーンがある。
『りゅ~くん』は斎宮にのみ呼ばれていた名前だから、他の人にその呼び名を使われると違和感を感じる、などの理由があるなら納得できるこの対応だが、はたして真相は。
また、凄まれたあと敬語を使う影片に対して「敬語じゃなくていいよ、くすぐってぇな。斎宮のダチなら、俺の身内みてぇなもんだしさ」 このセリフである。「嫁の家族は俺の家族でもある」みたいな理論をしれっと適用している。
さらに影片の発言によると、斎宮は「鬼龍先輩に頼まれたから~って張り切って」衣装作りをしていたらしく、イベント期間限定のプロデュースコースでも、目の下にクマを作っていた。もともとの裁縫へのこだわりはあるにしても、幼なじみのために頑張る、なんと健気な子だろうか。
「雨のち晴れ/第二話」では、長く活動休止していた『Valkyrie』が、『fine』とのドリフェスに挑もうとするのに対して、鬼龍が「迂闊に突撃して、また大事なものを落っことしてから後悔しても遅ぇんだぞ?」と、二年生の秋頃、斎宮が負かされ、壊れてしまったあの事件を思い出してか、彼に忠告する。それに対する返答は、
『うふふ。あなたがそれを言うの、りゅ~くん?偉そうにさぁ、あたしの死に目にも会えなかったくせに?』
マドモアゼル越し。今まで鬼龍と話すときは一度も使ったことが無いのに。
しかも「あたしの死に目」ということは、マドモアゼルの人格は、鬼龍の亡くなった母親がベースとなっている可能性が非常に高い。
さらに、前述のように他ストーリーによれば、マドモアゼルのときは『紅郎くん』と呼ぶはず。なのに今回は『りゅ~くん』。マドモアゼルが鬼龍の母親の投影で、これが彼女単体の言葉なら、決して出ないであろう呼び名。つまり少なからず斎宮本人の意思が入っている。
この発言に鬼龍は「その腹話術、やめろよ。不愉快だ、わりとマジでな」と明確な嫌悪感を示した。
鬼龍紅郎と斎宮宗のあいだにある過去の深い闇にまつわる話では、まず間違いなくマドモアゼルが鍵となるだろう。