世の中クソだな
よのなかくそだな
!!!警告!!!この記事は物語終盤のネタバレが書かれています。
それでもいいですか?
ようこそ真実へ
「世の中クソだな 」とは、八十稲庭市連続怪奇殺人事件の黒幕としての足立透のセリフである。
犯人だとバレた時の足立の台詞、『くだらない世の中』への厭悪がこもった一言。
自称特別捜査隊としては聞き逃せない一言である。
アニメ版24話のサブタイトルにもなっている。
『The World is Full of Shit(世の中クソだな)』
どういうことなのか
連続怪奇殺人事件の「殺人」を行った人物こそ、足立なのである。
彼もまたテレビの向こうの世界に出入りできる能力を与えられた人物の一人である。今作の黒幕によって能力を与えられた。「虚無」担当。
暇つぶしにマヨナカテレビの噂を試してみた際、足立の前に見えたのは生田目と同じく山野真由美アナだった。
前から山野アナのファンだった彼は、不倫騒動の渦中で天城屋旅館に身を隠していた山野アナに警護を口実に近づき、不倫の真相と自分との関係を求めるも拒絶されてしまう。これに逆上した足立は彼女の背後にあった大型テレビに彼女を突っ込み、そのままテレビの中に落としてしまう。
このときはまだ後先など考えておらず、落とされた人物の末路も分かっていなかった。しかし数日後にその結末が、「彼女の惨殺死体」という回答で帰ってくることになる。
足立はその死体を見たとき、嘔吐した。
テレビに人を入れると何かしらの理由で死んでしまうことを理解したのである。
それからしばらくしないうちに、足立は山野アナの遺体の第一発見者となった小西早紀に目を付ける。足立曰く「好みのタイプ」だったらしく、さらにマヨナカテレビを見て彼女へ警告を発する生田目の姿を「生田目と関係を持っている」と誤解していたこともあり、彼女を取調室に呼び付けて色々と探りを入れ、さらにそれをネタに関係を持とうと迫る。
しかし早紀に拒否されたため、今度は死ぬと理解した上で彼女を取調室のテレビへと放り込んだ。
その後、偶然にも足立の夜勤当番中に生田目から、110番でマヨナカテレビと能力について相談される機会が訪れる。
以前から八十稲羽署に不審な電話がかかってきていると聞いていた足立は、それが生田目のものと察知。そして彼も自分と同じ能力者と知ると、犠牲者が死ぬ前に、その能力で助ければいいのではと提案して生田目を焚きつけてみたのである。
これが天城雪子をはじめとした、連続失踪事件の根本的なきっかけとなった。
ところが、7月になってトラブルが発生する。
久保美津雄が諸岡金四郎を殺害し、自分こそが連続殺人の犯人だと言って夜中に自首してきたのである。
これを隠ぺいするために、当日宿直であった足立は取調室のテレビから美津雄を落として始末しようとする。番長たちの努力で美津雄の死は防がれるも、足立は大義名分の下に美津雄を逮捕し、何事もなかったように見せかけることに成功する。
そして11月、再びトラブルが発生する。
なんと自分の上司の堂島遼太郎の娘で自分とも親しかった堂島菜々子が、生田目の犯行によってマヨナカテレビの中に突っ込まれてしまったのである。
流石にこのときは堂島家への義理から、生田目の逮捕に積極的に協力。その際に生田目が使っていた運送用のトラックから犯行を記した手帳が見つかり、これ幸いとばかりにあまりにも迂闊な発言をしてしまう・・・。
最終的に生田目は捕まり、一時は死んだと思われた菜々子も助かり、すべてが収束に向かい出す。
そして最後に仕上げとして生田目をテレビに突っ込もうと、病室に向かっていると……。
動機
足立の犯行動機、それはつまらない人生に面白みが欲しかったというものだった。
元来ナルシスト気味だった足立は、自分がエリート公務員として警視庁の捜査官になることを目標としていた。
(P4Gの彼のコミュでは、「それなりの進学校の出身」「学生のころは勉強ばかりしていた」「本当なら自分は都会で出世するはずだった」と、基本的には無能な人物ではないことがわかる)
しかし同時に持ち合わせていた怠惰で高慢な性質が見えてしまっていたのか、中央から八十稲羽署に左遷されてしまう。
自分はデキル人間という自負に溢れていた足立にとって、八十稲羽での生活は退屈でしかなく、かといって中央に戻る努力も惜しむ体たらくだったことから、徐々に人間として根腐れを起こしていくことになる。
ちなみに警察官になった理由は「元々銃が好きで、警官なら拳銃が好きに使える」という、非常に単純で不純な理由から。
「世の中クソだな 」とは、こうした足立透という人間の卑屈な人生観の体現とも言えよう。
P4Gのアニメでは、彼の目線からのストーリーが描かれている。(六話「The World is Full of Shit」より)
同僚との足の引っ張り合いに負け(P4Gのコミュの会話より推測)、八十稲羽署に左遷され、堂島の元に配属。
つまらない田舎での勤務は不本意で、当初は無気力にただ日々を過ごしていただけであったが、堂島に叱咤されながらも職務をこなし、プライベートでもスナックに連れて行ってもらったり、堂島宅にお邪魔したりするうちに、いつの間にか家族の一員として堂島家に居場所を見出す。
堂島が絡むシーンでは画面の彩度があがり、世界が鮮やかになる。
これは足立の心情を表すため意図していれた演出だとBDのオーディオコメンタリーで制作側が発言している。
彼の赤いネクタイは堂島がお古をプレゼントしたものらしい。(アトラス公式番組のペルソナストーカー倶楽部の質問コーナーより判明)
その他、P4Gの足立のコミュで登場した、彼を「透ちゃん」と呼び、煮物を作って渡してくれるおばあさんの存在も彼の心の支えになっていた。
……が、マヨナカテレビの存在と、鳴上悠が堂島家に居候しはじめてから、彼の境遇は変わってしまう。
マヨナカテレビに映った山野真由美をテレビの中に落とした後、足立は、自分より後から堂島家に居候に来た鳴上に堂島家での自分の居場所をとられたように感じ、(実際、堂島家の玄関を雨の中寂しそうにじっと見ている足立のシーンがある)
更に追い打ちをかけるように前述のおばあさんの子供(エリート公務員の透ちゃん)が都会から帰ってきたことで、おばあさんはもう足立のことを気にかけなくなるという出来事が重なり、彼の心は段々と歪んでいく。
小西早紀をテレビに落とす際に吐いた「なんで僕じゃあ駄目なのかなあ!?」という台詞は、居場所を無くし鬱屈した彼の心情をよく現した台詞だろう。
鳴上が差し入れに持ってきた料理を、受け取りはしたが全部捨ててしまったり、
しかしジュネスの特捜隊のバンド演奏を堂島親子と共に面白そうに見学したり、
菜々子と鳴上と共に家庭菜園を営んだり、「(菜々子が攫われたのも、自分が再び孤独になったのも)全部君のせいだ」という独白を吐いたりと、鳴上には憎しみと、ほんの少しの憧れによる嫉妬が混じった複雑な思いを抱いている。
七話の鳴上と足立の戦闘時の挿入歌である『Ying Yang』)のラップ部分で
「無知なガキは嫌い」「君は光で僕は光の当たらない反対側の部分」という詞(意訳)があること、テレビの世界で対峙したときに(互いのペルソナの干渉のせいか)お互いの過去が見え、二人とも似たような孤独な生い立ちであったことがわかる。
が、鳴上は仲間との絆を育んだのに対し、足立は他者との繋がりを拒んだ。
始まりは同じだったのに、ほんの少しの違いで対立する道へと分かれてしまった二人は、まさに表裏一体である。
先述の『Ying Yang』の歌詞にはそういった鳴上と足立のスタンスがよく描写されている。一聴の価値あり(『Ying Yang』歌:平田志穂子RAP:Lotus Juice/「P4GA」DVD3巻特典サントラ収録。Ying Yangとは陰陽という意味でありLotus Juice氏の高音のラップ部分が鳴上、低音が足立の台詞的歌詞とされている)。
鳴上は戦闘後、
「あなたにだって(絆は)あったんだ」
「帰ろう。足立さん……」と足立を最後まで見捨てなかった。
そして
相も変わらず世の中クソだな!完全自己中キャベツ刑事(デカ) 足立透!
P4U2家庭版にて参戦決定。
足立自体の戦闘能力は並だがペルソナの性能が高性能で、様々な状態異常を負荷する攻撃を持ちトリッキーに立ち回れる。
また武器が銃と言っても直斗やアイギスのようにバンバン打ちまくるわけではなく、足元に向けて銃弾を発射する「ビビったぁ?」系統以外は何故か銃で直接殴るのが主体。
DLCでの追加キャラだが、足立目線の専用シナリオ「Episode“Adachi”」も足立とセットでプレミアム・ニューカマーパッケージに付属する。
とある人物に導かれ、投獄中にも関わらず今回の事件に巻き込まれる事になる。
シナリオ、足立ともに9月4日に一般配信開始。
余談だが、ペルソナQには足立は出ていないが、彼のペルソナのマガツイザナギはDLCで配信されている。
さらにP4Dへの追加DLCとしての参加も決定した。
原作ラスボス曲の「霧」のアレンジバージョンに合わせてアニメーションダンスを披露する。
今回の登場はP4U2のように特別な理由があるというわけではなく、あくまでフリーモード限定のおまけ程度の出演である。
ダンス自体は彼らしい無気力さと凶悪さが絶妙に同居した非常にセンス溢れる物となっているが、残念ながらダンス終了時のパフォーマンスにマガツイザナギは登場しない。
コミュフィーバー時には番長と息の合ったダンスも披露する。