概要
西武鉄道101系をマイナーチェンジした車両として1979年に登場した。
従来の西武101系を旧101系、マイナーチェンジした101系を新101系やN101系などと言って区別することが多いが、旧101系からの変更点はデザインや細かい部分の変更のみで、走行性能は同一である。
また、301系は番号のみの差で基本的に新101系と同じであるため、ここで記載する。
製造
1979年、まず池袋線に2両編成が投入され、増結編成として活躍した。その後4両編成も製造されたり、新宿線にも投入されるなど活躍の場を広げることとなった。
4両編成のうち、一部の編成は番号が300番台になり、301系として区別されることとなる。
301系はその後中間車を増結して全編成8両固定編成となった。
番号が違うのみで新101系と301系は外観や性能は同じである。
本線系統からの引退
2000系やその後の新型車などとは異なり、101系・301系は3ドア車であったため、乗降時間やドア位置が統一できないことなどで不利であり、2004年に289編成が引退したのを皮切りに徐々に数を減らしていくこととなった。
2008年から30000系(スマイルトレイン)が製造され、新101系・301系は2012年12月2日を最後に本線系統からは運用を退き、同12月9日の団体臨時列車をもって本線系統から引退した。
しかし、ワンマン改造された車両は引き続き西武園線・多摩湖線・多摩川線で運用されており、2016年現在も現役である。
譲渡
2両編成として製造された編成は長編成の必要のない地方私鉄では使いやすかったため、401系などと同じように多数の車両が地方私鉄へ譲渡された。
また、会社によっては編成を組み替えて譲渡された。
譲渡にあたって、譲渡先のすべての会社でワンマン運転を行っており、譲渡先ではワンマン化改造ができないため、西武の車両工場でワンマン化改造が行われた後に譲渡されている。(ただし、東急車輌電設に改造を任せた秩父鉄道の6001編成(元229編成)と、ワンマン化改造どころか電気指令式ブレーキ化までも自社でやってのけた近江鉄道は除く)
譲渡先
上信電鉄
2両編成を改造し、500形として2編成導入した。
廃車第1号である289編成はここに譲渡された。
秩父鉄道
4両編成のうち、偶数車の中間電動車に偶数車の先頭車から運転台を移植して先頭車化改造を行い、3両編成にして急行列車用の6000系として導入した。
改造の際、内外装ともに大きく変化し、外観は中央のドアを埋めて2扉化、先頭部も角型ライトに変更され、愛称表示器やスカートが設置された。
また内装は座席がロングシートからリクライニングするクロスシートに変更された。
三岐鉄道
2両編成(Mc+Mc)と4両編成(Tc+M+M+Tc)をばらして3両編成(Mc+M+Tc)に組み替え、751系として1編成導入した。
また、4両編成をばらして先頭車と中間電動車を1両ずつ部品取りとして譲渡された。
しかし、譲渡後、元西武701系の851系が脱線事故を起こし、先頭車が廃車となったため、部品取り用に譲渡された西武新101系の先頭車を整備して代替車とした。
伊豆箱根鉄道
先述の三岐鉄道向けの組み換えと同じように3両編成(Mc+M+Tc)に組み替え、1300系として2編成導入した。
近江鉄道
2両編成4編成と、8両編成の301系から中間付随車を抜いた6両が1編成、301系から中間付随車と電動車1ユニットを抜いた4両が1編成、部品取り用と思われる2両編成の片割れが1両の計19両が譲渡された。
また、前述の通り改造は自社の彦根工場で行っている。
2両編成1本がワンマン化改造と電気指令式ブレーキ化改造などを施されて900形として導入された。滋賀県は海なし県であるにも関わらずなぜかピンク色のイルカが描かれている。
残りの2両編成3本は電気指令式ブレーキ化せずにワンマン化改造のみで竣工し、100形として導入された。
紺色にピンクの帯が900形、水色に白の帯が100形である。
残りは301系と相方のいない制御電動車のみであるが、4年経った2016年現在も彦根車庫に放置されている。
しかし、西武401系411編成は西武で廃車後、10年以上彦根車庫で放置され、13年目にようやく近江鉄道811編成として落成したという前歴があるので、この301系もいつかはもう一度元気に走り出す時が来るのであろう。
流鉄
2両編成を改造し、5000形として5編成導入した。
各編成ごとに塗装が異なり、それぞれに愛称がつけられている。