概要
CV:夏木マリ
千と千尋の神隠しに登場する八百万の神々が集うと言われる湯屋「油屋」の経営主である強欲な魔女。
二頭身という人間離れした体格で、とにかく顔がでかい。
息子の坊に対して甘く、客にも常に低姿勢であるが、それ以外の人物(雇用人)に対しては厳しい態度を見せる。
反面、河の神の汚れを清めて砂金の儲けをもたらした千尋を褒め、部下たちにも彼女を見習うよう忠告したり、(儲けの見込みがありそうな客に対して)自ら応対に赴いたり、横暴を働く客には自ら撃退にかかるなど、経営者としての度量と資質も持ち合わせている。
また、一方的な意見だったが千尋の人間性を見抜いたり博識で感覚や判断力も鋭く、気概にも溢れるなど、(性格上の欠点があまりにも目立つだけで)それなりにできたところもある。
一方で、(絵コンテによれば)邪悪なやり方で従業員を奴隷化しようとしていたなど、やはり歪んでいることは否定できない。自身の下した危険でルール違反な任務で傷ついたハクを「処理」しようとするなど、所々で一線を越えてしまっている。他人を奴隷のようにこき使う、非道な行いを平然とする、他人を悪事の駒として利用するなどのあくどさや冷酷さが目立つのも事実だが、子供が行方不明になった時には取り乱すなど、善悪両面含めて非常に人間臭いキャラクターだと言えるだろう。(宮崎自身は「本作には本質的な意味での悪人はいない」との言葉を残している)
銭婆の妹だが、仲があまりよくないようで、彼女を性悪女呼ばわりしている。
魔法の技量はあちらのほうが若干上の模様で、絵コンテでは、財力など多くの面で優れる姉に対してコンプレックスを抱いているとされている。
千尋に「お婆ちゃん」と呼ばれた際には面食らうものの否定していなかったり、世界から立ち去る千尋をこっそり振り返って見送っている等、所々に見える性格の端から、決してあくどいだけではなく銭婆の様な性格も多少なりとも持ち合わせてはいるのかもしれない
ただ、姉とは違い、強力な魔力を持ちながら、坊や湯バード、頭の正体を見抜けないなど、本質を見抜く力には優れない(または姉の魔力と機知等が上手であった)。オクサレ神の正体も、銭婆ならもっと早く見抜けたのだろうか。ただ、そんな銭婆でも死に体のハクには一杯食わされていた。
設定では、従業員は基本的に三すくみの生物が多い。
湯バード、頭などの手下もいるが、湯バードは後に銭婆の与えた姿を気に入っており、頭もネズミと化した坊とハエドリの湯バードを叩き潰そうとするなど、仲間意識は意外とないことがうかがえる。