概要
ヴィクトル・ニキフォロフ×勝生勇利のBL(腐向け)カップリングの略称。
ヴィクトル・ニキフォロフはフィギュアスケート世界選手権五連覇を果たした27歳のリビングレジェンドで、対する勝生勇利は初グランプリファイナルに出場するも最下位に終わってしまった23歳の崖っぷちフィギュアスケーターである。
アニメ放送開始前に公開されたPV終盤で一部の界隈に衝撃を与えた二人だが、放送後もさまざまな驚きを与え続けている。どこのリビングレジェンドだ。
世界中を虜にするような美貌を持つロシア人と、眼鏡をかけていて一見地味な容姿の日本人という、美形×平凡、外国人×日本人とビジュアルからすでに属性が山盛りなカップリングだったが、アニメ放送後にはヴィクトルや勇利の性格等が明らかになり、二人の関係性やギャップに悶える人が続出した。
毎話公式が驚くような展開を繰り広げる為、放送日が近づく度に震えている視聴者も多かったことだろう。
身長差は7センチ。競技中は勇利がスケート靴を履くため、身長差はほとんど無くなる。
劇中にて20回以上もハグをしている。
アニメ本編
以降ネタバレ注意
ここでは、本編1話でグランプリファイナルが行われているシーズンを昨シーズンとして扱う。
1話
“とりあえず1話を見てくれ。”
1話放送直前に放送開始していたユーリ!!!onRADIOでメインパーソナリティの豊永利行と内山昂輝が繰り返し述べていた言葉。1話を見て円盤購入を即決した人間は少なくないだろう。
冒頭
幼い勇利が目の前のリンクで長髪だった頃のヴィクトルが滑っているところを見つめているシーン。照明もついておらず、窓からの光しか入ってこないスケートリンクで勇利1人のために舞うヴィクトル。
滑っていくうちにヴィクトルは髪を切った現在の姿になり、勇利も成長後の姿になる演出が憎い。
ヴィクトルが踊っている曲は「離れずにそばにいて」と推測される。
昨シーズングランプリファイナル直後
ヴィクトルが自分を見つめている勇利に気づき、「記念写真? いいよ」と声をかける場面である。ヴィクトルが勇利を一般人のファンと間違えていたのか、選手と知っていて声をかけたのかは不明だが、ヴィクトルと同じ舞台で戦うことを目標にしていた勇利はショックを受け、ヴィクトルを無視して歩き去ってしまう。去っていく勇利の背中に向けるヴィクトルの視線が意味深である。
FS「離れずにそばにいて」完コピ
傷心のまま激太りし実家の温泉宿に帰った勇利は、アイスキャッスルはせつで幼馴染の西郡優子に向けてヴィクトルのFS「離れずにそばにいて」を滑る。そのシーンは世界選手権に出場しているヴィクトルとシンクロするようになっており、ヴィクトルの完成された演技はもちろん、勇利の清潔な色気という、今後の進化の片鱗ともいうべきものも垣間見える。
ヴィクトルの完コピにあたり、勇利がジャンプのグレードを下げているかは不明である。
しかし、演技後の優子の反応から、再現度の高いすばらしい演技だったことは間違いないだろう。ヴィクトルへの並々ならぬ憧れが感じられるシーンのひとつ。
後にこれを撮影していたスケオタ三姉妹によって動画が拡散され、ヴィクトルの目にとまることになる。
ヴィクトル襲来
4月の九州に珍しく雪が降った日、外に出るとヴィクトルが飼っているマッカチンにそっくりな犬に抱きつかれた勇利は、父親の言葉をきいてあわてて露天風呂に駆け込み、そこで全裸のヴィクトルに衝撃の言葉を聴かされる。
「今日から俺はお前のコーチになる。そしてグランプリファイナルで優勝させるぞ♪」
「勇利の動画を見て雷のようなイマジネーションを受けた」というヴィクトルは、コーチであるヤコフの反対を押し切って日本にやってきたのであった。
伝説はここから始まった
2話
初?スキンシップ
勇利がヴィクトルを部屋に案内した直後のシーンで、「君のことを何でも教えてくれ」と囁きながら顎をクイと持ち上げ、右手を撫でるヴィクトルに頬を赤くする勇利。
しかし、あまりの近さに後ずさり、その後部屋中に貼っていたヴィクトルのポスターまで隠してしまう。
「そうか…僕、嬉しすぎてドキドキしてるんだ…」
と自覚した勇利が布団の中で瞳を輝かせていることを、一緒に寝ようという誘いを断られたヴィクトルは知る由もなかった。
ヴィクトルの苦悩
長谷津を訪れたユーリ・プリセツキーは、兄弟子のヴィクトルが来シーズンのプログラムについて悩んでいたことを明かし、「自分にイマジネーションが湧かないのは死んでるのと同じ」と語る。
憧れているヴィクトルにコーチをしてもらっている勇利に対して、ヴィクトルも勇利に救われていることが分かる。
全力のエロス
勇利は、ヴィクトルからこれまでのイメージと違う「エロス(=性愛)」というテーマを振り分けられる。
温泉onICEで負けたらヴィクトルがロシアに帰ってしまうときいた勇利は、
「全力のエロス、ぶちかまします!!」
と意気込みをあらわにする。
この言葉に対して目を輝かせて
「そういうの大好きだよ!!」
と告げるヴィクトル。
3話
ヴィクトルのエロス
序盤、ヴィクトルが2人のユーリにそれぞれの振り付けを見せるシーン。
色気ダダ漏れで愛について~Eros~を滑るヴィクトルに対して、心の中で勇利が叫んだ。
「男の僕でも妊娠してしまいそうなほどエロス!!」
例のシーン
PVで話題を呼んだあのカットである。
実力を発揮できない理由として自分に自信が無いことを挙げる勇利に、「勇利に自信をもたせるのが俺の仕事だよ」と語るヴィクトル。
勇利の唇を左から右になぞり、下唇を軽く押して顔を近づけ、
「世界中の皆は、まだ勇利の本当のエロスを知らないんだ」
と囁く場面は一部の視聴者の度肝を抜いた。
勇利からのハグ
温泉onICEで、ヴィクトルを失う恐怖から緊張を深める勇利にヴィクトルが声をかける。
何らかのスイッチが入った勇利は
「すっごく美味しいカツ丼(=勇利にとってのエロス)になるんで、しっかり僕だけを見ててください」
と告げてヴィクトルに抱きつく。
「カツ丼大好きだよ」
とそんな勇利に対して答えるヴィクトル。
このやり取りで緊張が解け、勇利は温泉onICEで勝利を収めることになる。
愛について~Eros~初披露
“プログラムを通す大きな串”が見つからず悩んでいた勇利は、色男ではなく“町一番の美女”を演じることでプログラムを自分のものにすることに成功する。
回想でミナコに対して「色男を落とす町一番の美女の方が自分の中で似ている感情」だと話す勇利。ここでの色男とは…お察しだろう。
色男を誘惑する美女になりきった勇利が演技序盤で見せた微笑みに口笛を吹くヴィクトル。
渾身の演技を終えた勇利を、リンク傍で待っていたヴィクトルが抱きしめる。
「あんな美味しそうなカツ丼初めて見たよ!!」
と心底嬉しそうな声で告げるも、怒涛のお説教は欠かさないヴィクトル。
4話
露天風呂で柔軟
2人で露天風呂に入っている時、湯に浸かっていた勇利の両腕を取り、
「僕が勇利に惹かれたのは音楽さ」
と言って湯船から勇利を引き上げるヴィクトル。
その後は色気溢れる柔軟を繰り広げる二人だったが、屋内風呂にいた客に注目されていることに気づく。
内側で手を合わせていた老人は冷静に考えれば肉体美を拝んでいると推測されるが、その老人に共感を覚えた視聴者も少なくないだろう。
浜辺での散歩
根気強く勇利との距離を縮めようとするヴィクトルが、勇利とマッカチンを連れて浜辺を散歩するシーンで、どこか他人に一線を引いている勇利が自分の胸の内を吐露する。
勇利にとっての自分はどんな存在がいいのか、と問いかけるヴィクトル。
「父親? 兄? 友達? じゃあ恋人か…頑張ってみるか…」
「ヴィクトルはヴィクトルでいて欲しい。全部スケートで返すから」
「OK、手加減はしないよ。それが俺の愛だからね」
勇利がヴィクトルは「踏み込んだ分だけ、踏み込んでくれる」人だと悟り、2人が改めて握手を交わす後ろで、それまで曇っていた空が晴れている。
つむじ事件
練習中、屈んだヴィクトルのつむじを勇利が注視し、指で押す。ヴィクトルはそれに対して「そんなに危険か…」と落ち込み、慌てて勇利がなだめる、というシーン。
頭髪を気にするヴィクトル、ヴィクトルよりも体力のある勇利など、勇利が雲の上の存在のように感じていた天才ヴィクトルの人間らしさが強調されている。
前述の浜辺でのエピソードに続き、“神様のような存在”だったヴィクトルとの距離が少しずつ近づいていく印象的な場面だ。
フリープログラム完成
デトロイト時代の友人に過去の曲を作り直してもらった勇利。
勇利のスケート人生を表してもらったというその曲は、なんと全構成の約3/4程がヴィクトルのコーチ就任後をイメージしている。
勇利にとって“ヴィクトルがいる日々”がどれだけ大切なものなのかが察せられるだろう。
また、完成した曲「Yuri on ICE」が流れる場面では、勇利が
「神様、どうか今だけ、ヴィクトルの時間を僕にください」
とモノローグで語る。
さらに、4話序盤では“神様のような存在”だったヴィクトルがこのモノローグでは“神様”ではなくなっていることで、ただのヴィクトル・ニキフォロフと勝生勇利として対等に絆を育み、グランプリファイナル優勝を目指すという暗示とも考えられる。
5話
中四国九州選手権大会SP
久々の大会に緊張する勇利を、SP直前にヴィクトルが背後から抱きしめて
「全力で俺を誘惑しろ――いつも練習で言ってるだろ?」
いつも練習で言っているのかと突っ込みたくなる発言である。
さらにその後の回想で、勇利が日々ヴィクトルを誘うようにイメージして練習していることが察せられる。
また、SP演技中の勇利のモノローグの
「(観客が気に入らなくても)ヴィクトルなら気に入ってくれるステップのはず」
という発言で観客よりもヴィクトルが最優先な勝生勇利を披露する。
中四国九州選手権大会FS
演技前、勇利の唇が荒れていることに気づいたヴィクトルが手ずから勇利の唇にリップを塗る。
ヴィクトルが自身の指でリップバームを掬い勇利の唇に塗る、という耽美なシーンに無事墓場入りした視聴者も多い。
その後ハグをするまでの一連の流れを見ていた南健次郎と周囲の関係者が頬を染めて動揺していることから、2人の間に「コーチと選手以上の関係」を感じさせる空気が流れていることは明白だ。
フリップ芸
日本での取材で勇利がフリップに書いた今年のテーマは、「愛」。
「初めて自分からつなぎとめたいと思った人、それがヴィクトルです」
周りから自分への愛に気づかず、踏み込まれることを恐れて相手に踏み込もうとしなかった勇利。
そんな彼が離れずにそばにいて欲しいと願う相手がヴィクトルなのである。
6話
火鍋屋にて
グランプリシリーズ中国大会SPの前日、火鍋屋に来たヴィクトルと勇利だったが、ここで酔っ払ったヴィクトルが服を脱いで勇利に抱きつく。
ここまでは5話の予告で覚悟していた事態だが、ヴィクトルはさらにその後合流したジ・グァンホンとレオ・デ・ラ・イグレシアの頭にズボンとパンツを投げる。
つまり、視点のせいで見えないがこの時ヴィクトルは全裸で勇利に抱きついていたということになる。
また、その日ピチット・チュラノンがSNSに投稿した写真では裸のヴィクトルに抱きつかれ慌てる勇利とカメラの方を鋭い視線で睨むヴィクトルが写っており、普段はしないヴィクトルの表情に、視聴者の間で様々な憶測が飛び交った。
中国大会SP
リンク外から勇利の手を握り
「カツ丼や美女をイメージして俺を誘惑するのはもう終わりだ。勇利自身の魅力で戦える」
と言い、勇利の手の甲をつ、と指で撫でるヴィクトル。
この発言は、“勇利自身の魅力でヴィクトルを誘惑しろ”という意味に取れてしまうのだが、つまりそういう事である。
そして勇利が瞬時にヴィクトルに握られていた拳を開き恋人繋ぎに直し、ヴィクトルの額に自分の額を合わせて一言囁く。
「絶対に、僕から目を離さないで」
その後はスイッチの入った勇利の独壇場である。
「僕じゃなきゃ、ヴィクトルは満足出来ない」
「ヴィクトルの愛を知っているのは、世界中で僕しかいない」
演技中だけでも数々の驚くような発言があったのだが、更に衝撃の台詞がこの後に待っていた。
中国大会SPキスクラ
演技を終えてキスクラで点数を待つ2人。どこか上の空な勇利にヴィクトルが言葉をかける。
「勇利、そんなに気持ちよかった?」
「みんな、気持ちよくなってくれたかなって…」
と演技後のため頬を紅潮させながら答える勇利。
そして得点発表後、歓喜のあまり勇利に抱きつくヴィクトル。
「あんなの見せつけられたら、気持ちよくなるに決まってるだろ」
ちなみに、ヴィクトルが歓喜のあまり斜め後ろから勇利に抱きつくことで、横からのカットがかなり妖しいものに仕上がっている。
クリストフ・ジャコメッティのSP鑑賞時
演技を終えた勇利は、他の選手の演技を控え室のモニターから見ていたが、場面がクリスの演技に移り、再び控え室に変わるといつの間にかリビングレジェンドが当たり前のように背後から抱きついている。
その状態に慣れきっている勇利も、そんな2人になんの反応も示さない周囲も気になるところである。
7話
言わずと知れた伝説回。
地下にて
地下にいても会場から響く他選手への大歓声を聞き緊張を強める勇利に対して、ヴィクトルは咄嗟にその両耳を押さえ、
「聞くな!!」
と初めて声を荒げる。いつも焦りを見せないヴィクトルの余裕が崩れる瞬間である。
勇利のモチベーションを上げるためにいっそガラスの心を粉々に壊してみるか、と考えたヴィクトルは「表彰台に上れなければコーチを辞める」と告げるが、勇利はその言葉にショックを受け号泣してしまう。
うろたえるヴィクトルに、勇利は自分の内心の不安をぶつける。
「(泣き止ませるには)キスでもすればいいのかい」
とそんな勇利に問いかけるヴィクトル。
しかし、それを否定した勇利は悲痛に叫ぶ。
「僕が勝つって、僕より信じてよ! 黙ってていいから、離れずにそばにいてよ!」
ヴィクトルが衝撃を受けたこの言葉には昨シーズンの彼のFS「離れずにそばにいて」のフレーズが掛けられており、ひたむきにヴィクトルを求める勇利の望いが込められている。
中国大会FS
リンク端で勇利からティッシュを受け取ろうとするヴィクトル。
ところが勇利はわざとヴィクトルの手からずらして落とし、ヴィクトルを前にかがませる。
直後、勇利はヴィクトルのつむじを押し、頭をぽん、と1度軽く叩き、リンク中央へ出ていく。
この行動はヤコフの言葉から、ヴィクトルの失言への仕返し、慰めという意味合いを含んでいると推測される。
また、演技中には、
「――をしたらヴィクトル、どんな顔するだろう。」
と考えるなど、ここでもやはり観客や得点<<<<<<ヴィクトルな勇利を発揮している。
演技直後
世界中を驚かせ続けてきたヴィクトルの想像を超えるFSを終えた勇利は、リンクの入口に駆け寄って来たヴィクトルの元に向かい、賛辞を求める。
次の瞬間、勇利に抱きつき顔を重ねるヴィクトル。
ヴィクトルの腕に隠れて2人の口元は見えないが、3話の例のシーンを彷彿とさせるアングル芸や、スローモーション映像の中エンディングが流れる演出は、さながら恋愛ドラマのキスシーンのようである。
抱きついた勢いのまま勇利を氷上に押し倒したヴィクトルは
「勇利以上に驚かせる方法は、これしか思いつかないよ…」
と告げる。とっさの行動にもかかわらず、倒れた時の衝撃から勇利の頭を守っているところが流石である。
8話
ロシア大会SP
ミケーレ・クリスピーノの演技直後にリンク傍で跪いて勇利の靴紐を結ぶヴィクトル。
スケーターにとって命ともいえるスケート靴の紐を任せられる2人の信頼関係が伺えるシーン。
演技直前には、観客からのコールに答えるヴィクトルのネクタイを掴み、強く引き寄せて至近距離で囁く。
「ロシア中に僕の愛を見せつけるから」
ちなみに、勇利はこの直後に先ほどまでの自信あふれる態度から一転「恥ずかしか~」と恥じらいを見せている。
ロシア大会SPキスクラ
演技を終え、キスクラに向かう勇利がすれ違ったのは温泉onICEでの対決からさらに練習を重ね、雰囲気の変わったユーリ。
ユーリの本気のアガペーに驚く2人は
「「いいよね!!」」
と無邪気な笑顔で声を揃える。
数カ月を共に過ごすうちにお互いに似てきている師弟。
さらに得点発表後、喜ぶヴィクトルが跪いて勇利のスケート靴にキスをし、次に滑走を控えるユーリに仲睦まじく2人で声援を送る。
9話
ロシア大会FS
ヴィクトルのいない戦場でヴィクトルを想いながら滑る勇利は、今までの思い出を振り返る。
自分に自信が持てず、金メダルを欲しながらも決して口にすることはなかったという勇利。
しかしこの演技中のモノローグでは
「このプログラムを僕より魅力的に滑れる人間はどこにもいない」
「ヴィクトルと僕で作ったこのプログラムを、世界で一番愛しているのは僕だ」
と言い切っており、心境の変化が伺える。
空港での再会
ロシア大会から戻った勇利は、空港でヴィクトルとマッカチンを見つける。
互いに目が合い、溢れる感情を抑えきれずガラス越しに見つめ合いながら並走をする2人。
そしてヴィクトルが出口から出てきた勇利に腕を広げ、勇利もその胸に飛び込む。
月9のような再会シーンである。
ちなみに2人が離れていた期間は長く見積もっても数日と思われ、決して1ヶ月ぶりの再会などではない。
その後、ある決意を胸に
「引退まで、僕のことよろしくお願いします!」
と告げた勇利の指先にキスを落とし
「プロポーズみたいだね…」
と微笑むヴィクトル。
「勇利がずっと引退しなきゃいいのになぁ…」
と再び勇利を抱きしめながら呟くヴィクトルとその言葉をきいて涙を抑えられない勇利。
グランプリファイナルでの引退を決意している勇利と、それを知らずに「引退まで=グランプリファイナルが終わってもそばにいる」と考えているヴィクトルのすれ違いに気付いているのは視聴者だけであった。
10話
7話に並び立つ伝説回。
2つのL
ヴィクトルがスケートを離れて頭の中に浮かぶのは20年以上ほったらかしにしてきた、LIFEとLOVE。
愛犬のマッカチンと過ごし、バスタブより大きなお風呂に入り、美味しいカツ丼をお腹一杯食べられる毎日を思い返し
「勇利の持っているLIFEとLOVEは、俺が今まで触れたことのない新鮮な世界を教えてくれたんだ」
と語るヴィクトル。
世界から愛されてきたはずのLIVING LEGENDが心から望むのは勝生勇利のLIFEとLOVEなのである。
バルセロナ観光
グランプリファイナル前夜バルセロナ観光をするヴィクトルと勇利。
夜のクリスマス市を2人で並んで歩き、穏やかに誕生日プレゼントの話をする様子は熟年カップルの風格を持つ。
その後、勇利はグランプリファイナルでベストを尽くすためのお守り、そしてヴィクトルへのお礼として次回予告で言っていた「丸くて金色のもの」、金のペアリングを購入する。
直後、場面は教会に切り替わり、優しく降り注ぐ光の中で讃美歌(Rocking Carol)をBGMに、神聖な儀式のように向かい合うヴィクトルと勇利。
勇利は緊張した面持ちでヴィクトルの手袋を外し、右手の薬指に指輪をはめる。
「これ以上ぴったりくるもの思いつかなくて…でも、明日から僕頑張るので…おまじないを…」
とまごつきながら言い重ねる勇利に、ヴィクトルはその手をそっと取り
「いいよ、何も考えなくていいおまじない。明日は、勇利が一番好きだって言い切れるスケートを見せてね」
と優しく告げて勇利の右手の薬指にお揃いの指輪をはめる。
ちなみに、日本での結婚指輪は左手の薬指だが、ロシアでの結婚指輪は右手薬指である。
バルセロナの飲食店にて
勇利のはからいで、1名を除いて一堂に会するグランプリファイナル出場者。
ここで衝撃の事実が語られるが、そんな中で2人の指輪を見たピチットが
「結婚おめでとうーーーーーー!!!」
と、拍手と共に叫ぶ。
祝福の声を上げるピチットに居合わせた客からも拍手が送られ、勇利は慌てるが、ヴィクトルは笑顔で返す。
「これはエンゲージリングだから、金メダルで結婚だよ」
ヴィクトルとユーリの邂逅
バルセロナの海を臨む道で、自分の指輪を朝日にかざして見つめるヴィクトル。
その後現れたユーリとの一触即発の会話の後、
「長谷津の海を思い出すな、ここ」
というユーリの言葉に
「俺もそう思った」
と返すヴィクトル。
カモメの鳴くバルセロナの海辺を見て、自身の故郷であるサンクトペテルブルクの海よりもまず長谷津の海を思い浮かべていることで、ヴィクトルにとって勇利のいる長谷津という地が“第2の故郷”ともいえるような大切な場所になっていることが察せられる。
昨シーズンのバンケット
1話でヴィクトルが勇利を見出すまで2人に接点は無かったと考えられていたが、10話で衝撃の事実が明かされた。
昨シーズングランプリファイナルのバンケットで既にヴィクトルと勇利が知り合っていたのである。
10話本編の中では詳しく描写されていないが、その後の特殊edで流された写真では、勇利が酔って頬を染めながらもブレイクダンスやポールダンスを難なくこなし、ついにはヴィクトルと密着して2人で楽しそうに踊る姿が明かされた。
怒涛のed後のCパートでは、シャツと下着、頭にネクタイだけをまとった勇利がヴィクトルに抱きついて
「このダンスバトルでおいが勝ったら、コーチになってくれるとやろ?」
「びーまいこーち! びくとーる!」
と告げ、その言葉を聞いたヴィクトルが、恋に落ちたかのように頬を染めながら歓喜のため息を漏らす場面が描かれた。
「近づくのが怖い」と言っておきながら、最初に、しかも大胆に近づいたのは勇利の方だったのだ。
また、このバンケットでの勇利の発言により、1話で突然コーチになると言ったヴィクトルの行動の理由も明かされ、9話から加速し始めたかに思えた2人のすれ違いがすでに1話から始まっていたことが発覚した。
11話
グランプリファイナルSP
リンクの塀越しに右手を握り合い、ヴィクトルが勇利の指輪にキスをする。
そして互いを信頼のこもった顔で見つめあった後、勇利が「いってきます」と告げ、リンク中央へ出ていく。
演技間際、ヴィクトルは右手の指輪に唇を当て、それにシンクロするように勇利も自分の指輪にキスをする。
また、演技中の回想では
「ヴィクトルだって見たいでしょ、僕がGOEプラス3の4回転フリップ降りたとこ」
という勇利の言葉に目を輝かせ
「見たいね!」
と言って勇利に抱きつくヴィクトルの姿が描かれる。
グランプリファイナルSPキスクラ
勇利の演技直後のモノローグで、過去の自分は
「新しい強さは自分で作り出すしかない」
と考えていたと語るヴィクトル。
しかし、直後のキスクラでは勇利に寄り添いながら
「今は勇利を通して、新しい感情が俺の中に流れ込んでくる」
「勇利にこれから与えるべきものはなんだろう」
と勇利との未来への期待を語り、ある種の孤独のようなものを抱えていたヴィクトルが勇利に救われていることが分かる。
グランプリファイナルSP後
SPを終え、ホテルの一室で向き合って座るヴィクトルと勇利。
「話って何?」となにげなく尋ねるヴィクトルに、勇利が自分の決意を告げる。
「グランプリファイナルで、終わりにしよう」
12話【ネタバレ注意!】
ヴィクトルの涙
勇利はヴィクトルに自分がグランプリファイナル後、引退することを告げる。
するとヴィクトルは大粒の涙を流す。
「あーあ、勝生勇利がこんな自分勝手な人間だとは思わなかった」
改めて引退しますといった勇利は、ヴィクトルの前髪を上げて初めて見た彼の泣き顔を観察する。
「怒ってるんだよ! 俺はっ!!」
「自分は引退して、俺には競技復帰しろってよく言えるよね!!」
まったくそのとおり。
結局、ファイナル終了後に、それぞれの答えを出すと決めた。
その間の描写は、劇中で描かれていない。練習に顔を出さなかったとあるので、視聴者の間で、あらぬ憶測が飛び交ったのは当然のことだろう。
グランプリファイナルFS
競技直前、ヴィクトルは勇利に挑発とも取れるアドバイスを送る。
「世界選手権5連覇の俺が、1年も休んでコーチしたんだ、金メダルの一つも取れないなんてどういうこと?」
「いつまで予行練習しているつもりだい? 金メダルにキスしたいなあ」
それを受け、勇利はヴィクトルにハグ。諸岡アナウンサーには、泣いているように見えたが…?
そして最後に、握手していた勇利の右手は、ヴィクトルの右手を離す。その手は名残惜しそうに見えた…。
競技中、モノローグにて、勇利は本音を漏らす。
「終わりたくないよヴィクトル。ずっと一緒にスケートを続けたい。でもそれは、競技者としてのヴィクトルを少しずつ殺している」
最後の最後まで、ヴィクトルのことを思っている勇利。
競技後キスクラにて
FSの得点はヴィクトルの最高得点を上回り、世界最高記録を更新した。
勇利を抱きしめヴィクトルは、「2人の「ユーリ」に記録を抜かれたのは、振り付け師兼コーチとしては喜ばしいことだが、競技者としては大変面白くない」と、競技復帰することを勇利に伝えた。
その後もキスクラにて、カメラマン相手に仲良く撮影会をし、クリスの応援をするなど、仲良し振りをアピール。
しかし、勇利が引退してしまうかもしれないという危険性がはらんでいるために、ヴィクトルは落ち着けなかった。
ユーリのFS直前、事の次第を彼に話し、助けてほしいとも思えるハグをする。
グランプリファイナル終了、そして
結局金メダルはユーリが獲得し、勇利は銀メダルに終わった。
「金メダルじゃないと、(メダルに)キスする気になれないなあ、俺」
と、得意の毒舌で勇利に提案を迫るヴィクトル。
そして勇利は中国大会の逆で、ヴィクトルを押し倒しながらハグし、「あと1年、一緒に競技生活続けてください!」と、宣言する。
するとヴィクトルは、コーチを続けながら競技復帰するのは不安なので、「最低世界選手権5連覇はしないとね」と、勇利に宣言するのだった。
つまり…最低5年は一緒ということである。
その後、勇利のエキシビションが行われたが、演目はヴィクトル昨年度のFS「離れずにそばにいて」のデュエット版。
その題名通り、途中からヴィクトルが参加。彼らの仲良し振り…もとい「愛」を世界中に見せ付けた。
中国大会、ロシア大会でもエキシビションが行われた様子だが、ヴィクトルが参加したのかは定かではない。(ロシア大会ではヴィクトルが日本に戻ったため、ソロだったのは間違いない)
ヴィクトルが競技復帰したため、勇利もロシアに拠点を移すことになり、今後はロシアで調整をしていくつもりなのだろう。
おまけ:神撃のバハムートコラボ(ネタバレ注意)
時系列は第3滑走前半の辺り。
エロスとは何かを追求する勇利は、ピアシィの胸にヒントが隠されていることを知る。
しかし、女性の胸を揉む行為は、やはり出来ないというわけで。
「ヴィクトル、胸揉ませて!」
が、ヴィクトルは快く了承する。が・・・
「ダメだ!体に触れたら、間違いなく妊娠する!」
衝撃再来である。
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