概要
艦隊これくしょんには、かねてより「深海棲艦の正体=轟沈した艦娘の成れの果て」という説があった。そして、艦これ運営が年に4回ほど期間限定で開放するイベント海域の海域ボスとして登場する鬼・姫級の中には、「瑞鶴と同じツインテールを持ち、声帯の妖精さんを鶴姉妹と同じくする『泊地棲姫』」や「艤装のデザインなど、大和とどことなくイメージが重なる『南方棲戦姫』」など、艦娘たちと何かしらの関係がありそうな深海棲艦が多数登場していた。
そんな中、赤城・加賀、そして蒼龍・飛龍たち、第一・二航空戦隊が一斉に撃沈されたミッドウェー海戦をモチーフとしたMI作戦が2014年夏に満を持して開始された。
そのMI作戦のラスボスというべき深海棲艦として登場した鬼・姫級は、「加賀とよく似たサイドテールを有する『空母棲姫』」であった…また、加えて、この空母棲姫から、ゲージ破壊時に流れるセリフが「深海棲艦特有のエフェクトが最後だけ解け、艦娘へと浄化するさま」を匂わせる演出が導入され始めた…
その他、それ以前の海域で登場した中間棲姫も赤城に酷似していたこともあり、これらの2キャラは赤城(中間棲姫)と加賀(空母棲姫)が轟沈した成れの果てではないか、という噂が少なくなかった。
尤も、中間棲姫の声を担当していたのは、赤城の担当声優である藤田咲ではなく、同イベントで実装された雲龍・大淀・磯風の声帯の妖精として新たに参戦した川澄綾子であり、藤田咲が担当していたのは空母棲姫の方であったため、一概にこの理論が当てはまるわけではないんだが…
余談
この空母棲姫のゲージ破壊台詞は公式4コマでもネタにされ、彼女の今わの際のセリフを聴いた霧島は「かつてミッドウェー海戦で撃沈された加賀の成れの果てなのでは?」と懸念する様を見せたが、肝心の加賀は「装備スロットが5つあることや、大きな胸部装甲が手に入るのは魅力的」だとし、あまり気にしない様子を見せていた。
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※ここから先は劇場版の重大なネタバレとなっております。
劇場版で明かされた真実
艦隊これくしょん(劇場版)にて、驚きの展開が待ち受けていた。
「艦娘は撃沈されると深海棲艦となり、深海棲艦が撃沈されると艦娘になる場合がある」」(作中では「D案件」(おそらくドロップの頭文字)と呼ばれている)、と。つまりは敵と味方をループしてるのである。そのため、艦娘たちは「誰1人沈むことなく深海棲艦を殲滅・撃沈して、この悲しく辛いループから彼女ら(深海棲艦化した艦娘たち)を解放する」という目標を達成する必要があるのだそうだ。
この説明を吹雪たちにした加賀自身も、一度轟沈し深海棲艦になったが、再び撃沈されて艦娘に戻った過去があったと判明(深海棲艦が撃沈されて艦娘になるときは稀にだがその記憶を引き継ぐ場合があり、加賀は記憶を引き継いでいた)。時を同じくして、吹雪は「今の鎮守府に着任する前の記憶はあるか」と聞かれ沈黙してしまったことから、過去に轟沈し深海棲艦化していた頃の記憶を失っていたことが示唆されている。
なお、作中で瑞鶴もかつて同様に轟沈したと思われる描写が存在し、終盤では長いツインテールのシルエットが轟沈する回想シーンが一瞬映し出された。
…が、しかし…これだけ、加賀の深海棲艦化に関する苦悩をはじめとする伏線が冒頭で多数張られたものの、劇場版の物語の本筋は「アニメ本編中で轟沈したのち帰還した如月の深海棲艦化」、「アイアンボトム・サウンドでの艦娘と深海棲艦たちとの死闘」および「海域の異変の元凶と、吹雪の直接対決」に置かれていたため、深海棲艦化した加賀の苦悩の日々は彼女自身の悪夢や回想シーンのみで済まされ、「加賀が如何にして、艦娘として再び帰還できたのか」という(おそらくだが)視聴者が知りたかったであろう件に関する描写は一切なされなかった。
↓せめて、瑞鶴と絡めてこのぐらいは描いてくれてもよかったのではないだろうか…