アニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』のネタバレとショッキングな表現が含まれます。
また、その性質上アニメ版艦これをネタにしているというだけで不快感を呈する人もいます。目的外の濫用は避けるようにしてください。
概要
※事の発端である如月ショックに関する詳しい説明は当該記事を参照
艦隊これくしょんには、かねてより「深海棲艦の正体=轟沈した艦娘の成れの果て」という説があった。そして、ちょうどアニメが放映された2015年1月の直前の2014年夏イベと秋イベで、中間棲姫&空母棲姫や駆逐棲姫などの、とある艦娘達の轟沈後の姿と言われても違和感がない深海棲艦が登場していた。
そこで、如月の死を受け入れられない、しかし如月ちゃんを救い隊のように本編の筋書きをねじ曲げてまで生かそうとは思えない一部の提督たちは、「如月ちゃんを深海棲艦化させて、救出フラグとしよう」と思い立つ。
容姿は、「駆逐棲姫を如月の姿に合わせてアレンジしたもの」から「駆逐イ級に如月の髪飾りを着けただけのもの」まで様々。
しかし、2016年11月26日を境に、容姿が統一され始めるという挙動が見られ始めた…
※ここから先は劇場版『艦これ』の重大なネタバレとなっております。
まさかの公式化
劇場版『艦これ』にて、驚きの展開が待ち受けていた。
序盤で如月がドロップして、戻ってきたのである。しかし睦月以外の仲間達に関する記憶がなく、腕には謎のアザがあり、以前のおしとやかさは見る影もない情緒不安定な状態へと変わり果てており、意識が飛んだと思ったら演習場で砲撃、設備を破壊してしまうなど不審な行動が目立つようになる。
その後、睦月たちは加賀から「艦娘は撃沈されると深海棲艦となり、深海棲艦が撃沈されると艦娘になる場合がある」旨を説明され、「如月を救うためには深海棲艦化した彼女を再び沈めなければならない」という残酷な事実を突きつけられる(しかも間が悪い事に如月もその話を聞いていた)。加賀の発言通り如月の深海棲艦化は進行し始めており、腕だけにあったアザは全身へと広がっていき、額からは角が生えてくる。
睦月は自らの変質を自覚し発狂しつつある如月を「沈めずに如月を元に戻す方法があるはず」と慰めるが、その想いも空しく深海棲艦化は進んでゆく。睦月達が出発した後に(見覚えのある構図で)1人崖から海を見渡す際には、角を隠すために被っていたパーカーのフードの上からでもわかるほどに角が伸びていた。
終盤、アイアンボトムサウンドの最深部に単身駆けつけ睦月のピンチを救うが、その時の彼女の姿は完全に深海棲艦と呼べる状態だった(一七式盤の追加映像では上記の海を見渡す場面で涙を流しながら深海棲艦へと完全覚醒する様子が描かれている。ただし、この時の描写では、瞳の色は全身に広がるアザと同じ紫色であり、また瞳孔が縦長となっているなど後の展開に登場する深海如月の容姿とは異なっている)。
外見は如月改二をベースとしたデザインで、ひび割れたようなアザが顔の右半分以外全身を覆い、アザがある左側の目は赤く輝き、潮風で傷むことすら気にしていた自慢の髪と肌は鬼・姫級のそれのように白く変色。さらに額からは2本の角が、側頭部には彼女の髪飾りを彷彿させる形状の角が3本生えていた(また、この時なぜか睦月型の制服もモノクロを基調としたカラーリングへと変色していた)。しかし、睦月の「どんな姿になっても如月を慕う」という揺るぎない優しさに触れてか、あるいは如月自身の「たとえ深海棲艦になったとしても睦月を撃ちたくない」という強い思い故か、自我を保っており、吹雪に中心部へ行くよう告げ、睦月の胸中を聞いた後、彼女たちと共闘。
深海棲艦化しているがために変色海域内でも艤装の損傷を受けず、深海棲艦化による能力強化もあってか、重巡ネ級を一撃で倒し多数の深海棲艦を相手に善戦するなどかなりの実力を発揮、吹雪が海の異変を解決するまで睦月と共に持ちこたえた。だが、吹雪の勝利により海域にいた深海棲艦が浄化され始めると、深海棲艦である彼女の肉体もまた崩壊し始める。睦月に看取られながら、かつて交わした「戦いの後で睦月のお話を聞く」という約束を果たすためにいつか必ず再会する事を誓い合い、消滅した。
これが深海如月としての彼女の幕引きであった……
その後時は経ち、沿岸を走る睦月。その先に待っていたのは……
余談
- 公式絵師の方々のツイッターで『劇場版 艦これ』を視聴した感想のツイートがちらほら出ており、その中でも如月のデザイン・イラストを担当している草田草太氏は、「私はすごく好きだった」と深海如月の描写について絶賛する一方で、「あの子(如月のことと思われる)が好きな人は意見分かれそう」「途中で見れなくなっちゃいそう」と懸念する感想を述べていた。
- 劇場版のサウンドトラックである「艦響 Vol.2」のジャケットイラストで睦月の隣にいるのは通常の如月ではなく、角をフードで隠そうとしている深海如月である。
- なお、劇中で”彼女”が登場するシーンのBGMは「棲姫」と題されており、「艦娘・如月」としての意識を残しながら既に姫級への変質を遂げていることを示唆していると思われる。……とは言え、深海棲艦で駆逐艦タイプかつ人型となると鬼か姫しかいないため、如月が鬼級か姫級に変質していたと見るのがむしろ自然かもしれない(そりゃリ級やネ級くらい瞬殺するはずだ)。
- 今回の如月の話で「他の艦娘もある日突然深海棲艦化が始まってしまうのでは」と懸念する視聴者もいるようだが、「そもそもTV本編で沈んでしまった時点で如月は既に深海側の存在になっており、本来なら完全な深海棲艦となってから現れる(おそらく加賀はこちらのケース)はずが、たまたま変化が完了する前にドロップしてしまったためにゆっくり変化していくという過程を辿ったのであり、普通の艦娘が轟沈を経ずにある日突然そうなる事を示している訳ではない」という考察もある。また、加賀が結末を知っており、長門達が如月の状態を察して即座に「D事案」を議題とした会議を始めている事から、同様の事例は過去にも存在していたと思われる。
- 深海如月の参戦により、吹雪はアイアンボトムサウンドの中心部へ乗り込む事が出来た上に、彼女が黒幕と対峙してる間に如月が睦月や大破した大和らを守る形になった事を考えると、もし如月があの場に駆けつけなかった場合、吹雪達は最悪全滅していたか、中心部に乗り込めたとしても残してきた味方の誰かが犠牲になる可能性は高い。また、如月が駆けつけず、吹雪が中心部に乗り込むまでの時間がかかると、深海棲艦に囲まれた川内達(メンバーの大半が中破。北上と大井に至っては魚雷切れ)が犠牲になる可能性も高くなる(ただし、こちらは一七式盤の追加映像にて長門や金剛達が救援に駆けつけたことが判明している)。――要するに、「アニメ3話で如月が沈んでないと詰む」という構図なのだ。…………そこ、助っ人参戦にかこつけて嫁の出演を要求するのは野暮だぞ。
- また、本編とはそんなに関係ないが、「如月の深海棲艦化および睦月との共闘」という劇場版の展開を妄想のみで描き、公開2日前に投稿した猛者がいた。(下のうち左のイラスト)
【件のイラスト】 【劇場版(模写)のイラスト】
しかも、よく見ると構図まで劇中のそれと一致している。
(厳密には睦月と如月の立ち位置が逆なのだが、とことん末恐ろしいイラストであることは間違いない)。
注意点
本キャラクターは「公式メディアに登場した、初の元・艦娘と断言できる深海棲艦」であるが、ここで注意してほしいのは、「劇場版は公式作品ではあるが公式設定ではない」ということである(実際、他の公式作品にも描写が矛盾するものは多々存在する)。
あくまでこれも解釈の一つであり、本キャラクターは海の異変の元凶ともども「劇場版オリジナルの深海棲艦」として捉えていただけると幸いである。
関連タグ
艦これ関係
W島攻略作戦!:第3話のタイトル
如月ちゃんを救い隊:こちらは「何としても彼女を救いたい」という想いから「ストーリーをねじ曲げて如月が轟沈しない展開へと変える」という内容となっている。
その他の関連タグ
吉野弘幸:3話「W島攻略作戦!」脚本担当
皆城総士:TV版で相方と別離したが、劇場版で帰ってきたという立ち回りが似ている。また、「いつか必ず帰ってくる」と約束して一度敵側に行ったことも似ている。
春日井甲洋:劇場版蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTHでの立ち回りが似ている。その後、アニメ版第二期後半でも再び仲間を救うために立ち上がった。
ビーシュリンプ:関節が黒と白の縞模様であることからデザインのモデルになったと思われる。