解説
アメリカ領ウェーク島はハワイと日本領の南洋諸島の間にあり、日本が対米戦を行う上で前哨拠点となりうる島であった。
そこで日本軍は中部太平洋での作戦を担当する井上成美中将の第四艦隊に、グアム攻略と並行してのウェーク島攻略を命令した。
日本軍戦力
・駆逐艦:6隻
・潜水艦:3隻他
・海軍陸戦隊:2個中隊660名
一方アメリカ軍も、日米関係悪化に伴い中部太平洋の防御強化を図っており、ウェーク島には海兵隊・海軍合計500名と軍属1,150名、さらに開戦直前に空母「エンタープライズ」がF4F戦闘機12機を輸送してきた。ちなみにエンタープライズが真珠湾攻撃当時オアフ島に在泊していなかったのは、このウェーク島への輸送任務からの帰途にあったためである。
日本軍の対1次上陸失敗
1941年12月8日に開戦と同時に、マーシャル諸島から日本海軍の陸上攻撃機による爆撃が行われた。3日間にわたる空襲でF4F8機が失われたが、陸攻も2機が失われた。
11日に攻略部隊による上陸作戦が行われたが、陸戦隊を乗せた大発動艇が、高い波に苦戦して立ち往生する羽目になり、艦と艦の間に大発動艇が密集し、身動きが取れなくなる。
空襲を耐えた陸上砲台の砲撃と、即席で爆弾を装備出来るように改造したF4F戦闘機部隊の決死の攻撃により、駆逐艦「疾風」が砲撃で、駆逐艦「如月」がF4Fの機銃掃射と爆撃で撃沈されるなどの大損害を負い、一旦同島から撤退した。
日本軍の第2次上陸
作戦失敗を受けた第四艦隊司令部は、グアム攻略部隊から重巡洋艦古鷹・加古・青葉・衣笠と駆逐艦2隻、陸戦隊1個中隊を増援として送り込んだ。さらに真珠湾攻撃を終えた南雲機動部隊からも空母蒼龍・飛龍と護衛の重巡利根・筑摩と駆逐艦2隻が引き抜かれ、再度の攻略作戦が決定された。
一方ウェーク島の米軍守備隊は、上陸部隊攻撃でF4F2機が失われ航空戦力が残り2機に減少していた。一方で空母「サラトガ」を旗艦とする第14任務部隊(司令官フランク・J・フレッチャー少将)をウェーク島への増援に派遣したものの日本軍の再度の攻撃には間に合わなかった。
22日日本軍の第2次上陸作戦が開始され、陸攻隊と二航戦の航空隊によって米戦闘機2機は艦攻2機撃墜と引き換えに全滅。陸戦隊を乗せた第三十二号哨戒艇及び第三十二号哨戒艇が損失覚悟で浜に乗り上げ上陸作戦を決行、丸1日に及ぶ激戦の末同島の守備隊は降伏した。