概要
フェンシングとは、ヨーロッパで発祥した、剣術の一種であり、片手剣術である。現代ではスポーツ競技でもあり、オリンピック種目として知られる。いわば西洋版剣道である。
フルーレ、エペ、サーブルの3種の武器があり、それぞれ独立した種目となっている。
レイピアによる剣術を基盤とするため、サーベルの扱いをもとにした『サーブル』を除いてほぼ刺突のみを有効打とする。
歴史
中世以降のヨーロッパで培われた鎧を着ない軽装状態の剣術が基礎となっており、近世になって銃が主流になっていった後、騎士道精神を重んじる上流階級の中で、嗜みの一つと残り続け、現在の形式へと発展していった。
伝統的な古式フェンシングでは、主となる片手剣術の他にマンゴーシュ等の左手専用剣を用いた二刀流フェンシングやダガー、杖といった他の系統の武器による戦い方についても修習する事もあったという。
現在はFIE(国際フェンシング連盟)によって、ルールや試合形式の制定がなされている。
試合形式
試合形式は剣の形状によって分かれており、三種の剣の名称が、そのまま試合形式で分化されている。
フルーレ
- 最も基本的なルールのフェンシング。
- 剣は柔軟性の高い四角い刺突用剣で、突きだけが得点とみなされる。
- 剣は水平よりやや上向きに構える。
- 有効範囲は胴体のみ。
エペ
- 三種の中では、最も伝統的な決闘様式に近いルールのフェンシング。
- 剣は比較的に重く、三角形で曲がりにくい剣を用いる。また鍔(ガルド)が大きめ。
- 剣はほぼ水平に構える。
- ほぼ全身が有効となるため、試合展開も慎重になりやすい。
サーブル
- イタリア北部で発達したサーベルによるフェンシングを起源する。
- 剣は円錐で、鍔の他に護拳がついている。
- 剣は斜めに立てて構える
- 上半身のすべてが有効となる