曖昧さ回避
ロシアのボルトアクション式狙撃銃
Снайперская винтовка модель 1998(Snaiperskaya Vintovka Model 1998)。
ソ連軍・ロシア軍の装備したオートマチック狙撃銃「SVD」は中距離支援目的で設計されたため、遠距離狙撃には向いていなかった。
特にこの問題は1978年に勃発したアフガニスタン紛争において表面化し、山岳戦において長距離狙撃銃を必要とした部隊がモシン・ナガンのような骨董品を持ち出す事態となった。
また、1994年に勃発したチェチェン紛争においても山岳地帯の独立派ゲリラを掃討する部隊にて再び問題となり、従来より精緻で長距離の狙撃が可能な狙撃銃を必要とする声は無視できないレベルとなった。
これを機に軍上層部は長射程で命中精度の高い狙撃銃を自国の銃器メーカーに求め、「SV-98」が開発された。
構造はオーソドックスなボルトアクション方式で、弾薬には7.62×54mmロシアン弾を使用する。10発入りのマガジンは脱着式で、モシン・ナガンから利便性が大きく向上している。
スコープは新設計の可変倍率スコープ「1P69/1П69」や、民間向けと思われる高倍率のものをレールにマウントしている様子だが、バックアップ用のアイアンサイトが残されているなど信頼性を命とするロシア的な心遣いも忘れられた訳ではない。
ストックは緑色に塗られた木製と樹脂製の2種類があるが、木製と樹脂製共に試行錯誤の結果かバリエーションの違いによるものか複数の形状のものが存在する。いずれの場合もサムホールタイプでバットプレートとの距離やチークパッドの高さの調整が可能である。
有効射程は1,000mに及び、命中精度も向上した。
ロシア連邦国防省ロケット・砲兵総局は、GRAUコード「6V10/6В10」を付与している。
ロシア内務省やロシア連邦保安庁で愛用されているが、ロシア連邦軍への配備は第4軍事基地(南オセチア)、第7軍事基地(アブハジア)の狙撃兵のみにとどまっている。
バリエーション
- SV-99:.22LR弾モデル
- SV338M:.338 Lapua Magnumモデル近代化改修型
- Record-338:SV338Mの民間型