2010年頃から、ロシア連邦軍において行われている個人装備更新計画「Ratnik(Ратник)」計画の中核たる歩兵用主力小銃の採用審査に提出された試作アサルトライフルである。
これによって従来のAK-74系列の銃を新型小銃に置き換えて、現代の戦闘に対してより最適化を図るものとされている。
概要
A-545はかつてアバカン計画でAN-94を相手に辛酸を舐めさせられたAEK-971を開発母体とし、より現代での戦闘様式に合わせた改良が行われている。開発はデグチャレフ記念工場。
一方でAK-74を開発したイジェフスク機械製作工場(イズマッシュ→カラシニコフ社)は、採用審査に従来のAKシリーズの発展系であるAK-12を提出しており、こちらも好評を博している。
A-545は、優秀なアサルトライフルと評価されている一方で、コストの高さや従来のAKシリーズと構造が全く異なることから、AK-12と比べて敬遠されがちであるという情報もある。
一方で、各種試験ではAK-12より優秀な数字を叩き出す事もある上に「AKを(レールとバースト射撃機能を付けただけの)AKで置き換えてどーする！！」という擁護の声も聞かれるなど、全く不利という訳でも無さそうである。
- AK-12は従来のAKシリーズの欠点を徹底的に洗い直したモデルだが、それでも基本的な機構がAKである以上はAK-74を置き換えうる決定的な、メリットに欠けるという意見である。
構造は概ねAEK-971を踏襲し、レシーバーの形状を変更してハンドガードからリアサイトまで、長いレールを配置。ボルトや反動抑制用のバランサーはレシーバー後ろから引き抜く構造と思われる。
ストックは伸縮式で、バットプレートの収納機構が工夫されており、縮めた状態ではMP5などの同様の機構を持つ銃と比べても後周りはかなりコンパクトになる。
採用審査
ロシア国務省は2015年「AK-12とともにA-545が所定の審査を通過した」と発表した。
しかしながら、AK-74シリーズには定数を大幅に超過する在庫がある上に、AN-94のように「制式採用はしたものの実際には計画どおり置き換えるには至らなかった」という例もあり、その前途は決して順風満帆と断言できそうにもない。
コスト面を理由に一度は落選が宣言されているが、2017年の発表では再び「AEK-971も採用する」という発表が行われており、発表内容が二転三転している。
その上、ロシアのニュースサイトには「AEK-971」としか書かれないので、AEK-971の改良型の本銃か、それとも原型のAEK-971に近い銃か、或いは全く別の銃か不明であり、AK-12よりもメディア露出が少ない為に存在感が極めて薄い。
ロシア連邦国防省ロケット・砲兵総局は6P67(6П67)というGRAUコードを付与した… とされている。
