概要
設計者はゲンナジー・ニコノフらで、最初の2発の弾丸を短間隔で発射する機能を特徴としている。右側面に折りたためる銃床を採用し、強化プラスチック部品も使用されている。
通称「アバカン」これは次世代小銃計画のプロジェクト名であり、実質ロシア版のACRプロジェクトと言える。
毎分1800発という高速な発射速度を確保するための2点バーストが特徴で、これ専用に「プーリー駆動バースト機構」という発射機構を採用している(フルオート時、3発目以降は毎分600発)。
また上記の機構のために、マガジンがやや右側に傾いて装填される独特な外観を持っている。
機構の複雑化もあってAK-74と比べトラブルも多く、慣れていない新兵ではまともに整備も出来ず、値段もAK-74の6倍とかなりお高いので少数配備程度だったが、経済の回復によりどうにか1個小隊に1挺のペースで配備されている。
が最近AK-12の登場で立場が危うくなっていたがそのAK-12もいろいろと面倒なことが起きており、ロシアの小銃は現在も迷走している。
設計者であるニコノフが亡くなった為、改良やバリエーションの開発はほとんど行われず既に2006年に製造が終了しており、2022年に起きたウクライナ侵攻でも使用が確認されていない為、既に退役した可能性がある。
ちなみにその構造の複雑さはニコノフ氏がAR-15の設計者であるユージン・ストーナー氏に解説したところ、ストーナー氏が全く理解できなかったという逸話があるほどである。
ロシア連邦国防省ロケット・砲兵総局はGRAUコード「6P33/6П33」を割り当てた。
バリエーションとして上部にピカティニーレールを装着したものや極少数ながら7.62×39mm弾仕様のものも存在する他、ロシア国境警備隊で退役した隊員に贈呈する全面グリーン塗装で銅のプレートが付いた特別モデルも存在する。
民間用の一部にモデルガンやММГ(MMG)AN-94というモデルが出回っているがこちらはセミオートに限定したモデルなどではなくバレルを固定しボルトなどを溶接した所謂無可動実銃と言う部類の物である。ちなみにモデルガンは3~40万円ほどで税関で止められる可能性もあるという非常に高い賭けであり、その中で日本で入手した猛者もいるとのうわさがある。無可動実銃については日本唯一の無可動実銃ショップが手に入れるまでは入手不可と考えた方がいいだろう。
なお、ロシア以外で全く採用例がない理由は設計者であるニコノフ氏が海外輸出に許可を出さなかった為であるが、2001年にテロリストであるIRA暫定派が使用することは無かったものの何らかの形で20挺輸入したことが判明している。
基本データ
全長 | 943mm | |
---|---|---|
銃身長 | 405mm | |
重量 | 3850g | |
口径 | 5.45mm | |
装弾数 | 30発 |
トイガン
2021年3月現在までで上記の日本で入手困難なモデルガン系統以外一度も発売されたことが無い。
というのもそもそも根本的にAN-94の資料が不足していること、傾いたマガジン構造を再現するためのメカボックス又は複雑な内部機構を一から作らねばならずそれも困難でさらにエアソフト部門自体がかなり小さな市場であるがゆえに制作費と売り上げの釣り合いがつかない可能性があること等が挙げられる。
(一応東京マルイのAK-74Mをパテなどを使って魔改造したり、外装を3Dプリンターで製作すると言った個人製作がわずかにある程度)
登場作品
根本的に入手が難しいこと、モデルガンでは激発シーンが撮影できないこと等から洋画はおろかロシア映画にすら一度も登場したことが無いが、逆にゲームでは人気が高く様々な作品に登場している。
- コールオブデューティシリーズ
CoD:BO2、BO3、BO4、MW等に登場している。AN-94ではかなり高い性能を誇ったためかCoDシリーズ全体を通して非常にプレイヤー人気がある。MWに登場したモデルはアイアンサイト等の形状の変更やマガジンがシースルーになってたりと架空デザインになっている。
- バトルフィールドシリーズ
BFBC2、BF3、BF4に登場する。そのうちBFBC2とBF3では時代的に資料が不足していたのかマガジンが傾いていないがBF4ではきちんと現実通りのデザインに変更された。基本的に二点バーストにするとレートが高くなるという現実の要素を反映した性能を誇っている。
- MGS4
敵兵士が持っている小銃として登場し、スネークも使用可能だがあまり使われることはない。
- ゴーストリコンシリーズ
初期の作品は敵キャラが持っているだけで自キャラは使えない装備として登場するが、フューチャーソルジャーなどでは使用可能。