概要
夢野カケラが月刊チェジウで連載することになった作品。
ストーリーは「ラストファンタジー」と呼ばれる聖なる石をめぐり「ファンタジーマスター」と呼ばれる7人の戦士達が戦いを繰り広げるという内容で夢野が得意分野としている(という)ジャンルのバトルファンタジーだったが、いつも通りの画力の低さ、話のテンポの悪さ、そして長期連載を想定して風呂敷を広げ過ぎたのか壮大すぎる伏線が原因で読者や編集部の顰蹙を買い僅か2話というありえない速さで打ち切りとなってしまう。因みに夢野はこの作品について「何年も温めてきた構想」と言っていたが担当の森には「死んだ卵を温めていた」と言われてしまっていた。
こうなった原因
今回は2話で打ち切りというまさかの事態となってしまったが、今回もそうなっても仕方ない作品だったりする。その理由として、
- いつも通りの画力の低さ
- 無駄に複雑な設定
- 長期連載を想定した壮大すぎる伏線
- 第1話の1ページ目からいきなり分かりにくく長ったらしい世界観の解説
- 主人公である夢剣流星がただ異世界があるのかないのかとピーチク言ってるだけで他のキャラクターも登場せず、話が全く進展しない第一話
であり、これは読者や編集部も想像していたようで誰も短期集中連載だと思っていなかったという。
おまけに夢野は話のテンポの悪さについて「次回への期待が膨らむから」「異世界があるかないかで二転三転するのが面白い」と言っており、改めて彼のセンスの無さを実感させるのだった。
登場人物
- 夢剣流星
主人公。異世界に憧れる高校生で、奇病が蔓延する世界を嫌い異世界に行く方法を探っていたが見つからなかったため引きこもっていた。
- 眼球院ゾリア
炎の剣のファンタジーマスターのはずだったが、夢野が異世界の設定を諦めたため同級生という設定になった。奇病で体が変化した弟がおり、他の同級生と共に流星を説得しに来た。
- デスバイオ柳
光の剣のファンタジーマスターだったが、夢野が異世界の設定を諦めたためバイクが趣味の同級生という設定になった。
- ルドルフ剛鬼
風の剣のファンタジーマスターだったが、夢野が異世界の設定を諦めたため校長という設定になった。生徒思いで自ら体を張って事故を防いだ。
- 台北
流星の家にホームステイ中の中国人留学生で奇病に詳しい。
- その他同級生
ほとんどの生徒が奇病を発症しているが、皆学校に通っている。流星を説得するためにみんなで彼の家を訪れた。
最後
初めは一人と戦った後に全員を登場させ、「戦いは始まったばかりだ!」というよくあるパターンの最終回になるはずだったが、「夢野なら3ページで何とかしてくれるだろう」という編集部の判断で結局いつも通り3ページしか用意してもらえず、異世界の設定を諦めざるを得なくなってしまう。しかし既に異世界の使者が来ていたり、扉絵の時点でキャラクターや守護精霊たちが全て登場してしまっており(しかも全員剣を所持している。)既に異世界の設定をなくすこと自体困難になってしまっていた。どうしても対処法が浮かばず八方塞がりになってしまった夢野だったが、結局は担当が出した案である精霊たちは奇病で身体が変化した流星のクラスメイトで、流星はそんな世界で生きるのが嫌で引きこもりになっていたため異世界に行く方法を探っていたという設定になり、異世界の戦いはゲームソフトの事だったというものになった。
周囲からの評価
本人は「アンケートは気にしなくても大丈夫」と担当に言われたことから人気が出たと確信していたようだったが、その真相はもう終わるからアンケートを取る必要がなかっただけで(夢野の場合、アンケートは気にしなくていい=打ち切り宣告みたいなものである。)実際はアンケート0票、「1ページでやめた」、「雑誌を床にたたきつけた」と酷評で、担当も「読んでで疲れる」、「面白くなさで他を圧倒」とまで言っており読者だけでなく編集部の人間も相当イラつかせたようである。恋のトライアングルもそうだったが、ここまで酷いのに自信作と言い張れる夢野もある意味では凄い。(恋のトライアングルの場合は編集部のミスで票が入ってたというのもあるのだが。)