ラストファンタジー
おわってるふぁんたじー
古より受け継がれてきた7つの聖なる宝石
ラストファンタジー(聖なる宝石)
7つは世界に散らばっていて
7つ全てを手中にする者は
世界をその手にできる力を得るという
一つ一つも特殊な力があり
世界に散らばる7本の聖剣ファンタジーソード(聖なる剣)には
それぞれに合ったラストファンタジーがあり
それが合わさった時その剣は最大の力を発揮するという
剣の所有者はファンタジーマスター(聖なる剣の主人)と呼ばれ
剣の守護精霊に認められた者しか
その剣を所有することはできないとされている
剣の守護精霊はファンタジーマスターと常に行動を共にし
ラストファンタジーを見つけ剣に装着すると
守護精霊は剣と一体となりその剣は最大の力を発揮するという
世界を手にする力を得るため
ラストファンタジーを7つ全て揃えるには
他のファンタジーマスターとの戦いは
避けられない宿命!
7本の剣はそれぞれ火・水・光・風・夢・雷・炎と別々の特性があり
それぞれの剣の守護精霊もその特性に合った魔法を使う!
剣と魔法の戦いが今始まる!!
※夢野カケラ作『ラストファンタジー』第1話1ページ目より引用。
『ギャグマンガ日和』の作中作にして、「夢野カケラシリーズ」の第4弾。
夢野カケラが『恋のトライアングル』に続いて月刊チェジウで発表した漫画。
夢野が得意分野と豪語するジャンルの異世界転移系バトルファンタジーだったが、第1話があまりにも酷い内容だったため読者からの批判が殺到、僅か2話というありえない速さで打ち切りになった。
夢野は打ち切り決定の知らせを聞かされて「何年も温めてきた構想なのに」と嘆いたものの、担当の森からは「死んだ卵を温めていたって感じですね」と言い捨てられてしまう。
- 第1話の1ページ目からいきなり分かりにくく長ったらしい世界観の解説。
- 夢野は「ある程度説明した方が読者が話に入りやすいじゃないですか!」と主張したが、担当の森は「限度を越えてる」と一蹴。読者からは「1ページ目で読むのをやめた」「雑誌を床に叩きつけた」といった批判が多く寄せられたらしい。
- 説明自体も下手で、例えば最初の一行にある「古より受け継がれた7つの聖なる宝石、聖なる宝石(ラストファンタジー)」など、言い回しに重複が多く見られる。
- 設定もおかしく、7種類しかない属性に火と炎が別枠で存在している。
- それでも「全部読んだら絶対面白いのに」と食い下がる夢野だったが、「別に面白くはない」とぶった切られてしまう。というのも…(次項に続く)
- 表紙詐欺、かつ話が全く進展しない。
- 第1話の内容は「主人公が図書館や古本屋をウロウロしながら異世界があるだのないだのとピーチク言ってるだけ」で、扉絵に載っている主人公以外のファンタジーマスターは全く出てこないしバトル描写もない。
- 夢野は「異世界があるかないかで話が二転三転するところが面白いんじゃないですか」と主張したが、そういう問題ではない。
- ネーミングセンスが壊滅的。
- 「ラストファンタジー」「ファンタジーソード」「ファンタジーマスター」「ファンタジーランド(異世界の名前)」と、「ファンタジー」という言葉を無駄に大量に使っており、それが読者のストレスを煽る。
- 担当の森曰く「ファンタジーファンタジーうるさい漫画」。
- 「聖なる宝石(ラストファンタジー)」「聖なる剣(ファンタジーソード)」「聖なる剣の主人(ファンタジーマスター)」「剣と魔法の世界(ファンタジーランド)」と、ルビの振り方もいちいちダサく、夢野自身も担当の森から「第2回(さいしゅうかい)」などとルビ芸でいじられてしまう始末。
- 「ラストファンタジー」「ファンタジーソード」「ファンタジーマスター」「ファンタジーランド(異世界の名前)」と、「ファンタジー」という言葉を無駄に大量に使っており、それが読者のストレスを煽る。
- 相変わらず1ミリも進歩を見せない画力の低さ。
- 前作『恋のトライアングル』でも見られた、「かわいい女の子の絵が描けないくせにパンチラを入れたがる」という悪癖も健在。
- よく見るとソードマスターヤマトよりはマシになっているものの、低いことには変わりない。
- 夢剣流星
主人公。
森「…主人公の名前何ファンタジーでしたっけ…?」
夢野「何ファンタジーでもないですよ!夢剣流星です!」
異世界に憧れる高校生で、奇病が蔓延する世界を嫌い異世界に行く方法を探っていたが見つからなかったため引きこもっていた。
- 眼球院ゾリア
炎の剣のファンタジーマスターのはずだったが、夢野が異世界の設定を諦めたため同級生という設定になった。
奇病で体が変化した弟がおり、他の同級生と共に流星を説得しに来た。
- デスバイオ柳
光の剣のファンタジーマスターのはずだったが、夢野が異世界の設定を諦めたため同級生という設定になった。
- ルドルフ剛鬼
風の剣のファンタジーマスターのはずだったが、夢野が異世界の設定を諦めたため校長という設定になった。生徒思いで自ら体を張って事故を防いだ。
- 台北
流星の家にホームステイ中の中国人留学生で奇病に詳しい。
- その他同級生
ほとんどの生徒が奇病を発症しているが、皆たくましく学校に通っている。
流星を説得するためにみんなで彼の家を訪れた。
初めは一人目のファンタジーマスターと戦った後に残り全員を登場させ、「俺たちの戦いはこれからだ!」というよくあるパターンの最終回になるはずだったが、「夢野なら3ページで何とかしてくれるだろう」という編集部の判断で結局いつも通り3ページしか用意してもらえず、異世界の設定を諦めざるを得なくなってしまう。
しかしすでに扉絵の時点でファンタジーマスターや守護精霊たちが全て登場してしまっており(しかも全員剣を所持している)、第1話のラストシーンにも異世界からの使者をシルエットで出していたため、異世界の設定をなくすこと自体困難になってしまっていた。
どうしても対処法が浮かばず八方塞がりになってしまった夢野だったが、結局は担当が出した案である「精霊たちは奇病で身体が変化した流星のクラスメイトで、流星はそんな世界で生きるのが嫌になって現実逃避願望をこじらせ、異世界に行く方法を探っていた」という設定を採用。
異世界の戦いはゲームソフトの事だったという強引過ぎる展開で幕を閉じた。
担当の森から第1話についての電話がかかってきた際、「アンケートは気にしなくても大丈夫」と言われたことから好評だったと確信していた夢野だったが、その真相はもう終わるからアンケートを取る必要がなかっただけで、実際は得票数0票。
担当の森も「読んでで疲れる」「面白くなさで他を圧倒」と本作を評し、しまいには夢野と電話している最中にあからさまに大きな欠伸をした。
森のこの態度から、月刊チェジウ編集部も夢野を相当見下していることが見て取れる。
- 非常識な編集者に振り回されたソードマスターヤマト
- 無責任にテコ入れ案を押し付けられ、知りたくもない匿名掲示板の陰口まで聞かされた決めろ!キラメキシュート
- 編集部のミスで連載が続いてしまった恋のトライアングル
- 無能なインタビュアーにイメージを下げるような記事を書かれ、編集部にもそれを容認された漫画の極意
- 理不尽な理由でページを短縮され、侮辱的なあだ名まで付けられたデーモンバンパイア
と、他のシリーズでは被害者としての側面もあった夢野だったが、今回ばかりは編集部側に落ち度はなく(強いて言うなら森の態度の悪さ)、改めて夢野の作家性が浮き彫りになる形となった。