「戦おう。ユキ姉達の代わりに、今度は僕らが」
「高密度衛星群による重力変更。誤差修正。目標――ファイア」
「別にさ、怖いもの知らずってわけじゃないよ――助けられると思ったんだ」
「君は、僕の敵だ」
CV:花江夏樹
人物像
ヘブンズ・フォールで両親を亡くして以来、姉の界塚ユキと二人で暮らしており、ユキからは「なお君」と呼ばれる。
普段はだらしない姉に世話を焼きながらも炊事などで軍人となった彼女を支えている。
博識かつ冷静な性格の持ち主で成績も優秀だが、決してそれをひけらかすような事はせず、普段は極端なまでにマイペース。有事の際にも決して慌てず物事を見極め、状況に応じて最適な行動を導き出す。
異常事態になったとしても顔色はおろか声色すら変えない程に感情の起伏が乏しく、見る者によってはドライで冷徹にも捉えられるが、命の危機に瀕した仲間を助ける為に尽力し、友人の死に静かに怒りを滾らせるなど、感情そのものは人並みに持ち合わせ、しばしば無茶もする。
実戦経験こそ無いものの、戦闘では非凡な戦術眼を発揮し、交戦中でも敵の特性を分析し続け、機会が来れば即座に有効と思われる手段を実行に移す機敏さを持つ。
火星の独立国家ヴァース帝国の第一皇女アセイラムを狙った暗殺テロの現場に居合わせ、その事件に端を発した二度目の惑星間戦争に巻き込まれる。街から避難する中で、殺された筈のアセイラムを名乗る少女と出会い、行動を共にする事になる。
複雑に絡み合う状況の中で敵に追撃される現状を打破すべく、仲間と共に軍事教練の教官・鞠戸の指示に従い、他の民間人の避難が完了するまで囮として訓練用カタフラクト・スレイプニールを持ち出し、地球のそれとは隔絶したスペックを有する火星カタフラクト・ニロケラスに戦いを挑む。
実戦経験もなく、戦力も限られる状況でニロケラスを撃破し、更に追撃してきたアルギュレの撃退にも成功したことから、親友の韻子、カームらと共に地球連合軍へと編入され、正式にパイロットとなる。
その際、スレイプニールの後継機であるアレイオンを充てがわれるが、その機体が実戦直前にシステムエラーで動かなかった事と、自身がスレイプニールという機体に慣れている等の要因が重なり、以降も訓練機であるスレイプニールを乗機として選択。その事もあり、スレイプニールの訓練機を表す「オレンジ色」が、ヴァース帝国側からはエースパイロットのパーソナルカラー的に扱われる事になる。
停戦のためには自らの正体を明かすことも厭わなかったアセイラムの意向を汲み、苦難の果てに地球連合軍本部・ロシア基地へ彼女を送り届けるが、そこへ暗殺事件の黒幕であるザーツバルムが揚陸城を以って強襲。
ザーツバルムが保有する戦力とアルドノアを無力化すべく、アセイラムと共に揚陸城突入作戦を敢行、ディオスクリアと交戦してこれを撃破し、目的を完遂する。しかしアセイラムはザーツバルムの凶弾に倒れ、自身もスレインに左目を撃ち抜かれる重症を負う。
ユキ、韻子に救助されて意識不明のままデューカリオンへと帰還するがこの際、アルドノアの起動因子を得ていた事が知れ、地球唯一のアルドノア搭載兵器たるデューカリオンを始動させられる存在となった。
また、その戦闘能力も軍に重用された事もあり、アルドノアを始動出来る人間でありながら前線に送り込まれるという、矛盾をはらんだ境遇に置かれ、失った左目を試作型の義眼で補いながらも19ヶ月という療養期間を経て再び戦場に立つ。
左目の義眼について_
彼の義眼は単純に失った視力を補う以外にも様々な機能を有しており、特に脳の未使用領域を利用して当人の思考と並行して演算を行うアナリティカルエンジンは、情報解析の為のツールとしても使用される。
このアナリティカルエンジンは伊奈帆によってファームウェアを改良され続けながら使用されており、使い方によっては相手の嘘を見抜き、実戦に於いては伊奈帆が元来持ち合わせている計算高さを組み合わせる事で擬似的にではあるが未来予測も可能としており、これによってスレインの乗るタルシスと渡り合い、ヴァースへ帰還し火星騎士を焚きつけるアセイラムを偽物と見抜いている。
しかし、それは決して万能の能力と言う訳ではなく、機能を追求すればそれだけ使用者の脳への負荷も増大するというものであった。
元々地球で開発されていた技術だが、完成には程遠いまま行き詰っていた物を、損壊し回収されたアキダリアに残されていたアナリティカルシステムのバックアップを用いて完成させた物である。