広辞苑とは?
広く支持され、ベストセラーとなった有名な国語辞典。収録項目数が多く、現代語や古語、百科事典に収録されるような言葉なども収録されている。そのため非常に分厚い。中型国語辞典としては三省堂の『大辞林』と並ぶ両雄で、携帯機器に電子辞書の形で収録されることも多い。
厚さは初版以来一貫して「8cm」は決して超えないように作られている。これは印刷機の都合もあるが、手に持って調べられる限界の厚さがこの程度、というのも理由である。改訂ごとに大量の単語が追加されるにも関わらず、厚さが変えられないならどうするのかというと、紙の方を薄くして対処している。しかも、手に吸い付くような、めくりやすい「ぬめり感」は保持したまま。常にそのとき本として使用できる限界の薄さの紙を使用している広辞苑の歴史は、製紙技術の発達とともにあったのだ。
広辞苑の内容について
言葉の意味は、古い意味から掲載してある。語釈については、類書と比べて簡潔に書いてある。人名については、日本人の掲載は故人に限られる。外国人は存命でも収録されていることがある。
新語の収録に関しては、特に俗語の場合は保守的で、「きしょい」「ググる」「ほぼほぼ」「つんでれ」「告る」「ゆるキャラ」「ディスる」は第七版では見送られることになる。これらの7語は、デジタル大辞泉には載ってある。三省堂国語辞典にも、用例などで掲げてあるのも含み、このうち6語が載ってある。
ちなみに「ペンギン」は、項目としては初版からあるが、第七版ではアデリーペンギン、エンペラーペンギン(コウテイペンギン)、キングペンギン、フンボルトペンギン、イワトビペンギンなど各種を項目として立てる模様。
第七版では、例えば以下の語に新しく語義が加わる。
【炎上】「インターネット上で、記事などに対して非難や中傷が多数届くこと。」
【リセット】「新たに始めるために、もとの状態に戻すこと。『気持を-する』」
【やばい】「のめり込みそうである。『この曲はくせになって-・い』」
【盛る】「さらに飾り付ける。おおげさにする。『メイクを-・る』『話を-・る』」
【はじける】「羽目をはずして浮かれる。『今日は思いっきり-・ける』」
これらの語義は、いずれも大辞泉には載ってある。
この規模での国語辞典では、漢字表記の使い分けの解説は、この広辞苑が一番詳しい。特に◇で示される164語の表記の解説は、類書を圧倒するほど。また、品詞の表示では、類書では唯一、動詞で自他の区別を示している。ただし、形容動詞や名詞サ変活用の場合は品詞が示されない。
書籍情報〔第七版〕
【項目数】
250,000語〔第六版より+10,000語〕
書籍版の大辞泉第二版も同じ250,000語〔二分冊〕。また、新語の追加については、旧版からいくつかの語を削除したので、実際には10,000語以上は追加したと見られる。
また、大辞泉や大辞林とは違って、データベースを用いて頻繁に内容を更新しているのではなく、収録する言葉や用法については、改訂ごとに定めている。
【編者】
新村出
【発行日】
2018年01月12日
●1955年05月25日 初版発行
●1969年05月16日 第二版発行
●1976年12月01日 第二版補訂版発行
●1983年12月06日 第三版発行
●1991年11月15日 第四版発行
●1998年11月11日 第五版発行
●2008年01月11日 第六版発行
【ページ・価格】〔税抜き〕
3216頁・別冊付録424頁
≪菊判(普通版)≫
8,500円 →9,000円
≪B5版(机上版・二分冊)≫
13,000円 →14,000円
※完成記念特別価格→通常価格。割引価格の期間は2018年6月30日まで。
【その他】
ATOK2018年版(2018年2月1日公開)では、ATOK Passportのプレミアム版に加入すれば、電子辞書機能で広辞苑第七版を利用できるようになる。
アプリもあるよ
現在、広辞苑第六版(第七版移行版)が提供されている。第七版移行版は、広辞苑第七版の発売日になると、辞書データが第六版から第七版に、自動的に差し替えられ、アプリの名前も「広辞苑第七版」に変わる。
ただし、広辞苑第七版の発売日になると、新規で「広辞苑第七版」購入する場合は、旧版より高い値段で提供されるようになる。既に第七版移行版を購入した方は、追加で差額を請求されることはない。安価で第七版を手に入れたい方は、発売日までに第七版移行版を購入することを推奨する。