演:中康次
概要
ゴーマ族の人類侵略を予期し、天火星・亮ら優れた気力を有する若者を集め、五星戦隊を結成した指導者。ダイレンジャーの司令にして、彼らを戦士として鍛え上げた師匠でもある。「道士・嘉挧」と名乗っており、亮たちからは単に「道士」とも呼ばれる。
気力やダイ族とゴーマ族の歴史などの知識を豊富に持ち、自身も拳法と気力の達人である。戦闘力も非常に高く、ダイレンジャーを軽々と退けた鉄面臂張遼とほぼ互角に渡り合い、自身が戦ってもダイレンジャー5人が束になっても圧倒されるほどである。
6000年前にダイ族を裏切った張遼とも面識があるなど、その素性は謎に包まれていた。シリーズ中盤で自ら敵の本拠地であるゴーマ宮にも出入りでき、気力ばかりか妖力まで使いこなし、ゴーマ15世とも旧知の間柄であることを匂わせていたことからいよいよ謎は深まっていたが……。
その正体(ネタバレ注意)
妖力を使えることからも示唆されていたが、元はゴーマ族出身。人類侵略に異を唱える穏健派のリーダーだったが、その主張が容れられなかったため離反してダイ族に味方していたのだった。参謀長という高位にあり、皇族の血筋にあって、皇位継承者の資格も持っていた。
シリーズ終盤、大神龍の襲来を機にゴーマ族に復帰し、自ら次期皇帝となってゴーマの侵略活動を止めさせようと動き、ダイレンジャーに解散を命じたうえで皇位継承者の座を賭けたシャダム中佐との決闘に臨む。しかしダイレンジャーたちに対してあまりにも秘密主義で接したために彼らの疑惑を招き、自身の協力者である子竜中尉との潰し合いを引き起こしてしまう。
子竜に建てさせた妖力・気力の塔によって自身のパワーを強化して試合に勝つ算段だったが、その塔をシャダムが差し向けたザイドス少佐らに破壊されたために塔の力を発動できなくなって弱体化。その隙を突いたシャダムの猛攻を受けて敗死する。事情を知ってゴーマの本拠地に乗り込んだダイレンジャーはその死に立ち会い、悲しみを胸に最終決戦に臨むのだった。
死して後も魂として(?)亮たちの前に幻影で現れ、警告を発したこともあった。
「ダイレンジャー5人を圧倒できる嘉挧が、彼らの個人技でダメージを受けるシャダム(最終的には生身の亮一人に敗れた)ごときに勝つために塔など必要だったのか?」(事実、見物していたゴーマ族は嘉挧が勝つだろうと話していた)「余計な心配をかけないためといって、あれほどの秘密主義に徹する意味はあったのか?」「シャダムから剣を奪って勝利目前だったのに、何故そのままとどめを刺さなかったのか?」さらに言えば、「シャダムを泥人形に戻してしまえばよかったのでは」など、終盤の行動にはいくらか疑問が残ったのも事実である。
ちなみに
演じた中康次は10年後の『仮面ライダー555』にて花形/ゴートオルフェノク役で出演している。キャラの立ち位置も嘉挧に通じるものがあった。
中は2015年に死去したが、その死に際してダイレンジャーの5人を演じた役者たちがみな哀悼のツイートを寄せ、後日劇中でダイレンジャー基地のあった東京駅近くで集合し追悼の会を開くなど、劇中の師弟関係そのもののような絆を感じさせた。
注意点
名前の「嘉挧」の字が非常に難しい(「挧」に漢字変換するのは大変である)ため、「カク」と片仮名表記されることも多い。また東洋武術系の作品の師匠キャラということで紛らわしいが、「道士」でなく「導師」と誤記されることも少なくないので注意が必要である。
関連項目
賢神トリン:20年後の作品で敵組織の大幹部から戦隊司令官に寝返った繋がり。物語終盤に死亡したのも共通点だが、こちらは作戦のうちであった。