概要
別世界の美術館に迷い込んだイヴとギャリーが出会った、美しく謎めいた少女。
名前の綴りは「Mary」。
容姿は金髪碧眼、深い緑のワンピースに青いリボンスカーフをしている。
所持している薔薇の色は黄色。
最初は怯えて警戒していたが、打ち解けると人懐っこく無邪気な性格で、可愛いものや美味しいもの、遊ぶことが大好きなごく普通の少女に見える。
美術館を脱出するためにイヴ達と共に行動することとなるが…
人気のあるイベントのほとんどが重大なネタバレとなってしまうキャラクターである。
彼女が仲間になってから前に通った場所を再び調べると、幾つかイベントが発生する場所もある。
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ネタバレ
この先ネタバレ注意
「存在を交換することにより 空想が現実に成り得る」
彼女の正体はゲルテナによる生涯最後の作品。
ゆえにゲルテナのことを「お父さん」と呼んでおり、彼女が持っている黄色い薔薇は造花。
薄暗く寂しいゲルテナの世界でずっと"外の世界"を夢見ていた彼女は、自分の夢を叶える為に、彼女に代わってゲルテナの世界の存在となる者として、やむを得ずも迷い込んだ二人を利用しようとしていた。
そのためゲームシナリオにおいての役割は敵に近いものでもあり、あまり良くない印象を持っているプレイヤーもいるかもしれない。
しかし、前述のようにゲルテナの世界でずっとひとりぼっちだった事、ゆえに彼女に良し悪しを教える存在もいなかった事、探索中に話しかけると頻繁に外の世界への憧れを目を輝かせて語る事などを考えると、一概に彼女を悪役とは言い切れない。
イヴとギャリーは彼女にとって初めての"友達"という存在であり、特にイヴは同年代の女の子同士であるからか非常に慕っていた。
そんなイヴに一緒にいてほしかったのか、自分より前から行動を共にしていたイヴとギャリーの関係が羨ましく思ったのか、彼女はある時、イヴに問いかける。
「もしもここから出られるのが二人だけだったから…イヴは誰と外の世界へ行きたい?」と。
この選択肢は後のエンディングにも影響を与える。
この発言をはじめ時折見られるイヴへの執着心はヤンデレとして扱われることも。
道中、ギャリーによって正体が明かされてしまったためにギャリーとメアリーの間に決定的な亀裂が生じてしまうが、本心では彼を本当に嫌ってはいなかったことも作中で明示されている。
結末
結局、彼女の夢が叶うEDはひとつだけ。
夢が叶えられない場合、ひとつはそれでも今までに無い程幸せな笑顔を見せるED、もうひとつは今までに無い程絶望的な泣き顔を見せるEDがある。
それまでメアリーの心情が見える描写は少なかったが、アップデートにより後者ふたつのEDが追加され、メアリーを操作できる仕様になって初めて彼女の心情の数々が明かされた。
さらにメアリーの日記やらくがきなどの要素も追加されており、そこに記されているのは切ない事に、健気な少女の思いである。
この追加要素によって過去プレイヤーの数多くが彼女に対するイメージを塗り替えたことだろう。
しかし彼女の夢が叶うEDにも不完全な部分は残されており、作品的にクリアといえるEDでは幸せな彼女の姿を見ることはできない。
3人で外の世界へ出る新EDを待ち望むプレイヤーも多いが、作者曰く「これ以上の追加EDはない」とのこと。
…あったとしても、美術館のルールが厳然と存在する以上、こればかりはどうにもならないのだが。