概要
HUGっと!プリキュア第15話に登場する、愛崎えみるが変身するプリキュア…ではなく、プリキュアの恰好をしたえみるのコスプレ姿である。いわばプリキュア版のコレ。
なお表記は「えみーる」ではなく「えみ~る」である。
名乗りバンクに相当するシーンも挿入されており、キュアえみ~るのえを体全体で表すものになっている。
容姿
上半身は白主体で黒帯が2本入った服で、袖の構造は通常服と同じだが、その袖の端にピンクが追加されており、リボンも私服のものとはちょっと違う。また手には白の手袋を着用している。
下半身のスカートは通常のピンクのスカートにモコモコスカート、そして黒色のスパッツを履きし、靴にはピンクと白を基調とした靴を着用している。
その他、頭のツインテールのリボンが赤からピンクに変わっており、背中には大きな黄色リボン、手足の肘膝には専用の怪我防止プロテクターを装着し、額・お腹・肘には黄色とピンクの花がついている。花の意匠やコスチュームの雰囲気から、プリキュアの中でも接点が強いキュアエールを意識しているようだ。
ちなみにルールーの分析によると、この格好のえみるは「プリキュアの可能性87.56% けっこうプリキュア」らしい。
参考までに、普段のえみるの恰好だとプリキュアの可能性が0.01%と算出された。
基準が不明瞭です。
ただ、ルールーの分析では、えみるが発するアスパワワの量についてはプリキュアに匹敵していることは15話を通じて常に示されており、「けっこうプリキュア」という分析は単なるギャグ演出ではなくそれが関係しているようだ。
目的
えみるがプリキュアの真似事を始めたのは今まで何度か目撃したプリキュアに憧れてだが、格好だけ真似て悦に浸っているわけではなく、わりと真剣に「みんなを守るヒーロー」になりたいという思いがある。
しかも彼女の考えているヒーロー像はわりと堅実なもので、言ってしまえば「困っている人たちにおせっかいをする」という単純な人助けである。悪人と戦いたいとかそういう感じではない。
つまりえみるはプリキュアの戦う姿に憧れているのではなく、その背景にある思いに憧れているのである。このことこそが87.56%のプリキュアの可能性を生み出しているとも言えるだろう。
では、残りの12.44%は何が足りないのかということになるが、プリキュアというものは一人ではなく仲間とともに戦う存在というのは歴代の先輩たちから学ぶべきことかもしれない。
えみる自身もそれをわかってはいるのか、15話では意気投合したルールーに「一緒にプリキュアになりましょう」と誘っている。ルールー本人は子供の戯言とスルーしていたが、えみるはわりと本気なようで、今後の展開に注目である。
余談
カオス回再び
この15話は予告映像の時点で
・プリキュアの恰好で挙動不審な動きをするえみる
・目をカッと見開いたり、驚きマークを出したりとこれまでのルールーでは考えられないギャグ描写
・ロッカーのごとくギターをかき鳴らすえみる
・変顔をしながら驚くはな・さあや・ほまれ
・くるくる回る社交ダンス(べニーズワルツ?)を決める、見るからにキャラの濃そうな貴族風のえみるの両親
・NT?空間でのえみるとルールーの対話?シーン
と、短い映像の中にもギャグ回を思わせる情報が詰め込まれていたが、実際に放映されたらそれどころでなく1分に1回くらいはツッコミせざるを得ないひどいカオス回となっていた。(詳細は愛崎えみるとルールーの項目の15話解説にて)
プリキュアシリーズで一年に一回、頭のおかしいカオス回が挿入されるのはシリーズの裏伝統みたいなものでもあるのだが、一応本作は序盤からそれなりのシリアスな設定を絡めてきた作品であるためそのギャップは例年以上にすさまじく、なんかもう別のアニメになったかのごときであったが、ギャグ描写の中にもルールーとえみるの心の機微を上手く描写しており、ルールーとえみるの邂逅は今後の展開に大きく影響するターニングポイントとなりそうなことは明白で、単なるネタ回ではなく、限られた尺の中で膨大な要素を詰め込んだ非常に濃厚なエピソードとなっている。
ちなみにこの回はタナカリオン演出回、さらに久々の成田良美による脚本である。
そのタナカリオン氏、今回の演出についてTwitterで回想している(参考リンク1、2)。
曰く、今回の演出は「低予算ギャグを目指して徹底的に省エネを」というのをテーマに掲げていた。そのため厳密に管理されることが多い東映アニメーションの作画枚数としてはほぼ規定内に納めることができたという。逆に言えばその分動かさないカットをうまく使って演出したといえる。
その一方で今回のMVPとして作画監督の大田和寛を挙げており、要所要所でキャラを動かし、さらにギャグ回特有の悪のりでさらに画面のテンションも上乗せするという点を評価している。大田はプリキュア以前は『ぱにぽにだっしゅ!』などシャフト系のギャグ系作品に関わっていたこともあり、その経験が発揮されたことになる。
一方シリーズディレクターの佐藤順一は、流石に絵コンテを見たときは振り切れすぎてて大丈夫かと思ったものの、「ギャグ回というは不安になったら負けなので、突っ走るしかない」と語りつつ、そうした中でも人物描写をすべきところはしっかり抑えるという、タナカリオンの演出手腕を高く評価している(関連リンク)。
同日のニチアサにて
第15話が放送された1時間後の快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーでは、朝加圭一郎がギャングラー絡みの危険性がある現象を遠足を守るために調べようとする子供に対し(および、かつてとある警察官が危険な事件を解決しようとした子供時代の朝加圭一郎に対し)「それは自分(警察)の仕事だ」と諭す場面があった。
年齢的な差があるとはいえ、公的機関が敵と戦う力があるかないかによる対応の対比と言えるかもしれない。
関連タグ
今中笑里・森真理夫:非正規の自作コスチュームヒーロー繋がり。
がんがんじい:古くはこんな例もある。