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この記事はアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」のネタバレを含みます。
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- 全ての皆様へ
この記事は今回の炎上における問題点を記録としてまとめ、本記事から隔離するためのものであり、決して「作品の関係者の皆様に対する過激な言動、ましてや誹謗中傷に類する行為を助長・扇動・正当化するために作られた記事」ではございません。
無論、「今回の炎上を蒸し返すための記事」でもございません。
重ねて申し上げますが、この記事の内容を盾にして、作品を楽しんでいるファンの皆様を不快にする行為や、キャストや制作陣の方々に迷惑をかけるような行為は絶対にしないでください。
概要
2022年7月17日から10月9日にかけて放送されたテレビアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」(以下、主に「スパスタ」と表記)の2期5話以降、ストーリー展開やキャラクターの行動等に視聴者の不満が噴出、炎上(SNS等での意見対立、疑問提起等)に発展。公式の動画に多くの低評価がつき、BD円盤の売り上げ数がシリーズ初の初動万割れを起こす等、視聴者の不満が明確な数字として表れてしまった事案。
特にファンの不満が噴出し始めたのは主に第2期第5話以降であるが、第1期第7・8話も同様に問題であったと考える視聴者もいるため、併せて記載する。
第1期第7・8話(以下、全ての項目にネタバレを含みます)
第1期第7・8話はLiella!1期生最後の加入メンバーかつ、ラブライブ!シリーズ(以下、主に「シリーズ」と表記)恒例の生徒会長枠である葉月恋の加入エピソードなのだが、放送当時からその出来については評判が悪く、2期のストーリーに匹敵する問題を呈していたと見なされている。
ニコ生アンケでも、7話が「とてもよかった」:71.4%、「よくなかった」:7.1%と、スパスタ1期内のワースト3位(ちなみに1期におけるワースト2位は7話と0.2%の僅差で12話)。
8話が「とてもよかった」:69.1%に、「よくなかった」:4.3%と、スパスタ1期内のワースト1位の投票結果となっている。
ストーリー内容
まず第7話において、葉月恋が生徒会選挙での「普通科と一緒に文化祭を行う」とした公約を破り、新たに「音楽科だけで文化祭を行う」と宣言。
そして、続く第8話にて音楽科を優先する方針を取った理由が明かされるのだが、それは「来年の入学希望者数が少ないと、資金が足りなくなり学校も存続出来なくなってしまう(≒"廃校"を回避すべく、文化祭をより魅力的にするために音楽科だけで盛り上げようとした)」とする、新設校にあるまじき信じられない理由だった。
普通に考えて「設立からたった1年の間に、一定以上の入学希望者数を達成できなければ即廃校を迎える」程度の危うい経済基盤で、新校の設立が認可されるわけがないので、違和感を覚えた視聴者が多い模様。
更に、第1期第8話までに恋がスクールアイドル活動を敵視していた理由も明かされるのだが、それは「母親がスクールアイドル(に近似した活動)の記録だけを家にも学校にも残していない」=「思い出として残しておきたくない程の記憶だった(学校を救えなかったためスクールアイドルに絶望した)」と勘違いしていたためであった。
後にかのん達が思い出の品を見つけてくれたため、恋も亡き母の言葉を思い出し謝罪と和解に繋がるのだが、要するに恋がスクールアイドルを敵視していた理由は「単に恋が母の言葉を(なぜかピンポイントで)忘れていた」描写になってしまった。
こうした“あたかもシリーズの伝統である”との理由だけで、新設校としての常識や、恋の心情描写を不自然にしてまで「廃校」「認められない系生徒会長」等の要素を安易に入れたような展開にファンが納得できるはずもなく、同7・8話の評価はそれまでの高評価から一転して急落してしまった。
その後、第9話以降は無難なストーリーで評価を回復したものの、この第7・8話の低評価が後の第2期での惨状の遠因になっていると考える視聴者もいる。
また、同第7・8話の時点ではサヤの給与すらままならないほど金銭事情が切迫していた状況から、視聴者には「葉月家は元々母子家庭(であったが、その母も逝去している)」だからと思われていた。
しかし、その後「恋の父親は海外に単身赴任している=普通に生きている」実態が判明。後に12話前半で実父から寄付が来たものの、矛盾無く解釈しようとすると実父の一連の態度は「家族として信頼している」故の放任主義を逸脱した行い(※)ともとれ、一部の視聴者からは「父親は娘の恋には毒親、亡き妻の花にはハラッサー」だとの疑惑を持たれてしまった。
※:ラブライブ!は主人公の父親やメンバーの弟であっても、男性キャラクターが出た事実だけで炎上寸前まで荒れた過去があり、故に明確に出せなかったと思われる。
しかし、いくら海外に単身赴任していようが、娘や亡き妻の学校経営は最低限でも認知しているだろうから、不自然なのに変わりはない。
また、ラブライブ!は上記のような伝統を展開に組み込まざるを得ない事情があったのかも知れないが、それらの理由があろうとも、上記のノータッチの正当性にはならない(そもそも、ここまで葉月家の生活基盤が困窮しているとなると、父親は娘に生活費すら払っていないようにも見えてしまう)。
寄付も恋が一定の成果を出したからであり、万が一成果を出せていなければ、学園は民事再生法などで存続はできるかも知れない一方、恋個人としては父の下で生活するために日本を出立、最悪のケースだと学園が廃校した後、赤貧生活に落ちぶれる可能性も否めない……と想像してしまう視聴者もいる。
本題:全体としての問題点
まず前提として、シリーズにおける初代・サンシャイン・そして今作は、「多少の粗は気にせず、熱量と勢い任せで突っ走しり、感動を与える」作風、いわゆる「ノリと勢い」「ライブ感」等と呼ばれる描き方が特徴的な作品である(監督・脚本共に一新されたアニガサキは例外)。
無論、こうした手法そのものが悪いわけではなく、それこそ「ノリと勢い」重視の作風で人気を確立した創作物も多数存在する。
一方で、この手法は、
「熱量と勢いで説得力不足や整合性の無さを誤魔化している」
「視聴者を惹き込めるだけの熱量や勢いを失えば余計に粗が目立ち、作品全体としての評価が下がりかねない」
等の面も当然ながら持ち合わせている。
今作は残念ながら、そうしたマイナス面の方が目立つ結果となり、上述のような低評価に繋がってしまったと評価できるだろう(こうした視点や背景については「余談2:不評の背景」の項目でも触れているので、そちらも参照)。
そして「具体的に今作のどのような点が批判を集めたのか?」の疑問の答えを述べるならば、
- 1:「ストーリー全体としての粗の多さ」
- 2:「各キャラクターの描かれ方」
この2点に尽きる。
※決して「キャラクター本人」を責めているわけではなく、「キャラクターの描き方、動かし方(=制作面)」に問題があった意味だとご理解・ご了承ください。
詳細は各項目を参照していただくとして、ここでは簡潔な説明と2期全体としての問題点について述べていく。
1-1:ストーリー全体としての粗の多さ
今作(特に第2期)は、
- 「唐突な展開」
- 「説得力不足(あるいは説明をせず投げっぱなしにする、視聴者の脳内補填に頼る)」
- 「整合性の無さ」
- 「過程で感動を与え終えたら放り投げる」
- 「脚本としての引き出しの少なさ」
などと「『ノリと勢い』を重視する作風だと理解していても尚、さすがに単体のアニメ作品としての完成度の低さ」を感じさせられてしまうような要素が目立つ。
それらを大まかにまとめると、以下のようになる(一部重複あり。ここに列挙したものが全てではない)。
- 「唐突な展開」:7話でかのんが北海道に行く理由付け、留学中止エンド
- 「説得力不足(あるいは納得のいく説明をせず投げっぱなしにする、視聴者の脳内補填に頼る)」:かのんの一言で夏美への言及を一旦保留するLiella!メンバー、サニパの敗退理由、かのんの歌唱力が世界レベルという描写、オーストリアの国立音楽学校がラブライブ!に注目している描写、留学中止エンド
- 「整合性の無さ」:ラブライブ!の運営に纏わるルール(第11話で理由は判明したが)、マルガレーテの家族絡みの事情
- 「過程で感動を与え終えたら放り投げる」:千砂都の部長立候補及び就任、Liella!メンバーの生徒会活動、可可の強制帰国、留学中止エンド
- 「脚本としての引き出しの少なさ」:一期生と二期生との実力差問題(2期2話・5話終盤~6話・9話)
それぞれの詳細は「主な問題点(第2期第5話以降)」の項目を参照していただきたい。
1-2:不明瞭な「2期全体としてのテーマ」
最終話の放送を終えた現在でも「結局、2期全体を通して描きたいテーマは何だったのか?」「テーマが何だったのか伝わってこない」に類する意見が多い。
詳細は「第2期第5話以降」の項目にて解説するが、2期はかのん偏重が過ぎる物語構成となっており、「メンバー1人1人の個性や成長を描いたドラマが見たい」と望むファンの期待とはかけ離れた内容となってしまった。
更に後述の通り、11話でいきなり留学問題を横入れしたため、第1期から続くテーマであった「ラブライブ!優勝」が「留学問題(=かのん個人としての問題)」のオマケとして貶められたと感じられても仕方のない描かれ方をされてしまった。
そして、最後の最後で留学が中止になったため、シリーズの骨子たる「ラブライブ!優勝」を蔑ろにしてまで描こうとした「かのんの物語」すらも叶っていない結末になったため、作品としてのテーマが視聴者に伝わらない出来栄えとなってしまった。
そもそも留学についても、第1作の時点から不評であり、ことりが留学するくだりはいらない、展開として無理があると言われてきた。
当該話である1期12話の展開についても、話数の帳尻合わせのために捩じ込んだような展開となっており、詳細は割愛するが、ことりの留学なしでもラブライブ辞退からの再起というストーリーは成り立つ上、留学問題の原因は穂乃果が突っ走っており、言い出せなかったとはいえ何度も機会があったことり本人(本人も何度も言おうとした=機会があったと認めている)にある。さらに海未もことりの我儘とも言える行動、言動に甘いのに対し、穂乃果はガミガミと説教をし(中の人も扱いに苦言を呈したことがある)、更には手を挙げたことについてとやかく言われることが多い。サンシャイン!!においても批判は圧倒的に少なかったが(当該回は作中屈指の感動回として好評であった。)、留学を放棄して戻ってきた鞠莉に対する批判は一部であった(なお、ストーリーの演出上必要であるとのことで、早期から監督によるストーリーの準備や当事者の3年生キャストにも展開をまとめた上で演技指導、方針について説明していたようで、結果として良い形にまとめられたと言える。)。
虹ヶ咲では、(監督、脚本家が異なる状況もあるが)短期留学という形(前2作はいずれも長期)で設定し、OVAにもうまく繋げている。
まとめると、整合性やメンバーの復帰等の点から後の展開に困るような、グループを離脱するような留学設定を入れてうまくまとまったことがないにも拘らず、とりあえず初代の要素を取り入れたとも映る形で入れたことは大きな失点であると言える。
2-1:各キャラクターの描かれ方
第2期ではほとんどのメインキャラクターが何かしらネガティブな描かれ方をさせられており、全員が「脚本の被害者」と見ても過言ではない状態になっている。
詳細は「二期におけるメインキャラクターの描かれ方」の項目で解説するが、描かれ方で大別すると以下のようになる。
- 「キャラクター性」よりも「脚本の都合」に沿うように動かされたパターン:澁谷かのん、嵐千砂都、葉月恋(恋に関しては2期より上述の1期7・8話だが、便宜上ここに記載)
- 悪印象を抱かせるような言動ばかりさせられたパターン:唐可可、鬼塚夏美、ウィーン・マルガレーテ
- 理不尽、雑な目にばかり遭わされたパターン:平安名すみれ、Sunny Passion(柊摩央、聖澤悠奈)
2-2:一年生が加入した意味が希薄
スパスタ2期では新たに二期生として4人の新メンバーが加わり、スクールアイドル部は改めて9人での優勝を目標に励んでいる。
しかし、二期生の4人は「それぞれの個性によってグループとしての成長に貢献し、念願の初優勝を果たすためにも必要不可欠な期待の新人」……よりかは「既存メンバーとは実力に大きな差があり、早く実力差を埋めなければ貢献どころか、優勝から遠退いてしまう要因にもなりうる存在」(極論だが「足手まとい」)としての側面の方が多く描かれてしまった。
そのように二期生を「実力不足な新人」として描き続けた結果、「実力差問題を三度も繰り返した」とする問題点が生じたのである。
練習面と人数面での問題、そして優勝をする決意に関する展開を三度も描き、終盤へと差し掛かった第9話の時点ですら、成長した描写は曖昧かつ、二期生の実力を一期生が正当に評価する描写も殆どないままであった(6話で千砂都が1年生達の成長を感じ、2年生と同レベルのメニューを言い渡すシーンはあるが、その後の9話で他ならぬ千砂都自身が、実力差問題を蒸し返す役割を担わされてしまっている)。
一応、きな子は3話にて「“新入生を獲得したい想い”と“優勝を目指す思い”との板挟みによって目標を見失いかけていた二年生に正直な気持ちをぶつけ、目標を見失う前に軌道修正する」役割を果たしたが、「後の3人は具体的に何を以てグループに貢献したのか?」と問われれば微妙なところである。
例えば第11話の北海道合宿にてメイは恋と、四季は千砂都と組んで作曲やダンスに関わっていたが、あくまで二年生との共同作業であり、一年生個人としての貢献とは断言し切れないかも知れない。
また、夏美に関しては「彼女が6話で投稿した練習風景の動画によって、Liella!の注目度を一期生が再認識でき、かつ二期生の成長具合も共有できた」のだが、それはあくまで結果論であり、6話時点での彼女はLiella!に貢献したい意志を持って動画を上げていたわけではないので、正しい意味での「貢献」に値するかと問われれば微妙なところである。
2-3:ライバル同士の共食い
第1期の時点でライバルポジションにSunny Passionがいながら、第2期で新たにウィーン・マルガレーテが登場したため、同じポジション同士で共食いめいた事態が起こってしまった。
本来はライバルが複数いる状況自体は悪くはない(むしろ、ライバルの目標や意気込みに触れて、主人公たちの更なる意識改革に繋がる)が、問題は1クール(第2期内)の短い枠で複数のライバルを描く状況を作りながらも、丁寧に扱わなかったため、彼女達に皺寄せが生じてしまった点である。
特に第2期は上記の通り1年生に対し、ほぼほぼ成長を見せない冗長な展開に時間を割き、ライバル枠の掘り下げ等に時間を与えなかったため、Sunny Passionは「第1期で優勝したのだから……」とばかりに、第2期ではぞんざいに扱われ、文字通り竜頭蛇尾な動きで終わってしまった。
マルガレーテに至っては、新たなライバルとしての実力こそ見せたものの、常に傲慢かつ冷酷で、自己中心的な言動を中心に描かれてしまった結果、良きライバルというよりヴィランの様な扱いにされてしまい、共倒れな結果に陥ってしまった。
主な問題点(2期第5話以降)
第5話
この回主役となった鬼塚夏美がLiella!を利用し、動画PRをする体でLiella!と契約を結ぶ。しかしその内容は「動画によって発生する収入は全て鬼塚夏美のもの」となる一方的かつ不平等な条件だった。すみれは「不審だ」と察し言葉をかけるも、かのんは一切気にしていない。
それどころか、実際に莫大な収益が夏美にのみ入る実態が判明し、夏美が自分たちを利用し金儲けをしていると確信しても、かのんは「何か理由がある」の一言で許してしまい、すみれたちも納得してしまう(=かのんがそう判断した以上、せざるを得ない)とするやや強引な展開があった。
そして夏美がLiella!メンバーの分断を画策し、二期生も同意した理由が「実力差問題」であった(2期2話に続いて二度目)。
尚、同エピソードの夏美の言動があまりにもヘイトを買うものであったため、この時点で視るのを止めた視聴者も極一部いる。
第6話
夏美はLiella!1年生の合宿に同行するが、そこでもLiella!1年生を別ユニットとして分裂させようと計画したり、ただの練習風景動画を「Liella!内紛」「Liella!解散」などの過激なサムネで投稿しようとした。
結局は未遂に終わり、無難なサムネで投稿したものの、ファンにとっては(冗談だとしても)あまり気分が良い描写ではない。
その後、きな子の熱意を見て夏美の心も動き始め「夢」について語るシーン自体は良い場面なのだが、端から見ると「『ラブライブ!優勝』の夢を持つLiella!の練習を、第5~6話で取材の体裁で妨害し、内部分裂などのデマ流出を起こそうとしていた本人が何を宣っているんだ」と、5話での前科がある故に批判的にしか受け取れないとの見方も。
更に、夏美をスクールアイドルに勧誘したのは、「偶然」父が忘れ物をしたため北海道まで荷物を届けに行き、「偶然」きな子と夏美のやり取りを立ち聞きして事情を知ったかのん。明らかに1年生との交流を深め、そこできな子たちが勧誘する雰囲気だったにも拘らず、かのんが1人で勧誘する展開になった。(※1)
その後は一切の余韻がなく、いきなり時間が飛んで文化祭のライブが行われ、そのまま6話は終了。この回では終盤のあまりの唐突な展開にファンからも疑問の声が噴出した。
※1:ちなみに、かのんの父の職業は翻訳家である。
もちろん翻訳家が全く出張等をしないわけではないだろうが、「なぜ翻訳家の父が東京の自宅から遥か遠く離れた北海道に行っていたのか?」「郵送や通販、及び(もし可能ならば)近隣の店舗で代替品を購入する等の手段を取らず(あるいは取れず)、大切な娘をわざわざ北海道に来させてまで早急に必要だった忘れ物とは何か?」等の当たり前の疑問に関する説明は一切無い。
上記の面もまた「『かのんを北海道に来させて勧誘させる』脚本の都合を強引に展開させるため、説得力や整合性を無視して話を進めた」印象を強めてしまったのは否めない。
第8話
第7話でかのんが生徒会副会長になり、続いてきな子が書記として生徒会入りをする。
だが、僅か1話にして「みんなにはラブライブ!に専念してほしいから、生徒会の仕事は私達が引き受ける」と声をかけてくれた神モブ生徒に任せる流れとなり、事実上Liella!としての生徒会は即解散となってしまった(一応、この回のオープンキャンパスにて、かのんときな子が恋と共に生徒会として見回りをしているような描写は少しだけあるが)。
かのんが第7話にて副会長になった過程では明確に「恋を支えたい」意思が描写されており、直後のシーンで実際に手伝ってもいるので言動に筋が通ってはいるが、きな子が書記に就任した理由は全く明かされずじまいであった。そもそも『ラブライブ!優勝』の目標を掲げ、心身共に練習多忙となっているのであるから、元から仕事をする余裕のない身で生徒会に就任する必要性が全く無い(なお、『無印』でもμ'sの中核とも言える2年生3人が生徒会役員に就任し、部費関係でトラブルを起こしたり、オープンキャンパスのためにアイドル活動に注力できなかったりと、似たような展開をしている)。
更に、この回で開催された「オープンキャンパス」が、公式サイトのグッズなどではなぜか第6話で終わったはずの「文化祭」と紹介された。
これを受けて「本来第8話で文化祭をやる前提でプロットを組んできたが、何らかの事情で無理やり第6話にねじ込んだ結果、第6話終盤のストーリー展開がおかしくなったのではないか?」と疑念を抱く視聴者もいた。
この回の本題は「予選のステージをどこにするか」。
途中ありあの疑問から「結ヶ丘がここに建った理由は?」の話になり、生徒からの意見募集等を経た上で、最終的には突然走っていったかのんが「道が集まる場所だから建った」と結論付けてそこに決定する。
疑問点が3つ。
① かのんが決めた場所がどこなのか不明(アニメ内で初登場の上に説明もない。土地勘がある視聴者なら神宮外苑イチョウ並木と分かるが、そうでなければ分からない)。
② 何がどう「道が集まる場所」なのか不明(23区は縦横無尽に道が通っており、ここが特に交通の要衝なわけでもない。並木ができたのは大正時代で、古くからの街道でもない)。
③ この場所と学校の関係が不明(道の両端に背景として描かれているのは、リアルと同じく噴水と民間ビルである。結ヶ丘の校舎などどこにも見えない)。
何から何まで意味不明なのに、他の8人はそのまま受け入れたため「宗教」「道説法」のようだと揶揄された。
そこで披露されたライブは、秋祭りをモチーフにした「Chance Day, Chance Way!」。
祭りのまの字もない展開から唐突に出され「何でこの話でこのライブ?」と視聴者を困惑させた(一応、神輿のような振り付けを練習するシーンはあったがごく一瞬)。
ラブライブ!のライブは本来、ストーリーとの相乗効果で盛り上がるものだが、この回は完全に足を引っ張られる形に。
逆に脚本と切り離された(振り返り映像すらなかった)リアルの3rdライブでは大いに盛り上がった。
第9話
1期からのライバルチームであり前年度王者、かつ「(もう高校3年生なので)今年が最後の大会になる。史上初の二連覇を果たしてみせる」と意気込んでいたサニパが、なんと地区予選で中学生であるはずのウィーン・マルガレーテを相手に敗退してしまった。
そして6話で解決していた(と視聴者は考えていた)「実力不足問題」がまたしても起きてしまう(これで三度目)。
第11話
東京大会でマルガレーテに勝利し、Liella!全員が喜ぶ姿が描かれたところまでは良かったのだが、その後のBパートにて、かのん1人に対し「その歌唱力を見込まれて、オーストリアの名門音楽学校から留学の推薦(しかも学費や生活費も負担してくれる)」が来る……のだが、特に伏線や相応の説得力を伴う描写も無いまま、唐突に上記の展開が描かれた。(※1)
また、かのんを国内どころか遠く離れた海外の名門校が発掘できたのは、「ラブライブ!はオーストリアでも少し知られた存在(なので学校はかのんを見つけ出し、その才能を見込んだ)」からだとマルガレーテが語ったが、そんな設定や作中で実際に音楽学校から注目されている事を示唆する描写が、これまで一切描かれておらず、唐突にマルガレーテの台詞だけで明かされたため、一連の流れの不自然さを余計に増してしまう事態になった(※2)。
また、これらに絡む形で明かされた、マルガレーテ自身の家族絡みの事情もあまりに不自然かつ論理的矛盾を抱えるものであった(解説は長くなるので下記の「※3」を参照)。
こうした描写が同話内で乱立されたため、第2期第5話から(厳密には第1期第7・8話から)視聴者が抱いていた今作における「唐突な展開」「説得力不足」「整合性の無さ」を、次が最終話のタイミングでより一層強く再認識させてしまう事態となった。
まさしく上記の第1期第7・8話における「廃校」「認められない系生徒会長」と同様に、安易に「シリーズの伝統だから」を理由に「留学問題」を捻じ込んだと受け取られても仕方ない展開だと見なされ、放送当時ではシリーズ歴代ワーストの低評価に繋がってしまった。
また、かのんを発掘する際にラブライブ!を見たのなら、それこそ「第1期において彼女が所属するLiella!に勝利し、そのまま全国優勝も果たしたサニパに声をかけないのはおかしいのではないか?」との指摘もある。
※1:一応、1期11話での千砂都の「かのんがトラウマを克服できれば世界一、いや銀河一にだってなれる」とした旨の台詞内にて「世界(レベル)」の言葉を出しており、これをある種の伏線だったと見なす意見もある。
だが、これはあくまで千砂都個人の見解(客観的事実ではなく、期待交じりの主観的評価)であり、この台詞があったからとしても「かのんの歌唱力(潜在能力)は実際に世界レベル」だと解釈するのは、さすがに論理が飛躍し過ぎだろう。そもそも11話で『かのんの歌唱力は世界的な音楽学校から留学の誘いを受けるレベル』だと(なぜか)判断して留学の誘いを出したのは千砂都(=互いをよく知る付き合いの長い身近な幼馴染)ではなく、海外の音楽学校(=今までの人生で一度も接点の無かった組織)なのだから、そこは客観的に証明できる描写が欲しいところである。
しかし、作中ではLiella!メンバーや結女の生徒等、身近な人達から「歌が上手い」等の名声を浴びる描写に留まっており、かのんが具体的な実績として成し遂げたのはLiella!メンバーとしての活動(=かのん一人だけの実力ではなく、みんなで協力して得た栄光)だけである。
幼少期に上がり症となり、結女音楽科の試験も落ちているほどなので、高校入学までの間に何かしら音楽関係の賞を個人で獲っていたと考えるのもまず無理があるだろう。
※2:「第1期第3話における可可の回想シーンにて、サニパのライブが上海の街頭で流れていた」事、そしてスクールアイドルをやるために日本まで来た「可可の存在そのもの」から、「ラブライブ!は海外でも知られている」とは充分に解釈できる。
だが、「海外でも一般大衆に知れ渡っている」現状と、「一般大衆に知れ渡っており、かつ格式高い音楽専門の名門校も注目するほど文化的価値が高い」事態は全く別次元の話である。
そして後者のような文化的価値があると納得できるだけの描写や、音楽学校(や関係者)が実際にラブライブ!を見ている描写は一切無いため、やはり説得力に欠けるのは否めない。
また、劇場版2作では海外の土地でライブを披露しており、アニガサキではスクールアイドルがロンドンにいるファンからも関心を寄せられている状況を示す描写や、ライブが実際に世界各地で放送されている描写はあるものの、「シリーズ内の姉妹作とはいえ別プロジェクト作品での描写を根拠として関連付ければ納得できなくもない」(=視聴者の脳内補填に頼る)も同然の描写が「スパスタ内で伏線も無く、あたかも普遍の事実であるかのように描いた」現状への正当化には一切ならない。
ましてやアニガサキで世界中に放映されたのは同好会の単独ライブであり、ラブライブ!の大会模様ではない。
※3:まず、マルガレーテがラブライブ!に参加していた理由は、「上記の名門音楽学校への入学に失敗してしまったが、『もしラブライブ!で優勝したら推薦で編入を考えてもいい』と条件を言い渡されたため」であると判明した。
「マルガレーテの家族は音楽一家であり、家族に推薦してもらえれば、編入できる可能性が上がる」とも付け加えている。
これだけであれば何もおかしくはないのだが、その後の11話Bパートで音楽学校(もしくは家族)がマルガレーテに対し「かのんが音楽学校に留学するのならマルガレーテも戻って来て良い。かのんから歌を学びなさい」と電話をよこした点が問題である。
上述の通り、音楽学校がマルガレーテの推薦の可否を判断するのは「ラブライブ!で優勝できるか否か」……つまり「マルガレーテ当人に相応の実力があるか?」の1点であったはずである。
にもかかわらず、マルガレーテの敗北後にいきなり「かのんと一緒なら戻って来ても良い(=マルガレーテ当人の実力が伴わなくても、優秀な先輩と成り得る存在と一緒ならば許可する)」とするのは、いくらなんでも態度を不自然に翻し過ぎである。
そもそも「当人の実力が伴わなくても、優秀な先輩と成り得る存在が一緒なら許可する」理屈がまかり通るのならば、それこそマルガレーテを初めから音楽学校に入れて、優秀な指導者や家族が指導すればいいだけの話であり(結ヶ丘理事長の台詞から「指導も設備も最高峰」であるのは言質がとれている)、 マルガレーテが実力を示すために日本までやって来た意味そのものを否定する事態になってしまう。
更に、音楽学校が態度を一変させた理由も2期では明かされていないため、「第12話でかのんと千砂都に再び留学への葛藤を抱かせるための強引な理由付け」だった印象は否めないだろう。
第12話(最終回)
紆余曲折あり、千砂都達の後押しを受けてかのんは留学を決め、ラブライブ!全国優勝を果たす。
……と、「留学=『一旦の別れ』を迎える前に、今ここにいるメンバー全員で優勝を掴もう」とするストーリーの流れや、個々人の心情描写等は比較的丁寧に描かれていたものの、なんと最後の最後(ED映像に切り替わる約1分前)で結ヶ丘制服を着たマルガレーテが唐突に現れ、留学中止を宣言(事前にマルガレーテの転入や留学中止を示唆する描写や伏線は一切描かれていない)。
そしてかのんの(ギャグ顔での)「どうなっちゃうの~!?」という叫びを最後にEDとなり、そのまま第2期は終了。
第11話と同様に「唐突過ぎる展開」「説明をせず投げっぱなしにする」等の今作の問題点を凝縮した、大多数の視聴者を置き去りにする締め方であり、当然ながら不満の声が噴出、シリーズ歴代ワーストの低評価を叩き出した。
そもそも、第2期は序盤から(より言及すると第1期ラストでの敗北から)「ラブライブ!優勝」を目標に掲げており、優勝を目指す物語の軸があったからこそ、第1~10話まで「実力不足→優勝を決意する」流れを三度も繰り返していようと、視聴者は「きっと最後には素晴らしい締め方をしてくれる」と、これまでに生じた不満や疑問を押さえてついてきてくれていたのである。
にもかかわらず、
- 第11話にて突然何の脈絡もなく「かのんの留学問題」を提示し、
- 第12話では2期の目標である『ラブライブ!優勝』ではなく『留学問題』に重きを置き、優勝に関する想いなどはやや雑に処理し、あっさりと優勝を達成してしまうと描き方をされ、
- 更に重きを置いた留学さえも「中止」の結果で終わる。
- 第12話では2期の目標である『ラブライブ!優勝』ではなく『留学問題』に重きを置き、優勝に関する想いなどはやや雑に処理し、あっさりと優勝を達成してしまうと描き方をされ、
終盤の展開は、多くの視聴者に怒りや失望などの感情を抱かせて当然の出来栄えであり、
- 「留学の話を描く意味があったのか?」
- 「留学の話に2話も尺を使った上で放り投げるのなら、もっと全国大会当日の様子や、ラストライブに至るまでの過程をきちんと描いてほしかった」
- 「留学を巡る過程で視聴者に感動を与えさえすれば、留学そのものを雑に投げ捨てていいとでも思ったのか?」
- 「かのんの決意や千砂都の涙、及び他メンバーが抱いた感情が全て茶番劇のつもりだったのか」
…等の意見が噴出。
また、そもそも第11話でマルガレーテが語ったように、「ラブライブ!は世界的にも注目されている」のが事実ならば、
- 「『世界に歌を届ける』かのんの夢は、別に今すぐ留学をしなくても、ラブライブ!で結果を出せば(注目を集めれば)叶えられるのではないか?」
- 「ラブライブ!で優勝を果たし、世界的な知名度をより一層高める」「ラブライブ!優勝の実績を持って、有名な音楽学校等に自身を売り込みに行く」「SNSや動画サイトを活用して、自身の歌を積極的に発信する」等、Liella!に在籍したままでも可能な手段は他にいくらでもあるのではないか?
…等、第11話の時点でも一部の視聴者が抱いていた「留学問題の必要性」に対する疑念が再燃し、上記の「留学の話を描く意味があったのか?」との批判に繋がった。
例えば「世界的な『歌手になりたい』」「『スクールアイドル』や『グループの一員』ではなく『かのん個人』として世界レベルの歌唱スキルを身に着けたい」「クラシックやオペラ等の格式高い表現技術を将来のために学んでおきたい」等、かのんが具体的な将来像や目標を抱いている描写や、それに伴う「音楽学校でしか得られないメリット」(他の身近な手段では代替できない理由)が明示されていれば、まだLiella!の活動と留学を天秤にかけてまで葛藤する様子に視聴者も納得できたはずである。
それらの点から見ても、「世界に歌を届ける」とした抽象的で解釈が分かれるような「夢」を土台に留学問題を横入れしたのは、やはり「物語を通しての説得力や共感」の面で制作陣の配慮が足らなかったと思われても仕方ないだろう。
更に、上述のようなストーリー面への意見に加え、
- 「かのん本人もLiella!メンバーもあれだけ真剣に悩んで決めた留学なのだから、それが中止になったと聞いた瞬間の表情をギャグ顔で描くのはおかしくないか?」
- 「せめて本気で呆然としていたり、シリアスな表情だったら視聴者の受ける印象も少しは良いものになったのでは?」
- 「留学中止が第3期の物語に必要だとしても、せめて3期の冒頭や序盤で描けばいいのであって、あえて後味を悪くするような終わり方にする意味があったのか?」
- 「制作陣はこれが『良い意味での続きが気になる終わり方』だと勘違いしたのか?」
等、演出面での違和感を指摘する意見も。
現に「最後の留学中止さえなければ良い話で終われて、そこそこ評価できたのに」とする声も多い。
そして、12話放送直後の生放送にて第3期決定の発表があった後には、
- 「第3期に繋げるために、あえてこのような終わり方にしたのでは?」
- 「第3期につなげるための引きとしては良いのではないか」
といった擁護意見も見かけるようになったが、「3期がある前提で物語を展開する」からとしても「第2期を1つの作品としてきちんと纏めず、散らかしたままで終える」のが許されるわけではない。
第2期のテーマは第2期で描き切った上で、3期につなげるのが本来あるべき構成ではないのだろうか。
第2期におけるメインキャラクターの描かれ方
先の項目で述べたように、二期においてはLiella!メンバーとライバルキャラのほぼ全員が「不自然な描かれ方」「雑な扱われ方」をされてしまっており、全員が脚本の被害者と断言しても過言ではない。まあ、時代が環境が現場がそれを遵守する状態にはほど遠かったわけだが。
一期生
澁谷かのん
- 第4話ではメイを、第6話では夏美を、それぞれ話の流れ的により適任なキャラがいるにもかかわらず、不自然なまでに相手の心情を察して勧誘する(いきなり乱入し勧誘の大役を持っていく)
- 第8話では会場決めでみんなが意見を出し合っている中、思い付きで勝手に会場を決め、皆も同意する
- 第11話では伏線も無く世界的な音楽学校から留学の誘いを受け、その留学を巡る描写が本来のテーマであった「ラブライブ!優勝」を脇に置いてまで描かれる
- 第11話や最終話では「かのん先輩がいなくなったら、残りの先輩では今一つ信頼感が薄い」「かのん先輩がいないLiella!なんて考えられない」「かのんがいないなら解散」等、まるでLiella!そのものがかのん1人に依存しているかのような台詞が飛び出す
…等、かのん偏重が過ぎるストーリーが展開されたため、
- かのんは「教祖」「デウス・エクス・マキナ」
- 「私を叶える物語」は「9人それぞれの」の意味ではなく、「澁谷かのんを叶える物語」の意味だったのか
- タイトルが「スーパースターズ」(複数形)ではなく「スーパースター」なのは「スーパースターはかのん1人だけ」の意味だったのか
- これでは「勝手に叶う物語」だ
…等の批判意見や蔑称が散見されるようになってしまった。
ラブライブ!の作品にファンの多くが求めているのは「ラブライブ!優勝を目指す中で育まれるスクールアイドル同士の友情、絆、及び成長」であり、決して「主人公1人の過剰な優遇・サクセスストーリー」ではないのだ。(※1)
恐らく、制作陣としては「かのんは主人公だから」のつもりだったのだろうが、これでは「粗雑なご都合主義」と受け取られても仕方ないだろう。
総じて第1期で描かれた人物像から乖離した不自然な言動を、第2期全体で強いられてしまった脚本の被害者である。
ちなみに第5話の契約問題については「何か理由がある」とすみれの意見を流した一方で、第9話ですみれが可可を思うが故に「2年生5人だけで挑むべき」と発した際には即座に怒りを露わにした場面に対し、「他者へ対する態度が矛盾している」と見る層もいる。(※2)
だが、これについては当時の振り返り配信にて、担当声優の伊達さゆり氏が「悔しかったのかな」「直前にウィーンちゃんとの会話もあったし」と見解を述べており、サニパの敗退やマルガレーテからの煽りでややショックやストレスを貯め込んでいる状態だったから、すみれの言葉につい感情的な反応をしてしまった……と解釈すれば、そこまで不自然ではないのかも知れない(だが、キャスト陣のコメント等を踏まえれば納得できなくもないだけの話であり、アニメ内でかのんの心情を示唆する描写が充分だったかは微妙ではある)。
(※1)補足しておくと、かのんを他のメンバーよりも多少前面に押し出したり、話の中心として描くこと自体が悪いわけではない。
Liella!メンバー全員が「主役」ではあるが「主人公」がかのんである認識に異を唱えるファンはいないだろう。
だが、当然ながら主人公を活躍させるにしても限度があり、少なくとも大多数の視聴者は「かのんだけが中心になる物語」を見たいとは望んでいないだろう。
ましてやそのような描写が、1期における彼女の「普段は引っ込み思案で一歩後ろにいるが、いざという時は芯の強さを見せる」キャラクター性から想像し難いものであれば、多くの視聴者が違和感を抱くのも当然である。
現に他作品でも(当記事で個別の名前を挙げるのはさすがに控えるが)あまりにも贔屓し過ぎてメアリー・スー状態になった主人公やメインキャラは沢山おり、“主人公の描き方のバランスを誤り批判を集めてしまった”前例は、過去にも現在にも多々あるのだ。
(※2)第9話での口論を結論からフォローすると、これは他者(=すみれ)への態度が悪かったというより、1年生による新メンバー達への対応を彼女自身も真剣に考えた結果、すみれと意見がぶつかってしまったのではないかともとれる。
そもそも2期を通してのかのんは、新入生の加入と指導にずっと積極的だった。メンバーの募集が上手く行かず、試行錯誤した時も、かのんの口から「募集を諦めよう」と発言した場面がない。
上記の通り、新メンバーが何回も実力不足(扱い)になってしまっていても、かのんは彼女達をれっきとしたLiella!のメンバーとして扱っている。実際に5話では「8人全員(この時点で夏美は未加入)で一緒に特訓して優勝したい」旨の発言を何回もしていたり、6話で1年生(夏美含む)のみが合宿へ行った時は「1年生を上手く指導してあげられなかった」として、自身の不甲斐なさを嘆いていた。
但し、全員での優勝にこだわる様な描写(千砂都と恋も同様だが)から、かのんには「『全員で勝たないと意味がない、逆を言えば1人でも欠ける事態は考えられない(=有り得ない)』と妄信している節があるのではないか」とも考えられてしまう。確かになるべく全メンバーで出場するのなら全員にとっては好都合だろう。しかし「実力不足な1年生は出場せずに2年生のみで出場しよう」と発言したすみれの意見も、(伝え方には問題もあったが)優勝するにおいては効率的ではある。
上述の第5・6話での言動もその考え方に基づいてであるが、第9話ですみれの発言に怒った時も、このこだわり、更に(視聴者から見て)かのん自身の意固地さ、そして上記でのライバル達に関するストレス(繰り返すが、あくまでも出演者の推測に過ぎない)がすみれとの、延いてはLiella!の一時的なチームワークの乱れを招いた一因になってしまったのかもしれない。
唐可可
一期の時点では、まだすみれがスクールアイドルを舐めていた状態に敵意(怒り)を抱いていたため、第10話で和解するまでにはキツい暴言をぶつけていたとしても、そこまで不自然ではなかった。
しかし、第2期は当然ながら1期10話で少なからず心を通わせた後の物語であるため、依然として可可がキツい口調を使っていると不自然にしか映らない。
2期に入ると口調を更に悪化させられてしまい、「イジり」より「罵倒」「暴言」の連続にしか映らないような描かれ方をされてしまった。
特に5話の「金に卑しい」発言は度が過ぎていると批判意見が続出。その後も「性格がねじ曲がっている」等、何かしらある度に辛辣な言葉を発せさせられている。
2期9話で号泣し抱擁しながらすみれに「大好き」と告げた後の11話でさえも、(すみれと夏美が小競り合いをしているのを見て)「遊び相手ができたみたいで、清々するです」と困り眉等ではなく本当に清々しそうなタッチの笑顔で言い放つ等、制作陣が和解エピソードを踏まえていないかの如く冷たい態度を取らされてしまっている。
制作側は「本当はすみれが好きだからこそ、ついついそうした悪態を取ってしまう」つもりでそれらを描こうとしていた可能性があり、所謂「ツンデレ」発言として「和解に至る2期9話への伏線だ」と見る層もいた。
だが、ツンデレでの「デレ」が上記の2期9話まで全く描かれず、すみれに対する第一声がほぼ全て「否定的な言葉」であるため、ひたすら棘のある「ツン」だけを連発されては「好意の裏返し」どころか「不仲」に映ってしまうのも当然であり、さすがに「言いすぎではないか?」の意見が徐々に増えていった。描き方が拙過ぎて「好きだからこそ」の部分が視聴者に伝わりにくかったのは否めない。
もし「第1期で仲良くなったからこそ、第2期ではより遠慮なく軽口を言えるようになった」との意図があったからだとしても、それが「『軽口』と『暴言』の区別もつかないままキツい台詞ばかりを発言させる」「普通に仲良くしているシーンをほぼ描かなくてもよい」といった描き方を正当化する理由にはならない。
総じて制作陣がいわゆる「ケンカップル」としての描き方を誤ったが故に、彼女本来の優しさとはかけ離れた「口が悪い子」の印象を与えられてしまった被害者である。
現に「すみれディスりbot」などの蔑称も生まれてしまい、可可にそうした悪印象がついてしまった現状を嘆くファンも多い。
更に第9話にて、Liella!全員が「優勝できなければ可可が帰国する」問題を把握したにも拘らず、いざ第12話で優勝を果たした際にはかのんの留学云々に持って行かれたこともあってか誰1人帰国問題の解決を喜ぶ者のシーンが描かれなかったのも不憫である。
嵐千砂都
第4話で部長になる「まで」の心理描写はしっかりと描かれていたのだが、「なった後」には肩書にふさわしい役割を担えたとは評価し難い状態となってしまった。
それどころか「練習メニューを考える、決める」立場であるが故に、「実力不足」問題を何度も蒸し返す役割を担わされてしまった被害者である。
5話では(ギャグ寄りだが)「かのん(とすみれ)を外に放置したままゲームに熱中する」描写もあり、1期で見せたかのんへの想いを考慮すると「違和感がある」との意見も。
同じく第5話では、夏美の契約問題に関して部の長の立場にありながら、かのんを立てる脚本の都合上、全く触れさせてもらえず、第2期全体として見ればせっかく強い決意をして立候補した「部長」の肩書が、飾りにしかさせてもらえなかった印象は拭えない。
かのんの留学を後押しするシーンに対しては「さすが武士」と賞賛する声もあったが、「行かないと私たちが夢を潰したことになるも同然だから行ってほしい」「才能があるのだから行くべき」(いずれも要約)とも受け取れる台詞回しをさせられており、「“かのん自身の意志”より“自分の理想のかのん”の方が大事」と見れても仕方ないとする意見も。
また、第12話の「かのんが留学したらLiella!は解散だと思っていた」の台詞は(シーンの雰囲気的に本気か冗談か分からないものの)「部長としてはあまりふさわしくない台詞なのでは?」と見る声もある。
平安名すみれ
- 上述のような可可からの度重なるキツい暴言
- 第11話で夏美から「すみれ先輩の人徳の無さには納得ですが」と人格否定にも等しい発言を受け、更にはグソクムシネタを掘り返される
等、自身に非が無い日常パートでも、事ある毎に暴言や悪口に晒されるシーンが増えてしまい、「仲良しであるが故にいじられている」以上に「理不尽にイジメられている」印象を抱く視聴者が多い。
1期の初登場時からグソクムシネタでいじられていたため、制作陣としてはすみれを所謂「いじられキャラ」として描きたいのだろうが、浴びせられる言葉の数々に棘があり過ぎるため、微笑ましいどころか「すみれがかわいそう」「いじりとイジメの分別もついていないような描き方をされているから、すみれがディスられているシーンは見ていて不快」に類する意見も多い。
また、第9話における可可を思うが故に「自分が嫌われ者になる」選択をする優しさ、及びそれを表現し切った声優陣の演技力は大多数の視聴者から絶賛されている一方で、すみれに葛藤させる理由付けとして、実力差問題を繰り返し使用した(=脚本の「引き出しの少なさ」を視聴者に再び感じさせてしまった)、9話に至るまでにイジメ同然のディスりばかりを浴びせられていた実情等が合わさり、「いまいち抱擁シーンの盛り上がりについていけなかった」との意見もある。
葉月恋
上述の通り、第1期の加入回におけるストーリー展開の杜撰さによって、悪評を初っぱなから背負わされてしまったりと、ある意味今作の1番最初の被害者。
2期で一応掘り下げ回が貰えはしたものの、この回はコメディ要素が強く、先の汚名を返上出来るほどの明確な活躍の機会は与えられず終いであった。
そのため「(コミカル寄りではなく)もっとちゃんと挽回する見せ場がほしかった」「生徒会長、メンバー唯一の音楽科などの個性をもっと活かしてほしかった」などの不満を漏らす視聴者は今でも少なくない。
尚、第1期の例の回以降「肉親に由来する誤解」「本来無関係の他者を巻き込む横暴さ」などの類似点から、彼女をスクスタの三船栞子と比較する意見があった。
※当時の栞子はまだアニメに登場しておらず、スクスタメインストーリーによる悪いイメージが強く残っていた。その後2期で栞子がアニメに登場した際には重要な場面でのしっかりした活躍などで汚名の返上に成功したが、故にこちらの恋の描写に対する不満が増幅された視聴者もいた模様。
また詳しくは後述するが、これらの描写は半ば意図的なものであったことが後にキャスト自身の発言により強く示唆されている。
二期生
桜小路きな子
他キャラに比べれば雑な描かれ方や不当な扱いは受けていないが(明らかにキャラに合わない毒舌を吐くシーンが2回ほどあったり、女性キャラクターに合わない顔芸をさせられていたのは割愛)、「第3話(代々木フェス)での初ライブが敗北に終わったのが、ニコ生アンケの右肩下がりに影響したのでは?」とする意見もある。その上第3話以降の出番が少なく居てもいなくても良い様な扱いになっている(オリオンの刻印における彼らと同じような扱いである)。
ただ、代々木フェスはラブライブ!本選とは無関係の大会であるし、第3話全体を通して見れば「敗北したリエラが学校の皆に励まされて再起し、優勝への想いを新たにする」流れがあったので、敗北の結果だけで非難に値するかは意見が分かれる。
米女メイ
被害者……なほどではないが、入部前にあれだけLiella!のガチオタっぷりを披露していたのに、入部後には先輩にもタメ口で話し、憧れの先輩達と共に活動できる現状に、はしゃぐ様子もメンバーに萌える描写も一切無くなってしまった展開に、違和感を覚えるファンもいる。
一応、後述の『9は絶対数』発言や、8話での会場探しにて「スクールアイドルなら試してもみずに諦めるなんて言うなー!」と叫び可可と意気投合する、同話でのサニパとのビデオ通話では「(特設ステージを)リモートじゃなくて生で見てー!」「ありがたきお言葉」とテンションを上げる等、「Liella!に」ではなく「スクールアイドルに」萌える描写なら諸所に存在している。
ちなみにメイと四季は、第2期終了時点ではセンター曲を与えられていない(公式YouTubeにて、曲のサムネとして映ってはいるが、いずれも彼女らがセンターを飾っているわけではない)。
その面でも不遇なのかも知れない。
若菜四季
四季についても、現状ではネット上でも批判意見をほとんど見かけない。
強いて挙げれば「発明品をギャグシーンだけではなく、何かしらLiella!に貢献する形で使っているところも見たかった」点を惜しむ声や、上記のようにセンター曲が与えられなかったなどが不遇なくらいか。
しかし、見方を変えると四季は“(彼女自身が自発的な言動が少ない上、メイと共に主役回の第2期第4話以降は)毒にも薬にもならない(=その場しのぎの間持たせ程度の)役”に終始させられてしまった風にも見え、そう考えるとある意味では雑な扱い方をされたキャラクターなのかも知れない。
鬼塚夏美
杜撰な描き方をされ、二期生の中で最もヘイトを買わされてしまった、第2期の最大の被害者。
- Liella!を明確に「金儲け」の手段として利用し、彼女たちを騙して『宣伝動画』の体で金稼ぎを実行。「動画収益は全て自分に入る」とする一方的な契約を結ばせる。
- 補足しておくと、第5話でかのんが「私達はお金儲けしたいわけじゃない(から構わない)」と発言した前後の描写から、一応は契約内容を嘘偽りなく提示した上でLiella!の了承を得ていることが窺える。だが予想される将来的な収益については共有しなかった状況が問題であり、後に恋ですら「こんなにですか!?」と驚く程の収益が判明した際には、一転してかのん以外のメンバーから懐疑の目を向けられた。
- その実態がすみれと四季の告発によってバレても全く悪びれないどころか、次は1年生を別行動させて邪魔な2年生たちを分断し、挙句の果てには「チョロい」発言。
- そうして分断させた後の北海道でも、より再生数を稼ぐため(=目先の収益を少しでも上げたいがために)ただ練習風景を撮影しただけの動画に、過激なサムネをつけて投稿しようと目論む(迷い無くEnterキーを押す寸前にきな子が声をかけたため未遂になったが)。
……等々、さすがに「性格に問題があり過ぎている」と捉えられても仕方のない、擁護が難しい描写ばかりをされてしまった。
第6話ではそうまでして金に拘る理由が明かされるものの、「家が貧乏」等の「どうしても感情的になってしまうような理由」ではなく、「幼少期から色々な夢(オリンピック選手になる、科学者になる、モデルになる)を見てきたが、その都度、諸々の理由(足が遅い、テストの成績が悪い、背が伸びない)によって諦め、今は目標が無いからとりあえずお金を貯めておく」程度であり、第5話の段階で下げられ過ぎてしまった印象を拭うに値する理由になるかは微妙なところである。
しかも、(尺の都合ながらも)夢への痛烈な現実に対して夏美は、死に物狂いで努力をしたり、心からのショックを受けたような描写も無く、上記のような人並みの理由(有り体には「誰しもが経験する程度の平凡な理由」)ですぐに諦める過去を繰り返しているだけとも取れる描写になってしまった。
そのため「どうして登録者数=明確な指針がある上、登録者数の確認(=時には伸び悩む現状や他者比較)が常に付き纏うチャンネル配信だけは続けていられるのか?」(しかもTシャツ等のオリジナルグッズまで作成するほどの入れ込み様)等の疑問を抱く視聴者もいた。
ましてや「動画配信そのものに熱意や拘りがある」のではなく「貯金が目的」なだけならば、それこそ作中でやっていたバイトを続けた方が遥かに効率が良いだろう。Liella!に手を出す前の登録者数68人、再生回数がいずれも3桁と低調も同然の状態なら尚更である。
更に、第2期第1話でスクールアイドル部への入部に躊躇うきな子に「“できないこと”ならまだしも、“自分がしたいと思ったこと”は他人の意見を気にしないですべき(要約)」と後押ししながら、「当の夏美自身はそれができていないのでは?」と感じた視聴者も居る。
しかし、6話できな子達を叱咤したシーン等も踏まえると、「自分(夏美自身)が夢を持てなくなってしまうくらい挫折したからこそ、他の誰かには同じようになってほしくない」気持ちからの言葉だったとも解釈できる。それはそれで前述のように「挫折感の大きさ」が視聴者にあまり伝わらないような描かれ方だったので微妙かも知れないが……。
その後も、
- 7話で「恋とメイが熱愛している」と誤解した際には「あえて炎上させて注目を集める」と発言し、即行動に移す(四季が止めたので未遂となったが)
- 9話においても、マルガレーテに勝利する方法として四季と共に「彼女の飲み物に怪しい液体(このシーンで実際、四季が持っている紫色の液体)を1滴垂らせば」と共謀したり、
- それをメイに突っ込まれれば今度は「ネットに彼女の根も葉もないゴシップを流して炎上を狙う」と発言する(実際に投稿したかは不明だが、即座にスマホを叩いてもいる)
等、ジョーク寄りの演出ながらも「反省していないのか?」と思われても仕方がないほど節度の無い言動ばかりさせられてしまっている。
更に彼女の場合、放送開始前は「ネット界隈ではそれなりに著名な『インフルエンサー』(要約)」と紹介されたため、当初は「(一応)芸能人だが無名のすみれ」と「一般人だが知名度のある夏美」との比較・対立が期待されていた。
だが、いざ放送が開始されれば、確かにすみれとの対立は(一応)行われたが、肝心要の『インフルエンサー』とあった夏美のポジションが、実際は「凡百な『YouTuber』」になぜか変更されてしまっており、かつ上記のように悪い面でのSNS慣れが描かれるばかりであった。
こうした放送前からの設定変更や、劇中序盤の立ち回りは第1期のすみれと似ている……よりは改悪させたと見ても良く(両者は共に『元々スクールアイドルに対する興味と理解が薄い』『Liella!を自分の目的のために利用すべく近付いた』『理想と現実の落差にひねくれてしまった』etc……)、夏美のメイン&加入エピソードの第2期第5~6話は、酷な意見を述べると「すみれのメイン&加入エピソードの第1期第4話を(悪い意味で)焼き直した内容」であると見なす視聴者もいる。
一応(彼女の名誉のために)補足しておくと、「1話でスクールアイドルに踏み出しきれないきな子に助言をする」「第5話でメイが『このまま動画を公開され続けたら、実力差問題が公になってしまう』と悲しそうに告げた際には(僅かながら)躊躇う様子を見せる」等、良識的な部分が全く描かれなかったわけではない。
もっとも、上記の描写があるからとしても、「上述のような問題行動に目を瞑れるかどうか?」の点では意見が分かれる。
むしろ「第4話まで良識的な面を見せたため、余計に第5~6話の言動が悪目立ちした」とする意見も。
また、第12話で遂に全国優勝を果たした際の「初めての一等賞」の台詞には(上記のように「夢」への描写がやや薄めではあったものの)「夏美だからこその良い台詞だった」「ウルっときた」等の好意的な声も寄せられている。
総じて、決して第2期における彼女の描写全てが、極端なまで露悪的だったわけではないが、全体として見ればやはり初登場時から視聴者のヘイトを買うような言動ばかりをさせられ、悪印象を挽回できるだけの描写を与えられなかった被害者である。
この影響により夏美のキャラ人気はダントツ最下位となっており、その後登場した妹の冬毬にあっさり人気を抜かれるなど、キャラクター展開がメインのコンテンツとしては致命的な状態となっている。人気の低さはグッズ買取レートでもはっきり現れており、需要のなさから投げ売りされてしまっているのが現状である。
この事態は担当声優の絵森彩も思うところがあったようで(後述)、ライブでは数少ない夏美推しを見つけると全力でファンサをしたり、夏美の魅力を伝える発言をするなど夏美の人気が少しでも上がるよう頑張ってはいるのだが、報われない状態が続いている。
過去にもアニメの杜撰なキャラヘイト描写により人気を落としたキャラはいたが(ことりがアニメ1期放送終了直後に行われた総選挙で最下位になったのが代表的な例)、いずれも一時的なものであり時間が経つにつれ人気は元に戻っている。だが、2期放送終了から2年以上が経っても人気回復の兆候が見られないことは、夏美の不憫さをより強固なものにしてしまっている。
余談ではあるが、現実の法律において『未成年のみで行う契約は責任能力がない』ため、民法第4条により取り消すことができる。更にYouTubeでは未成年が収益を受け取るのは不可能なので、どうやらラブライブ!世界と現実とでは法律が違うようだとする指摘もあがっている。
ライバル達
Sunny Passion(柊摩央、聖澤悠奈)
(以下、「サニパ」「サニーパッション」と表記揺れあり)
彼女たちも恋や夏美に負けず劣らずの被害者であろう。
まず前提として、サニパは決して最初から「ポッと出の使い捨てライバルキャラ」や「噛ませ枠」に類した「雑な扱いをしても許されるキャラ」として描かれていたわけではない。
例えば作中においては、
- 故郷にて勉強漬けの毎日を送らされていた可可が初めて「自分のやりたい事」を見つけ、スクールアイドルをやるために来日を決めるきっかけとなった憧れの存在
- 第1期ではLiella!と随所で交流し、彼女らと合同練習をする際には地元・神津島へ招待。民宿をタダで提供してくれただけでなく、神津島の特産品や絶景、温泉を案内してくれる等、先輩スクールアイドルとしても人間としても好意的に接する(更に第1期第5話の早い段階で水着姿まで披露された)
- 「Liella!の裏に優秀なアドバイザー(第1期第5話の時点ではまだ正式入部していなかった千砂都)がいる」と見抜く高い洞察力に加え、Liella!が初出場したラブライブ!では東京大会決勝で彼女らに勝利した上で、全国優勝を果たす程の非常に高い実力を持つ
- 「神津島を盛り上げるのに貢献したい」「自分達を応援してくれている地元の人達のためにも勝ちたい」とする、純粋かつ真っ直ぐな想いでラブライブ!本選に臨む精神性をも併せ持つ
等、まさしく“A-RISEやSaint Snowの後継者”と見ても過言ではない活躍と存在感を見せてくれた。
更に作品外においても、
- 2022年2月2日には、声優ユニットとして劇中最初の曲がシングルCD「HOT PASSION!!」としてリリース
- Liella!のワンマンライブにもゲスト出演し、会場を盛り上げる
- 2022年4月25日には、神津島農業協同組合とのコラボにより、神津島産パッションフルーツを使用した「パッションジャム」「パッションシロップ」が発売
- 同年8月5日には、東海汽船神津島営業所とのコラボにより、可愛くデフォルメされたサニパの2人等が描かれた「神津島来島記念御船印」が発売
等の目覚ましい活躍ぶりから、Saint_Snowを超える程の各種展開を期待していたファンも多い。
しかし第2期が始まってみれば、前述のようにラブライブ!で全国優勝したものの、作中では単なる情報程度に扱われ、第1話でインタビュー映像が登場しただけであった。
その後も第8話が放送されるまでの約2か月もの間出番はなく、Liella!との交流も一切描かれなかった。
そしてようやく再登場した第9話では、上記の通りマルガレーテに敗北、前回の全国王者でありながら、まさかの東京地区予選で脱落した事態が明らかにされた。
当然ながら残念な結果をLiella!に伝える2人に笑顔はなく(悠奈は途中で堪えきれずに涙を浮かべており、摩央もビデオ通話を終える直前には涙ぐんでいた)、おまけに対戦相手のマルガレーテからは暗に格下の評価を下されるなど、とても前期のライバルユニット、そしてラブライブ!優勝経験者とは思えない扱いをされてしまった。
敗因に関しても、摩央の「手を抜いていたわけじゃないけど、油断していたのかもしれない」とした曖昧な台詞での説明のみで済まされてしまっており、ちゃんとしたライブシーンは描かれず、『サンシャイン』第2期におけるSaint_Snowのように明確なアクシデント(=視聴者的にも「さすがにこれなら敗北も仕方なし」と思える要素)が描写されたわけでもない。
しかも(第2期終了時点では)Saint_Snowと違い、敗北が彼女らの掘り下げ回につながったわけでもなく、再び地元で曲を披露するような救済措置が与えられたわけでもない。
そして最後の登場は最終回、ラブライブ!全国大会でパフォーマンスを披露するLiella!を客席から応援する背景の一部扱いで終わってしまった(負けっぱなしでフェードアウトするよりはマシなのかも知れないが……)。
また、本作は第3期製作が決まっているが、第2期時点で2人とも3年生であるため、第3期では確実にスクールアイドルができない。
すなわち、スクールアイドルとしての名誉を挽回する機会は、作中において二度となくなってしまい、サニパ自身や彼女たちのファンにとっては、後味の悪い結末となってしまった。
一応、上記の第9話にてLiella!とのビデオ通話を切った後に、「(おそらく地元の)子ども達がサニパに駆け寄り、『ごめんね』と謝る2人に対し『ううん、ありがとう!』と笑顔で返答、サニパも僅かに笑顔を取り戻す」シーンがあるのだが、制作陣としてはこれがいわゆる「救い」を意味する演出だったのだろうか?
少なくともアニメ本編ではサニパが子ども達どころか、地元の人々と直接交流しているシーンは一切無い。第1期第5,6話で神津島が舞台となった際も、あくまでLiella!メンバーとの交流が描かれるのみであった。
おそらく「自分達を純粋に応援してくれる子ども達がいた。たとえ敗北に終わっても、地元のみんなが感謝してくれているのなら満足」的なメッセージだと察せられるのだが、
- 「地元のみんなのために勝ちたい」に類する台詞(具体的に“応援したり声をかけている”などのシーンやワンカットは一切無い)
- 「今回のステージは地元のみんなが作ってくれた」との台詞(具体的に“製作したり準備の作業をしている”シーンやワンカットは一切無い)
等から脳内補填しろとするのは、作品を通しての説得力の面でやや不充分ではないだろうか。
更に、第2期から登場した新ライバルのマルガレーテがアニメ本編で曲を2つ披露し、両曲ともMV付きの好待遇を受けているのに対し、サニパは第1期から登場しているにもかかわらず、第2期終了時点ではアニメ本編で披露した曲は1つだけ、かつMVも未だに公開されていない(上記のCDには2曲目として「Till Sunrise」が収録されているが、こちらに関してはアニメ本編で披露されておらず、やはりMVも公開されていない)。
一応「HOT PASSION!!」が第2期第7話の冒頭(恋がプレイしている音ゲー)内にて長尺で流れたものの、画面に映っていたのは恋がプレイしているゲームの映像であり、サニパ本人達が躍っているわけではない。加えて恋の台詞やゲームのSE等が曲と重なっているため、「曲をちゃんと披露した」演出とは断言し切れないだろう。
こうした、もはや「2期ではライバルキャラとして描き所が無かった(あるいは第1期で描き尽くした)から、雑に切り捨てた」とばかりの扱いに、
- 「サニパがかわいそう」
- 「サニパのキャストさん達もこんな扱いをされるとは思っていなかっただろうに」
- 「リエラと再戦するところが見たかった」
- 「せっかくコラボしてくれた神津島にも失礼ではないか」
…等の嘆きや批判の声が噴出した。
一方で、
- Sunny Passionが“先輩スクールアイドル”と“理想のライバル”の両方で完璧過ぎたため、嫌が応にも後発のライバル(=マルガレーテ)が不利なキャラクター造形を強いられてしまった
- 一部視聴者からは「Liella!よりもSunny Passionに好感が持てる」と評価される程の人気があり、それ故にSunny Passionが不遇になるとヘイトが上がり易い状態が作られていた=仮にライバルとして多少の欠陥があれば、第2期の敗退もそこまで不満を持たれなかっただろう(現にラブライブ!の舞台では『好敵手』として、舞台から降りれば『フレンドリーな先輩スクールアイドル』としてLiella!と接しており、スクールアイドルとしてのキャリアの差による、完成度の度合いが大きく開いていたのも事実)
- サニパは第1期で優勝しているのだから、第2期で彼女らに待つ展開は自ずと『連続優勝』か『敗北』或いは『(既に優勝したから勇退等の意味合いで)不参加』の何れかであり、かつLiella!は既に第1期で優勝を逃している上に、第2期では「優勝しなければ可可が強制帰国させられてしまう」の事情もあるので、メタ的な面から今期の敗北は避けられない状態となってしまった(=第1期を準優勝辺りで済ましていたら、第2期でSunny Passionが優勝しても許された可能性があったため、2期で予選落ちの目に遭わなかった……としたいが、仮に『1期で準優勝し、第2期で優勝』の流れになったらなったで、完全にLiella!を食ってしまうシナリオになり、純粋にLiella!の活躍を期待するファンからは、マルガレーテ以上のヘイトタンクになっていた可能性もあり、この展開しか許されなかったのかも知れない)
…等、サニパが完璧であった自体にも多少の原因があると考える視聴者もいる。
だが、「可可の帰国問題」によって絶対に負けられない事情をLiella!が抱え、サニパがライバルとしてパフォーマンス・人格共に理想的であるのならば、尚更それらの要素をポジティブに活用し「新入生の加入によってグループ全体としての実力を底上げしたLiella!が、人間性・パフォーマンス共に成長を遂げ、真っ向勝負でサニパに勝つ」王道展開を素直に描けばいいだけの話である。
そのような展開であれば、少なくともサニパは“噛ませ扱い”ではなく、ファンとしても納得のいく敗戦に収まったはずであり、それこそ第2期における「実力差問題」が自ずと解消される流れも作られていただろう。
ライバルの造形に関しても、もし「キャラ被りを懸念したが故に、後発のライバルキャラは(サニパとは)対照的なヘイトを買うキャラとして描く」程度の発想しかできなかったのであれば、それは制作陣がキャラクター設定に関して、安易なアイデアしか持ち得ていなかった証左になってしまうとも酷評できる。
もちろん、帰国問題が可可のスクールアイドル活動継続に関わる程の重要な要素であった(=Liella!はメタ的にも絶対に優勝しなければならない)点や、サニパが隙の無い理想的なライバルとして登場したのは事実だが、「Liella!の優勝にとって邪魔な相手を、脚本(=神の手)が払い除けたかのような雑な退場」をさせたのならば、それは制作陣が自ら強力なライバルとして設定した彼女らを丁寧に描く力量が無かった実態の露呈に他ならない。
それこそ「『ライバルとの決着は予選で済ませ、大一番であるはずの全国では主人公グループが曲を披露するだけ』の『ラブライブ!の伝統』を(ここでも)安易に踏まえた結果」だと見なされてしまう可能性も否めないだろうし、いずれにせよ彼女ら自身に非は無く、「脚本の被害者」であるのはまず間違いないだろう。
ウィーン・マルガレーテ
第2期から登場した中学生スクールアイドル。第11話にて「インターナショナルスクール9月入学の高校一年生」と明言されるまで大会ルール絡みの批判を浴びせられ続けてしまったのだが(詳細は「その他、細かな批判や関連事項等」の項目にて)、それ以上に問題視されているのは一連の言動である。
- 第3話・第9話では夜間にかのんの家の前に姿を現し、わざわざ外へ出てきてくれたかのんに対し、
「あなた達(Liella!)が優勝候補というなら、ラブライブ!も大した大会じゃない」
「無駄足だった」
「あなたが歌っているステージ(ラブライブ!本選)が、如何にちっぽけで下らない場所か思い知らせてあげる」
等、ラブライブ!そのものやスクールアイドルを見下し、貶すような発言を繰り返す
- 第10話ではリモート会見という公の場で意気込みを述べる際にも、「ここ(=ラブライブ!本選)がいかに低レベルであるかを、スクールアイドル達に知ってもらう為(に参加している)」と発言し、即回線を切る
- 第11話でLiella!に敗退した際には、負けを認めずその場でリポーターからマイクをぶんどって不満を述べる
等、さすがに「中学生でまだ精神的に幼いから」を理由に許容できるものではない描かれ方をされてしまった(第3話での代々木フェスの時点ならともかく、本選開始時には彼女も立派な高校生である)。
特に第11話でマイクを奪って声を荒げた件は劇中でも大炎上し、「二度とラブライブ!に関わるな」「せっかくいい歌だったのに残念」等の批判を、作中世界ですら浴びせられるようなキャラクターとして扱われてしまった。
しかも、第11話まで マルガレーテの抱える過去や心情が全く描かれなかった(直接的・間接的に示す台詞やシーン、ワンカット等がどれも一切無い)ため、なぜ彼女がラブライブ!やかのんに対して見下した言動を取るのかという理由がまるでわからず、考察すら立てられない状態が続いたため、『ただひたすらにヘイトが貯まるキャラ』の印象を焼き付けられてしまった視聴者は多かった模様。
そして第11話で明かされた事情や、それに伴う言動がヘイトを中和するに値するかと思われた……が、全くそうはならず、
- 「受験の失敗」の点で穏やかに共感を示そうとしてくれたかのんに対して「一緒にしないで! アンタなんかとはレベルが違うんだから!」と一貫してキツい態度を取る
- ラブライブ!に出場していた理由を明かした後、「そういう事情が無ければ、自分はあんな下らない大会には出るはずない。私よりあなた達の方が上だなんて、そんな評価を下すステージも観客もみんな下らない」と、ラブライブ!そのものやそれに関わる人々を見下す態度を変えはしない
等と、むしろ更にヘイトを稼ぐような描写ばかりをさせられてしまった。制作陣は彼女にどこまでヘイトを買わせれば気が済むのだろうか。
総じて制作陣が終始ヘイト管理を放棄したも同然の描き方をしたため、悪印象を拭えないまま2期の出番を終わらされてしまった被害者である。
また、彼女の根幹は『“自分の夢”を叶えるだけの才能はあるが、諸事情から挫折してしまった』とかのんとほぼ同じながらも、『紆余曲折の末に再び夢に向かって努力する道を選んだ』かのんに対し、マルガレーテは『自分の夢を叶えたいが、自分が“低俗・不要”と見なす行為はしたくないし、やったとしても「無理やりやらされている」と不満に思い、その現状に手当たり次第に八つ当たりしている子供』と見事にまで真逆の様相として描かれてしまい、それが余計に彼女のヘイトを上げているようにも見える。
上記の事情があったとしても、対戦相手へのリスペクトに欠けたその言動から、先述の恋に対する栞子のように、彼女についてはスクスタ20章のランジュと比較する意見、それどころか「スクスタのランジュ以上にヘイトしか溜めないキャラ」とする過激な意見も散見された。
第11話で音楽一家の出身である事実が明かされた際には、加えてミアを思い出した視聴者もおり、総じて(スクスタの)虹ヶ咲で例えるならR3BIRTHの悪いところを詰め合わせたキャラとする評価が多く、それらの面から見ても、彼女は第2期の戦犯と脚本の被害者を兼務させられてしまっている。
だが「新たなライバルとしての存在感すら出せなかったのか?」と問われれば、決してそうではない。
上述のようにパフォーマンス外での暴言が目立つものの、代々木フェスでもラブライブ!東京大会でもパフォーマンス自体は正々堂々と行っており、観客から大きな拍手喝采をもらっている。
また、他のアイドルのライブに対して妨害等の卑怯な手は一切しておらず、純粋な勝利を収めており、強気な発言に見合った実力を持っているのは確かだろう。
現に彼女の持ち曲は、従来のシリーズでは(良い意味で)あまり見かけなかったテイストであり、公式YouTubeでは多くの高評価を集め、作り込まれたMV演出や非常に高い歌唱力に対して、絶賛する声が数多く上がっている。
またストーリー上においても、第12話でかのん宅を来訪した際の「かのんの家族に対して丁寧な言葉遣いをする」「熱々のたこ焼きを可愛らしく頬張る」などの描写には好意的な意見が寄せられており、決して第2期の彼女に纏わる全てが悪いものだったわけではない。
だからこそ
「印象を下げてから上げる手法を狙うのではなく、初登場時から『好感の持てるキャラ』として描いてほしかった」
「ひたすらにヘイトばかりが貯まるような『敵』ではなく、良き『ライバル』として描いてほしかった」
…と惜しむ声も見られる。
一方、上記の『好感の持てるライバル』ポジションは、既にSunny Passionが担当している以上、マルガレーテも同じようなキャラクターとして描かれた場合、「サニパの二番煎じ」や「違う方向性のキャラクターを用意しろ」など、「キャラ被りしている」とした批判を受ける可能性もあり、制作陣としても意図的に(仕方なく)ヘイトを買うような人物造形にせざるを得なかったとも推測される。
あるいはSunny Passionの項目に書いた「新入生の加入によってグループ全体としての実力を底上げしたLiella!が(中略)真っ向勝負でサニパに勝つ」王道展開を素直に描けなかったのは、第2期が“Liella!とマルガレーテの2組の絡みありきでの展開が大前提”であったとして、それ故に第1期と異なる描き方を求められた可能性もあったのかも知れない。実際、参加者の全員が全員『ラブライブ!に特別な思いを抱く』描写だけでは、確かにシナリオがワンパターンになるし、マルガレーテの家柄からすれば「ラブライブ!は所詮アマチュアの高校生だけが取り組む大会(=取るに足らないもの)」と軽視してしまうのも、ある程度の納得はできる(ただし、その軽視を大々的に露出し、あからさまに愚弄するのは絶対に許されないが)ため、展開の一端としては間違ってはいない。もっとも、それはそれで「スクスタのランジュ(のような描き方によって、大多数のファンから批判を集めた件)から何も学んでいないのか」という批判を想定していなかったのか、あるいは「想定していても悪い意味でリスクを負う判断をしてしまった」等の意味にもなってしまうのだが。
また、マルガレーテは第2期・最終話の最終盤で結ヶ丘に転入(する風な描写)があり、もし最初から結ヶ丘への転入ありきでシナリオを組んでいたのであれば
- 『他校のライバルかつラブライブ!参加者』ではなく、『転入生かつ観戦者』で最初からシナリオに絡ませる
- 第3話の代々木フェスと同じスペシャルゲストのような扱いでラブライブ!に招待され、あくまで参加者ではなく「ゲストの立場」で曲を披露してもらう(=こうすれば中学三年生のままでも批判は起きない)。そしてLiella!との「本当の歌」対決は順位を付けるのではなく、あくまでかのんとマルガレーテ2人の個人的な想いのぶつけ合いに留める
…といった展開をしていれば、マルガレーテが持つ「ラブライブ!に対する軽視」をLiella!との接触で徐々に氷解させ、最終的に『Liella!対Sunny Passion』の天王山によって考えを改める展開になり、Liella!とSunny Passion、ウィーン・マルガレーテの三者全員にとって良い終わり方になっていただろうとの考察もある。
なおサニパと比べての不自然なまでの優遇ぶりから、ウィーン・マルガレーテというキャラクター自体が力のあるお偉いさんによって半ば無理矢理追加された子なのではないかという説が界隈ではそこそこ広まっている。
その後、マルガレーテはLiella!の三期生として加入したため、三期生キャラを先行登場させるために無理やりねじこんだ結果ストーリーがおかしくなった説がますます高まっている。
その他、細かな批判や関連事項等
『9』は絶対数とする発言
第5話で鬼塚夏美がLiella!に加入すると(この時点では)早とちりした可可とメイが言い放った
「スクールアイドルにおける『9』は絶対数!」
「数々のレジェンドスクールアイドルたちがつくり上げた"9"の奇跡!」
「Liella!もレジェンドスクールアイドルの資格を得たのデス!」
などの発言について、賛否の声があがった。
メタ的にはμ'sやAqoursを意識したであろうものなのは確実だが、一方で"絶対数""資格"などの強過ぎる表現も相まり、可可が憧れていたはずのサニーパッションは勿論、初代のA-RISE(=3人)、サンシャインのSaint Snow(=2人)、合同グループSaint Aqours Snow(=11人)などの「過去作の本編や劇場版で描かれたライバルたちには、レジェンドを名乗る資格が無いのか?」とする声も上がるなど、若干ながら物議を醸した。
「ラブライブ!」の大会に纏わるルール
第1期第10話では「出場チームが爆増したため課題を設けた」描写(ラップ、独唱)があったのだが、第2期では更に出場チームが増えたにも拘らず課題に関する描写は無くなっており、これを矛盾と見なす視聴者もいる。
だが第2期にて最も視聴者の物議を醸したのは、ラブライブ!本選に中学3年生(とこの時は思われていた)のウィーン・マルガレーテがエントリーしていた点である。
この「ラブライブ!は高校生の間でしか参加できず、だからこそ各々が今この瞬間の輝きを追い求める」本シリーズの根幹を揺るがすような矛盾に、サニーパッションは疎か、過去作のスクールアイドル達が懸命に奮闘してきたドラマさえも踏みにじられたと感じるファンは多かった模様。
第11話で理由が明かされるまでは、
「課題設定による足切りが不評だった」
「9月を超えてマルガレーテはヨーロッパ基準での高校生になったので、高校生条件を満たした扱いにされた」
など、視聴者側の独自解釈で一定の整合性を見出すのも出来なくはなかった(実際そうした視聴者もいた)ものの、作中でその手の説明がされる場面が一向に現れず、視聴者に余計なストレスを貯めさせる要素となってしまった。
しかもサニパに「高校3年間でチャレンジ出来るのは3回だけ」と マルガレーテに敗けた事実を明かした直後に明言させてる始末であり、「制作陣はラブライブ!のルールを決めてないのか」とする不満の声も噴出した。
そして第11話において、誰かしらの台詞ではなく背景(ネットニュース)での一文で「インターナショナルスクール9月入学の高校一年生」と明示されたが、そんな大事な情報は事前にはっきり分かるような形で発信すべきだったのは言うまでもない。
それこそ第9話でサニパが敗退を語るシーンでマルガレーテに言及した時に解説を付け加えさせる、第10話のリモート会見でマルガレーテの出番が来たタイミングでシブヤレポーターに語らせる等、もっと早期かつ違和感の無いタイミングはあったはずである。
そもそもこの「インターナショナルスクール9月入学の高校一年生」の一文自体も、コマ送りでようやくまともに視認出来る程度の描写でしかなかった事態から、一部の視聴者からは「批判を受けて制作側が急遽後付けしたのでは?」と疑う声もある。
なお、インターナショナルスクールは現実では専門学校扱いとなるので「甲子園のような大会出場資格はないはずだ」とするツッコミもあったが、スクフェス(虹ヶ咲)において、インターナショナルスクールとされるY.G.国際学園が大会に出場している描写があるので「ここは現実と法律が違うのだ」と考えて良いだろう。
もっともアニガサキにおいては「YGがインターナショナルスクールなのか? 学校教育法上の高等学校なのか?」は言及がないので推測となるが。
物語の本筋とはあまり関係ないが、違和感を覚えるシーンの数々
- 第2期第5話のトランプで遊ぶシーン
夏美が企画した撮影の一環として、Liella!メンバーが可可の家に集まりトランプ(おそらく大富豪)をして遊ぶシーンにおいて、どう見ても女子高生二人は問題なく入れるスペースがあるにもかかわらず、「部屋が狭い」を理由に家の外(しかも夜)に放り出されるかのんとすみれ。
ちなみにその後(夏美と四季がメイのスマイルを激写した直後)、二人とも普通に部屋へ上がっている。
これは「かのんとすみれが夏美の契約について二人きりで話す」シーンを描きたい脚本の都合で、整合性を無視した結果なのでは?と推測するファンもいる(というか、そもそも全員で集まれるほど広い屋内の場所が必要ならば、それこそ恋の家を使わせてもらう発想はなかったのだろうか?)。
- 夜行バスで北海道?
第2期第6話で強化合宿のため北海道のきな子の実家へ出向いた1年生達だが、道中の寝違えで首を痛めてしまっていた四季を通じて夜行バスを利用したことを強く示唆する描写がされていた。本州と北海道を直結するバスはそもそも道路が繋がっていないため存在せず、八戸か青森でフェリーを乗り継ぐか、あるいは最初から唯一陸路で行ける北海道新幹線に乗り函館まで向かうことが必須であり、全行程まではいかなくとも道中のどこかで夜行バスを使った(東京~八戸/青森or函館~札幌)ということなのだろう。※1
が、大洗や仙台から出る長距離フェリーなら低価格でも寝転んで夜を越せる上に、今はバスや新幹線、フェリーの乗り継ぎよりも圧倒的に早く北海道に安めの運賃で直行出来るLCC便が新千歳行きを中心に数多く飛んでいる。これだけ便利な交通手段があるのにわざわざ座席で寝違い首を痛めてまで、北海道行きには乗り継ぎ必須で効率の悪い夜行バスを使う必要性は全く無い。4人の誰かがバスオタクならまだ分からなくもなかったが、そんな設定も描写も作中には一切無かった。
※1 その昔北海道の某有名ローカル番組にて3夜連続深夜バスだけの旅にて札幌~博多まで深夜バス(夜行バス)のみで行く企画があったが、それを見てもらえれば分かる通り、函館~青森の間はフェリーで移動している映像がちゃんとある。
また青森と札幌を結ぶ座席車付き夜行列車としてはかつて「急行はまなす」が存在しており、ラブライブ!サンシャイン!!でもAqoursメンバーが函館へ向かう際にこの列車を利用したことを示唆する描写があるのだが、この列車は北海道新幹線の開業によって2016年に廃止されており、現在ではあり得ない描写となっている。
- 第2期第9話のサニパが愕然とする回想シーン
「予選はリモート形式」と明言されているにもかかわらず、同じ予選グループであるはずのマルガレーテのライブを、サニパが現地で見ている描写となっている(これについては「同じ予選グループ」ではあったが「ライブを披露する日は(何らかの都合で)別だった」と解釈すれば、期待のルーキーがいると聞いたサニパが現地に赴いた、と捉えられなくもないが……。ちなみにそういった詳細の説明は作中で一切無い)。
- 冬場の練習着
第1期でも見受けられたのだが、第2期でも冬場のランニングシーン(しかも夜)や文字通り雪が降っているシーンでも半袖や短パンといった夏用の練習着を着用している(一部のキャラに至っては肩出しやへそ出しですらある)シーンがあり、さすがに違和感を覚える視聴者もいる。
それこそ第2期第10話の北海道合宿では、厚手の練習着をきちんと着用していたのだし、せめてそれらを流用するくらいの配慮をしてもよかったのではないだろうか。
また、夏用練習着の使い回しは(百歩譲って)許せるとしても、「冬場で薄手の練習着をキャラに着せておきながら『寒い』『感覚が無い』等の台詞を言わせるのはさすがにダメ」という意見も。
なお、冬場や雪が降っているシーンなのに、夏用の衣装を着用しているという、違和感を覚えるシーンは、実は1990年からアメリカで放送された作品である「トムとジェリーキッズ」(「トムとジェリー」の派生作品)の「トムはスタントマン」(第43話Aパート、日本では1996年7月26日発売の「トムとジェリーキッズ びっくり大騒動」に収録)にも、トムとジェリーが雪山で映画撮影をするシーンで、何故か映画撮影スタッフが、半袖やシャツといった夏用の衣装を着用している場面が存在している(しかも、夏用の衣装を着ている映画撮影スタッフは、何故か平気そうに撮影をしている。寒そうな表情になっていたのは冬用の衣装を着ていた映画撮影スタッフだけである)という、スパスタとほぼ似たような違和感を覚えるシーンが登場している。(参考動画(19:37~21:40が該当シーン))しかし、「トムとジェリー」の場合、その場面の殆どがギャグ展開になっている関係もあるなどの理由もあり、その違和感を覚えるシーン(これについては作画ミスも同様)に対しては気にしない人も多い(それに加えて、「トムとジェリーキッズ」は、BDやYoutubeで見れる作品であるスパスタとは異なり、VHS(orカートゥーンネットワークでの放送)しか見れない作品であるため、知名度が低いという点も気にしていない人が多い理由もある)。スパスタの場合、そもそも冬場のランニングシーンなど、ギャグ展開が少ないシーンで夏用の衣装を着用しているシーンが登場したため、それによって違和感を感じた人が多くなった可能性もある。
- 四季の例えに対する千砂都の反応
第2期第10話で千砂都とダンス制作を担当することになった四季が二人をそれぞれミヤマクワガタとダンゴムシに例えて尻込みをしていたが丸いものが好きな千砂都にとっては寧ろ丸いダンゴムシのほうが上位と思われるのだがそこに対する千砂都からの言及が一切なかった。そこはその辺りの設定を上手く活かして千砂都が四季をフォローする描写等があっても良かったであろう。
もっとも少し後にあったかのんと千砂都が雪だるまを作るシーンでは完成した雪だるまに対して千砂都が見惚れる反応を示していたので、死に設定というよりは単純に25分に尺を収めるための編集作業でカットされたか、シナリオライターがそのパートのプロットを書いてる時点でうっかり忘れてただけと思われる。
- 屋外でのコタツ
第2期第11話にて、なぜか練習場所(結女の屋上)にカーペットとコタツを出して温まるLiella!メンバー達。
このシーンがギャグとして描かれているのは明らかだとはいえ、なぜすぐ近くに部室があるにもかかわらず、わざわざ寒空の下で(しかも上記のように薄手の練習着を着た状態で)コタツにあたっているのだろうか。
また、どこをどう見てもコタツが電源に繋がっていない。可可と四季が充電式あるいは太陽光発電式のコタツでも開発したのだろうか?……というのはかなり強引な擁護だが(一応、昭和30年代までは炬燵の主流は豆炭や練炭の炬燵であり、現在でも豆炭炬燵は屋外使用目的として販売・使用され続けている。まあ、制作陣がそういった細かな整合性を考慮した可能性は低いだろうが…)。
なお、直後にかのんによってコタツはひっくり返されるのだが、この際上に置いてあったみかんも一緒に飛んで行ってしまい、その後何のフォローも無かった。
この点について「NHKで子供が見られる時間帯に放送してる作品で食べ物を粗末にする描写を入れるな」という教育的視点での意見の他、みかんは沼津の名産品の一としてサンシャインと実際にコラボしたりアニメ作中にも登場したアイテムであったことから「サンシャインのファンとして悲しくなった」などの声も少しながら出ていた(しかもスパスタのシリーズ構成(脚本)担当はサンシャインと同じ方である)。
- ストーリーと楽曲のミスマッチ
第8話の問題点項にも書いた通り、ラブライブ!シリーズのアニメでは「ストーリーと作中楽曲の相乗効果による盛り上げ」が魅力の一となっているのだが、スパスタ第2期は楽曲とストーリーがイマイチ繋がっておらず盛り上がらないという声がチラホラ見受けられた。
特に筆頭に上がっているのは先述の第8話だが、この他学園祭で披露されたことになっている第6話の「ビタミンsummer!」や、最終話の大会決勝曲でありながら落ち着いたバラード調の「未来の音が聞こえる」にも一定数の疑問の声が上がっていた。
一応第8話のCDCWは「描かれなかっただけで課題が"祭り"だった」、未来の音は「決勝本体曲では無くアンコール曲」など一定の解釈をすればある程度は筋が通らなくもないが、それでも「だったら課題描写を描け(※)」「本体の曲は?」などの疑問は残ってしまう。
第1期では存在した音楽プロデューサーのOPクレジット(田村宏樹氏)が第2期で消失しており、”そもそも第2期では音楽プロデューサー自体がおらず、ちゃんとした楽曲合わせを行っていないのでは?”と疑う視聴者も出ている。
※…「マルガレーテが性格的に課題に従いそうにない」というのもある。前述のマルガレーテ後付け説を踏まえると、カーニバル(これもれっきとした"祭り"である)衣装が特徴だったサニパと異なり彼女の路線と課題を合致させられないために、最初は生きていた課題設定が制作途中で曖昧にされた可能性もある。
無論、こうした諸所の描写に批判の声が度々あがっていたというわけではなく、特に気にすることもなかった視聴者も多い。
一方、いかんせん(ここまでの項目で語ってきたように)本筋の整合性が取れていない箇所が多すぎるせいで、大小なりのストレスを貯めながら視聴していたファンからは、こういった細かなシーンにおける不自然な描写に対しても「つい余計な引っ掛かりを覚えてしまう」「ギャグのノリが古い、昭和臭く感じる」という意見もあった。
そもそも批判の内容が重箱の隅レベルというのは上述された大きな批判&疑問点の多くにも言えることである。作品に対する視聴者の好感度が作品内での粗の目立ちに大きく影響することをスパスタは負の面から体現していると言えよう。高いと視聴者が独自解釈or考察により補完してくれるが、低いとその気が視聴者に起きず"粗"のまま残ってしまうのである。
作品外への影響、関連事案
第6話ロッジ聖地問題
第6話で登場したきな子の実家は、富良野市に存在するロッジと酷似していたため、放送直後からファンによる聖地巡礼が行われた。ところが、一部の心無いファンが勝手に私有地に侵入して撮影をしたり、複数人での宿泊を想定した施設ながら、1人での予約が殺到し運営に支障が出る事態となってしまった。
更にこのロッジは、以前ラブライブ!運営から「外見を使わせてほしい」と打診されていた事実が判明。ロッジ側は上記のリスクを想定してか断ったにもかかわらず、極めて似ている施設が登場してしまい、ファンが殺到する形で迷惑を被ってしまった。
運営は第1期でもかのんの実家のモデルとなった施設で、同様のトラブルを起こし釈明文を出しており、今回も同様の問題を起こして釈明文を出しているが、
「運営がまともに許可も得ていない」
「断られたにも拘らず、何も知らない一般人に特定される程度に似た風景を出すのはマズイのでは」
などの運営の姿勢を批判する意見も多数見られた。
このニュースは、Yahoo!JAPANトップページのニュース欄のトップに掲載された初日から1日中居座り続けた。世間的に与えた影響の大きさの証左だろう。
その後、第10話で北海道に再訪する展開があったが、結局きな子の実家の外装は変更されており、同話終了後に公式Twitterが釈明文を再掲する行動をとっている。
前回・今回の釈明文には「外観を再現していない」と記載をしているが、仮に外観を再現していないのが事実であるのならば、わざわざ作中の実家の外装を変更する必要もなく、釈明文を再掲する必要もないので、結局は言葉の綾だったのだろうと見なされている。
声優によるコメント
恋役の青山なぎさがTVアニメオフィシャルブックにて、第1期第7話での恋のやらかしに「やっちまったなあ」とコメントしている。一方で第8話には「色々重なって周りが見えなくなっていた」「和解後はやっと素を出してくれて嬉しくなった」とも語っている。
可可役のLiyuuは「可可のすみれいじりがだんだんひどくなっていった」とコメント。
また、夏美役の絵森彩は、2期5話放送直後に配信された『リエラジ!』第77回にて、夏美について「(今の段階では)印象激ワル」と称した(その発言の直後、該当回の出演者だったペイトン尚未、鈴原希実両氏から「そんなことない」とフォローを入れられた)他、第10話放送直後に放送された生放送内で(第9話ですみれが1年生を切り捨てると発言した後の展開に対し)「なんでだろう」と発言したが、一方で「展開に感動した」「良かった」(要約)とも述べている。
発言の詳細については「アニメ第2期を引っ提げた3rdライブ」の項にて後述するが、3rdライブ千秋楽にて青山なぎさが、アニメのアフレコをする際に葉月恋は嫌われるキャラとして演じてほしいと言われたことを暴露。また、伊達さゆりも上述の「本当の歌」をめぐり、マルガレーテを否定する「本当の歌じゃない」のセリフが言えなかったことを明らかにしている。
※当然ながら、書籍等で声優が発したコメントを、どのような意味合いとして受け取るかは個々人によって変わってくるので、安易に「声優も批判している」とした否定的な意見に結び付けるのは控えてください。
5chなどで生み出された迷言
- いわゆる「勧誘モード」化したかのんを象徴する台詞「そうかな?」を揶揄した「そうかな学会」
- 放送当時話題になった旧統一教会とかのんの「道」発言をかけて「道一教会」
- かのんの教祖化をネタにした「澁谷観音」
- Qアノンとかのんをかけて「Kアノン」
- 2期12話のサブタイトル「私を叶える物語」をもじった「勝手に叶う物語」
- 「Eテレ版ちむどんどん」
…等、様々な迷言が生まれてしまった。
また、中国のアニメレビューサイトでは「反人類糞作」とまで酷評されてしまい、5chやTwitterでもそのパワーワードっぷりから話題となった(反人類とは「生まれてこなかった方が良かった」という意味である)。
※こうした迷言がネタとして広まってしまったのは否めないが、作品を好きなファンにとっては気分を害する表現として受け取られる可能性も充分にあるため、使用する際には時と場所を弁えるようお願い致します。
問題による影響
ニコニコ生放送公式アニメ配信
ニコニコ生放送の公式アニメ配信では、放送のラストにその回を評価するアンケートが行われる。基本的に1の評価が高ければ高評価になり、その一方で5の評価が高いと低評価になることが多い(但し、例えば「五等分の花嫁」(アンケートが何故か人気投票になっていた)のように、一部の作品では例外も存在している)。
第2期第4話までは70~80%と高評価(ただし1~3話は右肩下がり傾向)だったが、第5話を皮切りに評価が急落。第5話の1の評価は57.2%であり、前回の第4話よりも27.6%も下落してしまい、伝説の始まりと呼ばれていた無印アニメ第1期第1話の69.2%はもちろんのこと、本作第1期第8話の69.1%よりも下回る結果になってしまった。なお、前回の話よりも1の評価が20%以上も下落した話は、シリーズ全体では『サンシャイン!!』第1期第13話(前回の第1期第12話よりも52.6%も下落)や『サンシャイン!!』第2期第13話(前回の第2期第12話よりも33.6%も下落)に続いて3回目である。
そして、特に批判が集中した第6話では、なんと50%を割ってしまった(さらに『サンシャイン!!』第2期第13話の評価(49.3%)よりも下回ってしまい、シリーズ通算では(当時)ワースト2位になった。ちなみに、(当時の)シリーズ通算でのワースト1位は『サンシャイン!!』第1期第13話の39.2%)。
比較的良回とされた第7話でも66%と、第4話と比べるとかなり低い評価となっており、その後第8話で再び50%ギリギリまで低下。シリーズ通算ではワースト4位となる51.5%を記録した。
そして多くのファンから放送直後に「神回」と評された第9話も、俯瞰してこれまでの話を繋げてしっかりと見ると前述のような問題点が大きくマイナスとなってしまったのか『スーパースター!!』として(当時)ワーストの45%を記録し、シリーズ通算では前述の第2期第6話よりも下回って、ワースト2位を記録している。
- ニコ生アンケート結果の各話まとめ
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 79.8 | 9.1 | 5.8 | 3 | 2.3 |
第2話 | 78.6 | 10.2 | 6.3 | 2.9 | 2.0 |
第3話 | 76.4 | 10.0 | 6.4 | 3.4 | 3.7 |
第4話 | 84.8 | 7.1 | 4.4 | 2.3 | 1.5 |
第5話 | 57.2 | 11.5 | 8.2 | 12.3 | 10.8 |
第6話 | 47.7 | 12.5 | 12.4 | 14.9 | 12.5 |
第7話 | 66.1 | 11.5 | 10.5 | 6.8 | 5.1 |
第8話 | 51.5 | 14.2 | 13.5 | 12.7 | 8.0 |
第9話 | 45.8 | 11.9 | 12.0 | 15.5 | 14.8 |
第10話 | 52.5 | 17.1 | 17.6 | 6.9 | 5.8 |
第11話 | 28.4 | 8.9 | 12.4 | 21.1 | 29.2 |
第12話 | 18.6 | 4.9 | 7.4 | 17.4 | 51.6 |
※1. とても良かった
2. まあまあ良かった
3. ふつうだった
4. あまり良くなかった
5. 良くなかった
- ニコ生アンケート結果の振り返り放送まとめ
※第2期第1話~第6話の振り返り放送は2022年8月30日、第2期第1話~第10話の振り返り放送は2022年10月1日に放送された。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
---|---|---|---|---|---|
第1話~第6話 | 57.9 | 13.1 | 12 | 7.8 | 9.2 |
第1話~第10話 | 68.6 | 11 | 11 | 6.7 | 2.9 |
※1. とても良かった
2. まあまあ良かった
3. ふつうだった
4. あまり良くなかった
5. 良くなかった
現状最も評価が高いのが第4話「科学室のふたり」であり、5(良くなかった)が最も少ない。
対照的に最も評価が低いのが第12話「私を叶える物語」で、5が最も多い。なお、5については、その前の話である第11話「夢」も同様である。
特に、第5,6,8,9話においては、5だけでなく2~4もかなりの割合が占めており、非常に生々しい結果となって表れている。
そして第9話と比べればマシだった第10話もまた、1が52%でワースト4位(シリーズ通算でワースト6位)と、極めて厳しい評価かつ2~4でバラけ気味の結果となり『スーパースター!!』そのものの評価が著しく低下している実態を明らかにした。
前述の通り、第1期第7,8話でも同様にそれまでの高評価から一転して低評価となっていたが、第9話以降は回復していた。だが今回は回復する様子もなく、低評価が当たり前の状況となってしまった。第1期第7,8話では「まだ様子見」だと我慢したファンもそれなりにいたが、二度目は流石に堪忍袋の緒が切れたファンが多くいた現状を如実に示しているのだろう。
普通のアニメならば70%~80%台での推移で落ち着くものである(直前の『アニガサキ』第2期に至っては、シリーズ史上最高の平均92.60%を叩き出した)が、100%満点中の半分付近で低迷を続けている状態は、一つのアニメとしても非常に危ういのは否定できない。
振り返り放送にも影響を受けている。第2期第7話が放送された後の2022年8月30日では、第2期第1話~第6話の振り返り放送が行われたのだが、その際にも、1が57.9%、5が9.2%という、シリーズ全体でも過去最悪の評価かつ2~4でバラけ気味の結果を記録した(ちなみに、それまでは2019年1月2日に全13話を振り返り放送した『サンシャイン!!』第1期(1が66.2%、5が7.9%を記録。2~4でバラけ気味の結果を記録している点も共通している)がシリーズ全体で過去最悪の評価を記録していた)。1年前の振り返り放送(第1期第1話~第5話)の場合は1が95.7%を記録していた(そもそも、あちらの場合は、第1期の中で問題点が多かった第7,8話が放送される前だった(第1期第6話の前に放送された)ので評価が高くなっていた可能性もある)のだが、第2期では、振り返り放送に至っても過去最悪の結果を残してしまっている。
後述する第11話が放送される前の2022年10月1日でも、『スーパースター!!』第2期第1話~第10話の振り返り放送が行われ、1が68.6%、5が2.9%と、8月30日の振り返り放送の時よりも評価は上昇しているが、それでも2~4でバラけ気味の結果を記録している(2と3が11%、4が6.7%)。
そして、トドメとなるように第11話では『スーパースター!!』どころか、現在放映済みのシリーズのアニメ作品としては、1が放送時点で過去最悪の28.4%を記録(また、同じブシロード関連作品のアニメ作品全体でも、2020年に放送された『D4DJ First Mix』第1話(38.6%)よりも下回っているため、同じブシロード関連作品のアニメ作品全体でも過去最悪の記録になった。また、前回の第10話よりも24.1%も下落している。前回の話よりも1の評価が20%以上も下落した話は、シリーズ全体ではこれで4回目である)。5が1を上回るのもシリーズ初(さらに補足すると、実は前回の第10話よりも5の評価が23.4%も上昇している。5の評価が20%以上も上昇してしまった事例としては、シリーズ全体では史上初である)であり『スーパースター!!』という作品そのものがファンから見限られ始めた現実を示している。
更に、第11話の低評価ですら序ノ口に過ぎず、続く第12話ではなんと1が18.6%、5が過半数越え(51.6%)という目を疑うような結果であり、シリーズはおろか2022年アニメ全体でワーストの低評価を叩き出した(2022年アニメ全体で1が20%を割った作品は、本作品の第2期第12話と『錆色のアーマ-黎明-』第1話(19.6%)だけであり、しかも『鯖色のアーマ』第1話よりも低い結果になった)。
そして、『スーパースター!!』第2期の1の全話平均は57.28%であり、これはシリーズ全体では当然のこと、後に2023年夏アニメとして放送された、『サンシャイン!!』のスピンオフ作品である『幻日のヨハネ』の1の全話平均(60.38%)よりも下回る結果になった。
さらに、5の全話平均は12.28%であり、これに至っても、シリーズ全体では当然のこと、『幻日のヨハネ』の5の全話平均(6.29%)よりも上回ってしまっている。
以下の表を見れば分かる通り、5の全話平均で10%を越えている作品は『スーパースター!!』第2期だけであり、『幻日のヨハネ』が放送された現在でも、シリーズ全体で歴代最悪の結果になってしまった。
作品名 | 1の全話平均 | 5の全話平均 |
---|---|---|
ラブライブ!第1期 | 86.81 | 1.94 |
ラブライブ!第2期 | 92.22 | 2.22 |
サンシャイン!!第1期 | 84.08 | 3.37 |
サンシャイン!!第2期 | 79.90 | 4.33 |
幻日のヨハネ | 60.38 | 6.29 |
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会第1期 | 91.43 | 1.02 |
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会第2期 | 92.60 | 1.20 |
スーパースター!!第1期 | 81.03 | 2.58 |
スーパースター!!第2期 | 57.28 | 12.28 |
特に2022年夏期はそれぞれの作品独自のドラマや背景を描いたアイドルアニメが豊富であり、2期第1話の時点で『神クズ☆アイドル』に次ぐ僅差の2番手に付けていた本作が最終的には5作品中でぶっちぎりの低評価に沈む結果となってしまった。
作品名 | 第1話→最終話 | 増減 | 全話平均 |
---|---|---|---|
神クズ☆アイドル | 80.6%→93.3% | +12.7 | 89.59% |
ルミナスウィッチーズ | 68.0%→92.0% | +24.0 | 83.88% |
Extreme Hearts | 58.8%→90.8% | +32.0 | 80.53% |
シャインポスト | 66.6%→87.8% | +21.2 | 81.35% |
スーパースター!!2期 | 79.8%→18.6% | -61.2 | 57.28% |
見ての通り、他4作が軒並み1話より1〜3割スコアを上積みし全話平均でも8割台をマークした中で、60ポイント余りも暴落して全話平均でも5割がやっとの完全な一人負けの構図となっている。
特に『神クズ☆アイドル』と『ルミナスウィッチーズ』の最終話は2022年夏アニメのニコ生アンケ順位で2位と3位、かつ全話平均でも3位と8位をマークしているため「アイドルアニメが時代の波で不評だからラブライブ!(スーパースター!!第2期)が低い」とは言えないだろう。
この数字はかつて大炎上し、ニコ生アンケが凄惨たる結果となった『けものフレンズ2』、『遊戯王ARC-V』に次ぐレベルの低さとなった。
このように、残念ながらシリーズは疎かアニメ全体でも完全に取り戻しが効かない歴代最悪レベルの評価となってしまった。
この失墜はその後のラブライブアニメ自体の評価にも暗い影を落とし、翌年放送された『幻日のヨハネ』では1が平均60%、1が70%を超えたのは5話だけという、あまりにも辛辣な評価に。賛否両論要素はあったとはいえあまりの低さに、スパスタ2期によりラブライブというだけで低評価をされてしまうようになったのでは、と邪推するものもいる。
そしてこの負債をかかえたまま始まった3期1話では、2期ラストの留学中止の顛末が描かれた(後述)ため、1が55.1%とシリーズ1話最低記録を更新(上述のヨハネは63%だった)、続く第2話でも2期の負債を思い出す要素があったことから65.6%ととても名誉回復したとは言えない状態に。
そして、2期の不安要素の描写もなくファンからは神回と称された3話ですら69.9%と、上昇傾向ではあるものの未だ低調が続いている。信頼を築くのは大変で時間がかかるが、崩れるのは一瞬ということを身をもって体現することになっている。
(※念の為注釈を加えておくが、初代の頃から言われていることとして、作風や視聴者層もあってかラブライブは虹ヶ咲を除いてニコニコとの相性が高くなく、アンケート評価は低くなりやすい傾向が若干にせよあるとされる。また、それら高評価の神回が多くあるシリーズであっても続編がある期の場合その一期ごとの終わり方が下手な傾向がある(花田氏脚本の作品でその傾向が強い)ため平均がそれで押し下げられている部分もある。ただ、YouTubeコメントおよびSNSなどから確認できる通り、それでスパスタ2期の評価が実際には高いというわけでは全くなく、多くのファン、視聴者に不信感を与えていたのは事実である。数値自体というよりは評価の上下としての感覚が近いかもしれない)
- 【参考】スパスタ3期のニコ生アンケート結果の各話まとめ
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 55.1 | 15.7 | 14.8 | 6.0 | 8.3 |
第2話 | 65.6 | 15.8 | 9.5 | 3.8 | 5.3 |
第3話 | 69.9 | 12.2 | 8.6 | 3.7 | 5.7 |
第4話 | 71.1 | 11.9 | 7.1 | 3.3 | 6.2 |
第5話 | 63.9 | 11.2 | 8.3 | 7.1 | 9.5 |
第6話 | 66.4 | 10.5 | 6.1 | 6.7 | 10.3 |
第7話 | 74.3 | 8.8 | 7.2 | 4.2 | 4.9 |
※1. とても良かった
2. まあまあ良かった
3. ふつうだった
4. あまり良くなかった
5. 良くなかった
その一方で、後述するように、スパスタ3期は、少しずつではあるが、スパスタ3期のPVが公開された直後の大きな不安から一変し、多くのファンから良い評価が与えられている状況になっている。
現状最も評価が高いのが第7話「Liella!に勝つために」であり、5が最も少ない。
対照的に評価が低いのは第1話「私の決めた道」であり、前述したように1の評価が55.1%を記録して、シリーズ1話最低記録を更新してしまった。
しかし、その後の2話以降はスパスタ2期を反面教師にしているような展開がファンにとっても好評になり、それによってスパスタ3期の脚本が再評価されたということもあるのか、少しずつ1の評価が上昇していくことになり(前述したように2話で65.6%、3話で69.9%)、4話では1が71.1%を記録。未だに1の評価が低いものの、シリーズ全体では『幻日のヨハネ』5話以来、スパスタ全体でも2期4話以来となる、1が70%を超えた話になった。また、7話では1の評価が74.3%を記録したため、1の評価を見ると少しずつだが評価が上昇している。
そのため、多くのファンの中には、スパスタ3期の脚本に対して見直したと感じている人も多いが、その一方で、「1期の途中変化の前例がある」(確かにスパスタ1期・2期は序盤こそ好評な意見が多かったのだが、1期は7話・8話、2期は5話・6話などが原因で評価を落としてしまったことがある)などの理由で慎重な立場になっている人も少なからず存在する(参考①、参考②)。
それを裏付けるように、「おもしろくなかった」とする5の割合が2話以降(7話を除いて)増加傾向にあり、5話では1の割合が63.9%(4話よりも7.2%下落)と落ちてしまい、5の割合が9.5%と4話よりも3.3%も上昇、続く6話では1の割合こそ回復したが、5の割合が10.3%を記録(7話時点で唯一5の割合が10%を越えている)と、本格的な炎上が始まった2期5話に匹敵する低さとなっており、決して手放しで喜べる状態ではない(一応7話では5の割合が6話よりも減少し、4.9%になっていたのだが)。
そもそもyoutubeもニコニコも再生数が1期、2期とくらべ非常に少ない状態であり
アンケート結果自体人気のバロメータとはなりえないといってもいい。
(視聴自体がされていないので、もはや存在しないものとして扱われているともいえる)
Youtube公式動画
上記のように低評価による炎上は当初こそニコニコ動画だけに留まっていたが、最終回ではついにファンの我慢が限界を超えてしまったのか、YouTubeでの公式配信動画でも高評価が約2700に対し、前代未聞の6000以上ともなる低評価を獲得してしまった。
この数値はスクスタ2ndシーズンストーリー炎上問題よりも多い数値である。
(ただしYoutubeは現在低評価を押すことはできてもそれが如何程の数値になっているかは見ることができない仕様となっているため、低評価数はあくまで専用のツールを用いた推測値に過ぎない面もある)
尚、元から期間限定公開だったので、Youtubeでの第2期第12話は現在非公開となっている。
また、当時のコメント欄には数千ものコメント、及び数多くの批判が寄せられており、
「かのんが留学する前に脚本家が留学しろ」
「キャストの前に脚本家を一般公募すべきだ」
といった過激なコメントにも大量のいいねが付く事態となった。
とはいえ、そのような煽りや感情的なコメントも散見されたが、全体としては「キャラクターやキャスト、曲は好きだからこそ第3期では整合性のとれた脚本を書いてほしい」といった旨の切実な意見や、長文で丁寧に制作陣へ気持ちを表明するコメントが多く、数多くのファンが作品を愛するからこその怒りや悲しみを訴えていた。
ちなみに、上述の通り公式YouTubeでの第2期第12話は一週間の期間限定公開のはずだったのだが、なぜか一週間が経過しても2~3日ほど非公開にされずに残っていた。
単なる消し忘れだったのか、最終話だから普段より長めに公開したのか、はたまた何かしらの理由や意図があったのかは定かではないが。
なお、Twitterでも第11話までは「神回」として作品を好意的に見る意見が多かったが、第12話放送当日の10月9日には一転して批判のツイートが激増した。
BD売り上げ数の初動万割れ
第2期第11話放送前に発売された第1巻(第1・2話収録)こそ初動約12,800枚とまあまあの枚数だったものの、最終回後の第2巻(第3・4話収録)は同じくチケット最速先行抽選申込券付きにもかかわらず初動約9,000枚と、シリーズのアニメ史上初の初動万割れを起こしてしまった。(しかも当初予約していたのをキャンセルした層が一定数いるらしい)
その後も初動が5桁に届いたのは第5巻(3rdライブの埼玉Day2チケット抽選申込券付き)のみで、第3・4・6巻の初動はいずれも8,000枚台と更に低い数値を叩き出してしまっており、これを機に制作陣や運営も危機感を持ってくれることを願うばかりである。
運営の連携ミス
製作委員会としての連携ミスと思しき案件が発生している
- 第1期第11話のメモリアルアイテムの縄跳びが、4950円(税込)と高い以前に本編と色が異なる。
- 第2期第8話で「文化祭」とツイートするも、実際には「オープンキャンパス」。メモリアルグッズでも「文化祭」。
- 前述した音楽プロデューサーのクレジット消失と作中楽曲のミスマッチ
薄まってしまった第3期への期待
ここまでの各項目で述べてきたように、スパスタ第2期がファンにとってあまりにも許し難いクオリティだったため、
- 仮に第3期のテーマが「史上初の2連覇」だとしても、既にラブライブ!優勝が何のカタルシスも無く描かれてしまい、かつサニパは卒業なので不在、しかも実力者であるマルガレーテも(おそらく)加入する流れから、2連覇への障害が無いに等しく盛り上がれない。
- これに関して蓮ノ空のファンから、アプリにおいて全国本選が流されず敗北が報告された蓮ノ空女学院第103期との対決になるのではないかという考察も存在している。
- 「どうせ第3期もかのんが中心となり、新メンバーに大した掘り下げが与えられることはないだろう」
- 「9人ですらまともに描けなかったのに、また人数を増やしたら既存メンバーがますます空気化するだけ」
…等、シリーズとしての行く末を不安視する声が各所で見受けられるようになり、シリーズ初の第3期決定という、本来であればファンにとって大変喜ばしい快挙を成し遂げたにもかかわらず、盛り上がりに欠けた雰囲気が漂ってしまった。
- さらに言えば、2024年4月時点で第3期は2024年10月より放送スタート(予定)と発表されており、決定ではなかった(過去のラブライブ!シリーズ、引いてはアニメ全体は何月放送時期は予定と表記することが稀である)ため、制作状況もバタバタしていると思われており、最悪の場合、延期になる可能性もあるのでは、という意見もあった。
- 後に正式な放送開始日と放送時間が決定し、「2024年10月6日から、毎週日曜日午後5時放送」とアナウンスされた。1期と2期は放送曜日こそ同じであるが、午後7時放送であったため、これまでより2時間早く放送される事となる。
アニメ第2期を引っ提げた3rdライブ
このような壊滅的な低評価となった2期を引っ提げて開催されたLiella! 3rdライブだが、円盤売上の低下は動員にダイレクトに影響を受け、2ndライブでは埋まっていた大阪城ホールでのライブが、3rdライブでは黒幕による座席潰しが行われ目に見えて座席数が減らされる形に。動員状況が明らかになるたびに大きな物議をかもし、第2期のアニメの低評価がLiella!自体の人気も落としてしまったことを証明する形となってしまった。
幕間アニメ
そしてアニメを引っ提げたライブでは必ず存在する、アニメのダイジェストを流す幕間シーンだが、上述の問題シーンの大多数がカットされるという状況に。ギャグ回だった第7話などの本筋からそれた話の全カットはまだしも、劇中で新曲が披露された第8話もまさかの全部カット。アニメによる前振りなしで「Chance Day, Chance Way!」が披露される形となった。
もっとも本筋に大きく関わる「夏美の勧誘」「本当の歌」「かのんの留学」は当然カットできず、問題シーンが流されてしまったが。
そして埼玉ベルーナドームライブで
3rdライブツアーの最終公演となったベルーナドームでは、本番前の直前生放送からそれまでとは明らかに異なる神妙な面持ちで意気込みを語るメンバーが続出しており、ただならぬ雰囲気が漂っていた。そして迎えた本番のMCでは、キャストがファンからの批判、そして作品に対する不満を涙を流しながら語るという異常事態となった。
特に、1期生の一般公募である伊達さゆりと青山なぎさは以下の趣旨のことを語っている。
- 伊達さゆり:「本当の歌」を話題にあげ、マルガレーテの歌を否定する「本当の歌じゃない」というセリフを、かのんがなぜ言ったのかわからなくなった。
- 青山なぎさ:最初のアフレコで運営から「葉月恋は、ラブライブファン全員から、嫌われる人でいてほしい」と指示された。
まず青山なぎさ女史の発言について。この葉月恋を嫌われるようにしてほしいという指示は、おそらく今までの前例に則り、後から第8話で恋の人気を取り戻す前振りのつもりで出されたものと思われるが、結果は上記の通り第8話の出来のお粗末さゆえに挽回は失敗、本当に人気ないキャラになってしまったばかりか「恋はいらない」などの誹謗中傷が青山の目に留まってしまうなど、「声出しコーレス無しで良かった」と1stの時点で本人が思っていたほどに大きな暗い影を落としていた。
しかしその後彼女自身の努力もありこの3rdの時点ではそれなりに人気が回復しており、全体的なスピーチ内容についても「”葉月恋”と心を込めて言ってくれる人がいて良かった。アニメで見せていない恋ちゃんの一面を私が見せていきたいと言ってきたが、今は自分が恋ちゃんに背中を押される側。これからももっと良い恋ちゃんになっていけたらと改めて思った。」という趣旨の前向きなまとめ方をされていた。
一方、伊達さゆり女史の発言内容は現在進行形で発生している問題であり、「私とかのんの間に大きな壁を感じてしまう」「私自身が好きなことはと聞かれて”歌うこと”と答えられなくなっている」という趣旨のことも述べていた。
冷めた見方をすれば、そのような葛藤を一度は抱えること自体はプロの世界にいるのだから当然と言えなくもない。しかし彼女は前から経験を積んでいたプロでは無く、元々は澁谷かのん役のためだけに公募とオーディションによって選ばれた業界経験無しの一般人出身者、つまりラブライブ運営自身がプロの世界に引き込んだ子なのである。彼女自身がその最初の一歩において壁に当たっているとなれば、運営に対しては彼女が壁を乗り越えられるよう手助けをする責任を求める声が出るのもまた当然と言えるのだ。それどころかここまで読んでくださった方なら感じられるように、そもそも伊達さゆり女史が当たっている壁自体、その大体が運営によって作られたものと言っても過言では無く、より責任は大きいものとなる(これは青山女史の当たっていた壁にも言えることである)。
もし運営が真摯に責任を背負っていたのならば、両者の苦悩は運営の真摯なフォローによってそこまで深いものにならずに済んでいたであろう。しかし両者は共に大舞台において、大勢のファンの目前で己の苦悩を打ち明けるに留まらず、わざわざその大きな遠因がアニメ周りにある/あったことをもハッキリ明言するまでに至った。この異常過ぎる発言は、Liella!の運営が責任に見合ったキャストへのフォローを行っていなかったことの暗ながら確実な裏付けと言えよう。
(一般公募において過去に存在した三中元克氏絡みの一連の騒動においても、一般公募者本人の過ち・周囲のメンバーの過ちと並び企画側の過ちとしてこの点は指摘されており、伊達女史・青山女史が謙虚・真面目かつ、Liella!メンバー間の結束が強いからこそ、ここまで大事に至らなかっただけで、運営だけは当時の『めちゃイケ』と同じ過ちを犯しているとも言える。)
ともあれ、上述のキャラクターの雑な描かれ方が最初のアフレコの段階から運営によって意図的に作られたものだということ、そして遠回しとはいえ以前から噂されていたスパスタ運営の無責任さと怠慢がキャストの行動により裏付けされる形となったことは、この事案単独でも相応の反響を呼んだ。
また他のシリーズでは、Aqoursが『幻日のヨハネ』、虹ヶ咲がOVAとそれぞれの新規アニメをキャストも楽しみにしているシーンが存在したが、Liella!ではアニメ第3期を楽しみにしている旨が3rdライブを通じてキャストからは一切語られていなかった模様。既に諦めていた元ファンの多くからは「キャストもあのアニメの出来の酷さを認めているし、故に苦しんでいた」と認識されることになった。
この他、アニガサキを除く歴代アニメ版のシリーズ構成を担当してきた花田十輝氏が関係者として(少なくとも)土曜の公演に呼ばれ実際に出向いていたことを明かしたのだが、そのツイート内容がお疲れ様とは書いてるものの具体的な中身に触れず、自分が会場で置かれたやや厳しい環境のことをアピールするものであった(原文はコチラ)ために「他に言うべきことがあるだろ」「せめて関係者としてもう少し取り繕え」と一部から更なる顰蹙を買うことになった。
その後のライブでは
4thライブ
波紋を多く呼んだ3rdライブから約半年後、3期生を加えてユニット活動も始動させた4thライブが開催。なお、このライブは2nd同様、アニメを引っ提げてのものではなく、3期生とユニットのお披露目という形で行われたものであるが、新キャラがアニメ放送前にライブを行うのは、μ's1st以来(虹ヶ咲1stもアニメ化前であるが、メインアプリであったスクスタリリース後)であった。
ただ、流石に情報が少なすぎる(特に冬毬)と判断したのか、YouTubeや幕間で短編スペシャルムービーが公開されている。
このような形になった大きな理由としてはキャラデザを担当する斎藤敦史氏が2023年度のプリキュアのキャラデザを担当するため、アニメでは作画なども担当する斎藤氏のスケジュールと重複することによる弊害があるためである可能性が高い。しかし、2期の問題を受けて立て直しや再構成を図っているのでは?という希望を捨てたくないが故であろう意見も多くあった。
なお、東京公演Day2にて、3期アニメは2024年放送予定であることが発表された。1年以上のスパンが開き、ナンバリングライブを複数回開催しているため多くの声が集まっているのは確実であるため、批判の声を受けての改善が図られていることを願うばかりである。
5thライブ
引き続きアニメ3期前に行われた5thライブでは、それまで封印されていた5人時代の楽曲の一部を解禁。5人時代の思い出を重視している一部のファンからは不満の声も見られたが、5人時代の演出も残しつつ11人バージョンとして昇華された楽曲は兼ね好意的に受け入れられた。
また、9人時代の曲からはSing!Shine!Smile!を11人で披露したのだが、上述の通りこの曲は東京大会でマルガレーテに勝利した曲である。負けた悔しさで怒りのあまり彼女がシブヤレポーターからマイクを奪い、不服申し立てをした曲をマルガレーテ役・結那も一緒に歌ったのである。これについてマルガレーテ役の結那がMCで触れ、「負けを認めない」という本編での言動に反し、心の底では「負けたと認める」「あの歓声に一緒に入りたい」と思っていたのでは(その裏返しの行動だっだという意味か)と発言。この部分は2期でも特に批判されることが多い所であるため、そのフォローをするかのような発言となった。
一方で、東京公演Day2のMCでの鈴原希実による「きな子は置いといて」発言(おそらくは11人+11人の中でのLiella!のきな子ではなく鈴原希実としての発言という意図)が切り抜かれ、本人の意図とは裏腹に「キャラ軽視」と一部で不評を買うなど、2期の負債は5thに並行して起こった、後述の喫茶リエラ看板娘総選挙の件もあり、まだまだくすぶっていることがうかがえる。一方で、以前「ダメ人間生まれのダメ人間育ち」というようなネガティブさが目立ったMCから成長していて嬉しい、オタクの需要が分かってる、むしろファンサで心を鷲掴みにされたという意見の方が多いことは留意である。
ごく一部のキャラとの完全一致を求める者以外は現地および配信勢含め気にしていないか、良くなかったんじゃない?程度の反応であるが、以前、似たようなことがあったと言われる高槻かなこが、直接的な原因か不明だがその後、適応障害になり3ヶ月間休養したことを引き合いに、過激派に対して、「また同じことを繰り返すのか」、「きんちゃんの件から成長していないのか」とも批判の声がある。
尤も、前置きの言い方がモヤっとさせるものであっただけで、キャラに関係のないセリフを言うのはμ's時代からよくあること(Aqours、虹ヶ咲、Liella!のメンバーがよくキャラに関係なくわちゃわちゃしていたり、黒澤ルビィ役の降幡愛による「味見したいんだよね」などがあったりする)ではある。
なお、東京公演Day2にて、3期アニメは2024年10月放送予定であることが追加で発表された。これにより、アニメ放送スパンとしては丸々2年と、シリーズ最長のスパンとなった。
余談ではあるが、1期と2期が時期的に高校野球の中継と時間が被り、放送時間が変更された回も存在したため、それでヘイトを抱えるファンも多かったが、3期ではそれがなくなったので良かったという意見も多く挙がった。
ユニットライブ&ファンミーティングツアー
アニメ3期前ラストのイベントとなった『Liella!ユニットライブ&ファンミーティングツアー』最終公演の神奈川公演Day2では、3rdライブの時とは一転して3期を楽しみにするキャストのMCが続いたが、鬼塚冬毬役の坂倉花だけは「お願い」と称して神妙なMCを切り出し、「ギャップを感じても、1年半築いてきた絆を信じて、応援してくれたら」と発言。見方にもよるが、3期序盤で冬毬が嫌われるキャラになるであろうことを示唆しており、姉の夏美も絵森彩が同様の趣旨の発言をしていたことから、「3期で冬毬がヘイトを買う描写があり、人気がガタ落ちしてしまうのではないか」と早くも最悪の事態を心配する声が出始めている。
そしてライブ終了後、3期アニメのPVが発表されたのだが…。
そして3期
2023年10月30日に発売された『LoveLive!Days』2023年12月号内の、3期の時系列を描いたと思われるイラスト連載「この街の片隅で 3rd season」では、「かのんが留学中止になったことをメンバーに明かしておらず、逃げ回っている」という衝撃的な内容が掲載。「この街の片隅で」にて描かれるストーリーは基本的にアニメ本編と密接に関係しているため、その連載と同様にアニメ本編でも逃げ回っている可能性が浮上した。
そして、アニメ3期前ラストのイベントとなった『ユニットライブ&ファンミーティングツアー』最終公演の神奈川公演Day2にて、3期アニメのPVが発表された。その内容は…
上述の通り、本当にかのんはメンバーに打ち明けれず逃げ回っており、Liella!にも戻れない状態だったことが正式に明らかとなった。そして極めつけは、
マルガレーテが「新スクールアイドル部」を設立し、Liella!に勝負を挑む
という、かつてのラブライブ!ファンのトラウマであるスクスタ2ndシーズンストーリー炎上問題(後述)を刺激するような展開をにおわせる内容であった。
PV故に断片的な描かれ方なため、実際のアニメ本編での展開がどうなるかPV公開時点では不明ながら、前述の展開をにおわせる内容が出た時から、既に数多くのラブライブ!ファンは、スクスタ20章のトラウマを思い出した人が続出。既にPVの時点で多くのファンから不安の声が多く出ている他、「スクスタ20章の【悲劇】を見たい訳じゃない」「スクスタ20章での惨劇を忘れたのか??」等の批判が相次いだ。
蛇足になるが、実はスパスタ3期のPVが公開される前の2024年8月3日、スクスタのアーカイブチャンネルにて、スクスタ20章の動画が追加されていた(参考)のだが、あちらに至ってもスクスタ20章のトラウマを思い出した人や、運営に対する批判的な意見を持った人が多かった。スクスタ20章のアーカイブ公開とスパスタ3期のPVもあって、「運営がスクスタ20章での惨劇を忘れてしまっているか、時間が経ち風化したと甘ったれているのでは」と危惧する意見も存在している。
そして迎えた2024年10月6日。
2期最終話から繋がる形で第1話がスタートした。
3期1話
2期最終話から予告映像までの経過にて明かされなかった謎や発言の答えとしては、
- 留学中止の理由…中止というよりは延期に近い。成果はある程度出したものの、最終的には敗退、マルガレーテの言動に不安を覚えたウィーン家ではスクールアイドル活動を通してマルガレーテに自身を見つめ直させるため、かのん、Liella!の元でスクールアイドルとして歌を学ばさせる方針に変更した結果であった。ラブライブ!優勝、もしくはそれに匹敵する成果を出すことでウィーン国立音楽学校への編入を認めるという条件となった。それに伴ってかのんも留学はお預けという結果になった。
- 新スクールアイドル部設立の理由…負けたからこそ、校内で切磋琢磨することで正々堂々、Liella!に勝ちたいとの考えから。
- 「私、Liella!には戻らない」発言の真相…いずれ1つになるためにという理由であることがかのんからメンバー8人に対して明かされた。負けず嫌い、かつ「Liella!を倒して自分の価値を証明すること」に意固地になっているマルガレーテにはLiella!に入るよう勧めても聞かない上に実際恋達が勧めてもその通りであった。彼女の家族が望むような成長を促すため、かのんや他の皆が望むような形に持っていくためには2つのグループで切磋琢磨しながら成長していく中で理想形であるLiella!への統一に持っていく(分かりやすく言えばマルガレーテをガス抜きさせる)のが最適解であると多くのメンバーは頭では理解していた。そのためにかのんはマルガレーテが作ろうとする新スクールアイドル部への参加を決断したというのがことの真意であった。
以前のスクスタ20章とは異なり「いずれ1つのグループにするため」という明確な意図を持って説明がなされたことや、一部では「どうせ何の説明も無く雑に流される」という見方もされていた留学中止の理由付けが一応ながら為され、またかのんがそのことについて遅くなったとはいえ背中を押した千砂都に真っ先に思いを伝えていたこと、メンバーに義理を通す形で理由を説明していたことなどから、概ね高評価が目立った。また、細かい部分ではマルガレーテの態度についても、勝つことに意固地になっているとはいえど、見下している、自分至上で挑発的な様子から挑戦的になっていると顔つきや態度が変わったことを評価する意見も見られた。
一方で、入学の是非や延期を左右し続けているウィーン家の権力や手の平返し続きの状態、「貰い事故」と言うべきかのんの留学延期に関しての方面から批判する声もなお残っている。
今期のテーマにも関わってくるであろうと思われる、マルガレーテに対して家族が望む姿、かのんを通して学んで欲しいことや、娘を導く存在がオーストリアには溢れるほどいるであろうマルガレーテより歌の上手い人物ではなく、言い方は悪いが実力はあるが専門教育を受けているわけでもない極東の一女子高生である『「澁谷かのん」でなければならないのか』といった点についてはまだ明かされていないが、それらを理解していくことを通して序盤の物語が進んでいくのではとも考察されている。考察1 考察2 考察3
3期2話
2期11話において劇中および現実世界両方で大きな批判を呼んだ「マイクを奪って負け惜しみ」に対する精算がなされた。マルガレーテの「この顔を見ているだけでも腹が立つ人が居る」という発言は、実際に2期直後にマルガレーテのアンチになってしまったり、アンチ化まではいかなくとも嫌悪感を感じたファンには思うところがある人も少なくなく、2期の惨状を一言で表した重い言葉となっている。
2期の失敗を消すことができないが、そのことをマルガレーテが反省したように、スタッフが2期の失敗を認め、反省・改善しようとしていることが示された。
3期3話
上述の四季の項目で書かれているセンターを与えられなかった件に対するアンサーとなる回で、四季に初のセンター曲が用意された。また、メイも「影になる」という事実上センターポジションになっており、さらに曲作りは2期生が中心になるなど、四季以外の2期生も救済される回となった。
さらに、1期生も部長らしくないと批判されていた千砂都もはっきり自分の考えを貫く描写が描かれ、こちらも2期の反省が生かされた形となった。
3期4話
2期最大の被害者である夏美に対する救済の回。2期6話でも描かれた過去の描写の理由がより深く描かれ、上述の批判で指摘されていた、何をしてもうまくいかず心からのショックを受けたような描写が実際に描かれた。お金稼ぎに拘る理由も、夢を諦めてしまい、現実が大事という考えに至ったのが理由であり、それが冬毬とのすれ違いのきっかけになるなど、ある程度納得がいく形にはなっている。
自分の笑顔を守りたいからという理由で心を閉ざしてしまった冬毬を救済すべく、夏美を中心に2期生が奮闘するなど、2話連続で2期生が中心のストーリーとなった。
そして、この回で最も象徴的なのは、かのんが2期生を助けようとするのを可可・千砂都が止め、結果的に2期生だけで問題を乗り越えたことである。かのんが全て解決してしまうのは上述の通り2期の批判される要素の一つであり、2期もこうであれば、というifが実現したと言える。
不評の背景
※この項目では説明の流れ上、アニガサキの評価点等にも触れていますが、決してアニガサキとスパスタの「作風そのもの」「作品そのもの」に優劣をつける意図はございませんのでご容赦ください。
ラブライブ!シリーズ全体で抱える問題
一連の不評な描写でも特に
- 特定キャラの冷遇や過剰な演出
- ヘイト管理の杜撰さ
- ストーリー上の整合性の不備
などについては、実は今作の第1期どころか『サンシャイン!!』、更には一番最初の無印アニメ1期の時点で既に一部から苦言が催され始めていた。具体的には
- 最終回が視聴者置いてけぼりの投げっぱなしの結末
→サンシャイン1期最終回でも、ライブ前に非常に長い尺を使いこれまでのあらすじを語る呼びかけ、さらにライブ中にも生徒がステージに参加するというレギュレーション違反行為(Aパートでわざわざルール違反と説明している)、あげく大会の結果は語られず俺たちの戦いはこれからだエンドとなった。
- 一度解決したはずの問題をまた繰り返す(2期生の実力不足)
→μ'sを解散させるかどうか、2期11話で答えが出されたにも関わらず、劇場版で再び悩む。
- ライバルキャラを雑に負けさせ、リベンジの機会がなくなる(サニパ)
→サンシャインでも、ライバルのSaintSnowが地方大会で失敗をし敗退してしまう(のちの劇場版でラブライブ決勝戦延長戦という形でフォローはなされたが)。
- 留学騒動
→南ことりの留学を巡り騒動になるが、最終的に強引な形で中止になる
- 一部キャラにヘイトを溜める展開
→スクスタ2ndシーズンストーリー炎上問題、サンシャイン劇場版での父兄による嫌がらせ
- モラルに欠ける行動をギャグとして済ませる(こたつ)
→サンシャイン1期最終回での、ステージに客が走り寄るというレギュレーション違反行為。現実のライブでもダッシュという厄介行為として問題になっている。
- しつこく繰り返される描写(すみれ弄り)
→サンシャインにおける「ヨハネ」弄り(通称ヨハネbot)、「ピギィ」などの鳴き声
というように、指摘された問題点の数々は、これまでのシリーズで何度も繰り返されてきた問題であり、スーパースター2期はそれが最悪の形で表面化されたに過ぎないのである。さらにこれより後の作品であるはずの「幻日のヨハネ」などでも同様の不評な描写が存在し、シリーズ内各作品における問題点の一つになってしまっている。
ライブ感を魅力の一としていたラブライブ!のアニメシリーズだが、同時に「アイドルもの」として各々のキャラにファンが出来る、いわゆる『推し』系の視聴者が数多く現われたことによって、制作陣とそうした視聴者の間でいわゆる「認識乖離」や「需要の読み違い」が生じていたとも取れる事態が発生していたのだ。
この認識乖離が「スクスタ」2ndシーズン(スクスタ2ndシーズンストーリー炎上問題)にて大多数のプレーヤーの不満を爆発させる結果に至り、果ては2023年6月30日のサービス終了の遠因になってしまう。スクスタ20章や2ndシーズンでトラウマに残った人は多く、前述の通りスクスタ20章のアーカイブ公開やスパスタ3期のPVが公開された際に、スクスタ20章のトラウマを思い出した人や、運営に対する批判的な意見を持つ人が続出するようになってしまった。
アニガサキと比較されたが故に
しかし、スパスタのプロジェクトが始まった直後、今までとは異なるメインスタッフによって製作されたアニメ作品がシリーズからも放送された。アニメ版『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』、通称『アニガサキ』である。
従来のシリーズと比べ勢いにこそ欠けるという意見もあるものの、
- 整合性を強引に捻じ曲げてまで「廃校」を描かない(代わりなのか第1期第1話で「廃部」は描かれた)
- 「認められない系生徒会長」を出すとしても早期(第1期第3話)に解決・和解を描き、仲間として早めに加入させる
- 主人公だけがいつも中心となって全ての問題を解決するのではなく、キャラによっては親しいキャラとの交流によって和解や克服に繋げる。それでいて主人公自身も可愛さや目標への情熱を持ち、きちんと一人のキャラクターとしての成長を描く(=主人公という立ち位置の絶妙なバランス感覚)
- 各キャラクターの個性や魅力を掘り下げ、キャラクター性に合った台詞や行動を描くのはもちろん、ファンの間で鉄板のカップリングを押さえつつ、要所要所で(学年も関係なく)意外な組み合わせを見せる(=視聴者が誰の「推し」であっても楽しめる工夫)
- 同好会のやり方を『否定』するのではなく、あくまで『考え方が違うから別行動』というニュアンスに収め、かつフェスティバルの開催準備には積極的に協力する等の描写によってライバルのライバル性を強調するなど、キャラクターがヘイトを買い過ぎないよう全ての言動に気を配る(=徹底したヘイト管理)
- キャライジりについても直後、遅くても同話内には何かしらの微笑ましい展開を付け加えて中和するなど、度が過ぎないよう一定の節度を心がけた描写にする(アニガサキ2期10話Bパートで侑がかすみにかけた優しい言葉や対応等が好例だろう)
- 「留学問題」に関しては「留学の誘い」そのものではなく「留学生募集中」という間接的なきっかけを与えるだけに留め、行くか否かの最終的な決断は当人の意思で行う流れにする。当然、「留学」を「一時的に盛り上げるためだけの横入れ」にはせず、本筋に絡める(実際に留学し、海外の土地を踏むシーンも僅かながらきちんと描いている)
といった、キャラクターの描写配慮と感情&行動面での整合性に最大限気を遣った丁寧な作風は、スクスタの炎上期と重なっていたのもあり多くの視聴者から「最高傑作」と称される程、高い評価を得た。
一方で、このアニガサキの"視聴者に寄り添う作風であった"点がスクスタ不評と重なり、「後続となったスパスタに対する視聴者のハードルが上がる遠因になった」という意見を持つ視聴者やファンもいるのだが、これについても断定は一切出来ない。確かに「作風の違い」や「放送順による影響」がゼロではないだろうが、それを言うならアニガサキ第2期だってスパスタ第1期の後に放送されている。
それこそスパスタからシリーズを知って見始めた層や、スパスタ以外の歴代シリーズは見ておらず、純粋に一本のアニメ作品としてスパスタの良し悪しを評価した層だって一定数いるだろう。
そもそも商業作品として世に出す以上、他作品と比較されるのはアニメのみならず全ての創作物に共通する宿命であるのは言うまでもない。
大切なのは「比較された上できちんと高評価を得られるよう、真摯な努力と熱意を注ぎ続けること」の方ではないだろうか。
更に言うならば、「問題による影響」の項目で解説したように、『神クズ☆アイドル』『ルミナスウィッチーズ』『Extreme Hearts』『シャインポスト』といった新規のアイドル作品はスパスタ第2期(=シリーズというアイドルアニメの大御所)と放送時期が被って尚ニコ生アンケで高評価を得ている。そういった面から現実的に考えても、あたかも「スパスタだけ」が他作品(しかも同じシリーズ)との比較によって必要以上に評価を下げられたと見なすのは、擁護意見としてやや弱いのかもしれない(もちろん、絶対的な注目度や視聴者数の違いは否めないが)。
非常に厳しい表現、かつ語弊を恐れずに言うのならば、そこには「他作品と比較されても遜色ないクオリティや独自の魅力を確立できた/できなかった、それらを視聴者に伝えることに成功/失敗した」という制作面での純全たる力量差があるだけである。
また、同じような作風に仕立て上げたところでこれはこれで「所詮アニガサキの二番煎じ」などといらぬ批判を受けることになるほか、アニメスタッフだけではどうにもならない放送局側からの要請によってストーリーの方針が決定された可能性も否めない。2022年度に放送されていた連続テレビ小説「ちむどんどん」も、スパスタ第2期と同じくインターネット上での批判を集める形になっており(批判を集めた理由などの詳細については「ちむどんどん反省会」の記事を参照)、ニコ動でもタグで「Eテレ版朝ドラ」と揶揄するものがつけられたことがある。
とはいえ、スパスタ否定意見の中には、スパスタならではの「作風」をも一面的に絶対の「間違い」「失敗」と見なし、アニガサキとただ闇雲に比較しただけのものも一部見受けられ、スパスタ肯定派からは時折「視聴者側もつけあがっているように感じる」とする苦言が出ているようだ。
視聴者の需要を真摯に見極めるのを怠った運営に一番の問題があるのは言うまでもないが、こういった炎上に近い事案が起きた時なら尚更、我々視聴者側も視聴者側で、自分達の行いを振り返るべきなのかもしれない。
KADOKAWA作品への制作会社のモチベーション低下
本作に限らず、2024年9月現在のアニメ業界において1つの流れが定着している。それが、アニメ作品においてKADOKAWAが関与している作品は制作された大部分が失敗作の状態になって終了するという傾向である。
原因としては、2019年の冬アニメである「けものフレンズ2」の炎上事件が原因と言える。
詳しく言うと、2017年に放送された1期の続編で、1期の「けものフレンズ」は社会現象と呼ばれるほどのブームと視聴者を獲得したのだが、同年中に1期で監督や脚本も受け持ったたつき氏が、「ざっくりKADOKAWAからのお達しで降板させられた」に端を発する降板騒動事件に発展。そもそも1期と2期で監督や脚本家が変更されるのは良くある話だが、本作の場合2期を渇望していた氏の望みを絶たれたとして全国の視聴者の間柄で署名運動が起きるまでに発展した。が、結局願いかなわず覆らず、2期は放送されたものの1期とは真逆の酷評の嵐になりニコニコアンケートでもワースト1位を更新してしまうほどの絶望感が漂う光景だった。
こんな状況を目の当たりにしたのは視聴者だけではない、同じくアニメ制作に昼夜励む制作会社の皆さんもである。それ以降なのか、同年春の「賢者の孫」や映画版「プリズマ☆ファンタズム」や「ぼくらの七日間戦争」を皮切りに、2020年になってからは次々とKADOKAWAの名前がある作品は作画崩壊したり、投げっ放しにしたり、ストーリーとして起承転結を無視するという初歩の初歩が出来ていなかったり、2期で制作会社が変わって1期より絵面で見劣りしたり、明らかにまともな企画会議もしないでやっつけで手がけたような完成度だったり、2期を望む声を無視して破棄したりと散々な状況。更にコロナ禍が中国よりやってきて放送延期が増えたため、KADOKAWAへの厭戦ムードの勢いがどんどん加速していった。
アニメ制作会社は基本的に監督や脚本家、プロデューサーにアニメーターなどが他の職業と比べて低賃金で深夜労働をし、納期までに全話を完成させるという過労待ったなしのシビアな環境である。こんな状況になったのは飽和化したのが原因だが、せめて良作に関わりたい・名作で一躍名誉を得たいと思うのは誰にとっても同じである。しかし、けものフレンズ2の惨状を見れば、どんなに頑張ろうがどんなに会議が過熱化しようが、どれだけ指を痛くしようが、どれだけ指導されようが、KADOKAWAの元で良作を手がけたとしても将来的に何らかの形で潰される可能性が高いし、それが分かる以上真面目にやること自体バカらしい・・・。そんな訳でKADOKAWAの作品は次々と急落していったのだ。
だが、全部のKADOKAWAアニメがそうだったわけではなく、2020年なら「アニガサキ」、2023年なら「推しの子」等々完成度の高い作品も見受けられる。が、これらは漫画や小説なら原作者や舞台となった実在する施設や名所からの惜しみない支援やサービスによるものが大きい。実際にこれをやった結果だが、壊滅状態のKADOKAWAアニメでも数えるほど良作は存在している。
本作、「ラブライブ!スーパースター!!」も原宿や表参道が舞台として登場している。この完成度の低さたるや、恐らくだが支援があったとしてもアニガサキと比べると微々たるものだったといえる。これは当たり前で、放送当時のコロナ禍で登場する施設の関係者にしてみれば生活費や維持費の捻出すらままならないし、それが2022年でも僅かばかり残る以上は、制作現場はまともなサービスもなくモチベーションもテンションも低いまま無気力で作られたといっても過言じゃないのだ。
よって、本作の監督やシリーズ構成を批判することは彼らにしてみればこの最終話になるのは当然だし、それで批判されるのは寧ろあり得ない話なのである。
※実際、制作現場ではこんな形で制作・放送されているのが常と言えるかもしれまん。現状は、我々視聴者の力ではどうにもなりません。よって、本作を手がけた監督や脚本家などを批判することは止めましょう。彼ら彼女らには罪はありませんし才能が枯れたわけでもありません。彼らは我々視聴者を怒らせたくて作ってる訳ではないのです。
描写期間の密度
不評の根本的な背景として度々言及されることとして、内容を詰め込みすぎて余裕がないという点がある。
というのも、スパスタは1年を1期12話単位で描写しているのであるが、過去作と比較してアニメ作中時間1年間の分量は、
- 初代・サンシャイン…TVアニメ2期分(1期13話×2)+劇場版(100分)
- 虹ヶ咲…TVアニメ2期分(1期13話×2)+OVA(30分)+劇場版3部作(第1章59分)※現在公開情報
…となっている。
見て分かる通り、スパスタではこれまでのTVアニメ化したシリーズと比較して、半分どころか40%前後の時間量で同等の作中経過時間分を描写する必要がある。
これではどこかは掘り下げればすぐにストーリーの粗や描写不足として皺寄せが現れるのは当然と言える。ワンクールごとの話数を増やしたりクール跨ぎにしたりするといった新たな対応も必要だったのかもしれない。
余談1 後発作品において
スパスタはスクスタの反省が生かされていないなどと上述されており、『ラブライブ!』シリーズにおけるストーリーの在り方についてファンが議論をしているさなか、バーチャルスクールアイドルこと『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』のスマホアプリ、『Link!Like!ラブライブ!』(通称リンクラ)が2023年4月15日にリリースされた。このアプリにもストーリーが実装されており、喧嘩や方針の違いによる対立は多少あるが、引き展開やキャラの評価を地に落とすような対立といった展開は現状一切見られない。また、各キャラの活躍の機会も均等化されており、2023年6月時点でストーリーでユニット未結成の「みらくらぱーく!」に関してもyoutubeチャンネルでみらくらぱーく待機室という名のライブ配信があるレベルで配慮されている。
「新時代のみんなで叶える物語」のキャッチコピーを掲げる同作は、それまでのシリーズで不評だった箇所を潰すような作り方をしており、スパスタはシナリオ面の反省という形でフィードバックされている。さらに、過去作のカバー曲を出すなど、シリーズファンへのサービスも欠かせず、シリーズ決定版を目指した努力が見られる。
そして、過去作のフィードバックをしているならば、蓮ノ空で培われたストーリーに関するノウハウを生かし、スパスタでも第2期までで不評だった点を潰すようなストーリー展開がなされることが期待される。
しかし、悲しいことに「リンクラの脚本家がスパスタ3期の脚本を書け」、「始まりは君の空はLiellaではなく、DOLLCHESTRAの楽曲として扱え(当楽曲をDOLLCHESTRAが103期時代にカバーしている)」などというスパスタへの批判意見がSNSや掲示板などで散見され、対立煽りの種をまかれている。言わずもがなこれは、リンクラにもスパスタにも、そして双方のスタッフにも失礼にあたる、本来ならばあってはならない行為である。
余談2 『喫茶リエラ』看板娘総選挙
2023年11月3日から、『スパスタ』とのコラボをメインとした飲食店「THEキャラCAFÉ STAND」にて、メンバーが専用衣装を着た企画『喫茶リエラ』を開催。
そして、同日から同年12月10日までの期間、『喫茶リエラ』の看板娘になるキャラを決める総選挙が開催された。
喫茶リエラのメニュー(800円)を1品注文する毎に受け取れる投票シールを店内の投票用紙の投票したいキャラの枠に貼ることで投票、となる方式だった(キャラ毎の総投票数が可視化されている)。
この選挙では、キャラ設定として実家が喫茶店である澁谷かのん、和のイメージ(神社)がある平安名すみれの2名に期間中盤以降から投票が集中していき、最終的に平安名すみれが澁谷かのんに70票以上の差をつけて1位をキープし、投票期間を終了した。(票数は終了時に有識者が画像にて記録保存しており、SNSにも投稿されていたため証拠として残っている)
しかし、投票終了からおよそ1ヵ月後の2024年1月19日、公式Xが公開した結果は「2位の澁谷かのん、1位の平安名すみれのダブル当選」というものであり、これが多くのファンに疑問を抱かせた。
- 投票期間中に一度も「2名を当選させる」とは告知されていなかった
本選挙の開催前の告知、及び開催期間の間、上位2名がダブル当選するとは公式は一言も述べていなかった。過去の様々な看板娘投票を見ても告知無しで結果発表時にダブル当選という例はない。別のコンテンツの選挙では、悪戯によって支配されたネット投票で運営側が結果を変更して公表したという事例は幾つかあるが、リアルマネーが絡み不正がほぼ不可能な投票で公式側が今回の様な所謂「後出し」を行うケースは非常に珍しく、投票者の中には遠方から交通機関を用いた上で来店し店内メニューを購入したという者も数多いるため、今回の後出しダブル当選に関しては多くの苦言を呈されることとなった。
- 元々は「澁谷かのんが起用されることが決まっていた」と示唆する投票者も
選挙期間中、澁谷かのんの担当声優が公式Xであるポストをする、公式認可イラストレーターがかのんのみの応援イラストを投稿する、喫茶店イメージの看板娘、そして今回の2位であったかのんの急な当選などから、「選挙開催前から看板娘が澁谷かのんとなることが既に決定していた『出来レース』」であった可能性も疑われる始末となっている(投票期間における公式側からのかのんプッシュが凄まじかったため、当時の時点で「結果がどうあれ公式が強引にかのんを看板娘にするのでは」などと疑われていた)。それ故か結果発表では、投票における順位を表記しないと共に「澁谷かのん」「平安名すみれ」の表記順になっていた。
仮にかのんが3位であった場合は上位3名を、かのんが9位であれば上位9名を、かのんを含めて当選させるつもりだったのだろうか。
アニメ2期を通して先述の通り偏重され続けていたかのんが投票数・投票結果を無視してリアル企画でも運営によりゴリ押しされている、矢張り『私(かのん)を叶える物語』だった、という意見も散在する。
- 担当側への問い合わせとその回答
総選挙の結果発表後、有志が喫茶リエラの担当者側に電話で総選挙結果について問い合わせた結果、「表には出せないがすみれが1位」という回答を得ている。
また、ダブル当選となった理由は「投票推移を見た結果、その方がプラスになるから」と回答されているのだが、過去の投票系と比較してもよく分からないものとなっている。
「場合によっては(看板娘キャラクターが)3~4人になる」ということを示唆する回答も含まれていたのだが、11人全員を看板娘とすればよりプラスになるのでは、となってしまう。
そのうえで、「優劣をつけるものではない」という回答もしているのであるが、であれば何故優劣が結果として現れる総選挙という形(しかも今回は投票期間中も投票数という優劣が可視化されている)をとっているのかが分からず、担当側の回答全般を通して矛盾点がかなり多い。
もっとも、スタンディパネルを置くだけであればそこまで高価なものではないのでそこまでゴリ押しではないのではという意見や、過去にメンバーの一般公募オーディションが当初1人を選抜する予定だったのが結果として3人が選抜されたことが後から明かされたこともあったため別に良いのではというファンの意見もある。
なお、途中経過を最終日まで確認していたファンによれば、すみれが約870票、かのんが800前後であり、2位のかのんと3位の恋との差は300以上、4番目の千砂都とはさらに100ほどの差があり、すみれとかのんの2人が圧倒的な得票かつそこまで差がないという状態だったことから2人体制になったということは一応説明はつく。
ただ、すみれとかのんの約70票という差については投票者側からしてみれば、1品800円であるので約56,000円相当の差であり、何より投票権が得られるメニューは喫茶店故に「飲食物」であるため、70票分の飲食物を体に入れる負担を考えると決して軽視できない。
しかし、真実がどうであれ、ここまでの不信感を抱かせるようになってしまったこれまでの運営のかのん偏重と言われるような姿勢やモデルとなった場所への配慮不足や不十分な告知といったいいかげんさ、ファン軽視の展開、戦略は依然として最大の問題であること、声優アイドルユニットとしてのLiella!の人気が3期生加入や4th以降の活動、キャストの直向きな努力によって復活した一方でその最大の問題はファンの中に大きなしこりを残し続けていることがよくわかる出来事となった。
なお、『喫茶リエラ』の実施店舗となったTHEキャラCAFÉ STANDが、この選挙企画のわずか半年後となる2024年6月30日をもって閉店となることが発表された。
理由としては「入居しているビルとの賃貸契約満了」とされているが、契約期間は以前からわかることであるため、この発表に対して「看板娘総選挙してまだそんなに経ってないのが残念」「すみれちゃん。ようやく選挙で優勝したくせに、店が急に無くなっちゃた」という意見も寄せられた(STAND閉店後、お台場デックス店がLiella!の要素も担うようになる予定だが、Liella!単独のカフェではないため、すみれが同店の看板娘になる可能性は低い)。
また、閉店当日がラブライブ!シリーズ誕生からちょうど14周年のことであり、『スクスタ』サービス終了からちょうど一年後でもあることもあり、複雑な気持ちのファンもいるようだ。
最後に
今回の件があったからといって、各シリーズ毎の作風そのもの、これまでシリーズが積み重ねてきた実績や栄光、数多のファンに与えてきた希望や感動を一括りにして否定する権利など誰にもない。
スパスタに関しても、第1期は全体としては高い評価を得ているし、第2期だって決して何もかも全てが悪かったわけではない。
- 「好きだからこそ、期待していたからこそ、これから良くなってほしいからこそ筋の通った批判、意見、問題提起をする」
- 「いわゆる『ライブ感』を重視する作風であると理解した上で尚、さすがに一本のアニメ作品としての説得力や整合性を欠き過ぎているから指摘する」
といった行為と、
- 「作風そのもの、作品そのものといった存在価値自体への一方的な否定」
- 「世間的評価に乗じて必要以上に相手を非難し、自身の好きな作品だけは神格化する行為」
は全くの別物である。
ましてや、
- 「作品を愛するファンや作品そのものに対し、嫌がらせを目的として乱暴な言葉を浴びせる行為」
- 「自身の目で作品の内容を確かめることもせず、他者の声や世間的な印象だけで評価を決めつける行為」
- 挙句の果てに「作品とは関係の無い個人的な苛立ちや鬱屈した感情を発散するための道具として利用するような行為」
等は、「視聴者」や「ファン」以前に「人」として言語道断である。
この記事が作成されてから2年たった2024年現在では、時間が経るにつれて海外含む多くのイベントやラジオで実績を積んできたことから、キャラヘイトなどは概ね沈静化しており、声優、3次元でのグループとしての評価は上がっている。キャラ評価についても演者の活躍や実力の大きさ・高さに伴って改善傾向であり、2期生含む追加メンバーへの肯定的な評価が以前より増えている。
課題として、今後キャラや作品全体を生かすも殺すもアニメ次第といった状況になっており、なおさら3期アニメの重みが増しているため、万人から見て失敗や粗が少なくなることは重要と言える。
そして始まった3期アニメは、不遇だった2期生へスポットを当てる、マルガレーテの過去の過ちを精算させる、かのんが全て解決する展開にはしないなど、確実に2期の批判の声を真摯に受け止め、改善しようと頑張っていることは事実である。ニコニコのアンケート結果は低いままだが、評価を見直したファンは確実に増えているのだ。
そして、この記事における意見や問題提起は、多くのファンがシリーズへの愛や期待を抱き、最後までスパスタを視聴した上で生じた声である事を、最後に今一度強調させていただきたい。
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対立厨:本件の根幹にある