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テイルズオブゼスティリア炎上騒動

ているずおぶぜすてぃりあえんじょうそうどう

『テイルズオブゼスティリア』に関する一連の炎上騒動。
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注意事項

このページに書かれている事は、あくまで一部の見方でしかありません。
どういう見方で見るかは自分次第です。人に押し付ける事はやめること。

pixiv内でのマナーについて

特定キャラクターへの同情心や行きすぎた正義感等から、好意的に作品を投稿するプレイヤーや解釈違いに対して、コメントやタグでのバッシングが一部で見られます。アンチ
度を越したキャラクター・ファン・声優・キャラクターデザイナーへの批判はやめましょう






※以下ネタバレほか閲覧注意








概要

ゲーム『テイルズオブゼスティリア』が発売した当初に起きた大規模な炎上騒動を指す。
シナリオ中に登場する台詞である「真の仲間」疑惑を始め、システム・シナリオ・宣伝の不評など、複合的な要素が重なりあい、結果として多くのプレイヤーとキャラクターが振り回される形となってしまったという一連の事件。


不完全版商法への怒り

「未完成」すぎる本編

本作は、DLCや関連作品が出る事を見越した甘えから、本作のシステム・シナリオを未完成のまま発売したのではないかとして大きな批判を受けている。

劣悪なカメラワーク、未完成なシームレスバトル、海・雪国・闘技場ステージなし、天族キャラの掘り下げが少ない、シナリオが短いといった従来のテイルズシリーズらしからぬ欠点が多くある。
闘技場ステージについては「穢れの坩堝」と呼ばれる代わりのステージが登場するが、指定されたキャラでただひたすら雑魚モンスターを倒して終わりというお粗末な展開である。

また、謎を残せば今後のメディアミックスの売上が伸びると謎を残し過ぎたのが、プレイヤーを激怒させた原因の一端でもある。キャラの掘り下げはサブイベ、世界観を知る為の会話もサブイベで、謎は謎のまま放置され本編で説明されない。メインシナリオから必要な説明を切り離せば支離滅裂にもなる。メインで100%説明しサブで更に掘り下げていただきたい。

ここまで未完成になった理由としては、シームレスバトルシステムの開発に手間取ったのではと推測されている。本作は「前作までに作ったシステムのベースを全部作り直すことが開発の出発点だった」と語られており、馬場氏「本当に大変だった」長谷氏「シリーズに関わって一番大変だったのは間違いない」とのコメントが攻略本にある。
そもそも、テイルズにシームレスバトルは必要だったのだろうか。過去作のシステムを踏襲しつつ、操作性での進化こそが求められていたはずだ。

発売を急いだ理由として、年度末の決算、「20周年」という記念イヤー、宣伝TVアニメのための放送枠、発売後に開催予定の「テイルズオブフェスティバル」、次作「ベルセリア」の製作、20周年展、オーケストラ音楽会などがある。
未完成でも開発延期が許されないバンダイナムコ社の組織上の欠陥を指摘する声もある。

このようなバンダイナムコ社の姿勢は「有料β版」「未完成版」「不完全版」「機能削減版」と揶揄されている。これが俗にいう『バンナム商法』である。
テイルズが機種を変えリメイクを繰り返すことは実は初めてではない。「ヴェスペリア」のXbox版には実はパティのデータも入っていたが、PS3版を出す事を見こして登場させなかったという噂があった。この炎上は、溜まりに溜まったバンダイナムコゲームファンの不満が爆発したものでもある。

派生作品ありきで作り、肝心の本編がスカスカになっては意味がない。
誰もが楽しめる完成作を1本作った方が、結果的には長く稼げるだろう。


DLC販売への批判

アリーシャのアフターエピソードが期間限定で無料配信されることが決まったが、当初の予定だと1300円もかける予定だったようだ。これは週刊少年ジャンプなどの記事や公式サイトの表現などからもうかがえる。

よく批判される分割商法だが、課金要素が悪いのではない。
派生作品を買わせる事を前提とした本編」であるのが問題なのである。
発売からたった5日で発表されたハイペースでのDLCから、最初からサブシナリオとして製作していたのではないかという推測もある。それをDLCとして分割するために本編にあえて入れなかったといういわば「不完全商法」を匂わせている事も批判の槍玉として挙げられる。
DLCとは「買わなくても本編だけで十分に楽しめるが、買えばさらに楽しめる」と言う要素に対して付けられるべきものである。
だが、本作の場合、「DLCがなければ、アリーシャについては完全に不完全燃焼」であり、これでは分割商法と誹られても仕方ないだろう。
なおDLCのアリーシャのアフターエピソードは新たな問題や謎を提起したまま終了するためおそらくDLC「第一弾」にすぎない・・・かと思われたがDLCの続きはあるかわからないと攻略本のインタビューで明らかとなる。

ちなみに、DLCの無料期間は2月12日から2月28日までという記述だっただが実際は3月3日の午前11時20分前後まで無料期間は続いていた。告知なく無料期間を2日半ほど引き延ばしていたのではと一部で疑われたが、他のゲームでもPSストアの更新時期がズレる事はままあり、2015年3月1日は日曜日であったため無料期間の延長はPSストアの更新の関係だと推測される。
なお海外版では最初から製品版にDLCが追加されている。

なお、アリーシャ以外のキャラクターの補完や専用ストーリーはない


シナリオ面の問題点

後味の悪すぎるシナリオ

本作の不評の原因として、シナリオの完成度の低さがあげられる。

コンプリートガイドにて、シナリオ担当である山本尚紀氏(以下:山本)は「現実味のある部分を描くからこそ」と説明している。だが、やりすぎた自覚もあるようで、「なんでこんなにかわいそうな話なの?って思います」とも語っている。

シナリオでは、前半は「浄化して穢れを祓えば憑魔を元に戻せる(ただしドラゴンは元に戻せない)」という設定である。しかし、後半でスレイ達は神殿で修行を重ね、霊応力はむしろ増しているにもかかわらず、「浄化ができず殺すことでしか憑魔を救えない」というエピソードが多発する。

穢れを浄化で祓えないのならば、神殿で修行する必要性もないし、作品の根幹をなす導師の浄化設定も意味がなくなるのではないか。導師であるスレイの存在感が後半は薄れるのも自明である。中盤から設定やストーリーラインが崩壊してしまっているのだ。

プロデューサーである馬場英雄氏(以下:馬場)によると「「人を生かそう」とする主人公スレイに対し、ロゼは「仕事人として殺す」事に強い覚悟を持つ負の半身」である。ロゼの思想が「ひとつの正解」でもあるのならば、スレイの思想もまた「ひとつの正解」であるはずだ。
だが、作中でのロゼの「仕事人として殺す」=暗殺する主義ばかりが肯定され、主人公であるスレイの「人を生かす」=浄化する主義が否定され続けるストーリーは、「王道」を謡うRPGでプレイヤーが望んだものではなかった

ロゼだけではなく、主人公スレイの「人を生かす」主義も尊重してやってこそ、よりリアリティが出るし、両方のキャラクターが輝くのではないだろうか。


スタッフの「リアリティ」偏重

山本+馬場コンビのTOHやTOX2や、過去のテイルズが好評だったのは、「現実味」があること・鬱展開であることが直接の理由ではない。シナリオの筋が通っていて、プレイして面白いゲームだったからだ。スタッフは過去の成功体験に囚われているのかもしれない。

システムでもシナリオでも、適度な「現実味」、つまりリアリティはゲームを面白くするかもしれない。しかし、やりすぎればリアリティの追求がかえってゲームをつまらなくすることもある。

リアリティにこだわることは、作る側は楽しくても、プレイして面白いかというとそうでもない
リアリティを追求し、シームレスバトルで戦闘システムを劣化させたり、後味の悪すぎるシナリオになっては価値がないだろうう。

スタッフが本作でリアリティにこだわったのは理解できる。だが、そのリアリティあるゲームがプレイして面白くなかったからこそ今の現実がある。


一方的な思想の押し付け

自分の意志で悪と判断した人間を暗殺したキャラがいる作品として、TOZは過去作のTOVと比較されることがある。もちろん、TOVキャラクターがTOZスタッフの作った世界に来て、TOV時と同じようになるかどうかはわからない。この比較は、あくまで伝えやすくするための「例え話」であり、大事なことは結論部分に記載する。

TOZのロゼとTOVのユーリは、違いはあれど、どちらも劇中で「暗殺」に手を染めつつも許された人物であることは否めない。だが、プレイヤーの受けた印象にかなりの差があり、TOZとTOVの間には相違点も多い。

2作品の大きな違いは、暗殺を否定する存在がいるかいないかである。
TOV:親友フレンという「法で裁く」という思想を持ち、ユーリの「暗殺」を否定する相手がいる
TOZ:主人公スレイの「人を生かして浄化する」という思想は否定され、ロゼの「暗殺」は強く否定されることがない

ユーリは幼馴染のフレンが出世し、どんな悪も法で裁けるようになる事を望んでいるが、フレンが出世するまでに法で裁けない悪によって犠牲者が生まれることに我慢できず、その悪を殺してしまう。
ユーリの最終目標は「法による悪の断罪(つまり、ユーリの暗殺が不必要になること)」である。
殺した相手も「わかりやすい悪役」というプレイヤーの心情的に納得しやすい演出があった。

TOZでも、前半のスレイは憑魔を殺したザビーダに対して激しい怒りを感じている。
また、中盤でスレイは「ロゼに人殺しをして欲しくない」と言う。
枢機卿の話くらいまでは、生かして救いたいスレイの苦悩も、スレイの手は汚させないと言うロゼにも、プレイヤーは共感することができた。
だが、実際は後半から、神殿巡礼で霊応力は強くなっているにも関わらず、浄化が無効化されることが多くなり、結果的にロゼやザビーダと同じように憑魔を殺さざるを得なくなってしまう。

馬場氏のコメントでも、「「人を生かそう」とする主人公スレイに対し、ロゼは「仕事人として殺す」事に強い覚悟を持つ負の半身」として設定されているが、シナリオでこの設定が生かされているとは言い難い。
TOZでは、ロゼの側の信念は語られたが、その反対の信念が語られないので、一方的な主張になってしまっているのだ。
また、スレイが主人公らしい活躍の場を与えられず、最終的に主人公が信念を曲げざるを得なくなるという歪な構造はテイルズとしては異例であった。

TOZのシナリオ面での不評とは、主人公スレイとヒロインロゼの思想を両立して描ききれなかったことから来ていると言えよう。



前宣伝の問題点

本作は過去作と比べて発売前に報道された情報が非常に少なく、ヒロインについても同様だった。

馬場氏は、発売前から「(ヒロインは)ゲームを進めていくとわかるようになります」との一点張りで、その段階は明らかにはならないようだった。→『テイルズ オブ ゼスティリア』のヒロインは誰!?

公式設定資料集のアリーシャキャラデザの奥村氏のコメントによると、シナリオプロットやキャラデザが作られるよりも前、世界観やキャラの設定段階から、アリーシャはスポット参戦キャラクターだった

攻略本のスタッフインタビューによると、開発段階にて一番はじめにキャラクターデザインをされたのはいのまたむつみのライラであり、「いのまたむつみのデザインが初期構想の起点となった」らしい。
製品パッケージでは「1000年生きた天族と1人の青年が出会うとき、物語は始まる。」「数多の遺跡探検を夢見る青年スレイは、浄化の力を持つ天族ライラと出会い、憑魔と戦う「導師」となって広大な大地へ旅立つ。」とあり、ライラがヒロインであるかのような紹介となっており、ライラ以外の女性キャラクターは紹介されていない。
ライラは重要な設定を持つキャラでもあるので、元々はアリーシャでもロゼでもなくライラがヒロインだったのではないかと推測される(中盤から天族は全員空気化してしまうが)。

台北ゲームショウのトークショーにて「(ゼスティリアの)ヒロインはプレイヤーが決めてもらうもの」(自己判斷「誰才是女主角」)と説明している。
発売後にファミ通がインタビューしたところ、馬場氏は「ヒロインはロゼである」と明言しており、発売前にも雑誌編集者に教えていたという。→『テイルズ オブ ゼスティリア』馬場英雄プロデューサーに訊く、“ヒロイン”のこと、シリーズの“これから”のこと。

だが、本作の開発班と宣伝部、アニメ制作のufotable、各報道機関の取材陣との間で意思統一が取れておらず、プレイヤーに提示される報道に大きなギャップがあったのは事実であり、多くの混乱を来してしまっている

テイフェスの新作発表にアリーシャの中の人が参加しており、そのため女性キャラクターの中で一番最初に紹介されたキャラクターがアリーシャであった。
ジャンプスマートフォンアプリのソーシャルゲーム「テイルズオブアスタリア」に出演したアリーシャの解説に「テイルズオブゼスティリアのヒロイン」という記述があった。
このヒロインという記述が2月2日のアップデートにおいて「テイルズオブゼスティリアに登場」という記述に修正されてしまったのである。
同日、アリーシャのフィギュアの紹介サイトでも「ゼスティリアのヒロイン」であることを削除する動きが存在していた。電撃ホビーウェブで2014年10月28日に「『テイルズオブゼスティリア』ヒロイン、アリーシャも立体化!」と書かれていた記事が、『テイルズ オブ ゼスティリア』より、アリーシャが立体化!に差し替え。
スレイのフィギュアの紹介ページでも元は「ヒロインの「アリーシャ」(有限会社アルター制)と並べれば」という記述から、ヒロインの一文を削除されている。

ロゼがヒロインであったとしても、ロゼの外見が地味だという理由で宣伝がされなかったとしたら、それはそれで酷な話である。
ロゼの衣装は地味なものばかりだが、もう少し可愛らしい方向性で依頼しても良かったのではないか。藤島氏は可愛らしいキャラデザも得意な方である。
この点については後に、藤島氏本人から『当初はこのような物語の鍵を握る重要なキャラであることは知らされておらず、「暗殺者だからシンプルで目立たたない服装」を心がけてデザインした』ことがツイッターで語られている。

また、発売前はフィールド上でパーティーメンバーを連れ歩くことができる「同行者システム」を「売り」にしていたが、実際のゲームでは他のパーティーメンバーを同行者にすることができず、ロゼのみが同行者固定・戦闘固定となる。

結局のところ、本作の宣伝は「誰も得しない」という最低の悪手となってしまった。
この件は数々なまとめブログにて紹介された。

ufotableによるテレビアニメの問題点

2014年12月に発売前の宣伝として、ufotable制作のテレビアニメ『テイルズ オブ ゼスティリア 導師の夜明け』が放送された。
ゲーム序盤のシナリオがアニメ化されたが、その中でのアリーシャはゲームよりも出番が大幅に増えており、ゲームでは登場していなかったシーンでもスレイに同行している。また、ゲームにないコスチュームも追加され、雑誌でのアニメイラストでもアリーシャが多いなど大変優遇されていた。
こういった事情により、テレビアニメを見た多くの人がアリーシャをヒロインとして認識していた。

発売後に開催される「ufotable cafe」では版権の問題から「導師の夜明け」で未登場のキャラクターは使用できない。このため、ufotableはアニメの尺では唯一の女性キャラクターであるアリーシャをヒロインとして必要以上にプッシュしたものと思われる。


ヒロイン論争について

ヒロイン詐欺疑惑

ヒロイン」という言葉には「女主人公」「主人公の恋愛相手」「味方の女性キャラクター」「女性のライバル」「女性のキーキャラクター」「作品の象徴的存在」「看板娘」「マスコットキャラ」など様々な意味がある。恋愛展開があると単体としてのキャラクターの性格が変わってしまったり、かえってカップリングが狭まるという面もある。

TOZではロゼは本編の「主人公の相棒」としてのヒロインであり、アリーシャは後日談の「主人公」としてのヒロインである。本作はロゼとアリーシャ共に「ヒロイン」であるという構造を持っていると言えるだろう。

過去のテイルズ作品での恋愛要素の濃淡は様々であり、恋愛要素が薄い作品でもファンが好きなカップリングを想像して楽しんでおり、実際過去にここまでの炎上はなかった。テイルズはギャルゲーでも乙女ゲーでもない。スレイが誰とも恋愛しなかったからといって、一部のカップリングのファンだけが本作を批判しているのではない。

作品を楽しめなかった人をカプ厨扱いするのは思考停止と言わざるを得ない。このページでも説明されているとおり、そもそも作品全体に沢山の問題点があったという事実を逃げずに公式は認めるべきだろう。


離脱理由について

アリーシャの離脱理由については媒体によって混乱が見られる。
テイルズオブマガジンでは「従士反動」、ディレクターである長谷雄太氏(以下:長谷)と山本氏とゲーム版を元にした漫画版と小説版によると「国を守るため」、馬場氏となるとコロコロ変わり発言に一貫性がない。

テイルズオブマガジン2015年4月号においては「まだ力の弱い導士(スレイ)」に「霊応力が十分ではない従士(アリーシャ)」が負担をかけて「従士反動」を起こしてしまったという設定が語られている。
これがアリーシャが離脱を決意した理由として語られており、長谷氏が公式コンプリートガイドで語った「国の為に離脱した」という記述と矛盾するのではないかという見解もある。
しかし「他の天族達から従士反動のことを聞いて知っているアリーシャが国の為という理由付けを行った」と解釈できなくもないため、一概に矛盾しきっているとはいえないという煮え切らない展開になっている。
これだけなら後で力を身に付けたスレイとアリーシャが再会する展開になってもおかしくはないのだが、実際は一時的に再会しただけでそうならない。
この「従士反動」はアリーシャが離脱するための設定ではないのかと当初から突っ込まれている。
また「(設定的に優遇されている)ロゼが真の仲間になれるかもしれない」という要約のミクリオの台詞や、二人を区別する発言ではないかとする解釈する意見も存在する。
「真の仲間」発言は二人を区別しているように聞こえるという意見から批判が噴出していたのであるが、この「従士反動」は本来この「真の仲間」発言が批判された疑念を補強するような設定であると言えよう。

5月8日に行われた馬場氏のインタビューでは、ロゼを仲間にする際、つまり「真の仲間」発言の際については「ヘルダルフに敗北した後、性急でやや強引に思える行動も、挫折を経験したがゆえの焦りが原因」と説明している。
従士に求める役割とは「従士契約についても補足しますと、憑魔(霊応力がないと見えない敵)と戦える人員を増やすことが従士契約の本意ではありません。人々から奇異な目で見られがちな導師が、一般の社会とコミュニケーションを取り、その関係を維持していくことをサポートしてもらうことが、従士を得るいちばんの目的となります。」と説明している。

この「従士反動」は登場人物にはどうする事もできない自然現象なので、登場人物を責めても仕方のない事ではないかとする意見もある。現実的に考えれば、スレイが戦闘面の前衛主力であり、天族がスレイなしでは人間社会との接触を持てない事などを考えると、様々な行動の要であるスレイが盲目のまま旅を続けるのは非常に厳しい。
作中この時点で従士反動への解決法は存在しない
登場人物がやれることは、同行できる期間を少しでも引き延ばす事くらいである。

従士反動への具体的な解決法が提示されるのは物語終盤であり、スレイは「アリーシャのような従士が力を振るえるかもしれない」と発言し、マオテラスを浄化し大陸全土に霊応力を注ぐため、マオテラスの器となり眠ることを決断する。
アニメのコンテによると、天族たちは最終決戦の際ジークフリードによる死を覚悟しており、スレイが人柱となることをあわせて考えれば、国の未来を担うアリーシャを最終決戦に付き合わせるわけにはいかない。

しかし、後者の意見においてもゼスティリアの世界に「従士反動」が存在すること自体については擁護しきれない。メタ的な視点において、そもそもこの設定自体が必要であったのかどうか、この「従士反動」はそもそもアリーシャを離脱させるために製作者に作られた設定ではないのかという製作者の意図や思惑についての疑念は未だに残る。
離脱するにしても「従士反動」は心情的に納得できる理由ではないだろうし、ストーリー展開の強引さや演出力・セリフの不足を否定することはできない

また後日談『瞳にうつるもの』ではロゼとアリーシャが従士契約をするが、ロゼには一切従士反動がおきないどころか、ロゼやライラはおろかアリーシャすら反動について全く言及しないとまるで最初から従士反動なんて設定が存在しないかのように扱われている。

長谷氏は「アリーシャのキャラクターを考えた場合、彼女はスレイ達との冒険よりも、王族として祖国を守る道を選ぶだろう」と説明している。
だが、後述のとおり本作は「あえてセリフで説明しない」という演出方針をとっていたため、キャラクターの心理描写が不足している。

ハイランド国内での扱いへの不評

離脱後のアリーシャの国内での扱いだが、バルトロからの嫌がらせは「素直にアリーシャの道を応援できない」とプレイヤーに感じさせた。
アリーシャは後半では支援者が増えてくる。だが、それまでのバルトロ大臣の嫌がらせが執拗すぎ、離脱後のアリーシャの「国を守る」という行為の意義がプレイヤーに薄く見えてしまう

単純に、「不愉快」「気分が悪い」「後味が悪い」「いい年したおっさんが若い女の子をいじめるのが気持ち悪いんだよ」など、生理的な嫌悪感・拒否感を持つ人も多い
後半にバルトロは失脚し、アリーシャが出世するが、それまでのストレスに耐えきれず「途中でゲームをやる気がなくなった」という人も多い。
アリーシャの成長を描くという目的ならば、ロゴスやドラゴン退治、後日談など専用エピソードで十分である。

国内での不遇はただプレイヤーに不快感を与え、やる気をなくさせる効果の方が大きかった。
一旦キャラを下げるのもやり方としては当然あるが、それが致命的に下手くそなのだ。


暗殺者ロゼについて

主人公はロゼなのか?

本作で最も話題になるのが暗殺者ロゼというキャラクターである。

TOZの問題点をまとめるなら、アリーシャ関連は一部にすぎず、大きな問題点は主人公スレイよりも尊重されるロゼの価値観が受け入れ難いものだったことである。

ロゼは多くのプレイヤーから「ロゼがわからない」「ロゼの思想が受け入れられない」などと言われることが多い。
発売前、発売後共に女性キャラの人気投票ではエドナが首位で、次にアリーシャロゼの順番であることが多く、ロゼの順位は安定して低い(希にアリーシャを抜くこともあるが)。

一方で、馬場氏によると、ロゼは、
癖がなく誰もが好きになるようなキャラクター
僕に似てますね
(ロゼが)好きですねぇ」との評である。

クリエイターがキャラクターに感情移入することは必ずしも悪ではない。
ただ、プレイヤーからは『馬場氏はロゼに自己投影しすぎている』という前提を踏まえた上で批判している人も少なくない。

馬場氏は「ロゼは、スレイたちの心理的、内面的なカウンターを担うキャラクターとして、彼らと対になるような形で描きました」「きびしい現実の中で「人を生かそう」とする導師が、必然的にぶつかってしまう大きな壁・・・スレイの純真さだけでは越えられない壁を打ち破るための鍵が、「仕事人として殺す」ことに強い覚悟を持っているロゼの存在」と語っている。
シナリオの山本氏はロゼを「感覚的に正しいことをつかめるキャラクター」「暗殺を肯定するようなずれた部分を持っているが、それは現実的に考えるとひとつの正解でもあるんじゃないか」ととしている。

馬場氏と山本氏が、人を生かそうとするスレイの対として、暗殺を肯定するロゼというキャラクターを作り、彼らの思想を両立して描く気があったならこのコメントは理解できる。
問題なのは、主人公スレイの「人を生かす」主義が否定され続け、ロゼの「殺す」主義だけが一方的に肯定された点である。
ロゼはヒロインではあっても主人公ではない。スレイの思想よりもロゼの思想が優先されるのは「やりすぎ」である。
また、暗殺を肯定するロゼの価値観は、現代の倫理観を持つプレイヤーに「感覚的に正しい」とはどうしても受け入れられ難い。
さらに、暗殺は必ずしも「リアリティ」がある選択ではない。現実的に考えるなら、暗殺は更に混乱を生み事態を悪化させることもありえるからだ。

ロゼは「そんなこと(殺し)をしなくてもよくなる世界が一番良い」と言っており、喜んで人殺しをしている訳ではないが、このセリフの回収がないため伏線が不自然に放置されている。
暗殺者のロゼがヒロインであるのならば尚更、ヒロインが暗殺から足を洗い商人として生きるなどの「王道」展開をプレイヤーは期待するが、その希望は裏切られる。

ゲーム中では、ロゼの価値観の持ち上げもさることながら、ロゼだけが戦闘固定・同行者固定となったことも更に余計なヘイトを生んだ
せめて同行者会話なしでも、前宣伝どおり、他のパーティーメンバーも選べるようにするだけでも評価は違っただろう。

「お気に入りキャラを盲目的に賞賛させる」という手法は、クリエイター側が想定する以上にプレイヤーに大きなストレスを与える
クリエイターが伝えたい作品テーマをキャラに盛り込んでも、それがプレイヤーに受け入れられるとは限らない。
程度によっては作品ブランドに致命的な傷を付けることもありえる。→■■■■■


後日談『瞳にうつるもの

後日談でロゼとアリーシャが喧嘩するシーンで、ロゼは「仲間じゃないよ。とっくにもう別の道歩いてる」と言い、アリーシャが「わかるわけがない」「ロゼが何も言わないから」と言い返す。
一悶着を経て彼女らは和解し、協力して敵を倒すことになるが、その後での会話。

 ロゼ「ミクリオがさ、あたしを旅に誘ったときに言ったんだ。
    同じものを見て、聞くことができるのが真の仲間だって」
 ロゼ「あたし、アリーシャとは仲間になれないと思ってた。
    だってあんたはお姫様で騎士で政治家で女の子。ふつうに考えてあたしと違いすぎるっしょ」

ロゼは「お姫様で騎士で政治家で女の子(アリーシャ)と、戦災孤児・暗殺者である自分(ロゼ)とは、同じものを見て聞くことができない(別の道を歩いている)から真の仲間になれない」と考えていたが、それを改める。
ロゼとアリーシャの違いとは、「別の道歩く」こと=体験を含めた見識の違いであり、霊応力の違いを言っているのではない。
よって、作中で言われる「同じものを見て聞くことができない」こととは、 視覚的なものの見方や、単純な霊応力の違いを表しているとは読み取れない。

ただ、厳しい意見としては、ロゼはマオクス=アメッカ(笑顔のアリーシャ)というスレイから与えられた真名を一方的に奪い取り、イスリウィーエブ=アメッカそぞろ涙目のアリーシャ)という渾名をつける。 アリーシャ自身はそれが「そぞろ涙目」という意味だと知らない。
最終的にアリーシャは師匠の幻影を自分で刺し殺す事に抵抗を覚えなくなる。
なおDLCシナリオラストバトルにおいてロゼはアリーシャのことを「神依も出来ない役立たずは下がってて」と言う。
このような描写からいじめの現場みたいだと厳しく批判する声もある。 ちなみに上記の真名はただの嫌がらせという事が設定資料集で発覚している。

フォローとしては、ロゼがアリーシャにこの時厳しい態度をとるのは「アリーシャがスレイの現状を知ったらショックを受けるからあたし一人で何とかする」という理由あっての事であり、あえてアリーシャから嫌われるために厳しい言葉を吐いている面もある。
また、ロゼからアリーシャに友情を感じている描写もある。アリーシャもロゼに親愛を感じており、最終的に彼女達は和解する。
ただし、ロゼとアリーシャのファンからも「もうちょっとロゼとアリーシャが仲良くしてる場面を見たかった」「ファン同士が非常に神経質になっているところに、あえて挑発的な物言いをさせるメリットはない」という声は多い。
また、ゲーム本編のロゼはアリーシャに優しかったのだが、後日談での急なキャラの変化にプレイヤーがついていけない。

良かった点としては、DLCのシナリオの最初、アリーシャはスレイの事をずっと仲間だと思っていたが、ハイランド王国の政治家・姫としてそんな気持ちは迷いなのではないかと考えていた。
そして、シナリオの最後で自分のスレイを想う気持ちが間違ってはいないと自信を持つことができた。
という「アリーシャがスレイを想っているシナリオ」の大筋であるスタートとゴール……言い方を変えるならばロゼが関わってない部分はそこまで異常なものではない事があげられる。

良い意味でも悪い意味でも「アリーシャが真の仲間になってしまった」とも一部では言われている。

なお、アリーシャ以外のキャラクターの外伝などはないそうだ


声優に関する疑惑

あくまで疑惑である。再三になるが、どう見るかはその人次第なので、下記もそのつもりで読んでもらいたい。

馬場氏は小松未可子氏(以下:小松)のファンである。
そして馬場氏の小松氏への「情熱」から、ロゼと担当声優の小松氏には共通点が指摘されている。あくまで一つの仮説として置いておく。

  • ロゼと小松氏の身長は両者とも160cmである。
  • 小松氏の座右の銘:I am me.(私は私) ロゼの真名『ウィクエク=ウィク』の意味は『ロゼはロゼ
  • 小松氏は男みたいな女みたいなキャラが得意だと自負している。
  • 小松氏は『名探偵コナン』のアニメをよく見ていており、演じてみたかったまたは憧れていたキャラとしてヒロインの毛利蘭を挙げているが、毛利蘭とロゼは幽霊嫌いという共通の設定を持つ。
  • 小松氏が好きな映画は『名探偵コナン』劇場版の『瞳の中の暗殺者』。後述するゼスティリアのDLCサブタイトルは『瞳の中に映るもの』でロゼを指すという解釈がある。またロゼは『暗殺者』である。
  • 当映画においては『左利きの銃』と『傘』が重要なキーアイテムである。ゼスティリアではザビーダは左手で銃を撃ち、エドナは傘を持つ。
  • 当映画において蘭が記憶喪失になるが、デゼルも記憶喪失である。
  • 当映画の主題歌『あなたがいるから小松未歩)』において「もしもこの世に汚れがなければ姿を変えずに愛し合えたのに」という歌詞が存在する。ゼスティリアにも「穢れで姿を変える」という概念が重要である。
  • ゼスティリアにおいて『コナン皇子』というローランスの第二皇子が登場。彼はロゼに求婚しようとした人物だった。しかしコナン皇子は憑魔になって始末される。
  • 小松氏の曲に『情熱』というものがある。ゼスティリアのジャンル名は「情熱が世界を照らすRPG」である。更に「薔薇(フランス語でRose)」の花言葉の一つに『情熱』がある。
  • 同じアルバムに『THEE Futures』(あなたの未来)というアリーシャアフター的な名前の曲がある。歌詞に「そぞろ」って言葉が出てくる。これはそぞろ涙目のアリーシャを彷彿させる。
  • 小松氏の好みのタイプは「心が豊かな人」 ゼスティリアは「zest」からの造語でファミ通の馬場英雄氏インタビュー曰く人が持つ「心の豊かさ」を掘り下げたかったため入れたかったという発言。
  • 小松氏の声優としての活動期間は2010年4月の『HEROMAN』のジョーイ役がデビュー。ゼスティリアの発売は2015年で声優としての小松氏は5年目の活動となる。一方ロゼの所属している『風の骨』が暗殺ギルドとして活動を開始して『5年で100人殺している』という発言がある。小松氏も風の骨も5年目の活動。
  • 小松氏は声優を行う前はアイドル活動を行っていた。風の骨で暗殺ギルドを行う前は傭兵ギルドを行っており「別の仕事」を行っている。
  • デゼルの名前の元ネタはファッションブランドの「ディーゼル(Diesel)」ではないかと言われており、このブランドは馬場氏のお気に入りである。更にイベントで馬場英雄Pが来ていた服と帽子は、デゼルが着ていた衣装とほぼ同じである。この事からデゼルのモデルは馬場氏ではないかという意見も存在する。そしてデゼルはロゼを庇って死ぬ。
  • 小松氏は以前ネコキャラをやっていた。ロゼの魅力として出ている「にゃんこっぽい口」……まさかね。流石に、これはこじつけだろうが、本作の映画版では、デゼル役の小野氏のキャラとネコが相棒という関係になっている(アニメ本編では仲が悪いが……)。
  • 上記のアニメのwebラジオでは、小松氏とザビーダ役の津田氏がパーソナリティを務めている。デゼルの後釜にザビーダが入ったのは何か関係があるのだろうか?

こじつけが過ぎるかもしれないが、馬場氏は小松氏のファンであることを明言しているのである。
どこまでこれらの情報をロゼに取り入れたのかは不明であるものの一つの仮説として表記しておく。

このような事態は20年にもわたるテイルズオブシリーズでもゼスティリアが前代未聞である。
各テイルズキャラへの余計な風評被害防止のためにあえて該当キャラ名を挙げないが、実は過去にも馬場氏をモデルにデザインされたテイルズキャラは数名いる。
それでも、当シリーズにおいてこのような『シリーズ責任者による壮大なラブレター』という行き過ぎた私情を挟んだケースは今回が初である。
ロゼのような他者を殴りつけ殺しても罪悪感を感じず平然として居られるような人物を「賞賛」する展開は、王道に泥を塗る行為であり、その結果コレジャナイといえるような何かが生まれてしまったと言わざるを得ない。
問題点論議にそこまで熱心ではないものの「もうちょっと上手くやれなかったものか」「もったいない」と感じたプレイヤーも多いだろう。


ただし

声優はむしろ巻き込まれた被害者ともいえるので、この件を理由に声優への批判を行ってはいけない
また、馬場氏による過剰な感情移入によりロゼがプレイヤーからの好感度を下げたことは、ロゼにとっても不幸な事ともいえる。

また「一部の先鋭化するアリーシャファンに付いて行けない」「作品の批判がアリーシャファンと混同されないか心配」「他キャラクターのことを好きでもないのにアリーシャのカップリング相手にはするのが嫌」「クロスオーバーで他作品のキャラが巻き込まれるのが嫌」など様々な感想が見られる。


騒動に対する公式側の反応

スタッフの解説

公式コンプリートガイドのインタビューで馬場氏と長谷氏による解説もあるが、まさかの「(DLCの)続きは作ってない」「作っていいと言われたら考えます」との表記。
DLCまでやっても物語は未完で終了?というファンの悲観的予測を斜め上に超えた結末を見せた。この先続編が作られる可能性はあるが、まだ各方面での承諾を取ってはいない状態のようだ。
と思いきや、DLCクリア時の「to be continued…」は『ゼスティリア』本編のエンディングへ続くという意味だという言い訳が後のファミ通インタビューでされた。
というのも「to be continued…」とはファンの間であると信じられていた、言わば都市伝説染みた存在しない単語であり、その事に言及せずに上記の言い訳をするというゲーム内容を制作側が理解せず、平気で嘘をついたというとんでもない事実が発覚しただけに終わっている。

また「こういった冒険ものでお姫様が登場すると、一緒に旅することもある。立場的に許されるなら問題ないけれど、アリーシャには背負わなきゃいけないものがある。アリーシャのキャラクターを考えた場合、彼女はスレイ達との旅よりも、王族として祖国を守る道を選ぶだろう(長谷)」と語っている。

問題なのは、「説明しすぎるとかっこ悪いというか興をそいでしまうので、大事なところは秘めています(長谷)」と述べており、本作全体の演出方針として世界設定やパーティーキャラクターの心理描写についてあえて掘り下げず、心情をセリフで説明する努力をしなかった点である。

このシナリオの説明不足については大きな批判を受けており、発売後の馬場プロデューサーは「これからはよりストレートに描写することを志向していきます」と、描写不足をほぼ認める発言をしている。

漫画版、小説版では尺が短い面はあるものの、本編の補完本として一定の評価を受けており、漫画版・小説版の作者はともにあとがきやツイッターで「わざわざセリフ(文章)にして全部説明するようにした」という主旨の発言をしている。

クリエイターが頭の中で何かを考えていても、作中で説明されなければプレイヤーには伝わらないのだ。


公式インタビュー

このような事態を受けて、ファミ通webにて馬場氏によるインタビューが行われた。
『テイルズ オブ ゼスティリア』馬場英雄プロデューサーに訊く、“ヒロイン”のこと、シリーズの“これから”のこと。
このインタビューを読んだ上でどのように感じるかは各自にお任せする。

なお、ヒロイン以外の問題点に関するフォローは未だない。



騒動の決着

以下の手順を踏んで、ゲーム発売から約2年間近く及ぶ『テイルズオブゼスティリア炎上騒動』はようやく決着した。

当時の担当Pに対する署名活動及びその結末


本作品の広告方法や、内容やDLCの販売方法の瑕疵から、馬場氏に対してプロデューサー業務解任を求める署名活動も行われ、ネット上で5000件の賛同を目指し3027件の賛同が集まった。
この数字は署名サイトの中では比較的少ないものの、テイルズで署名活動が行われたこと自体が異例とも言える。

上記の署名が影響したかどうかは不明だが、実際に馬場氏はバンダイナムコゲームスを退社した。
馬場氏は次回作であるベルセリア(2016年8月発売)のIP総合プロデューサーを務めたが、その後2016年10月にスクウェア・エニックスに入社した。
その後、2017年にスクウェア・エニックス・ホールディングスは株式会社スタジオイストリアを発足し、馬場は同社の代表取締役となった。
そのため、現在はスクエニ側の新規RPGプロジェクト「Project Prelude Rune」の開発に取り組んでおり、結果として馬場はテイルズの現場を離れることとなった。
なお、『テイルズオブシリーズ』の新しいプロデューサーについては、馬場氏がバンナムを離れる前に深谷泰宏氏がプロデューサー業務を引き継いでいる。


その後の「ゼスティリア」自体の動き


ゼスティリアの「ゲーム」自体は上記の『馬場氏の解任』という著名を口実にした証拠隠滅に近いかたちで無理やり丸められたと言っても過言ではない。

ゼスティリアという「物語」そのものについては、ゲーム発売から2年後にアニメ『テイルズオブゼスティリアザクロス』を放送というかたちで、公式からユーザーの後味が良いゼスティリアが提供された。
こちらは、ufotableの重役が自ら脚本を務めてシナリオ部分が極力見直されてつくられている。

例として、ロゼとアリーシャの扱いを取り上げると、

  • 二人のキャラをより掘り下げるタイミングを確保
第1期の中盤で「暗殺者とターゲット」というかたちであるものの、グレイブガント盆地突入前にゲーム中では登場しなかったロゼとアリーシャが接触するシーンがオリジナルで追加されている。
しかも「瞳にうつるもの」のようなドロドロした展開ではなく、真っ直ぐに互いの信念をぶつけ合い、認め合って共闘する約束を取り付けるという内容になっている。
アリーシャサイドの方は、ゼスティリア本編と前後して第1期最終回に従士契約をもっていったことで、離脱後も繋がりが出来た(下記参照)ため、アリーシャの行方がゲーム本編みたいにいい加減な憶測にならずに済んでいる。
別れる前に従士契約を結んだことでアニメオリジナル設定である従士の能力「導師との遠隔対話」が発動し、離れていてもお互いのことをある程度把握出来るようになっている。
第2期では、最初は別行動をしつつも「レディレイクのドラゴン」の一件でスレイと遠隔対話でやりとりをしながら次第に合流し、終盤のレディレイクで正式にパーティ加入した。
ロゼサイドの方も、序盤の「ローランス編」で「届かない理想より目の前の正義」という親代わりだったブラドの信念を引き継いでいることが明かされ、更にスレイの憶測というかたちであるもののゲームでは謎だった暗殺家業を続けてきても穢れなかった理由が『誰かのためになると信じて、穢れを受け止めてきたから』という風に明確に描写された。
セキレイの羽と風の骨の二足のわらじを履いている点もゲーム同様だが、スレイとライラの話を聞いて世界を正すための己の正義と暗殺という手法が根本的な解決にならないことに対して葛藤し、最終的には己の信念のために従士になることを決意するシーンが追加され、より加入経緯に説得力が増した。
上記のような大幅な背景描写の追加によって、ゲームでは説明不足だった『どのような気持ちで「暗殺業や従士の仕事をこなす覚悟」を決めたか』が分かりやすくなっている。
これらの大幅な描写によって視聴者がアリーシャとロゼの両方に感情移入しやすくなった。

  • 能力格差の平等化
ライラを始めとした天族達が不自然にロゼを持ち上げだすきっかけとなったゼスティリア本編での二人のあからさまな能力の格差も解消されている。
新たにアリーシャの神依化が追加されたことや、その神依を発動する修行過程でアリーシャとロゼの両人が神依に苦戦する様子などが描かれた。
ロゼの方も「長期間のデゼルの干渉によって霊応力が高く、恐怖心を取り除いた後は自力で天族が見える」という点はゲーム同様であるものの、ゲームではすんなり発動出来た神依をアニメでは苦労して発動し、更に解除後もアリーシャ同様に負担がかなりかかっていた。
このように、ゲーム版程2人の実力差が開かずに済んでいるため、ダブルヒロインのような扱いがしやすくなった。

という状況である。


また、主人公であるスレイについても、

  • 導師と従士の違い・穢れについて
アニメでは従士契約のリスクとして「導師が死ねば共に命を失う」というオリジナル設定が追加され、更に「従士自らが浄化の力を使うことは出来ず、導師が受け止める穢れを軽減する」というオリジナル制約も追加された。
これによって「真の仲間」の原因が取り除かれ、同時に『導師と従士の違い』がより視聴者の目に分かりやすく映るという副効果も得た。
ちなみに、契約の際にアリーシャとロゼ双方ともこのことを聞いた上で承認し、契約を行った。
アリーシャの方はスレイが力を使い過ぎて気絶していたもののライラに直接聞いており、ロゼの方もスレイと一緒にライラから聞かされている。
導師の浄化方法や穢れの概念についてもより明確化しており、穢れが「人の心に生まれる悪意や罪悪感、悲しみなどの負の感情」という大元の設定を残しつつもアニメではマーリンドに登場する村人を例に出してそのメカニズムをより分かりやすく視聴者に伝えている。
また、浄化の方法もゲーム本編では「浄化」の描写不足で中ボスクラスの憑魔でもひたすら敵を倒して終わりだったため、浄化というよりは「ただ殺すだけ」という魔物討伐に近い印象を与えていた。
アニメでは、『「相手の穢れを受け止める」という浄化方法の設定』が追加されたため、必然的に相手の穢れについて向き合う必要性が出てきた。
これによって穢れそのものについても「発生した経緯」というストーリーが生まれた。

  • スレイの性格
ゲーム中では比較的常識的で達観した性格だったため、前半の人数が少ないうちは物事を慎重に判断しつつ歴代主人公同様に積極的に問題解決に乗り出していたものの、後半ではほとんど天族やロゼなど癖が強いメンバーの行動や発言に振り回されてついて行ったり周りの意見で決断しているだけの場面が増える。
このため、プレイヤー側には急にスレイ自身の主体性が無くなったような印象を与えていた。
ゼスティリアザクロスでは最初からスレイ自身の持ち味である思慮深さは残しつつも、歴代主人公のような熱血性質も多少ブレンドしたことで全編を通してゲーム内よりも積極的に動くシーンが増えた。
アイゼンを浄化するためのドラゴンの浄化方法もメ―ヴィンに尋ねたりして調べ、最終的に「ドラゴンの穢れを受け止める」という答えを導き出しているため、投げっぱなしになっていない。
また、ゲーム本編の純粋さやある程度の冷静さは残しつつも感情表現がより豊かになったため、主人公としてより親しみを持ちやすくなっている。


これらの他にも幾つかの「シナリオや設定の描写不足や矛盾等の問題」を解消したことで、アニメ版のキャッチコピーである『導師の旅路はゼスティリアを超える』という内容を見事に成し遂げた。



最後に

この『テイルズオブゼスティリア騒動』によってテイルズファンに刻まれた傷はとてつもなく大きい。癒えることは並大抵のことでは不可能であると思われる。
今後もシリーズが続いていくのであれば、製作者側には当然ではあるがプレイヤーのことも考えた真摯なゲーム作りを心がけてもらいたいものである。


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