キロランケ
きろらんけ
概要
ロシア系のアイヌ族。アシリパの父親と一緒にロシアから北海道に移住してきた為、アシリパとは家族ぐるみの付き合いである。アイネ装束と濃いヒゲがトレードマーク。
日露戦争帰りの元工兵であり、火薬の扱いに長けている。好物は魚。
小さい頃から馬に乗っていた為、ある時に競馬に出場する事になった際にも優勝できるほどの馬術を持つ。それほどの馬好き故に馬肉は絶対に口にしない。(知らずに口にした際は吐き出した)
網走監獄から脱走した刺青の囚人の事を知っており、成り行きから杉元佐一一派に加わる事になる。だが、まだ何か秘密を隠していると杉元は睨んでおり、頼もしいが謎の多い人物。
なお、既婚者であり、妻と二人の子供がいる。
作中での活躍
魚を獲る為川を訪れた杉元達よりも先に、川でイトウを獲っていた。偶然の再会かと思われたが、彼はアシリパにある事を伝える為にわざわざ集落で待っていた。
杉本一派に加わって以降は、何かと卒のない立ち回りで杉本たちを援護している。
※ネタバレ注意
アイヌの女占い師インカラマッからアシㇼパの父・ウイクルを殺した男と語られる。
さらに彼女の占いで「アシㇼパの同行者(杉元・白井・キロランケ)に危険な裏切り者がいる」とも出ていたため、三人の中でもキロランケは頼もしくも当初からきな臭い存在であった。
そして138話。
網走刑務所で囚人のっぺらぼうを巡る戦いのさなか、インカラマッが屋根の上からどこかへ合図を送るキロランケを目撃していたことが判明。
そしてその回で、尾形と共にアシㇼパと白井を拉致し、樺太へと渡ったことも判明した。
159話では樺太から国境を越えてロシア領に入る計画を立ている。
そして160話で驚愕の経歴が明かされた。
それが、ロシア皇帝アレクサンドル二世を僅か十代半ばで爆殺したテロリスト。
帝政に反目するパルチザンの一派であり、革命派の英雄的存在。
北海道のアイヌコタンにいたのは、ロシアから政治犯として指名手配犯され、潜伏先にしていたため。
さらに162話にて、ロシア名がユルバルスであることも判明した。
現状、彼の真の目的については判然としないものの、金塊を同志の解放や軍資金に当てることは容易に察しが付く。
アシㇼパへの対応も、ウイクルの「一人で戦えるよう仕込んだ」との言と、ウイクルがロシアで反勢力活動にかかわっていたことが示唆されているため、広告塔としての利用が懸念されている。
名前について
アイヌ語で「キロ=ちから」、「ランケ=下す」という意味で、キロランケとは「下半身が力強い」という意味となる。これはアイヌ語を監修している中川氏の命名。