この場所は精神を欺く…私は絶えず、夢を見ているのか、それとも起きているのか自分に問いかけていた。
あのおぞましい怪物はその境目を越えられるようだ ― 現実の世界と、夢の世界の境界を。
哀れな犠牲者が奴に狩られるのが見えた、私ほど幸運ではなかったようだ。
帽子に、爪を取り付けた手、酷い傷跡を負った男。
奴が私に気付いた。次に何が起きるのか、予想もつかない。
夢が迫ってくる、私はここで死ぬんだ。
だが、目覚めた。
焚き火の傍で起きた時の場所とは違う。
ただ…この不気味な森の中で目覚めただけだ、あの悪夢の記憶と共に。
今は、寝る事も、起きている事すらも恐ろしい。
概要
[THENIGHTMARE]とはゲーム「DeadbyDaylight」に登場する殺人鬼の一人。
映画「エルム街の悪夢」シリーズに登場する殺人鬼「フレディ・クルーガー」である。
以降「フレディ」と記述する。
背景
彼が生きている間さえ、フレディクルーガーの本性を知っている人間にとっては悪夢の怪物であった。
暖かさと優しさのマスクの裏に隠れた、フレディの実際の本性は彼の犠牲者だけが知っていた。
それらの犠牲者が最後に聞かれた時、スプリングウッドの親達はフレディを探し出し、彼ら自身の手で裁きを行った。
彼らはあの夜に炎が怪物を滅ぼし、自分達の子供が遂に安全になったと考えたが、邪悪は強く、生き残る術を持っている。
何年も経ち、恐怖は埋葬され犠牲者達は幸いにも忘れられた。
そして、何とかフレディは戻り、夢はもう一度悪夢になった。
フレディの怒りは自分が不当な扱いを受けた感じた事、つまり、彼の本当の強迫観念であるナンシー・ホルブルックへと向かった。
しかし、彼は彼女の強さと機知を過小評価していた。
彼女の友人であるクエンティンと共に、彼女はフレディを弱体化させ、切り裂き、彼を死に至らしめた。
死はフレディが最初に遭遇したことを望んでいなかったが、なぜ、死が彼を連れて行くと思った?
彼は再び現れ、復讐をした。
それからナンシーへと続く彼の道を塞いだ少年へとフレディは目を向けた。
フレディはクエンティンの夢を侵略し、夜な夜な彼を暴力で満たし、彼の強さと守りを地へと堕とした。
時が来ると、彼は少年にバダム幼稚園の暗い投影に戻させた。
ここで彼は最後の復讐を行うだろう。
彼は幼稚園のホールでそっと少年の跡をつけた。
彼は時間を掛けじっくりと、狩りのあらゆる瞬間を味わった。
これは彼が一番楽しんでいたもの、漂う汗の匂い、恐怖で震える吐息の耳障りな喘ぎだ。
フレディはそれらで少年を弄んだ。
長い廊下の端に少年がいた。
あまりの疲労と恐怖でもう走れないのか? 運命だと諦めたのか?
フレディは少年に迫り、腕を広げ、鉤爪で壁を引っ掻いた。
鉤爪の先端はパイプをなぞり、金属の金切り音は少年の不安にのみ加わった。
火花が地面に降り注ぎ、タイル張りの床を覆う液体の中に落ちてきた。
青い炎が花開き、すぐに部屋を包み込みんだ。
クエンティンは、炎から飛び出す、怒りに満ちたフレディの姿に慄いた。
部屋や壁がぼやけ、フレディの地下室へと変わっていった。
もう、逃げ場は無かった。
フレディが彼に向かってゆっくりと近づいた。
彼の恐怖はフレディの望み通りに強くなっていた。 しかし、クエンティンの目は挑むような憎しみに燃え、称賛に値するほどだった。
フレディが鉤爪を振り上げたその時だった。
何か旧く、強大な、闇の存在が現れたのをフレディは感じた。
瘴気が彼を包み、遠くで木の柱が曲がり、軋むような音だけを感じ取っていた。
金属がひしゃげる音が反響している。 不可解で認識することのできない、言語と純粋な恐怖の間に在る存在がいる。
体が落下し、回転したような瞬間の後、フレディはバダム幼稚園へ戻ってきた。
しかし、彼のいた場所ではない。 外見は同じだが、何かが違っていた。
彼は自身の力が増大しているのを感じ、他に目を向けた。 あの少年は消えたが、他の獲物が廊下を歩いてくるのが見えた。
そんなことは重要ではない。 別の人間でも、彼の新しいお気に入りになるだろう。
全ての獲物は、彼の爪の前にひれ伏すのだ。
性能
原作の「悪夢の中で人々を殺して回る」という設定はゲーム内でも忠実に再現されている。
通常状態ではフレディは生存者に一切干渉できない。攻撃はおろか接触判定すらなく、体がすり抜けてしまう。
その為、フレディには固有能力「Dream Demon」が与えられている。「Dream Demon」を使って生存者を悪夢、通称ドリームワールドに引きずり込む事ではじめて攻撃可能になる。
また、生存者側からも眠らない限りドリームワールド内のフレディの姿を捉えられないのも特徴的。レイスの中途半端な透明化と違い、こちらは完全な不可視状態であり、索敵に有利。
ドリームワールドに入った生存者は、加えて視界悪化、行動速度50%ダウン、心音範囲外にいると自身のオーラが可視表示化されてしまう、と様々なマイナス効果を与えられ良い事がない。
特にオーラ可視表示化は強力で、この能力のせいで生存者はフレディを撒いても撒いてもすぐさま追い付かれてしまう。
悪夢から脱する為に生存者は「覚醒している生存者と合流し、起こしてもらう」「スキルチェックを失敗し、その衝撃で覚醒する」のどちらかを強いられる。
メメント・モリは生存者をゆっくりと立ち上がらせ、背後から鉤爪で体を貫くというもの。他の殺人鬼のメメントと比較するとスタイリッシュさがいくらか強調されている。
なお、このキルモーションは原作でも登場している。
PERK
Fire up
発電機の修理が進むと行動速度(移動速度ではない)が上昇する。パレットの破壊速度だけでなく、発電機の破壊や担ぎ上げ、窓枠越えの速度も上昇する。
窓枠越えを速くするパークは2018年7月現在、Fire upとクラウンの固有パークのBamboozleのみ。
Remember me
オブセッション状態を生存者のうち誰か1人に付与し、その生存者を攻撃する度にゲート開放時間が5秒ずつ延びていく。
ドリームワールド内での行動速度50%ダウンのペナルティも合わせれば最大でゲート解放に100秒(なお発電機を1人で直すのにかかるのが80秒)要する状況すら作る事ができ、そうなると正に悪夢。ノーワンとの相性は言わずもがな。
ちなみに「Remember me」というPERK名は原作由来。わざと被害者をすぐ殺さずにいたぶる原作のフレディを象徴するセリフでもある。
Blood Warden
脱出ゲートが解放された後に生存者をフックに吊るすと一度だけ発動する。ゲートがエンティティに塞がれ、生存者は60秒間ゲートから脱出できなくなる。
後述するフレディの弱点を補ってくれるPERK。思惑通りに事が進めば最後の最後で生存者達の希望を摘み取れる。
アドオン
原作の「幼稚園の庭師兼管理人」という設定を踏襲し、幼稚園や庭師関連のアドオンが多数ある。しかし中には明らかに幼稚園児の私物も混じっており、彼の紳士性も垣間見える。
VRアドオンの「Class Photo」は誰かを眠らせるとしばらくの間その他全員の生存者の位置がわかるという、直接の殺傷性こそないものの全殺人鬼中トップクラスのアドオン。生存者を悪夢に引き込んで回るプレイングが可能になる。
長所
眠らせるまではこちらの姿が不可視なため、生存者の索敵は他の殺人鬼よりも簡単。というか向こうからこちらに飛び込んできてくれる事さえある。
同じく索敵が得意なレイスとの決定的な違いは、チェイス相手以外の生存者も悪夢に引き込んで遅延できる事。生存者を見つけたらとりあえず眠らせておくだけで進捗が目に見えて遅くなる。
ドクターほどではないがフレディは全体の状況把握能力にも優れている。チェイスのついでに眠らせた生存者の動向や覚醒の仕方(他の生存者に起こしてもらったか、それともスキルチェックの失敗で起きたか)を見ておくと3人目、4人目の生存者の位置も大まかながら推測できるかもしれない。そこをさらに眠らせにいけば生存者達はもう修理どころではない。
また、「Dream Demon」の特性上、発電機が全て直ってからゲートが開くまでがフレディが一番強い時間帯。この時間帯のノーワンは特に猛威を振るう。この時間を延ばす為にも、是非ともRemember meも一緒に持ち込みたい。
短所
まず能力を見れば分かる通り、生存者への接近こそ容易だがチェイス補助の能力が一切ない。
大抵の殺人鬼はワンパンを繰り出したり生存者の行動を制限したりと何かしら工夫できるのだが、フレディにはそれすら無く、故にプレイヤーの純粋なチェイススキルが求められる。
幸い足は速い方。さらに身長が低く視線を隠しやすいので、可能なら視線隠しを活かして不意を突いていこう。
テクニックでどうにもならない最大の弱点がドリームトランジションの存在。
これは生存者を悪夢に引き込んでから干渉可能になるまでの猶予時間の事で、その間7秒。つまりその7秒の無敵時間の間に、生存者は安全地帯に逃げ込めてしまう事を意味している。
他の殺人鬼ならキャンプしていれば救助を阻止できるような場面でさえ、「救助者の接近」も「被救助者の離脱」も妨害できず、7秒経つまでは目の前で眺めているしかない。これが既に開いているゲートの前で行われた時には泣いていい。
関連タグ
DeadbyDaylight DbD デッドバイデイライト エルム街の悪夢
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