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レサ10000の編集履歴2018/09/25 04:17:16 版
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レサ10000

れさいちまん

国鉄が運行していた冷蔵車。鮮魚類を輸送する特急貨物列車に使用されていた。

国鉄が1966年にデビューさせた、営業最高速度100km/h(高速貨A)での運転に対応した10000系高速貨車の冷蔵車である。

主に鮮魚などを運ぶ列車に使用された。

車体

コンプレッサーや熱交換器、フロンガスなどを用いた冷却設備(冷凍機械)を持たず、ドライアイス等の冷媒を使用して車内を低温に保つ、いわばクーラーボックスのような構造の車両である。

塗色は白一色で、東海道線山陽本線などの花形路線でも、真っ白な貨車が長々と連なる様はめっぽう目を引く存在であったという。

通常の貨車であるレサ10000と、車掌室付きの緩急車レムフ10000が存在した。

レムフ10000のうち車掌室の部分だけは青色(青15号)であった。

走行装置

台車は空気ばねを使用したTR203で、これは同様の性能のコンテナ車「コキ10000」や、有蓋貨車「ワム10000」と同じである。

制動装置は貨物の積載量に応じて制動力を制御する応荷重装置と、機関車からの指令で作動する電磁弁が付いたCLE方式の制御弁が採用されたため、100km/hの高速走行中でも安全な距離で停止させることができる。営業最高速度は100km/hで当時としては最も高速で運行できる冷蔵車であった。

しかしながら、これらの装置は10000系高速貨車以外には備わっておらず、通常のブレーキ管(5kgf/cm2)の他に高圧の元空気ダメ管(9kgf/cm2)の引き通しが必要だったほかブレーキ装置の電磁弁を機関車から制御するためのジャンパ線の接続が必要だった。

連結器は、ブレーキ管と元空気ダメ管が同時に接続できる専用の密着式自動連結器である。

このため、けん引する機関車は専用の装備を持つ機種、車両に限られた。(EF66が製造された理由の1つでもある)

高速貨物列車以外の貨物列車に連結したり、一般的な機関車でけん引する事も可能ではあったが、台車の空気ばねのための圧縮空気がブレーキ管から供給されるため、通常の貨物列車に連結する際には1列車につき10000系貨車は6両以下に制限された。

また、列車掛(車掌)は特殊なブレーキ装置についての教育を終えていることが条件であったため、運用にかなり制限がある貨車であった。

冷蔵車は、生鮮食品を運ぶために専用の荷役設備がある駅同士を結ぶ限定的な運用であったため、運行上の問題はさほど大きくならなかったが、コンテナ車「コキ10000」や、有蓋車「ワキ10000」は様々な路線を走る可能性があったため、かなり気を使う存在だったそうである。

運用

基本的に同系式のみで組成された10~20両編成で運転され、大規模な漁港数箇所から集まる貨車を貨物駅で組成した後、東京・大阪などの鮮魚市場内の駅まで特急旅客列車(※)と同格の優先度で運転といった運用方法で、基本的に乗務員交代以外では停車せず途中で操車場を経由して編成組み換え作業を行うこともなかったため貨車というより14系客車などの「ブルートレイン」近かった。

  • (※)国鉄本社の指示のもと運転され、急行旅客列車より運転優先度が高かったので、時に「急行を退かせて貨物列車が往く」という具合であった。

全車が福岡県の香椎貨車区に配置され、その高速性能を活かして山口県下関市の下関貨物(幡生)駅~東京市場駅(築地市場)を27時間で結んだ「とびうお」、博多港駅~大阪市場駅の「ぎんりん(銀鱗:鮮魚の意)」といった長距離特急貨物列車に用いられた。これらの列車は運行が終了するまで比較的利用率が良かったという。

当然ながらいずれの列車も、到着日早朝に行われるせりに間に合うよう、つまりせりが始まる時間までには荷役を終えられるよう運転されていたため、夜間を走行する近畿地方から関東地方では(復路はともかく)撮影が難しい列車だった。

東京市場駅行きの「とびうお」の場合、東海道線の東京近傍に敷かれた貨物線経由ではかったr… 遅くなるので、旅客線経由で運転されていた。

前述のとおり貨車としては複雑な車両であったため、殆どの便の列車掛(車掌)は香椎など10000系貨車が配置されていた貨車区の乗務員が充てがわれた。

レサ10000型を利用した生鮮食品類の鉄道輸送は、1986年に冷蔵コンテナを通常のコンテナ列車に載せる形に切り替えられて運行が終了した。

JR貨物によって旧東小倉駅(現北九州貨物ターミナル)構内に保管されていたレムフ10000(トップナンバー)が、鉄道博物館の大宮への移転時に合わせて同博物館へ寄贈され、現在館内にて展示されている。

関連項目

貨車 鉄道 冷蔵車

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