概要
アンクウ(Ankou)とはフランスのブルターニュ地方に伝わる死神で、つば広帽子を被り黒い外套を着た長身痩躯の男であるといわれ、現地では教会の浮き彫りにされるほどポピュラーな存在であるという。
彼が手に持っている大鎌は外側に刃がある。
服の中身は骸骨であるといわれるが、見たものは例外なく死に誘われるため不明であり、俯いた2人の助手を伴い、痩せた馬が引く馬車もしくは荷車に魂を積んで運ぶ。
海や河の近くの教区を担当するアンクウはボートに魂を積んで運ぶともいわれる。
19世紀の作家アナトール・ル・ブラズ著のベストセラー「The Legend of Death」に詳しく、それによるとアンクウは死の騎士である墓場の守護者で、それぞれの担当する教区で死者の魂を集めている。
最後に回収された魂は新たなアンクウに任命され、翌年はその教区を担当することになるという。
なお、その正体は最初の死者といわれるアダムとイブの子であるという伝承もある。
ブルターニュ地方では鉄道の車輪の音は「アンクウの手押し車」、フクロウの声は「アンクウの鳥」という表現がある。
創作での扱い
- L'Ankou
ジャン=クロード・フルニエによる漫画作品。原子力発電所に反対するアンクウが登場。
- 女神転生シリーズ
初出は『女神異聞録ペルソナ』でアルカナDEATHのペルソナとして登場。赤いつば広帽子を被り、外套をまとった前足が鎌状になった獣骨という姿。園村麻希、黛ゆきの、城戸玲司の3名が降魔可能で、戦闘不能になった仲間をゾンビとして蘇らせる特殊魔法「ドロイド」を持つ。
なお、コミカライズを担当した上田信舟氏が園村麻希が召喚した姿をイラストに描いていたため(一時はpixivでも公開されていた)に、投稿されたアンクウタグの作品はこの組み合わせである。
『ペルソナ2』の「罪」では蟲の尾から上半身が生えた姿、「罰」では人型の死神に姿になった。召喚時の台詞はマッド系で「ず、ずっどぉ~ん!!うぉ、うぉ、俺はアンクウ!!うぉ、うぉ、お前もアン・クウ・トロワ!!」。