概要
別名アメリカアカシカ。
体長1.6~2.7m、肩高75~150cm、体重80~340Kg。
特徴
北アメリカに住む大きなシカ。アメリカやカナダでは「エルク」と呼ばれることが多い。但し、ヨーロッパで「エルク」といえば、手の平のような角とウマのような顔をした世界最大のシカ、ヘラジカを指す。こちらは二番目に大きい種類であり、特に「ルーズベルトエルク」や「オリンピックエルク」と呼ばれる種類は体長3m、体重600kgに到達し、体長だけならオオツノジカやヘラジカに次いで 3m の大台に乗る。
秋、ワピチの雄達は雌の群れに近づく。ライバルの雄が現れると、角を見せつけたり、大きな吠え声を上げたりして強さをアピールする。それで決着がつかないと、角を突き合わせての戦いとなる。このような争いに勝った、角が立派で体の強い雄だけが、多くの雌と結婚するのである。やがて冬がくると、角は抜け落ちる。このようなことを毎年繰り返しているうちに、大きな角を生やす遺伝子を持った雄の子孫が残っていくのである。
系統
ワピチは、ヨーロッパのアカシカに似ており、これまではワピチはアカシカと同じ種類かどうかで異なる説があり、学者の間でも意見が分かれていた。近年、遺伝子調査により、一見よく似たアカシカよりも、姿が離れたニホンジカに近いグループに属するという。収斂進化の一つだろうか。