概説
東京都出身。
1977年よりテレビ朝日に入社。84年にフリー宣言し、現在もフリーアナウンサーとして活躍中。
特に1980年代のプロレスブームにおいて、その圧倒的ボキャブラリーを土台とした実況で数々の名文句を発信し、臨場感たっぷりに捲し立てるスタイルを得意とした。
その語り口で白熱する試合をさらに盛り上げ、当ブームの貢献者の一人に揚げられる。
「おーっとぉぉ!?」という代名詞といえる感嘆に始まり、「戦いのワンダーランド」「人間山脈」「ブレーキの壊れたダンプカー」「現代に蘇ったネプチューン」「肉体のローマ式戦車」「長州・藤波名勝負数え歌」「猪木よ、藤波を愛で殺せ」「闘いの学び舎に帰って参りました」「掟破りの逆サソリ」……等々、当時のファンですら感服する数えだしたらキリがない名文句製造マシンとして今なお語り草となっている。
一例:「伝説のレスラー 番外編」、wikipedia:古舘伊知郎「古舘語録」
フリーアナウンサーとなってからは、その独特の語り口からバラエティー番組の司会進行を各局で歴任。
特にTBSのスポーツバラエティー番組『筋肉番付』『スポーツ王No.1決定戦』では、スタジオで司会進行を担当する傍ら、実際の競技でも昔取った杵柄を大いに活用している。
2004年から、古巣のテレビ朝日の看板報道番組『ニュースステーション』が『報道ステーション』にリニューアルされ、メインキャスターの久米宏からバトンを引き継いで報道ステーションの初代メインキャスターに就任する。
同時にこれまでオファーを受けていた仕事を一切辞退し、一時的にテレビ朝日の専属アナウンサーに帰参するかたちを取った。
それから12年後の2016年、番組を降板し、富川裕太アナウンサーに後を任せてフリーアナウンサーに返り咲いている。
エピソード
- 幼少期は口達者な母と姉に挟まれていたため、むしろ無口で根暗、健康優良児を目指して大食に勤しむ肥満児だったという。
- 小学生時代にプロレスと出会い、200名以上のプロレスラーの名前を暗記。しかし母は世界中の女優の名前を丸暗記する驚異の特技を持っていることを知り、負けじ魂に火が点いて「プロレスラー名簿vs女優名簿」という意地の張り合いを開始する。これを古舘氏はアナウンサーの出発点と考えている。
- 姉もアナウンサー志望だったため、のちに古舘氏のアナウンサーの夢を後押ししてくれたという。
- 立教大学に入学し、徳光和夫やみのもんたといった同大学出身の大先輩に憧れてアナウンサーを目指す。
- 入社後に「君なら立派なアナウンサーになれるよ」とみの氏からリップサービスを受けるが、これを薫陶としてみの氏のカバン持ちに立候補してその座を射止め、彼から直に技を盗む日々を送った。
- プロレス業界からの信望も厚く、フリー宣言後に初代タイガーマスクの「タイガージム」開設祝賀会にも個人として呼ばれ、司会進行を担当している。
- ザ・タイガーへの改名や、山崎一夫の新日本プロレス離脱&インストラクター就任も発表されたが、既に古舘氏がテレビ朝日退社が公然の秘密と化し、また「古舘は不利益になるようなことを語ったりはしないだろう」と信用されていたため、敢行されている。
- 『ニュースステーション』の久米宏氏とは複雑な関係。古舘氏の『報道ステーション』のキャスター就任に対して、「特に何も言うことはない」としたことから、当初は古舘氏の久米氏への印象は悪いものへと転じている。
- しかし後年、互いに立場の違いから理解の齟齬が発生したことを、双方とも自然と覚ることとなり、現在では互いにそこまでの悪感情を抱いてはいない。
- 『報道ステーション』での失言、及び開き直りとも取れる言動から「フルタチる」というスラングが生まれる。元ネタは朝日新聞を揶揄する「アサヒる」から。
- これは前任の久米宏が番組中に様々な論を展開する時間が多かったことを受け、古舘氏なりにフリートークの時間を設けて持論を展開した結果、私情を挟んで誤解を招く姿が目立ち、それについて自ら弁護する姿を皮肉ったことから発生した。
- のちに久米氏本人は、「実際に自分が自由にしゃべった時間は数分程度。あとはすべてニュース原稿としてチェックを入れていた」と明かしたうえで、「自分のやり方を誤解されて『とにかく喋る必要がある』と思わせてしまったのかもしれない」と見解している。
- これは前任の久米宏が番組中に様々な論を展開する時間が多かったことを受け、古舘氏なりにフリートークの時間を設けて持論を展開した結果、私情を挟んで誤解を招く姿が目立ち、それについて自ら弁護する姿を皮肉ったことから発生した。
- 2017年に『けものフレンズ』ついて自らのラジオ番組で言及したが、好印象が持てないことに加えて声優の演技に苦言を呈したこと、さらに発言内容から同番組を視聴したことのない「イッチョカミ」である疑惑が浮上し、ファンから総叩きを食らって炎上したことがある。
- 一方で問題の発端である『ミュージックステーション』に出演した同番組のテーマ曲を担当する「どうぶつビスケッツ×PPP」の態度が、キャラ付けの一環とはいえ芸能界の大御所であるMCのタモリに対して馴れ馴れしかったのは事実であり、タモリ氏も終始事務的に彼女たちのトークとテンションを受け流していた節があったのも事実である。
- 古舘氏はタモリ氏にも敬意を抱いており、これを受けての批評と見られている。
- 一方で問題の発端である『ミュージックステーション』に出演した同番組のテーマ曲を担当する「どうぶつビスケッツ×PPP」の態度が、キャラ付けの一環とはいえ芸能界の大御所であるMCのタモリに対して馴れ馴れしかったのは事実であり、タモリ氏も終始事務的に彼女たちのトークとテンションを受け流していた節があったのも事実である。
- 息子・古舘佑太郎は俳優・歌手として活躍中。