存在自体がネタバレのため、『ゼノブレイド』クリア済みの方のみ閲覧をお勧めします。
CV:浅沼晋太郎
概要
ゼノブレイドの主人公であるシュルクに瓜二つな姿、同じ声の青年。地球が存在するいわゆる「現実世界」の人間で、研究者(おそらくは物理学者)であり創世に関わる重大な研究を行っていた。神に憧れており、人類が神に近付く為として相転移実験を実行。そしてその結果彼は新しく生まれた宇宙で巨神となり、ゼノブレイドの世界を創世することになった(詳細はこちら)。
『ゼノブレイド』に登場するモナドに漢字(つまり地球の文字だが、作中では未知の文字とされている)が浮かぶのは、モナド、ひいては世界を創世した彼が地球の出身だからである。もっとも、巨神=ザンザが地球人クラウスの記憶を持っている描写はないが、モナドに浮かんだ「神」の漢字を見て何の意味か悟っているため地球で得た知識などは引き継がれているようである。
これより先は、『ゼノブレイド2』のネタバレなので注意!
更に、続編『ゼノブレイド2』にも終盤で登場。たびたび作中で「神」と言及されてきた存在は彼であることが判明する。老人の姿となっており声も嗄れてぼそぼそと話すようになっているが、演じるのは同じく浅沼晋太郎。
『1』のクラウスと同一人物であり、『1』と『2』の世界は彼が相転移実験を行って新しく生まれた世界と荒廃してしまった元の世界の成れの果て、という両作の舞台が一種のパラレルワールドであることが明かされる。
相転移実験によってクラウスは左半身を異次元に飛ばされ、右半身しかなく左半身が闇に包まれたような異形の姿をしている。この異次元に飛んだ左半身というのがザンザのことであり、ザンザが「自分が元はクラウスという地球人から分かれ出た分身」とは認識していない一方でクラウスは自分が2つの次元に分裂していることを知覚している。「向こう側の私(=ザンザ)が潰える時が近い」と、ザンザが予期していなかったシュルクへの敗北を未来視できている上、シュルクがザンザに言ったセリフが聞こえていることから、かなりザンザ側の状況も把握できていると思われる(クラウスとザンザの性格・言動はかなり異なるため、ただ知覚しているというだけで、ザンザの言動を操ることまではできないと思しい)。
第10話冒頭で『1』と同じ相転移実験実行のシーンが描かれるが『1』よりも状況が拡大解釈されており、実験を強行したのは当時起こっていた激しい生存競争で地球・宇宙を焼き尽くす人間達の姿を嘆き、「ゲート」の力を使ってその現状を打破できると信じて同僚のガラテアの制止も聞かず「ゲート」を作動させた結果だと明かされた。が、結局はそれによって望んだ結果を得ることはできず、世界を荒廃させてしまった。
その後、身体と魂が引き裂かれてなお一人生き残った彼は贖罪として新たな世界再生計画を始動、コアクリスタルと雲海、そしてそれから生まれた巨神獣を基礎とした生命循環システムを構築し、これが『2』の舞台である「アルスト」の原型となった。さらにそこに知的生命体が栄えるようになるとコアクリスタルに「ブレイド」としての変化機能を与え、彼等とその種族を共生させてブレイドを介してその種族らの精神に関する情報も集めていた。
「己のために世界がある」と言わんばかりに独善的思考が強く角が立つ言動が多いザンザとは対照的にクラウスは「世界のため」を思っており、自らのせいで世界を破壊してしまったことへの罪悪感を何千年・何万年というスケールで背負い続けたためかどこか自罰的な所がある。当初はかつての過ちを繰り返さぬようアルストの生命には自分たちとは異なる精神構造を持つ種族になることを期待してたようだが、どれだけ時間が経っても人間の本質が結局愚かだった自分達と何も変わらないことに諦観と失望を抱き、もはや世界がどうなろうとどうしようもないとアルストをほとんど放置している状態であった。
しかし、自分たちの意思でゲートの力を引き出したレックスとプネウマの姿を見て考えに変化が生まれ、その後二人と直接会話したことで再び未来に希望を見出し、ロゴスによる世界の破壊を阻止しようとする彼らを送り出した。
そしてレックスが全ての決着をつけるとそれとほぼ同時に向こうの半身は滅ぼされ、自分も消滅する間際にレックスらを次代を担う者達と認めて星を覆っていた雲海を取り払い、地表全体をアルスト人に開放した。
かなり対照的なクラウスとザンザだが、クラウスによればそれもまた己の心の中の一面であり、誰しもがそういった表と裏を抱えているという。パーティメンバーの心の裏を見せる幻影はそのことを伝えるためとされている。