緩急車は、機関車等にけん引される車両のうち、列車の運行に関わる業務を行う車掌が乗務し、列車の運行状態の監視など必要な業務を行うことができる設備のある車両である。この場合の車掌の行う業務については「車掌車」の項が詳しいので御参考に。
日本では緩急車のうち、車掌が乗務する設備のみがある車両を「車掌車」、貨車や客車に車掌が乗務する設備を据え付けた車両を「緩急車」と呼ぶことが慣例的となった。
国鉄では車掌車は「ヨ」、客車や貨車に車掌室がある車両には、元となった車両の形式名に「フ」を付ける決まりであった。
戦後の台湾では、日本領時代「フ」を付けていた客車には同じ意味で「K」を付した。”BraKe van"から字の重複しないもの、あるいは"Keeper"(中国語で車掌車を「守車」という)のどちらかが理由と推測される。
但し国鉄客車の場合、構造・用途上車掌室が必ず付く前提の車種(荷物車・郵便車・展望車)はこの「フ」を原則省略していた。例外は50系客車(座席車)改造の「オニ50・オニフ50」で、そもそも「荷物車」という用途自体が便宜的なものだったためである。
アプト式時代の信越線では当初は通過する列車に貫通ブレーキがまだ装備されていなかったため、ラック軌条区間でブレーキをかけるためのラック軌条用のブレーキ付き歯車を装備したブレーキ車が存在し、この車両は「ピフ」という記号を割り当てられた(ピは「ピニオン」の意味)。