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概要編集

台湾国有鉄道のうち、中華民国交通部が管轄していた。中華民国交通部は日本の国土交通省にあたる。

ちなみに台湾の国有鉄道は台鉄のほかに、林業用に由来し林務局(日本の農林水産省にあたる)の運行する阿里山森林鉄路がある。


歴史編集

1887年6月9日に全台鉄路商務総局によって設立。1891年に台北~基隆が開通した。1893年に台北~新竹が開業。台南まで延伸工事をしたものの、その途中で台湾は日本統治に入って中断した。この路線は規格の低さと水害に悩まされた。


1895年に鉄道連隊により暫定的に運行が引き継がれたものの、1899年に総督府の管轄下に置かれた。

台湾総督府鉄道は既存の路線の大幅な改築と、路線の高雄までの延伸を決め、1908年に高雄まで全通した。一方東海岸では花蓮~台東にナローゲージ路線「台東線」が1926年に開業している。この後も多くの路線が建設されていき、最盛期には急行列車も走るようになった。


1945年の敗戦で中華民国によって台湾鉄路管理局と改組された。鉄路節も大陸のものに変更した。(但し、大陸の鉄道記念日も6月9日である。皮肉なことに基準年以外はなにも変化がなかった。)国共内戦により軍事的要求から鉄道インフラはさらに強化され、狭軌への統一や主要区間の電化が進み、1991年までには台湾を一周する鉄道が開通した。


負債を抱えていたため2000年代に入ると政府主導のもと「国営企業化」の改革が行われ、2024年1月1日付けで国営台湾鉄路(国営台湾鉄路股份有限公司)に改称し現在に至る。将来的な完全民営化も視野に入れている。


運行形態と運賃編集

日本の特急に相当する自強号、急行に相当する莒光号(キョコウ号)、準急に相当する復興号、快速に相当する区間快車、普通列車に相当する区間車、普快車を運行している。台北と高雄の2大都市圏と地方都市との連絡を中心とした運行ダイヤが組まれ、前述の2大都市圏とその周辺では都市近郊鉄道として都市圏輸送も担っている。


列車の運賃については列車ごとに別々の運賃体系があり、日本のように運賃の上に特急料金などを上乗せしていく形ではない。たとえ同一種別の列車同士であっても、2列車以上を乗り継ぐ場合は運賃の通算が行われない。莒光号以上の種別は原則全席指定で、混雑区間の普通車に限って「自願無座」という日本で言う立席特急券が発売されることがある。観光列車や一部の莒光号には日本のグリーン車に相当する「商務車」という特別席が設定されているが、乗車券以外の料金券が存在しないため、この車両・座席には上位種別の料金が適用される。つまり莒光号の商務車は自強号の運賃が適用される。

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