国家錬金術師とは、荒川弘の漫画『鋼の錬金術師』に登場する職業・資格である。
概要
アメストリスにおける国家資格の一つ。
その名の通り、政府直属の錬金術師として国家に服従して研究を進め、その見返りとして莫大な研究資金と様々な特権を与えられる。また資格者の証として称号と大総統府紋章の六芒星の入った銀の懐中時計を与えられ、国家錬金術師は自身の別称として「~の錬金術師」と名乗れるようになる。
管理は大総統府の直轄であり、少佐クラスの軍事的権限を有し、一般では立ち入れない様々な施設への出入りを許可される。そのため直接軍に所属する錬金術師も多い。
その一方、「錬金術師よ、大衆の為に在れ」という錬金術師の基本にして理想たる倫理感に反するため、一般的な錬金術師からは『軍の狗(いぬ)』と呼ばれて犬猿されている。また、研究費は国家財政、つまりは税金から支給されているため、研究成果の見えにくい国家錬金術師たちに対して、一般市民からもあまり良いイメージは持たれていない。
国家錬金術師の三大原則
国家錬金術師になると以下の三つの原則の厳守を義務付けられる。
一、人を作るべからず
一、金を作るべからず
一、軍に忠誠を誓うべし
一つめ、二つめは倫理観や経済バランスの崩壊を招くため、三つめは国家から支援を受けることへの見返りとしての義務である。
特筆すべきは三つめであり、この義務には国家が有事の際には戦力としても登用することが含まれており、イシュヴァールの内乱の際には、多くの国家錬金術師たちが戦力として徴兵された。彼らの一騎当千の人間離れした強さから、味方からも『人間兵器』と呼ばれ、畏怖と侮蔑の視線を向けられることとなった。
補足ではあるが、一つめと二つめの原則には、まったく別の意図が含まれている。
(ネタバレ要素が強いため、気になる方は本編を購読しよう!)
査定
年に一度、研究成果を軍に発表・報告する義務がある。
元来、国家直属の研究員であるため、研究成果をなせない者は不要とし、査定に合格しなければ資格剥奪の危機にさらされる。
ただし軍人として所属する国家錬金術師の場合は、普段の勤務態度がそのまま査定対象となっている。
作中に登場した国家錬金術師
- エドワード・エルリック (鋼の錬金術師)
- ロイ・マスタング(焔の錬金術師)
- ショウ・タッカー(綴命の錬金術師)
- アレックス・ルイ・アームストロング(豪腕の錬金術師)
- バスク・グラン(鉄血の錬金術師)
- ゾルフ・J・キンブリー(紅蓮の錬金術師)
- ジュリオ・コマンチ(白銀の錬金術師)