※ネタバレ記事。自己責任でお読みください。
概要
プロフィール
死穢八斎會の施設から脱走した際に、パトロール中の緑谷出久、通形ミリオと遭遇したことで、その存在が明らかになった。
その後、ナイトアイ事務所が死穢八斎會の捜査を進める内に、治崎の計画の一端と、治崎が彼女に行う常軌を逸した虐待の事実が明らかになり、全国関係各所から集められたヒーロー達が一丸となった大規模な救出作戦が計画されることになる。
彼女と死穢八斎會にまつわる一連のエピソードは、非常に重いテーマを扱った作中でも屈指の鬱エピソードとなっている。作者の堀越先生も描くのが辛かったという。(外部リンク)
人物
非常に特異で強力な個性を持った少女だが、その個性故に治崎に囚われ、長い間死穢八斎會の施設内での生活を強いられている。
治崎による日常的な暴力と思考誘導によって強い洗脳状態に陥っており、「いつも自分のせいで誰かが死ぬ。」、「自分が我慢さえすれば、だれも傷つかずに済む。」という自罰的な思考に囚われている。彼女が暴力を前にしてじっと耐えるように目をつぶるのは、日常的に与えられた逃げることのできない恐怖の証である。
パトロール中の出久達と遭遇した際には、彼らからの詮索を嫌う治崎と、捜査続行のために穏便に場を収めようとするミリオ、そして虐待の疑いを見過ごすことができない出久。三者の間に緊張が走る中、治崎が暗がりで殺気を放ったことで、最終的には彼女自らの意思で治崎の元へと戻された。
救出作戦の決行時にも、彼女にとっては希望よりも、ヒーロー達が治崎に殺されることへの恐怖が上回っていた。しかし自分のために命がけで戦う多くの人々と、その想いを目の当たりにする中で、ついに彼女の中で「救からなくては」という意志が芽生え始め、出久と共に自分の力で治崎に立ち向かっていく。
救出後は病院に入院し、経過を観察した後、その個性を抑えることができる相澤の元に一時預かりとなる。本来の彼女は他人思いの心優しい少女で、入院中は自分が高熱にうなされている間にも、ミリオや出久、サーの怪我のことを心配していたらしい。
治崎によって与えられた心の傷はいまだに根深いものの、雄英文化祭などを経て、徐々にではあるが、笑ったり泣いたりする年相応の心を取り戻しつつある。
当初は治崎の娘と考えられていたが、後に死穢八斎會の現組長の孫であることが明らかになる。(もっとも血縁というのは組長の家出娘の証言であるため、こちらの事実関係も定かではない)。その母親が言うには、個性を発現した際に、壊理は自分の父親を服だけを残して消してしまったらしく、その事件によって彼女は「呪われている」と母親から恐れられていた。
容姿
腰近くまである無造作な白い髪、赤い瞳と額の右側に生えた茶色味掛かった角が特徴。
服装は色味のないボタン留めのワンピース。手足にはびっしりと包帯が巻かれており、左腕の包帯の下は切り傷のような跡がいくつも確認できる。
長らく配色がはっきりしなかったため、pixivでの初期の投稿作品は金髪だったり緑髪だったりしている。後に本誌のNo.153のカラーにてようやく本来の配色が判明した。
救出後は院内の看護師が見繕った子供服を着ている。最初は相澤が外出用の衣服を購入したのだが、普段着が極めて合理的な相澤にはハードルが高かったらしく、上下セットのフリル付きGANNRIKINEKOキャラプリントトレーナー(激ダサ)を危うく着せられるところだった。
個性(ネタバレ注意)
巻き戻し:触れた生物を中心に、対象を過去の構造へと直す個性。
治崎曰く「この世界の理を壊す程の力」。詳細は不明だが、父方、母方のどちらの系統にも属さない突然変異的な発現であるようだ。
怪我をした人間に使用すれば怪我をする前の状態に戻すことができる。しかし調整を誤れば、その対象が完全に消えるまで巻き戻してしまう(有精卵以前の状態に戻される)。この個性を研究した治崎によれば、使い方によっては単なる時間的な巻き戻しに留まらず、進化の系譜を辿りヒトを猿の状態へ退化させることさえもできるらしい。
壊理はこの個性が発現してから個性使用訓練を受けていないため、自分の力では個性をコントロールすることができない。それどころか自力で発動を止めることもできないため、一度触れたものを際限なく巻き戻してしまい、さらに戻す勢いは徐々に増して暴走状態になる。
個性が暴走した際に額の角が肥大化し、発動中は角から光のようなものが迸る。このことからも、この"角"が彼女の個性に大きく関わっていると推測されている。
治崎は彼女の個性を利用して「個性を持ってなかった頃の人類に退化させる銃弾」を開発。同時に弾丸の効果をキャンセルする「血清」と呼ばれる薬品も開発した。
これらの開発のために、治崎は壊理の身体を日常的に切り刻み、個性が暴走した際には壊理の肉体を分解することで強制停止させていたという。その想像を絶する苦痛は、幼い少女の心に計り知れない傷を植え付けており、救出直後の彼女はまともに笑うことすらできなくなっていた。